ラブライブ!~未来へ響く多重奏~   作:朝灯

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第一期最終話となりました。
長かったような......短かったような......
終わるのはあくまで第一期ですけどね!
第二期と劇場版だってまだ残してますから!

これからも応援よろしくお願いします!


女神たちを導く1人の少年

車内。

 俺の隣では穂乃果とことりが運転席にいる母さんと話に花を咲かせていた。

 

 ...正直超アウェーな感じがする。

 だって、この場にいるのは男1人だぜ?

 

「しかし、穂乃果ちゃんもことりちゃんも本当に可愛くなっちゃって!それにいい子だし!」

 

「えへへ......ありがとうございます!」

 

「そんなことないですよ、美樹さん!」

 

 さっきからこんな空気だ。

 どうやってこの中に入り込めばいいんだよ。

 

「優、あんたも隅に置けないわねぇ~!こんなに可愛い子たちと幼馴染だなんて!それにμ’sのマネージャーもやってるんでしょ?それも可愛い子ばかりで!」

 

「俺がそういうの目的でマネージャーをやってるみたいな言い方やめてくれない?っていうか母さんμ’sのこと知ってるのかよ」

 

 いや、そういう気持ちがないわけじゃないけど......

 ちゃんと仕事はしてますし?

 

「当たり前じゃない!仲の良い友達の娘のことだし、息子がしていることよ?知らない方がおかしいわよ!PVとかブログとかよく見てるし!」

 

 そうだったのか......

 いずれは言わないといけないと思ってたけど、手間が省けたな。

 

「...それで?あんた一体誰が1番好みなの?」

 

「「っ!!」」

 

 どうやら爆弾を投げ込むのは八坂家伝統の技らしい。

 ふざけた伝統だ。

 

「はぁ!?そういうこと普通聞くか!?」

 

「いいじゃない!そうねぇ......私の見立てだとあの花陽ちゃんって子が好みなんじゃない?優しそうだし」

 

「本当に勘弁してください!!」

 

 確かに花陽は優しいし、俺にとっての癒しだけどさぁ!!

 何故か両隣からの圧力が凄まじいんですよ!?

 

「うーん、でもあの凛ちゃんって子もあんた好きそうよね、元気いっぱいで自分を慕ってくれる後輩だし動物で例えると猫かしら。真姫ちゃんって子も綺麗な見た目してるし、とりあえずあんた絶対初対面で美人だって言ったはずよ?」

 

 おかしいなぁ、今この人思ったじゃなくて言ったって言ったぞ?

 何で分かるんだよ......

 

「あーでも、絵里ちゃんって子はスタイル抜群で真っ直ぐな子だからそれもあんたの好みだし、希ちゃんって子は包容力があって甘えやすそうな可愛い子だし、にこちゃんって子はあぁ見えて芯の強い子だからあんたそういう子にも惹かれやすいわよね」

 

「詳しすぎるだろ!?何者なんだよあんた!?」

 

 ギャルゲーに出てくる何故か好感度を知っているお助けキャラかよ!?

 冗談じゃないぞ!?

 このままじゃ俺の好みが全面に露見してしまう!!

 

「でも何だかんだ言って、穂乃果ちゃんの元気なところとか......ことりちゃんの優しいところとか......海未ちゃんの誠実なところとか......幼馴染キャラに弱いのよねぇ......あんた」

 

「ギャルゲー感覚で話を進めるなぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 しばらく会わない内に変わりましたね!

 お母様!!!

 

「...母さん、そんなキャラだったっけ?」

 

「久しぶりに息子や娘同然の子に会えてテンション上がっちゃってね!」

 

 なんてはた迷惑な......その分の被害が全部俺のところにまわってきてるんですが?

 もう分かったぞ......確かに父さんと母さんはお似合いだったんだ......

 どうして結婚したんだろうと思ったけど、俺は間違っていたんだな?

 

「それで?誰が好きなの?」

 

「本当もうやめて......心が挫けそう......」

 

 何故この両親から優莉が生まれたんだよ......

 今なら実は養子って言っても信じる自信がある。

 

「そう言えばあんたの初恋の子って確か「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」ちゃんよね?」

 

 叫ぶ、ただ声を張り上げる。

 

「何よ?急に叫んだりして......発情期?」

 

「やかましい!!!!」

 

 ここで叫んだ時点でもうバレバレな気がするが......幼馴染だけには知られたくない!!

