ラブライブ!~未来へ響く多重奏~   作:朝灯

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今回はもしものお話。
リクエストもありましたし、あの人主体のお話です。



If Story ~幸せを呼ぶクローバー~

 その日は秋も近いこともあり、とても過ごしやすい天気だった。

 空は高く、綺麗な青色がどこまでも続いている、そんな天気の日。

 

「ねえねえ!!ゆう君は知ってる?」

 

 朝から慌ただしく俺の席へと寄ってきた穂乃果は机に手を着くと、大きな声で言った。

 

「あー、近い。声がでかい。......で?何が?」

 

 俺は苦笑混じりに返す。

 するといつものように海未とことりも俺の席へとやってくる。

 

「穂乃果、少々落ち着いてください」

 

「なんでも......このクラスに転校生が来るみたいだよ?」

 

「転校生?この中途半端な時期に?」

 

 ことりが言ったことを繰り返す。

 2学期始まって数週間経ってるのに転校生か......

 

「賑やかになるな。穂乃果はあまり質問攻めにするなよ?」

 

「大丈夫だよ!!」

 

「どんな子なのかな?」

 

「それは先生が来てからのお楽しみってことで」

 

 転校生の話を聞いてから気づいたけど、よく見たらクラスのみんなはどこかそわそわしているように見えた。

 聞こえてくる会話もその話題ばかり。

 

「噂をすれば来たみたいだな。ほら、早く自分の席に戻れ」

 

 3人が席に着くと同時に先生が教室に入って来た。

 

「さて、みんなももう知ってると思うが、今日から私たちのクラスに新しい仲間が増える!みんな仲良くするように!」

 

 ざわざわと喧騒が起こり始める。

 俺が来た時もこんな感じだったのか?

 いや、男が来ると知って歓迎する気持ちは少なかったか、今はすっかり馴染んでるけど......

 

「それじゃ入ってきていいぞー!」

 

 ちなみにこの男前な話し方をする先生も女性だ。

 まぁ、それはいいか。

 さてと......どんな人が来たんだ?

 

「...え?」

 

 教壇に立つその姿は、黒髪の少女。

 凛とした雰囲気を持っているそんな女の子。

 

「深瀬六葉(りくは)です!今日からよろしくお願いします!」

 

 最後に声を聞いたのは夏休みの合宿の時、鈴のような声は変わらないまま。

 彼女、深瀬六葉はそこに立っていた。

 

「ゆう君、あれって......」

 

 前の席に座る穂乃果が俺の方を向く。

 

「...あぁ。多分精度の高い偽物とかじゃないだろうな」

 

 穂乃果たちも一度は姿を見ている。

 何となく海未とことりの方を見てみると、穂乃果と同じような顔をして、俺の方をジッと見ていた。

 

「何だ?八坂も高坂も南も園田も知り合いか?」

 

 先生が俺たちの名前を呼ぶとクラスのみんなの視線が俺たちへと集まる。

 

「え、え~っと......俺の中学の時のクラスメートです」

 

「そうか、ならちょうどいいな!深瀬の席は八坂の近くだ、あとで学院内を案内してもらえ」

 

「はい!」

 

 深瀬は足取り軽やかに俺の傍へと歩み寄り――

 

「これから"また"よろしくね?優くん!」

 

 ――笑顔でそう言ったのだった。

 

***

 

「どういうことだよ!?何で深瀬が音ノ木坂に!?」

 

 休み時間は案の定、深瀬はクラスメートに捕まってとても話しかけられるような状態じゃ無かった。

 なので放課後になってからアイドル研究部の部室に来てもらった。

 というか連れてきた。

 

「実は......あれから三上君のお父さんが頼みたいことがあればなんでも言ってくれって言ってくれたから......私だけマンションに部屋を借りることになって、それで音ノ木坂に引っ越してきたの!」

 

「へぇ、そうなのか......じゃなくて!!どうしてわざわざ引っ越してまで音ノ木坂に来たんだよ!?」

 

 μ’sが全員揃って見守る中、深瀬はそっと口を開く。

 

「この部活に入部する為、かな?」

 

「「「「「「「「「「えぇっ!?」」」」」」」」」」

 

 何でだ!?

 深瀬はやっと両親と一緒に暮らせるようになって.....って、そうだよ!!

