色々と他の作者様の作品を読んで描写などを勉強してはいるのですが、どうも行き詰ってしまいます.....
そしてテスト週間に入るという恐怖、あれって部活入ってないとただの拷問ですし........何より高校3年生で既に内定をもらっている私には消化試合もいいところ。
数学さえなければ......赤点回避も余裕なはず......
今回から場面変換の*の数を減らしました!
それと第26話の『あんたさえいなければっ!!!』というセリフを『お前さえいなければっ!!!』に変更致しました。
ざわざわと人が喧騒と共に行き来する。都会の駅は静けさを知らないと思うのは俺だけか?
そんなどうでもいいことを思いながら、俺は壁にかかった時計にチラリと目をやる。
俺が来たのが5分前あたりだから.......そろそろ誰かの姿が見えるはずだ。
「優、早いですね」
「ハラショー、10分前行動が出来るのはいいことだわ。さすがね」
「優くんはえらいなぁ~」
予想通り、待ち合わせの10分前に来たのは海未と絵里先輩と希先輩だった。
.....他のメンバーも多分大丈夫だろ。凛には花陽が付いてるし、真姫もにこ先輩もことりも時間には遅れないタイプだから問題ないだろう。
問題はいつも学校に行く時、時間ギリギリに来る......和菓子屋の娘とか、パンが大好きなやつとか、元気が有り余ってるやつとか、授業中いつも寝てるやつとか.....
それ全部穂乃果じゃん。
「みんなお待たせぇ~!」
「おう、穂乃果か......穂乃果!?」
バカな!?こいつが待ち合わせの時間より早く来るなんて.....
「何!?その反応の仕方は!?」
「いや、てっきりいつもみたいに遅れて来るのかと思ったから.....つい」
「穂乃果ちゃんは遠足の時とかには早起きするタイプだよね?」
と穂乃果の後ろから脳を溶かすようなふわふわな声と、その声と同じくふわふわなアッシュグレーの髪の毛の持ち主、ことりが見えた。
まあ、穂乃果ならそうだろうな。遠足行くのが楽しみ過ぎて夜寝られない癖に朝早く起きてしまう......あると思います。
「真姫!みんないたわよ!」
「ちょっと!大声で名前呼ばないでよ!」
喧騒の中から聞き覚えのある声が飛んでくる。それとなく視線を向けると人ごみの中から女子にしては身長が高めであろう赤髪と女子にしても身長が低めであろう黒髪のツインテールがこっちに移動してきていた。
「あとは凛と花陽だけか?」
「お、お待たせしました!」
「おはようにゃ~!」
噂をすればなんとやら、これで全員揃った。
電車が出るまでの時間にまだまだ余裕がある。不意にパンパンと手拍子の音が響き、音がした方を見る。
「みんな!合宿に行く前に1つだけ提案があるの!」
手拍子をした絵里先輩を中心に円になる。
「何ですか?」
「この合宿から、先輩後輩の壁を無くすために、先輩禁止にしたいと思ってるんだけど.....どう?」
「えぇ~!?先輩禁止!?」
穂乃果が隣で驚きを声で表す。
なるほど......いい案かも知れない。確かに先輩後輩は大事かも知れないけど、それがかえって硬さを生んでしまうということもある。
「前からちょっと気になっていたの、先輩後輩も大事だけど.....踊っている時にそういうの気にしちゃダメだから.....」
「確かに、私も先輩方に合わせてしまうということもありますから.....」
「そんな気遣い全く感じられないんだけど?」
まぁ、それはにこ先輩だからな.......仕方ない仕方ない。
「それはにこ先輩は上級生って感じがないからにゃー」
「上級生じゃなきゃ何なのよ!」
凛は人差し指を顎に当て、うーむと声に出して考え込む。そして、結論に至ったのかニパッと笑顔を浮かべ
「後輩?」
と言い放った。なるほど、中学生と変わりないと......さすが凛。超適格。
「てゆうか、子供?」
「マスコットかと思ってたけど?」
こいつら容赦ないな......どれも適格な解答なことには違いないんだけど。
「どういう扱いよ!」
人扱いされてないことは確かだな。
「じゃあ早速、今から始めるわよ。穂乃果」
「う、い、いいと思います!え.....ぅ絵里ちゃん!」
「うん!」
穂乃果はフッと息を吐き、胸を押さえる。
「何か緊張~!」
「じゃあ凛も!」
凛が勢いよく手を挙げて深呼吸する。
「ことり.....ちゃん?」
「はい、よろしくね♪凛ちゃん、真姫ちゃんも!」
急に振られた真姫は頬を赤らめて、そっぽを向く。その間もみんなからの視線を浴び続ける。みんな口でじぃ~っと超言っていた。
「べ、別にわざわざ呼んだりするもんじゃないでしょ!?」