 穂乃果と海未とことりに知られたら俺はもう顔を合わせられない気がする!!!

 

「というか母さんは何でそんなに詳しいんだよ!?並のファンが知ってる情報じゃないぞ!?」

 

「...実はμ’sの子の保護者とはちょっとした繋がりがあってねー」

 

「まじで!?」

 

 俺もう自分の親の事がよく分からない!!!!

 穂乃果やことり、海未や真姫の保護者とは関わりがあることは知ってたけどさ!!!

 

「まぁ、一応ね!母さんも音ノ木坂出身だから関わりがあったのよ?今も偶に連絡取り合ってるし」

 

 おいおい、絵里の母さんって確かロシア人のハーフだぞ?

 そんな人とも知り合いって......世間って狭いなぁ......

 

 からからと笑う母さんを見てため息1つ。

 

「まぁ、苗字が違ったりしてるけど......渚ちゃんとか星空さんとかは苗字が同じよ?園田家は代々男性が婿に来る家庭だし......星空っていう苗字は珍しいから残そうって旦那さんが言って婿入りしたみたいね」

 

「へ、へぇ......」

 

 とは言えどうにか話を逸らせたようで内心ホッとする。

 

「...ことりちゃん。これ」

 

「どうしたの、穂乃果ちゃん?」

 

 穂乃果が携帯を取り出して、ことりに見せる。

 当然俺の前を通る羽目になる為、膝の辺りに穂乃果の手が置かれた。

 それを見ようとことりも俺に寄りかかってくることになるから、俺は身動きが取れなくなってしまう。

 

 ...柔らかいし、いい匂いするし、どうすればいいんだこれ......

 下手に動こうものなら腕が当たりそうで、俺はピタリと硬直する。

 

「こ、これって!?」

 

「うん!やったね!」

 

「どうかしたのか?」

 

 と首だけ動かして穂乃果の携帯を除き込もうとすると、穂乃果はサッと元の位置に戻り、俺から携帯を遠ざける。

 

「ゆう君には内緒!ねーっ、ことりちゃん♪」

 

「ねーっ♪」

 

 そうですか......

 

「あ、そうそう......今度真白ちゃんが会いに来るって言ってたわよ?」

 

「...ごめん、もう一回言ってくれない?聞こえなかった」

 

「真白ちゃんが会いに来るって言ってたわよ?」

 

 ふむ、聞き間違いじゃなかったようだ。

 ...よし。

 

「母さん、俺はしばらく身を隠そうと思うんだ......」

 

「どうしたの!?ゆう君!目の焦点が定まってないよ!?」

 

「真白ちゃん?って子に何か関係があるの?」

 

 関係あるも何も......俺がこうなるのはアイツ以外にはいない。

 

「...従妹だよ、優莉と同い年で来年高校生になる......」

 

 何て恐ろしい報告だ...... 

 好みの相手を言わされるよりも地獄だぞ......

 

 フルネームは九文(くもん)真白。

 俺の従妹で、俺が苦手としている人物だ。

 いや、嫌いっていう訳じゃないんだが......疲れるんだよ......

 

「ふ、ふーん......そうなんだ」

 

 雰囲気でこれ以上は踏み込むべきじゃないと察したのか、穂乃果はこれ以上何も聞いてこなかった。

 

「そういや、聞き忘れてた。母さんはどうして音ノ木坂に?」

 

「まあ、あんたたちの様子を見に来たっていうのもあるし......ひばりちゃんに呼ばれたのよ」

 

「お母さんに?」

 

 俺とことりは同時に首を傾げる。

 

「んー、何か優君と穂乃果ちゃんを助けてあげてって言われたから」

 

「「「それって......」」」

 

 つまり、ひばりさんは最初からことりの気持ちに気づいていた、ということになる。

 

「それなら教えてくれれば良かったのに......」

 

「優、ひばりちゃんはあんたと穂乃果ちゃんを信じて全部託したってことよ?誇りに思いなさい」

 

 そういうもんなのか?

 親の心子知らずってやつ?

 こればかりは同じ立場にならないと理解出来ないってことらしい。

 

「分かった、そう思うことにする」

 

「優莉と優也君は元気?」

 

「優莉とはよく電話で話してるだろ?あと人前で優也君って言うのはやめてくれ、恥ずかしい」

 

 そういや、この人普段から父さんのこと名前、しかも君付けで呼ぶんだよな......