 

「両親と一緒にいなくていいのか!?」

 

「あの頃とは違って、今度はいつでも会えるんだし......私は私のやりたいことをするの!!今まで我慢してた分!!いっぱいいっぱい!!だからスクールアイドル、やってみたいなって!!」

 

 弾けるような笑顔で笑う深瀬。

 呆気に取られていた俺たちはまずは自己紹介からしていくことにした。

 

「高坂穂乃果です!よろしくねっ!」

 

「うん!同じクラスだよね?よろしくね!!高坂さん!」

 

「穂乃果でいいよ~!六葉ちゃん!」

 

「うんっ!穂乃果!」

 

 この2人は仲良くなれそうだな。

 明るい笑顔が良く似ている2人だ。

 

「私は南ことりですっ♪よろしくね!六葉ちゃん!」

 

「よろしくっ!ことり!」

 

 ことりとも上手く馴染めそうだ。

 2人で服の話で盛り上がりそうだな。

 

「園田海未です。よろしくお願いします」

 

「よろしくね?海未!」

 

「は、はい......六葉」

 

 深瀬はグイグイいくようなタイプだから、多分穂乃果のように海未を引っ張ってくれるはずだ。

 海未は人見知りだからな慣れるまで時間かかりそうだけど......

 

「あぁ、言い忘れてたけど......μ’s内では先輩禁止だから、1年生が敬語使わなくても大目に見てくれ。もちろんここにいる3年生にも敬語は無し、オッケー?」

 

「うん!もちろんだよ!なんだか距離が縮まった感じがするし!!」

 

 何というか......完全に吹っ切れたって感じだな。

 あの事は既に解決したとはいえ、本人を前にすると俺は未だに引きずってしまう。

 時間が解決してくれるものなのか、自分で乗り越えていくしかないのか、それは定かではない。

 

「凛は星空凛って言うんだぁ!よろしくにゃ!」

 

「うわぁ!素敵な名前、それにとっても可愛い!よろしくね!凛ちゃん!」

 

「っ......うん!六葉ちゃん!」

 

 ...今一瞬凛の顔が曇ったような......気のせいか?

 深瀬は同級生は呼び捨て、1年生はちゃん付けで呼ぶみたいだ。

 

「こ、小泉花陽です!よろしくお願いします!」

 

「うん!え~っと......花陽(かよ)ちゃん!」

 

「は、はい!その呼び方するのって凛ちゃんだけだったので......何だかくすぐったいです!」

 

 おぉ、和む和む。

 今日も俺の天使様2号は俺の心を癒してくれた。

 

「西木野真姫よ、よろしくね」

 

「よろしく!真姫ちゃんスタイルもいいし美人だし、何よりも手が綺麗だね!」

 

「まぁ、ピアノやってるから手にはそれなりに気を遣ってるだけよ」

 

 そういえばピアニストってそういうものだったっけ。

 そんな真姫の日々の努力によって俺たちの曲が作りだされているわけだ。

 いつも感謝しています。

 

「綾瀬絵里よ、一応この学校の生徒会長をしているわ。よろしくね」

 

「よ、よろしく......お願いします!」

 

「先輩禁止だって、ほらもう一回言ってみろ」

 

 深瀬の気持ちは良く分かる。

 絵里って初対面の時はかなり緊張するんだよなぁ。

 

「う、うん!よろしく!絵里ちゃん!」

 

「絵里はロシア人と日本人のクォーターなんだ、金髪とスタイルがいいのはそういうこと」

 

「もうっ!おだてたって何も出ないわよ?」

 

 絵里の赤面いただきました。

 こうして俺の脳内μ’sフォルダにまた1枚刻まれていくのである。

 毎日絶賛更新中だ。

 

「うちは東條希!よろしくやん、六葉ちゃん!」

 

「よろしく、希ちゃん!......何というかオーラ?が凄い!」

 

 見えるのか?

 まぁ、希って不思議な雰囲気があるから......もっとも、凄いのはオーラだけじゃない。胸とか胸部とかバストとか......

 

「...矢澤にこよ!入部するからにはアイドルがどういうものなのか、よく知ってもらう必要があるわ!いい!?アイドルっていうのは人を笑顔にする仕事なの!!生半可な気持ちでやるなら許さないからね!!」

 

「はい!!私、笑顔を失う辛さは知ってるつもりです!!だから人を笑顔にしたいんです!!よろしくお願いします!!にこちゃん!!!」

 

「にこはアイドル研究部の部長だ、見た目はこんなでもちゃんと高校3年生」

 

 この2人にはかなり似たものを感じる。

 かつて笑顔を失い、今こうして再び笑えている者同士。

 にこは不機嫌そうにしながらも、口角が上がっている。

 きっと深瀬の覚悟を受け取ったってことだ。

 

「こんなって何よ!?」

 

「痛えっ!?(すね)を蹴るな!!」

 

 容赦なく蹴りつけてきやがって......