これは時間かかりそうだな。と考えていると何故か絵里先輩と希先輩から視線を向けられていることに気がついた。
「あー.....よ、よろしく。え、絵里?の、希?」
「「はい、よく出来ました!」」
仲いいなこの人たち。
「仕方ないわねぇ~、私のことを特別ににこ様と呼ぶことを許可してあげるわ!」
「何言ってんだ、寝言は寝て言えよ、にこ」
「ちょっと!少しは先輩を敬いなさいよ!」
「先輩後輩無し、なんだろ?」
先輩を呼び捨てにするのに抵抗があっただけで、名前を呼ぶことは別に構わない。その点は2年や1年も名前で呼んでただけあって慣れた。
「先輩のにこを名前で呼ぶってどんな気分?」
にこがブスッとした表情のまま聞いてきた。
「言動に対してツッコミを入れやすくなったな」
俺は真顔で答えた。正直超助かる。
「それではこれより合宿に出発します!部長の矢澤さんから一言!」
にこに視線が集まる。てゆうか、またみんな口でじぃ~って言ってるし。流行ってるの?それ。まぁいいや......じぃ~。
あーでも、あれ急にキラーパス来て困ってる顔だな。にこは恐る恐る一歩前に出る。
「しゅ......しゅっぱぁ~つ!!」
「......それだけ?」
「考えてなかったのよ!」
出発。
***
さっきのザワザワという喧騒とは違い、電車内では心地よいガタゴトという音と人のささやかな話し声に満ちている。
それに窓から差し込んでくる光も相まって俺は少し眠気に誘われていた。
「海だよ!見て見て!ゆう君!」
「穂乃果、あまりはしゃがないでください!」
まあ、寝ようとしても前の席に座っている穂乃果と俺の隣に座る海未のやり取りで寝れたもんじゃない。
ちなみに席は
俺:海未
穂乃果:ことり
凛:花陽
真姫:にこ
絵里:希
の組み合わせで座っている。
「ゆー君、マカロン食べませんか?」
「ん?あぁ、ありがとう」
ことりからマカロンが手渡される。一口で口に入れる。ほどよい甘さが口の中で広がる。美味い。
「うん、美味い!」
「良かった♪作ったかいがあったよ♪」
「ことりの手作りか!?」
それを知ってたらもっと味わって食べたっていうのに......ちくしょう!
女子からの手作りお菓子なんて滅多に味わえないしな、本当もったいないことをした。
「じゃあゆう君、穂乃果からもこれ!」
「.....俺たけのこ派なんだけど」
穂乃果の手の上に乗ってたのはきのこを模したお菓子だ。ちなみにもう1つ似たようなものでたけのこを模したものがある。俺としてはたけのこの方が好みだ。
「たけのこはみんなが食べちゃって.....」
「つまり俺に残す気はなかったと......誰だ!いっぱい食ったやつは!?」
「あ、ごめんなさい.....美味しくて....その、つい」
「まさかの絵里!?」
「えりちはチョコレートが好物やもんね?」
そうだったのか。でもきのこには手をつけないんだな?
きのこが報われない、悲しい世界だ。
「海未ちゃんはどうする?」
「私もたけのこの方がいいのですが......」
「もうやめて!きのこは全部俺が食べるから!」
あまりにも惨めになり、俺は涙と一緒にきのこを飲む。このチョコしょっぱすぎじゃね?塩入れすぎだろ......と思ったが、これは俺の涙の味だな.......。
「とりあえず、昼ご飯の時間だな」
きのこを全部片づけ、携帯の画面を確認しながら言う。車内では同じように昼ご飯を食べ始める人が増えていた。
「ゆう君のご飯はどんなの?」
「白米とパン、両方食べられるように作ったサンドイッチとおにぎりだけど?」
「おにぎり!?」
何か花陽がものすごい勢いで食いついてきた。
「優さん!1つもらってもいいですか!?」
「あ、あぁ.....どうぞ」
花陽は丁寧にかつ素早くラップをはぎ取り、おにぎりを口へと運ぶ。そして、無言でもぐもぐと咀嚼し.....飲み込んだ。
「こ、これは.....素晴らしい炊き加減!適度な塩味もまた良し!お米がたっています!満点です!」
大絶賛だった。怒涛の勢いで下される評価に思わず苦笑するしかなかったけど。
「かよちんがここまで褒めるなんて珍しいにゃ~!」
花陽の後ろから凛がひょこっと姿を出した。
人に料理、と言っても握っただけだけど、褒められるのはやっぱ素直に嬉しいな。
ちなみに電車で食べることを考慮してみんな捨てられる容器に入れて弁当を作っていた。
「海未の卵焼き1個もらえないか?」
「いいですよ」
こんな感じで人からおかずを分けてもらうのも弁当の醍醐味だと思う。
「ゆう君のサンドイッチ美味しいね!」
「うお!?俺のサンドイッチ1個ランチパックにすり替わってる!?」
いつ入れ替えたんだよ!?
