会話文以外を書くのは苦手かもしれません...
夏真っ盛り。
この前の秋葉ライブから数日経ち、音ノ木坂学院も夏休みに入った。長期連休に入っても俺たちはラブライブ出場を目指して今日も練習をする
―――ところだけど.....
「暑い.....」
「そうだね~.....」
「これは.....暑すぎだろ.....」
練習着に着替え、みんな練習に向けて気合が入っている中、屋上の扉を開けると待っていたのは....
照りつける太陽、コンクリートからの日光の反射、それによって発生した熱気......セミの大合唱というまさに熱烈な歓迎だった。
屋上は学校の上の方にあるため、必然的に太陽に近くなる。それ抜きにしても暑いのにもはやこれは人が足を踏み入れていい場所じゃないな........
「てゆうかバカじゃないの!?この暑さの中で練習とか!」
「そんなこと言ってないで、早くレッスンするわよ!」
それを聞いたにこ先輩と穂乃果は絶望的な表情をして俺を見てくる。
俺になんとかしろってか!?てかその顔やめろ!
「は、はい!」
花陽は絵里先輩の声にビクッとすると凛の背中に隠れてしまった。どうやらまだμ’sに入っていなかった時のイメージを引きずっているらしい。
「は、花陽?これからは先輩も後輩もないんだから、ねっ?」
「はい.....」
絵里先輩も少し気にしているようだ。花陽も凛の後ろから出てきて、まだぎこちないもののいつもの柔らかい笑顔を浮かべる。
「そうだ!合宿行こうよ!」
「はぁ~?何急に言い出すのよ?」
また穂乃果が変なこと言い出した.....暑いからな、仕方ないか。
「あぁ~!なんでこんないいこと早く思いつかなかったんだろ!?」
「合宿か~.....面白そうにゃ!」
「そうやね!こう、連日炎天下での練習だと体もきついし」
確かに合宿というアイデア自体は悪くない。むしろ今の先輩後輩の壁を無くすにはうってつけだ。
「でも、どこに?」
「海だよ!夏だもの!」
そのプランにおいて、1つ重要なことがあるんだけど.....
チラリと横を見ると海未と目が合う。海未は気づいているみたいだな。
「費用はどうするのです?」
そう。宿に泊まるにしてもそこそこお金がいるし、交通費だってかかる。
「え、えっとそれは.....」
穂乃果は数秒ほど目を泳がせるとことりの手を掴んだ。
「ことりちゃん、バイト代いつ入るの!?」
「えぇ~!?」
「ことりを当てにするつもりだったんですか!?」
いやー.....さすがにことりのバイト代を借りるのは無理があるだろ。
「違うよ!ちょっと借りるだけだよ~!」
「そうしたらしばらく穂乃果のお小遣い無しになるよな?」
バイト代って言ったら万単位だし、一般家庭のお小遣いなんて5000円ぐらいがいいところだろうし。返済するまで一切財布にお金が入ってこないことになる。
「そ、それは.....困るね」
「だろ?」
そうしてまた穂乃果は頭を抱える。
「そうだ!真姫ちゃん家なら別荘とかあるんじゃない!?」
「あるけど......」
あるのか.....やっぱお金持ち=別荘の法則は存在するのかもしれない.....
別荘があると聞いた穂乃果は目を輝かせ、真姫にすり寄って頬ずりをする。何か、合宿に行かなくても俺の心は既に満たされた気分だ。超眼福。
「真姫ちゃんお願~い!」
「何でそうなるのよ!?」
「そうよ?急に大勢で押しかけたら迷惑になるでしょ?」
真姫も急に話を振られて戸惑い、絵里先輩はそんな様子を見て残念そうにしながら、穂乃果をなだめる。
「そう....だよね.....」
穂乃果は急にシュンとして涙目で真姫を見つめる。きっと今の真姫の心境は捨てられた子犬を見ている気分だろう。
他のメンバーも期待するように真姫をジッと見つめている。
「ちょっと電話かけてみるわ.....」
真姫はそんなみんなの様子を見て、諦めたようにため息交じりに言った。
そうしてみんなで部室に戻って真姫が携帯で電話をかける。
「あ、もしもし?ママ?」
そう言えば真姫って親のことママとパパって呼ぶんだな。ちょっと意外だったり。
「合宿で別荘使いたいんだけど、あの海辺の」
俺たちは真姫が電話してる様子を固唾を飲んで見守る。
「えぇ!?いいわよ!料理人とか付けなくても!?」
料理人ってそんな簡単な付属品なの!?ハッピーセットか何かかよ!?
「あ、分かった。うん、ありがとね」
ピッと音を立てて真姫が通話を終える。
「どうだった!?」
穂乃果が机に身を乗り出して、真姫に問いかける。
「使っていいって」
まあ料理人をつけるつけないあたりでOKをもらえたというのはなんとなくだけど理解出来た。
「良かったな、お土産よろしく!」
俺がそう言うと9人全員がぽかんと口を開けて俺を見てきた。
「何言ってるの!?ゆう君も行くんだよ!?」
「は!?さすがに女子9人の中に男1人はきついって!」
「何言ってるのですか?優は全校生徒中たった1人の男子ではないですか、10人中1人なんて今更ですよね?」
馴染み過ぎて忘れてたけど、ここって女子高だったな........