 仲が良いのはいいんだけど、人前でやられると本当に恥ずかしい。

 

「いいじゃない、別に!むしろ惚気話を聞かせてやりたいぐらいよ!」

 

「「聞きたいです!!」」

 

 女の子ってこういう話題大好きだよなぁ......

 俺と優莉は何度も聞かされ過ぎてもう飽きた。

 

「ほら、もう到着だ!2人とも、降りるぞ!」

 

「「えぇ~!?」」

 

「えぇ~じゃない!!また今度にしてくれ!!」

 

 何が悲しくて飽きた話、しかも自分の両親の惚気話を幼馴染と一緒に聞かないといけないんだよ......

 

「それなら今日家に来る?海未ちゃんも一緒にいらっしゃいよ!聞かせてあげるわ!」

 

「「分かりました!!」」

 

 優莉に避難するように連絡入れとこ......

 そう思い、俺は数時間振りに音ノ木坂の校門を潜ったのだった。

 

***

 

 人がいっぱいの講堂に入り込むと、そこにはμ’sが全員揃っていた。

 

「穂乃果!ことり!優!」

 

 すぐに海未が駆け寄ってくる。

 そりゃ心配だったよな......送り出してくれたとはいえ、どうなるかは分からなかったんだから。

 

「海未ちゃんただいま!」

 

「ちゃんと連れて帰ったぞ、それにしても......すごい人だな......」

 

 これって全校生徒いるんじゃないか?

 

「そりゃそうよ!だって今からμ’sの活動再開ライブをするんだから!」

 

 にこが得意気にして、当然でしょ?と加える。

 

「...大丈夫なのか?練習もしてないだろ?」

 

 しかも衣装が制服のままみたいだ。

 ことりと穂乃果はしばらくμ’sから離れていたし......

 

 心配になって穂乃果とことりを見る。

 

「大丈夫だよ!体が覚えてるから!」

 

「うん!ことりも!」

 

 ...信じるしかないか。

 

「この曲はゆーサンだって踊れるはずにゃ!」

 

「そうね、思い出深い曲だから......ユウでも踊れるわ」

 

「うん!私たちの始まりだもん!」

 

 俺でも踊れて......俺たちにとって始まりの曲。

 そんなの1つしかないじゃないか。

 

 思えばファーストライブの時、すでにμ’sはここに揃っていた。

 花陽はライブを見に来ていて、凛はその花陽を探してここに。

 にこもスクールアイドルが出来たと聞いて見に来ていて、絵里も放送室から見ていた。

 真姫は何だかんだ言っても結局観に来ていたし......

 唯一、希だけは姿を見ていないが、彼女のことだ......きっと見ていたと思う。

 

「...よし!みんな、準備はもちろん大丈夫だよね!いくよ!」

 

 みんなが円陣を組んで、ピースサインを作って中心でくっつける。

 

「1!」

 

 ――穂乃果が言い。

 

「2!」

 

 ――ことりが言い。

 

「3!」

 

 ――海未が言い。

 

「4!」

 

 ――真姫が言い。

 

「5!」

 

 ――凛が言い。

 

「6!」

 

 ――花陽が言い。

 

「7!」

 

 ――にこが言い。

 

「8!」

 

 ――希が言い。

 

「9!」

 

 ――絵里が言い。

 

 そして全員の視線が俺へと向けられる。

 

「...俺もうこの学校の生徒じゃなくなるんだけど......いいのか?」

 

 視線を向けられても俺は戸惑うことしか出来ない。

 そう答えると、何がおかしいのか9人全員が一斉にプッと噴き出した。

 

「え?そんなおかしいこと言ったか!?」

 

「いいから!時間が無いんだから早くしてよ!」

 

 穂乃果に急かされて、笑いの意味を聞けないまま、俺はため息混じりに言う。

 

「はぁ......10!」

 

『μ’s!ミュージックスタート!』

 

 そして全員で声を揃え、9人はステージへと上がっていった。

 幕が上がって、辺りは歓声に包まれる。

 

『START:DASH!!』

 

 俺たちの始まりの曲だ。

 あぁ、この講堂を満員にすることが出来たんだ......