 態勢が悪かったおかげで深くは入らなかったけど、次は危なそうだ。

 

「みんなが深瀬に自己紹介も済んだところで、各自着替えてから屋上に移動。それから準備運動してそれから絵里と海未の指示に従ってくれ」

 

「..."六葉"!」

 

 深瀬が俺の腕を掴み名前を強調してくる。

 ん?つまり、どういうことだ?

 

「私だけ仲間外れみたいじゃん!!だから名前で呼んでよ!!」

 

「あぁ、なるほど......よろしくな、六葉」

 

「うんっ!」

 

 まさかこんな日が来るなんて、俺は思ってもみなかった。

 こうして深瀬......六葉とまた同じ学校に通うことになって、同じ部活に入って、スクールアイドルの活動を一緒にやっていくことになるなんて誰が想像出来るだろうか。

 

「...さぁ!練習開始だ!!」

 

『おぉ!!』

 

 だからこそ楽しくなりそうだ。

 

***

 

「ダンスって疲れるんだねぇ......」

 

「まあ、歌って踊って、更には笑顔を維持しないといけないからな。最初はみんなそうだった。凛とか絵里とか海未とか例外はいるけど......」

 

「誰が例外ですか、日頃から鍛えていればある程度は出来ますよ」

 

 だってお前トレーニングを楽しめる側の人間だし......

 小さい頃から海未の親父さんに鍛えられてるし、それが習慣じゃん。

 

「六葉、俺たちとこっちに来てるけど......家の方角はこっちなのか?」

 

「うん、多分近所だよ。4人は幼馴染なんだっけ?」

 

「うん!」

 

「と言っても、再会したのは数ヶ月前のことですが」

 

「穂乃果ちゃんと海未ちゃんとは幼稚園から一緒なんだよ?ゆー君は学校は違ったけど親同士仲が良かったからそれで知り合ったの!」

 

 こうして見ると......4人とも本当容姿が整っているよな。

 そのおかげですれ違う男連中の視線がこっちに向くのが分かる。

 

 ...俺に向いているのは嫉妬の視線だし、刺されないように夜道には気をつけないとな。

 

「着いた、ここだよ」

 

「近所って言うか......俺ん家の目の前じゃん!」

 

 俺の家の前にそびえ立つご立派なマンション様を指差す六葉。

 えぇ......超リッチ。

 

「普通のアパートでいいって言ったんだけど......これぐらいしないと示しがつかないって......あはは」

 

「す、すごいね......」

 

「今度遊びに行ってもいい!?」

 

「穂乃果!またあなたは!」

 

 いつも通りの光景だな。

 このマンション以外は。

 

「まあまあ、海未。私は全然いいから!むしろ1人暮らしで広すぎて落ち着かないぐらいだから!何なら今からでも来ていいぐらいだよ!」

 

「えぇっ!?いいの!?」

 

「もちろん!ほら、海未もことりも!」

 

 さて、俺は帰って晩ご飯作らないとな......

 

「優くん、何帰ろうとしてるの?」

 

「はい?」

 

「今から六葉ちゃんの歓迎会だよ!ゆう君!」

 

 ...なるほど。

 

「いやいや、歓迎会は必要だけど......それはみんながいる時じゃないと意味無いだろ」

 

「だから私たちのはプチ歓迎会兼明日の準備だよ!ほらほら!!」

 

「俺晩ご飯の準備があるんだが......」

 

 プチ歓迎会って......初めて聞いたぞ......

