ラブライブ!~未来へ響く多重奏~   作:朝灯

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今のペースでいくとギリギリってところですね......

話もろくに思いつきませんけどw

ではどうぞ!


見える影は遠い

テスト期間が終了した。

 

テストが返却されて、反応は人それぞれだ。

 

頭を抱える者、机に突っ伏す者、ガッツポーズをする者。

 

俺はそんな喧騒の中、部室へと駆け足で向かう。

 

「みんな、お疲れ」

 

部室に入ると同時に、俺はねぎらいの言葉をかける。

 

「ゆーサン!見て見て!」

 

凛が英語のテストを見せてくる。50点を超えている。

 

「やったな凛!真姫も花陽もお疲れ!」

 

赤点回避.....あとにこ先輩と穂乃果か.....

 

「にこにーにかかればこんなの余裕よ!」

 

にこ先輩が自慢げにテスト用紙を見せてくる。

 

「ふう、これで一安心だな」

 

先輩の点数も赤点ではない。

 

「あとは穂乃果ですね.....」

 

海未が心配そうに呟く。と同時に部室の扉が開く。

 

みんなが真剣な目を穂乃果に向ける。

 

「どうだった?」

 

「今日で全教科返ってきましたよね?」

 

「うん......もっといい点数だったらよかったんだけど.....」

 

その反応.....まさか、赤点!?

 

「じゃーん!!」

 

穂乃果が手に持ってる答案を凝視する。....53点.....セーフだ!

 

穂乃果は俺たちにVサインを向ける。

 

これで俺たちはラブライブにエントリーすることが許されたわけだ。

 

「よぉ~し!今日から練習だ!」

 

早くも練習着に着替えた穂乃果が部室を飛び出していく。

 

屋上に行く前に、ひばりさんに報告のため、理事長室の前に行く。

 

穂乃果がノックをするけど、中から返事はない。

 

「留守か?」

 

「ん~?」

 

穂乃果は少しだけ扉を開けて中を覗く。

 

綾瀬会長とひばりさんの姿が見える。

 

「そんな!?説明してください!」

 

「ごめんなさい、でもこれは決定事項なの」

 

何だ?何の話をしてるんだ?

 

「音ノ木坂学院は......来年より生徒募集をやめ.....廃校とします!」

 

どういうことだ!?

 

俺たちは全員で顔を見合わせる。

 

「今の話!本当ですか!?」

 

穂乃果が扉を開け、中に入る。

 

「あなた!?」

 

綾瀬会長が焦った声を上げるが、今は構っている場合じゃない!

 

「本当に廃校になっちゃうんですか!?」

 

「本当よ」

 

特に焦りを感じさせない声でひばりさんは淡々と返してくる。

 

「お母さん!そんなこと全然聞いてないよ!?」

 

「お願いします!もうちょっとだけ待ってください!あと1週間!いや、あと2日で何とかしますから!!!」

 

落ち着け.....こういう時こそ平常心だ。自分より焦っている人を見ると、自然と落ち着いてくる。

 

「いえ、あのね?廃校にするというのはオープンキャンパスの結果が悪かったらという話よ?」

 

「つまり.....一般の人を呼んでアピールすると?」

 

「中学生たちにアンケートを取って結果が芳しくなかったら廃校にする。そう綾瀬さんに言っていたの」

 

「なんだ......」

 

「安心している場合じゃないわよ?」

 

綾瀬会長の言う通り、全然安心できる状況ではない。

 

「オープンキャンパスは2週間後の日曜日、そこで結果が悪かったら本決まりってことよ」

 

その言葉に穂乃果たちは狼狽える。

 

「理事長!オープンキャンパスの時のイベント内容は生徒会で提案させていただきます!」

 

「止めても聞きそうにないわね.....」

 

綾瀬会長の雰囲気から全てを悟ったのだろうひばりさんは言葉通り止めることはしなかった。

 

「失礼します」

 

会長はすぐに出ていってしまう。

 

「何とかしなくちゃ!」

 

「その前にみんなに伝えるのが先だ、行くぞ」

 

***

 

「凛たち下級生のいない高校生活!?」

 

「そうなるわね」

 

あの場にいなかったメンバーにさっき聞いたことを伝える。

 

「私はそっちの方が気楽でいいけど」

 

「とにかく!オープンキャンパスでライブをするぞ!それで入学希望者を少しでも増やすしかない!」

 

自分で言っといてあれだと思うが.....今のままじゃとてもいけるとは思えない。

 

あの綾瀬会長のバレエが頭をちらつく。あれぐらい出来ないと.....