 ホッとして少し涙が零れ落ちるがすぐに目元を拭い、ステージと客席を見つめる。

 

 キラキラと色とりどりのサイリウムが輝く客席。

 それと同じように......いや、それ以上に輝いているのが今、踊っている彼女たちだ。

 

 眩しい程の輝きに包まれてライブはこうして幕を下ろす。

 ...静かにその場を立ち去ろうとすると、穂乃果が急に話し始めた。

 

「私たちのファーストライブはこの場所で行われました!その時はまだ"4人"で......お客さんなんて来ませんでした!私は思いました!いつかこの場所を満員にしたいって!今は"10人"になって、その夢が今日叶って......私はとても幸せです!」

 

「...穂乃果」

 

 意図が読めず、俺は足を止めてステージを見る。

 

「...でも、そんな私たちの大切な仲間が......今にも学校からいなくなってしまうかもしれません!」

 

「...海未」

 

 みんな、何を......?

 

「彼は私が困っている時、いつだって傍にいて助けてくれました!」

 

「...ことり」

 

 違う、助けられていたのは俺の方で......

 

「彼は諦めかけていた私に、もう一度夢を与えてくれました!」

 

「...真姫」

 

 あんな綺麗なピアノが弾けるんだ......そう簡単に諦めるなよ。

 それとも友達のことか?

 それなら多分、花陽と凛が絶対に話しかけてくれたはずだ。

 知ってるだろ?2人の優しさを......

 

「彼は勇気が出せなくて引っ込み思案の私の手を掴んでくれました!」

 

「...花陽」

 

 俺がそうしなくたって、凛がそうしたさ。

 でも、アイドルになれてよかったな......

 

「彼はいつも無茶苦茶で振り回してばかりの私に呆れずに付き合ってくれ続けました!」

 

「...凛」

 

 自覚があったのかよ。

 あと、こういう場では私って言うんだな......

 

「彼は私に再び笑顔を与えてくれました!」

 

「...にこ」

 

 それやったのって俺たちみんなだろ?

 俺だけじゃないんだよ......

 

「彼は悩んでいた私の親友を助けてくれました!」

 

「...希」

 

 自分のことじゃないのに、どうしてそんなに誇らしく語れるんだ......

 

「彼はどうしようも無く頑固だった私に手を差し伸べてくれました!」

 

「...絵里」

 

 大したことじゃないよ。

 でも、放っておけなかったんだ......

 穂乃果も希も......みんなも......

 

「そんな彼に今度は私たちが恩返しがしたいんです!」

 

「それには皆さんの協力が不可欠です!」

 

 穂乃果と絵里が叫ぶ。

 俺は未だに何をしようとしているのかが理解出来ずにいた。

 

「どうか!音ノ木坂共学化試運転生の八坂優君が正式に音ノ木坂学院の生徒になれるように許可を下さい!」

 

「...え?」

 

 ようやく理解した。

 そうか......だからここでライブを......

 

「彼が私たちと一緒に過ごせる許可を下さい!私たちと同じ2年生として過ごし、一緒に卒業出来るような未来を下さい!」

 

「ここは女子校で、本来男の子が通えないというのは分かっています!けれど......例外を許して下さい!」

 

 海未、ことり......

 俺は何をやってるんだ?

 この学校にいたいと言っておきながら、自分では何もせず......女の子だけに頭を下げさせて......

 

「っ!!!」

 

 ステージへと駆け出す。

 

「俺からもお願いします!!この際何を言われたっていいです!!それでも......この最高の思い出をくれた学校で......俺は過ごしたいんです!!!!お願いします!!!」

 

「顔上げて下さい、八坂君」

 

 スピーカーから理事長の声が聞こえてきた。

 見ると、放送室にその姿がある。

 

「学校を救ってくれたμ’sの10人のお話でしたが、皆さん如何ですか?この案に賛成の人は拍手をしてあげて下さい」

 

 俺たちはすぅっと息を吸い......

 

『よろしくお願いします!!!!!』

 

 頭を下げた。

 沈黙が1秒、2秒と続く。

 

 ――ダメか......