「でもさすがに女子と一緒に泊まるのは....」
「あれ?でもゆー君この間穂乃果ちゃんのお家に私と海未ちゃんと一緒に泊まったよね?」
あー、それも経験済みだったか......
「でも、今回は行かない!」
この間の泊まりは親の目があったからだ。別に俺が何かするわけでもないけど、さすがに完全に子供だけの状態で女子と寝泊まりするとか俺の心臓がもたないからな.....
「行かないって言うんなら、この優くんの女装写真をばらまくけどええの?」
「何で撮ってるんですか!?撮影禁止だったでしょうが!」
「いや、店長が特別に許可してくれてな?」
あの人何やってんの!?というか被写体の俺に許可取れよ!許可しないけど!
「あ、そういえばママが合宿行くなら女子だけじゃ危ないからユウもついていくことが別荘を貸し出す条件だって言ってたわ」
「oh.....ジーザス」
つまり俺には最初から逃げ道なんてなかったわけだな?
俺は黙って机に突っ伏し、潔く合宿について行くことにした。
***
「ただいまー.....」
家に帰って来た。さっきの合宿うんぬんの話で身体、精神ともに疲労していた俺は力なく玄関へ入る。
「おかえり~、って何か疲れてるね?」
居間でくつろいでいたのか優莉が顔を覗かせる。俺は喉を潤すために優莉の横を通って冷蔵庫を開け、麦茶を出す。
「まぁ、色々あってな.....」
コップに注いだ麦茶をグイッと一気に喉に流し込んでようやく一息つく。
「それってμ’sの合宿のこと?」
「あぁ.....うん?」
少々空返事になったけど、俺は知っているはずのない単語が妹の口から飛び出たことに首を捻る。
「さっき雪穂からメールが届いたの、お姉ちゃんが合宿に行くからってはしゃいでるって」
「今頃部屋中引っ掻き回して準備をしてる本人の姿が目に浮かんでくるな.....」
とは言いつつ、俺も準備をしないといけないんだけど。
「お兄ちゃん断らなかったの?」
「断ったに決まってるだろ?男俺1人だぞ?心がもたないわ」
「あぁ、いつも通り押し切られたんだね。お兄ちゃん基本女子に対して弱いし」
よく分かってるじゃないか、妹よ。
ただし、俺が弱いんじゃない。可愛い女の子に頼まれて断れる年頃の男がいないだけだ。
「優、旅行に行くのか?」
優莉と会話をしていると父さんが居間に入ってきた。本当この人何やってるんだろう。ニートとかじゃないよな?
「あぁ、ちょっと合宿にな」
すると父さんは顎に手を当て、何か考え込む。さすがに父さんも女子と一緒に泊まるのは反対なんだろう。普通はそうなるはずだ。
「優、泊まりに行くのは別にいいんだがな......」
「いいのかよ」
そうだった、この人こういう人だったわ。
「ただ......」
「何だよ?」
父さんは真剣な顔をして俺を見る。
「避妊はちゃんとしろよ?」
「しねえよ!?」
まじ何言ってんのこのエロ親父!?
「避妊しないのか!?」
「そういう意味のしないじゃねえよ!バカ野郎!」
もうダメだこいつ......母さんに怒られてしまえ!
「もういいわ!部屋戻って準備する!」
これ以上ここにいたらツッコミの疲労で倒れてしまいそうだ、その前に離脱すべし。
「本当、疲れるな......」
キャリーバッグに必要な物を詰め込む。とそんな作業の中、携帯に誰かからLINEが届いた。
.....真姫?珍しいな、個人的な用事なんて。
俺は作業中の手を止めて携帯を見る。
<あのユウがいないと別荘貸し出すの許可しないって話、嘘だから。でももう行くって言ったんだから男に二言は無いわよね?>
俺は内容を見た瞬間に数秒固まり、そのあと静かに窓を開けて深く息を吸い込む。
....そして、夜空に向かって喉が潰れんばかりの大声で叫んだ。
「西木野ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
俺の声は何度か反響した後、夜空に吸い込まれていった。
家が近い穂乃果、海未、ことりの家にも聞こえたようで、驚いたということ、お叱りの言葉、心配する言葉が携帯に届いた。どれが誰の言葉かは想像にお任せする。
-To be continued-
作「雑談のコーナー!今回のゲストは八坂優くんです!」
優「......疲れた」
作「登場して早々暗いですね?」
優「作中であんなにツッコミ入れてたらそりゃ疲れるだろ.....」
作「お疲れさまでーす」
優「作者なのに他人事かよ!?」
作「とか言いつつまたツッコんでるじゃないですか?」
優「条件反射だ、気にするな」
作「じゃあしばらくツッコミ禁止でいってみますか?」
優「一応試してみるけど.....絶対無理だな」
作「まあ、それしか見せ場ないですもんね」
優「人をツッコミしか取り柄がないみたいに言うなよ!?」
作「やっぱ無理でしたね.....はい、では次回も」
優「よろしくお願いします!!」