 

「とにかく練習しようよ!」

 

穂乃果の声でみんなが階段を上がっていく。

 

「優、やはり.....今のままでは.....」

 

「あぁ、とてもじゃないが、無理だ」

 

海未も同じ結論に至っているようだ。

 

「とにかく.....今は練習するしかない、俺たちもいこう」

 

「えぇ.....」

 

屋上に出ると、凛と花陽が駆け寄ってきた。

 

「あ、あの優さん」

 

「凛たちちょっとアルパカの世話に行ってくるにゃ!」

 

「あぁ、花陽は飼育委員だっけ、いいよ、いってこい」

 

正直アルパカにはいい思い出がないなあ.....

 

「ゆーサンにも手伝って欲しいにゃ」

 

「その....重い物を運ばないといけないんです」

 

「なら、仕方ない....穂乃果先に始めててくれ」

 

上がったばかりの階段を駆け下りる。

 

飼育用の物が置いてある倉庫について、中を見る。

 

「干し草.....確かに重そうだな」

 

近づいて箱を持ち上げると中々重量があった。

 

「これをアルパカのとこまで運べばいいんだな?」

 

「はい」

 

「そうだにゃ!」

 

花陽たちの指示に従って、俺は干し草の入った箱を持って着いていく。

 

「あれ?生徒会長.....さん?」

 

アルパカ小屋の前に着くと、そこに数人ほど人がいた。綾瀬会長の姿も見えるから....生徒会の何かかな?

 

「あなたたち.....」

 

綾瀬会長も俺たちに気づく、それと同時に周りの人が声をかけてくる。

 

「あ!あなたたちμ’sの!」

 

「そうですけど....」

 

「ちょうどよかった!ちょっとお願いがあって!」

 

「待ちなさい!まだ何も決まっていないでしょ!」

 

その喧騒は綾瀬会長の一喝ですぐに消える。

 

「まあ俺たちアルパカの世話しにきただけなんで....ねっ!」

 

俺が近づいた拍子に茶色いアルパカがいつものようにつばを飛ばしてくるけど、躱して箱を置く。

 

「ふぅ、じゃ練習に戻るか!」

 

「ゆーサンすっかり手慣れてるね!」

 

「そりゃ毎回吐かれてれば嫌でも慣れる」

 

「ハ、ハラショー.....」

 

何かいつもとは違う綾瀬会長の呟きが聞こえたが、特に気にせずに校舎に戻る。

 

やっぱ生徒会は生徒会で苦労してるんだな......さっきの様子を見てそう思った。

 

***

 

「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト!」

 

手拍子は俺がして、穂乃果がリズムを取る。その掛け声に合わせてみんながポーズを決める。

 

「おぉ!みんな完璧!」

 

穂乃果はそう言うけど、納得をしていない人物がこの場にいる。

 

あの綾瀬会長のバレエを見てしまった俺と海未だ。

 

だから....俺はこう告げるしかない。

 

「ダメだ......まだタイミングがずれてる、もう一回だ」

 

「優の言う通りです.....」

 

「ゆう君?海未ちゃん?....分かった!もう一回やろう!」

 

例えこのいい雰囲気を壊すことになっても.....納得がいかない......

 

俺は再び手拍子をして、穂乃果がまたリズムを取る。

 

「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト!」

 

ラストのポーズをみんなが取る。

 

「完璧~!」

 

「そうね!」

 

「やっとにこのレベルにみんなが追い付いたわね~!」

 

ダメだ....全然届いていない、あの動きに......

 

「まだダメだ、これじゃ.....」

 

ごめんな、みんな......多分あれさえ見てなければ......最高と言っていたかもしれない。

 

「これ以上は上手くなりようがないにゃ~.....」

 

「何が気に要らないって言うのよ!はっきり言って!」

 

真姫が苛立った態度を隠さずに近づいてくる。

 

「.....感動出来ないんだ、今のままじゃ......」

 

「ゆう君?」

 

「今日は.....ここで終わりにしませんか?」

 

唯一、俺の気持ちを共感できる海未がそう言ってくれる。

 

「悪いな.....ちゃんと理由は話すから、今日はもう解散だ」

 

俺の思い詰めたような表情に誰も何も言ってこなかった。いや、言えなかったのだろう。

 