 

 そう思い、顔を上げる。

 

「えっ?」

 

 顔を上げた俺が見たものは立ち上がって俺たちを見ているたくさんの生徒。

 そして、その刹那――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――講堂が割れんばかりの大きな拍手が巻き起こった。

 

「ってことは......俺はこの学校に通い続けていい......んだよな?」

 

 ポツリと呟く。

 すると、僅かに右手がつねられる感覚。

 

「...痛い......穂乃果、もういい......いや、本当痛いから!」

 

 隣を見ると泣きそうな表情をした穂乃果がいた。

 あぁ、力加減出来ないのか......そんな顔してたら、当たり前だろ。

 

 再び大きく息を吸い、俺たちは叫ぶ。

 

『ありがとうございます!!!!!』

 

 俺は本日付けで音ノ木坂学院の正式な生徒として登録された。

 

***

 

「そう言えばさ、みんなさっき何で笑ってたんだ?」

 

 波乱の1日が終わり、俺たちは部室に来ていた。

 

「あぁ、あれですか?」

 

 円陣の時、何故笑われたのかが未だに理解出来ない俺は、思い切って聞いてみることにした。

 別に変なこと言った覚えはないんだけど......

 

「実は......私たちは最初から結果が分かってたんだよ!」

 

「はぁ?」

 

 穂乃果が自信満々に胸を張る。

 ...やっぱり思ったよりでか......じゃなかった。

 

「分かってたって......みんなが拍手してくれることがか?」

 

「うん!車の中で海未ちゃんからの連絡を貰った時、絶対上手くいくって思ったの!ねーっ♪ことりちゃん♪」

 

「ねーっ♪穂乃果ちゃん♪」

 

 あの時か......

 それでも何でみんなが拍手してくれるってこと分かってたんだ?

 

「優くんはμ’sの一員として今まで頑張ってやってたんよ?そんな優くんを受け入れん人なんているわけないやん?」

 

「希の言う通りよ。あなたが今まで頑張っていたことはみんな知ってるもの!」

 

「絵里......希......あ、ありがとう」

 

 恥ずかしくなって、俺はそっぽを向きながら呟く。

 くすくすと笑う2人の声が聞こえて更に恥ずかしい。

 

「ほ、ほら!パーティの準備進めようぜ!」

 

 俺たちが部室に集まっているのはこれからパーティをするからだ。

 μ’s再活動&ことりと穂乃果お帰り&俺が正式に音ノ木坂の生徒になった記念。

 まぁ、廃校を阻止したパーティのやり直しだ。

 

「とりあえず、菓子類と飲み物類は俺が行くとして......花陽手伝ってくれるか?」

 

「は、はい!もちろんです!」

 

 そうして花陽連れて外に出ようとする。

 

「どうして花陽ちゃんなの!?」

 

 穂乃果が肩にしがみついてきた。

 突然のことにちょっとバランスを崩しかける。

 

「いや、目の前にいたからだけど......」

 

「それなら花陽ちゃんじゃなくて穂乃果が行くよ!ほら、ゆう君は花陽ちゃんに荷物を持たすなんて出来ないでしょ!?」

 

 ...俺は何てことをしようとしてたんだ!!

 よりにもよって天使様2号に荷物を持たせようとしてたのか!?

 俺の馬鹿野郎!!!

 もちろん1号はことりだ。

 

「じゃあ穂乃果、行くか」

 

「うん!」

 

 穂乃果と一緒に部室を出ようとする。

 

「待って下さい!」

 

 今度は海未が俺の腕を掴む。

 

「穂乃果だと寄り道したり色々と余計な物を買うと思います!だから私が一緒に行きます!」

 

 確かに穂乃果だとやりかねないよな......

 その点海未ならきっちりしてるし、海未に手伝ってもらうか。

 

「それなら海未、頼む」

 

「はい!」

 

 海未を連れて部室を出ようとする。

 

「待って!」

 

 ことりが駆け寄ってくる。

 ...いつまで続くんだこれ。

 

「海未ちゃんにはみんなをまとめてもらうっていう役目があるから......ことりが行く!!」

 

「俺がことりや花陽に荷物をもたせられるわけないだろ!!」

 

「怒るとこそこなの!?」

 

 当たり前だろ、凛。

 何を間違ったらそんな愚かなことが出来ると言うんだ!!

 

「ゆーくぅん......お願いっ♪」

 

「行くぞ、ことり」

 

「変わり身早すぎ......」

 

 真姫、そうは言うが......これに逆らえるやつは、世界中のどこにもいない!

 更に久しぶりなこともあってその威力はいつもの倍。

 

 そのままことりを連れて部室を出ようとする。

 

「待って!」

 

 絵里が今度は引き留めてきた。

 

 もう何だって言うんだよ!!