「何であんたのお弁当そんなに高級なものばっかなのよ!自慢!?」
「ち、違うわよ!ママが勝手に!」
一気に騒がしさを取り戻したが、こんな感じで目的地までわいわいと過ごした。
***
「で、駅から歩いて別荘に向かうんだよな?」
「そうね、大体10分ってとこかしら?いつもは迎えの車があるから、正確な時間までは分からないわ」
もう送迎の車があるとかは大体予想通りだったから、軽くスルーしていいよな?みんながキャリーバッグを掴み歩き出すのを視認してから自分も歩き出す。
しばらくみんなの話し声とキャリーバッグの車輪が立てる音が続く。
5分も歩いただろうか、そこに別の音が混ざった。
「ん?そこにいるのは八坂じゃないか?」
前方から不意にかけられたその声は聞き覚えがあった。その声の持ち主が徐々に近づいてくるにつれ、記憶も鮮明に思い出されていく。
出来れば2度と聞きたくなかった声。だから俺はそいつの正体が分かった瞬間
―――鳥肌が立ち、嫌な汗が出てきた。
「何でお前がここにいる.....三上!」
「何でとはご挨拶だな、八坂」
三上.....三上
俺の、中学時代の知り合い。家がお金持ちということもあって他人を見下すことが大好きなやつだ。
中学時代の忌まわしい記憶を作った張本人、2度と会いたくなかった相手。
「そういうお前こそどうしてここに.......あぁ、そういえばお前μ’sのマネージャーをしてるんだっけな?」
そう言い、9人の方をニヤニヤしながら見る。
「なぁ、そんな男なんかより僕をマネージャーにしないか?」
何をとち狂ったのか三上はそんなことを提案し始めた。
「隼太様、そろそろお時間です」
三上の後ろから大人しそうな女の子が話かける。肩甲骨辺りまである黒髪、前髪も少し長く、目にかかっている。
彼女は深瀬
中学時代の俺のクラスメートだ。三上は同じクラスじゃなかった。
深瀬と三上の関係は主従関係、彼女はいわゆる付き人というやつだ。
「チッ!今僕が話してるだろうが!」
つかつかと足音を立て、苛立ちを隠そうともせずに三上は深瀬に近寄り手を振り上げる。
「やめろ!三上!」
叩こうとする三上に対して俺は怒声を発する。
「.....そうだな、今はμ’sの皆さんが見てるからな、特別に勘弁しておいてやるよ、行くぞ!六葉!」
「......はい」
2人はそのままどこかへ歩いて行った。
俺はその方向をしばらく睨み続ける。
「ゆう君......どうしたの?」
穂乃果が恐る恐ると顔を覗き込んできた。
「時間を取らせて悪かったな!早く別荘に行こうぜ!」
未だに固まったままの9人に声をかける。
みんなは渋々といった感じだが、ゆっくりと歩を進め始めた。
そんな中、ことりが俺の傍に寄ってきて、耳打ちしてきた。
「ゆー君.....中学校時代のことを話したがらなかったのは、あの人が原因?」
「.....さすがにもう隠せないか。......うん、決めた。今日の夜、全部話すよ。俺の過去を」
「そっか、なら今は何も聞かないでおくね?」
「ありがとう」
ことりは穂乃果と海未の元へ駆け寄っていった。
.....本当は話すつもりはなかった。
だけど、三上のあの嫌な笑顔は......中学時代と同じ、自分が持ってないものを欲しがる顔をしてたんだ。
もしかしたら、9人に害が及ぶのかも知れない......
こうなってしまった今、もうみんなは無関係じゃなくなってしまった。
もう2度とあんなことは起こっちゃいけない。
でも今は合宿のことだけを考えることにした。
-To be continued-
作「雑談のコーナー!今回のゲストは高坂穂乃果ちゃんと園田海未ちゃんです!」
穂「こんにちはー!」
海「ゲストが複数いるというのは初めてですね」
作「たまにはいいかなーと思いまして」
穂「今回は前半が明るめで後半シリアス気味だったよね?」
作「はい、やっと優くんの過去について明らかになると思います」
海「あの男の人......とても嫌な感じでした」
作「まぁ、はっきり言って嫌なやつですから」
作「では次回も!」
穂・海「よろしくお願いします!」