帰り道、俺と海未で穂乃果とことりに説明する。

 

「そうなんだ.....」

 

「それで、今日のゆー君と海未ちゃんは......」

 

みんなには悪いことをしたと思っている。

 

「私....考えたのですが......生徒会長にダンスを教えてもらうのはどうでしょうか?」

 

海未が唐突にそう切り出した。

 

***

 

「「えぇ!?生徒会長にダンスを教わる!?」」

 

俺が今電話をしてるのは凛と花陽。

 

海未はにこ先輩と穂乃果は真姫とだ。

 

そして俺たち2年生は穂乃果の部屋にいる。

 

「あの人のバレエを見て思ったんだ.....俺たちはまだまだだって」

 

「話があるってそんなこと?」

 

電話はみんなに聞こえるようにしているため、海未の携帯からにこ先輩の声が聞こえてくる。

 

「でも、生徒会長.....」

 

「凛たちのこと嫌ってるよね!絶対!」

 

「っていうか嫉妬してるのよ!嫉妬!」

 

まあそう見えるよな。

 

「俺もそう思ってた.....けど、あんなに踊れる人が俺たちを見たら素人みたいなものだって言うのも分かるんだ」

 

「そんなにすごいんだ.....」

 

ことりに静かに頷く。

 

「私は反対!潰されかねないわ」

 

「そうね、3年生はにこがいれば十分だし」

 

「生徒会長.....ちょっと怖い.....」

 

「凜も楽しいのがいいな~!」

 

みんなの反応は決していいものじゃない。

 

「私はいいと思うけどなぁ~」

 

「「「「えぇ!?」」」」

 

穂乃果の言葉ににこ先輩、花陽、凛、真姫は驚きの声を上げる。

 

「だって、ダンスが上手い人が近くにいて、もっと上手くなりたいから教わりたいって話でしょ?」

 

「そうですが.....」

 

「だったら!私は賛成!」

 

こういう時、穂乃果みたいな性格の人がいると正直助かる。

 

「頼むだけ頼んでみようよ!」

 

「ちょっと待ちなさいよ!」

 

にこ先輩はやっぱり納得できないようだ。

 

「でも....絵里先輩のダンスは、ちょっと見てみたいかも!」

 

「あ、それは私も!」

 

ほら、流れが変わった。

 

「じゃあ早速明日聞いてみよう!」

 

***

 

「このように音ノ木坂学院の歴史は古く、この地域の発展にずっと関わってきました更に、当時の学校は音楽学校という側面も持っており学院内はアーティストを目指す生徒に溢れ非常にクリエイティブな雰囲気に包まれていたといいます。そんな音ノ木坂ならではの」

 

「うわぁ!?体重増えた!?」

 

「あ、雪穂起きたの?」

 

今、学校の友達の亜里沙と雪穂と一緒に音ノ木坂で生徒会長をしているという亜里沙のお姉さんのオープンキャンパスでするという話を聞いてたんだけど.....

 

「何言ってるの!?優莉、私寝てないよ!?話もとっても面白かったし!」

 

「はいはい、よだれふこうねー」

 

言っては悪いけど.....私たちと同年代の子がこれを聞いて音ノ木坂に入学したいという気持ちになるかは微妙だと思った。

 

「ごめんね、退屈だった?」

 

「いいえ~!?後半すごい引き込まれました!」

 

もう、雪穂ったら......

 

「オープンキャンパス当日までには直すから、何かあったら何でも言って?」

 

「亜里沙は.....あまり面白くなかったわ」

 

「ごめんなさい、私もです.....」

 

「ちょっと!?亜里沙、優莉!?」

 

隠しても仕方ないことだし.....

 

「何でお姉ちゃん、こんな話しているの?」

 

「学校を廃校にしたくないからよ」

 

「私も音ノ木坂は無くなって欲しくないけど......でも、これがお姉ちゃんのやりたいこと?」

 

亜里沙の確信をつくような一言に絵里さんの顔が動揺したようになる。

 

「.....もう少し、考えてみてはいかがでしょうか?」

 

私は少し責めるような口調になってしまうけど、本当にそうするべきだって思ったんだ。

 

-To be continued-

 




優くんの妹の優莉ちゃんが久しぶりに登場しました。

そして優莉ちゃん目線も初めてですねw

これから先もちょくちょく入れられたらと思います!

雑談コーナーはもう少しで復活します、次回もよろしくお願いします!
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