羨ましい.....
ではどうぞ!
「お邪魔しまーす.....」
「はーい!いらっしゃいゆう君!」
何故か穂乃果の家に泊まりで勉強することになった俺は満面の笑みの秋穂さんに迎え入れられる。
「穂乃果と海未ちゃんは先に部屋で勉強としてると思うから」
「は、はい....お世話になります」
やっぱ今からでも帰った方がいい気がする.....
「自分の家だと思ってくつろいでね!」
「はは....」
そんなことが出来るはずがない。
俺はすぐに階段を上って穂乃果の部屋の扉を開ける。
「おーい、きた.....ぞ?」
部屋を見ると......参考書の山に囲まれた穂乃果と傍に仁王立ちしている海未が目に入る。
俺は黙って扉を閉め、階段を下りる。
「帰ろ.....」
そしてちょうど玄関にいたことりと鉢合わせてしまう。
「ゆー君?どうしたの?」
きょとんとしたことりを見て俺は額に手を当て、天を仰ぐ。
「いや.....家に忘れ物してな......」
「そうなの?じゃあ鞄穂乃果ちゃんの部屋に持っていってあげるね♪」
「わー助かるなぁ......」
これで完全に逃げ道は失われた。
しばらく外で時間を潰して、穂乃果の部屋に戻る。
「優!遅いですよ!」
さっきと寸分違わず仁王立ちのままの海未がいた。
「でも.....俺やることないし、晩飯作る手伝いでもしてくるよ......」
簡単な物しか作れないが、それでも泊めてもらう身だからな。これぐらいはしないと......
まああの部屋から逃げたかっただけだ......
「秋穂さん、手伝います」
「ありがと~!ゆう君はいい旦那になれそうね!」
「いえ、別に.....」
照れ隠しで頬をかく。
それからしばらくは料理を作ることに集中する。
「じゃあ、穂乃果たち呼んできます」
夕食を作り終えた俺は階段を上る。
「おい、ご飯だぞ」
「え!?本当!?もう穂乃果お腹ぺこぺこだよ~!!」
穂乃果は1番に部屋を飛び出していく。
「ゆー君も作ったの?」
「あぁ、手伝いだけだけど」
俺の家は何故か全員料理が出来る。
滅多に母さんが帰ってこないために家の家事はローテーションだ。よって、必然的に家事がみんな出来るというわけだ。
うん、味はいつも通り普通だな。
「謎の女子力ですね.....」
海未がちょっと落ち込んでいる。
「ゆう君と結婚すればいい家庭が築けそうね!」
秋穂さんが無邪気にそんなことを言ってしまう。
「け、結婚.....ゆう君と!?//////」
「ゆー君と結婚かぁ~/////」
「優!?け、結婚などと......その、は、破廉恥です!//////」
「俺は悪くないはずだ!//////」
そりゃ、穂乃果やことり、海未たちが奥さんなら毎日がきっと楽しいことになると思うけど.......
秋穂さん以外、顔を真っ赤にしてする食事となった。
***
「よし、勉強だ」
穂乃果の部屋に戻るとすぐに教科書を開こうと手を伸ばすが、ふと喉が渇いていると思った。
「俺なんか飲み物買ってくるけど、何かいるか?」
「お菓子!」
「太りますよ?私も飲み物をお願いします」
「私もついていくよ、ゆー君1人じゃ荷物持ち大変だろうし.....」
いい子だ......
「じゃ、行ってくる。ちゃんと勉強しろよ?」
「任せて下さい!私がきっちり教えますから!」
ことりと一緒に外に出て、コンビニに行く。
しばらく俺たちの足音だけが辺りに響く。
「そういえば、ゆー君の中学校からの話とか聞いてみたいな♪」
「は?どうしたんだ?突然」
「ゆー君のことは昔のことしか知らないから.....ダメかな?」
ことりは軽く首を傾げる。
それは反則だろ......男なら大体勝てないだろう。特にことりみたいな可愛い子が相手なら。
「まあ.....いいけど」
中学生か.....
『お前さえいなければっ!!!!!』
『やめろ!!』
「っ!!」
「どうしたの?」
一瞬、思い出したくないことが頭をよぎる。
「いや、なんでもない、そうだな.....今とあまり変わらなかったと思うぞ?」
「部活には入ってなかったの?」
「一応.....運動部と生徒会に入ってた」
ことりが目を丸くする。
「えぇ!?初耳だよ!?」
「そりゃ初めて言ったからな」
それが......あんなことになるとか思ってなかったけど.......
「何部だったの?」
「まあ、バスケ....だな」
ちょうどコンビニの光が見えたため、話を打ち切る。
「この話はまた今度な!」
「え、あ、うん!」
俺が急いで話題を切ったことに違和感を覚えたんだろう、ことりは不思議そうな顔をしていた。
***
「あれ?穂乃果は?」
買い物を終えて、部屋に戻ると穂乃果の姿が見えない。
「あぁ、顔を洗いに」
「そうか」
俺が腰を下ろそうとすると
「待ってください、優はそのままお風呂に入ってきてください」
海未が風呂を勧めてくる。
「俺はあとでいいよ?」
「私たちが入ったお湯で何をする気ですかっ!?」
海未が自分の体を抱くようにする。
「想像力逞しいなおい!?何もしない!!!!」
濡れ衣にもほどがある。
「でも、俺が先に入ると男が入った湯につかることになるぞ?」
「お湯を入れ替えれば大丈夫です!」
「俺そんな汚れてないよ!?」
「冗談です、それにいつもお父様が入ったお湯にも入ってますから.....優なら大丈夫だと思います....早くしないとあとがつかえてますから.....」
しょうがない、この涙を汗と一緒に水で流してしまおう........
俺は着替えを持って風呂場に向かう。
脱衣所で服を脱いで、とりあえず腰にタオルを巻いて、風呂場に足を踏み入れる。
「シャワーっと.....」
さっさと髪と体を洗ってここを出よう......
手早く各部を洗い、湯船につかる。
「あ~疲れた~!」
そんな声が脱衣所から聞こえてきたと思ったら風呂の扉が勢いよく開く。
「「え?」」
お互いの声が重なる。
「ゆう君!?何で!?」
扉を開けて入ってきたのは穂乃果だった。
「穂乃果こそ!?」
「海未ちゃんかことりちゃんかと思って!!」
俺は全力で穂乃果から目を背ける。
風呂場ということは当然穂乃果も裸だった。しかも海未かことりが入ってると思っていたと思っていたためタオルのガードが甘く、色々と見えてしまいそうだった。
女の子特有の柔らかそうな体、穂乃果の意外と大き目に見える胸、タオルによってそれは隠されているが、それが余計に想像を掻き立ててしまう。
刺激が強すぎる!!
「俺が出るから目を瞑ってろ!!」
雑念を掻き消すように風呂場から飛び出し、体を適当に拭いて服を着て、そのまま2階へ戻った。
「優?どうしたのですか?そんなに慌てて?」
部屋に戻った俺は静かに膝をつく。
「ゆー君!?どうして扉に向かって土下座してるの!?」
数十分後、穂乃果が戻ってくるまで、俺はその体制で待ち続けた。
そして、この宿泊の間はお互いに顔を見て話せなかった。
-To be continued-
まあ普通は穂乃果が悲鳴をあげて、海未、ことりがそこに来て優くん修羅場でもよかったんですけどねw
あまりのことに声も上げられなかったってことで!
次回もよろしくお願いします!