 というか何でさっきから1人ずつくるんだよ!!

 順番制か何かか!!

 

「優くん、頼まれたとはいえ......ことりに荷物を持たせるなんて出来るのかしら?」

 

「そ、それは!?」

 

 出来るわけない。 

 

「それならここは私が行くわ。花陽もことりと同様、穂乃果も寄り道とかして時間がかかってしょうがない、海未にはみんなをまとめる役がある......ということは私しか空いてないわよ?」

 

「いや、絵里だけじゃなくて、他に4人空いているだ「私が行くわ」...はい」

 

 有無を言わせない迫力に頷くしかなかった。

 

「だったら絵里がまとめればいいじゃないですか!!」

 

「そもそも穂乃果寄り道なんてしないよ!!」

 

「ことりだって荷物ぐらい持てるよ!!」

 

「わ、私もです!!」

 

 えぇ!?

 荷物持ちでここまでもめる!?

 

「じゃあ、俺が辞退するから......誰か2人で――」

 

「「「「「それはダメ!!」」」」」

 

「おかしいだろ!?」

 

 分かったから早くしてくれ......

 いや、ここで俺が別のやつを指名すれば......いや、争いが加速しそうだな......

 

「...それなら俺が1人で――」

 

「「「「「それもダメ!!」」」」」

 

「何でぇ!?」

 

 訳が分からない!!

 

「にこ......どうすればいいと思う?」

 

「そうねぇ......諦めるかとっとと誰かを連れて行くか......」

 

 なるほど。

 確かに俺がもうこの人だって強く言えば、事態は収拾するよな......

 

「...お前ら!ジャンケンしろ!それで文句ないな?」

 

「「「「「...ジャンケンポン!!」」」」」

 

 その様子を見ながら、俺はため息を吐く。

 すると希が笑いながら近づいてきた。

 

「大変やねぇ......優くんは」

 

「そう思うなら、助けてくれよ」

 

 その希に恨みがましい視線をぶつける。

 

「ゆー君!勝ったよ!!」

 

「...なるべく軽い物を持たせるからな。あとこの紙に欲しい飲み物とお菓子を1つずつ書いてくれ!」

 

 飲み物は絶対に俺が持つ、そう誓いながら俺は1枚の紙を渡す。

 そして、紙が手元に戻ってきた。

 

「おい、誰だ!?ビールとか書いたバカは!?」

 

「冗談冗談♪優くんは本当にからかい甲斐があるなぁ~!」

 

「お前か!!」

 

 こんなバカみたいなやり取りが楽しい。

 みんなが笑う。

 

 そして俺も頬が緩む。

 いつも通りの騒がしい日常。

 

 これが、この騒がしい日常こそが俺の望んだものだ。

 音ノ木坂に通い続ける限り、これからもこんな毎日が続いていく。

 

 これからも俺は――μ’sと共に。

 

―1st season end―

 




作「雑談のコーナー!今回のゲストは八坂優くんです!」

優「これで一応第一期は大団円ってところか」

作「はい、そうなりますね」

優「で?これからの予定は?」

作「そうですねぇ......まず数話ほど番外編を挟みたいと思ってます」

優「番外編?」

作「ここ最近はシリアスばっかりだったのでコメディを取り入れた話を書きたいと思いまして」

優「なるほどな、後日談ってところか」

作「そこまで大それたものではありませんが、まあそういうことです」

優「第二期と劇場版はどうするんだ?」

作「第二期は必ずやると思います。劇場版については......やりたいとは思ってますが、私この4月から社会人なのでそれは未定ですね」

優「第二期だってちゃんと更新出来るか怪しいからな......仕事に慣れるまでしばらくかかるだろうし」

作「そういうことですね......あっ、思い出しました。優くんのプロフィールを教えてください」

優「は?何で?」

作「いや、親しみを持ちやすくなりますし......キャラが分かってた方がその場面も読者の皆様が想像しやすくなりますし」

優「なるほど......名前は八坂優、身長は170cm、血液型はB」

作「体重などは考えるのが難しいので割愛します、血液は私と同じで身長は大体私と同じですね」

優「こんな感じだな。まさか第1期の最後に自己紹介することになるとは......」

作「挿絵入れるのが1番早いんですけどね」

優「お前練習したなら書けよ」

作「...時間があればですね」

優「やれやれ......次回もよろしくお願いします!」
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