 

「いいよー、お兄ちゃん。行ってきても」

 

「優莉、もしかして聞こえてた?」

 

「穂乃果さんの声は大きいし、ここは家の前だからそりゃ聞こえるよ」

 

 だよな。

 うーん、優莉もこう言ってるけど......軽々しく女の子の部屋に入るのは実はまだ抵抗がある。

 いくら一緒に寝泊まりしたと言っても、少しは緊張するもんだ。

 

「...はぁ、分かったよ。じゃあ何か食べる物作るから......材料を買いに行ってくる、優莉はどうする?」

 

「私は適当に作って食べるから、お兄ちゃんは安心して行ってきていいよ」

 

 出来た妹だ。

 あの両親から生まれたとは思えないなぁ。

 

「じゃあみんなで買い物だぁ!!」

 

「優、何を作るのですか?」

 

 テンションの高い穂乃果と献立を聞いてくる海未。

 

「みんなついでに夕食にするなら......簡単にオムライスかオムレツか......卵料理だな」

 

「卵料理を簡単と言ってしまえる辺り、優くんの女子力はウナギ昇りだよ」

 

 良く言われます。

 弁当を作って持って行くと大体みんなから言われる。

 

「ゆー君お料理上手だもんねっ!楽しみだなぁ~!」

 

 さて、本気出すか。

 大天使に期待されてしまっては手は抜けない。

 端から抜く気はないけどな。

 

「じゃあ、穂乃果たちはジュースとお菓子を買う!!」

 

「飾り付けも必要だよねっ?」

 

 そうか、明日の準備もするんだっけ?

 

「とりあえず、行こうか」

 

『うん!(はいっ!)』

 

 近所迷惑にならないといいけど......

 特にこのハイテンション娘。

 

***

 

「うわぁ!!広ぉ~い!!」

 

「おい叫ぶな、近所迷惑」

 

 人生初壁ドンを味わう羽目になるぞ?

 意味が違うか。

 

「では、穂乃果とことりは飾り付けをお願いします。私は優を手伝いますので」

 

「私も手伝うよ、4人はお客様なんだから」

 

「六葉ちゃんは座ってていいんだよ?歓迎会の主役なんだから!」

 

「そうは言うけど、ことり。それと同じことを聞いて言うことを聞く人なんて滅多にいないと思うよ?」

 

 まあ、主役だから休んでていいよって言われて休んでるやつを見たことないな。

 俺としては手伝ってもらえると助かる。

 

「メインは俺が作るから、海未と六葉は付け合わせを作ってくれ」

 

「分かりました」

 

「任せといて!」

 

 しばらく談笑しながら、パーティの準備は順調に進んでいった。

 会場もいい感じになり、料理も完成。

 うん、いい出来だ。

 

「主夫だね~......何というか女の私たちの立場が危ういよ......」

 

「そうですね、私たちも出来ない訳ではないですが......ここまでやられると勝てる気がしません」

 

 まあ、毎日のように自分で作ってたら嫌でも上達するもんだ。 

 手伝いじゃなくて俺が全部やってるわけだし。

 

「今更だけど、明日の歓迎会って部室じゃダメだったのか?」

 

「「「「あ」」」」

 

 うっかりしてた、と。

 早めに言い出せば良かったかな?

 

「まあ、もう飾り付けもしたし......いいか」

 

「そ、そうだよ!!」

 

 まぁ、これだけ広ければ確実にみんな入るし......菓子類が無くなったら自分で作れるし、騒音に気をつければ部室よりはいいか。

 

「早く食べて、明日の準備をしようぜ。まだ残ってるんだろ?」

 

「そうだ!早く食べないとオムライス冷めちゃう!!」

 

 冷めたらレンジにで温めればいいだけなんだけど......俺もお腹空いたし、気にしないでおくか。

 

「ご主人様♪今ならサービスでケチャップでオムライスに絵をお描き致しますよ♪」

 

 ケチャップじゃなくて鼻血で模様を描いてしまいそうだっ!!

 さすが伝説のメイド......着てもいないのにメイド服が見える!?

 

「何というか、ことりって本物のメイドみたいだね」

 

「実はメイド喫茶でアルバイトさせてもらってるの♪だけどお母さんには内緒ね?」

 

「親は理事長で娘はメイド......凄いね」

 

 そうだな、しかも普通のメイドじゃない。

 

「ことりちゃんは秋葉で伝説のメイドさんなんだよ?ミナリンスキー!!」

 

「嘘ぉ!?」

 

「六葉、ミナリンスキーのこと知ってるのか?」

 

 意外だった。

 

「知ってるも何も......ネットで有名だもん!サインはオークションにかけられてるし!!」

 

 さすが伝説、知名度は伊達じゃない。

 それでも世間にことりの姿が知られていないのは写真禁止という条件に助けられている部分が大きいんだろうな。

 

「と言っても、色々ありすぎて知ったのは最近なんだけど......」

 

 これ以上は踏み込まない方がいい。

 俺は直感でそう悟った。

 

「ことり、絵頼めるか?」

 

「うんっ♪任せて♪」

 

「...(相変わらず優しいなぁ)

 

 ...小声なのに聞こえてるぞ。

 そんなんじゃない。

 

「ことり、あれを見せては如何ですか?......優の女装の......」

 

「あっ!いいかも~♪」

 

「穂乃果携帯に写真入ってるよ!!」

 

「え!?見たい見たい!!」

 

 みんなも何となく空気を察したみたいだ。

 空気が入れ替わってくれて良かった。

 こんな話持ち出さないに越したことはないからな。

 

 だけど......そんなことよりも今は――

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!!!!」

 

 ――こいつらを止めることが先決だ!!!

 

***

 

 翌日の放課後。

 俺たちはまた六葉の家に集まっていた。

 今度はμ’s全員で。

 

「昨日言い忘れていたけど、ここ防音だからある程度は騒いでも大丈夫だよ?」

 

「ぃやっほ~!!」

 

「広いにゃ~!!」

 

「だからってわざわざ叫ぶな!!」

 

 全く、こいつらは......

 俺はとりあえず荷物を置いてキッチンに足を踏み入れる。

 

「...どうしてキッチンに入るのにそんなに貫禄があるのよ」

 

「料理の出来る男の子はモテるやろうな~」

 

 中学生の時から俺はキッチンを任されてきたんだぞ?

 まぁ、キッチン入るのに貫禄なんかいらないんだけど。

 

「こんなんでモテれば苦労はしない、じゃあパパッと作っちゃうから、みんなは六葉と話してていいよ」

 

 みんなと親睦を深めてもらう意味も込めての歓迎会だ。

 俺は中学は同じクラスだったし、あとで話せばいいからな。

 

「何か手伝えることがあれば呼んでね?」

 

「むしろ今からでも何かお手伝いを......」

 

「絵里も花陽もありがとう、大丈夫だから座っててくれ」

 

 優しすぎるっていうのも考えものだな。

 

「まずいもの作ったら許さないわよ」

 

「誰に向かって言ってんだよ、いいから座ってろって」

 

 俺ってそんなに信用ないのか?

 合宿の時も見せただろうに......

 

「じゃあここで主役から一言!」

 

 あっち盛り上がってるな......

 俺も早く参加出来るように作業を早くしよう。

 

「え~っと......今日は私の為にこのような歓迎会を開いて頂き......」

 

「固いよ!!」

 

「...本当にありがとう!!」

 

 パチパチと拍手の音が聞こえる。

 おい、誰だ下手な口笛吹いてるやつは。

 掠れた音しか聞こえてこないぞ。

 

「実は、音ノ木坂に来たのはスクールアイドルになりたかっただけじゃなくて、もう1つ大きな理由がありました!」

 

 ...あれ以外にあるのか。

 一体何だ?

 

「...八坂優くん!」

 

「...は、はい!?」

 

 急に呼ばれてびっくりして声が裏返る。

 おい誰だ、今笑い声が聞こえたぞ。

 

「...私、深瀬六葉は――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――あなたのことが本当に大好きになってしまいました!!!!」

 

 ...え?

 

「「「「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇっ!?」」」」」」」」」」

 

 突然の展開に俺たちは揃って大絶叫。

 

「私はスクールアイドルをやる為!そして......優くん!あなたを落とす為に音ノ木坂に転校してきました!これからどんどんアプローチしていくから、覚悟しておいてね!!」

 

「...えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 今度は俺1人が叫ぶ。

 これが俺にとっての波乱の幕開けだった。

 

 ――あったかもしれない

 

 

               もう1つの未来――

 

 これはそんな物語だ。

 

 

―To be continued?―




作「雑談のコーナー!さぁ、八坂優くん!どうぞ!」

優「今までにないぐらい雑だな」

作「まあまあ、別にいいじゃないですか」

優「今回は深瀬の話だったな」

作「はい、書いていてこんな未来があったらいいなと思いましたね」

優「あとは読者がどう受け取るかだな」

作「はい......それとストックが切れてしまいました」

優「切れるとどうなるんだ?」

作「まず、投稿が遅れる可能性が大です。自動車学校も卒検ですし、学科の方の勉強もしないとなので書く時間があまりないんです......ごめんなさい」

優「あまり読者を待たせないようにな」

作「はい、善処します」

優「次回もよろしくお願いします!」
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