投稿が遅れてしまい申し訳なさしかございません。
言い訳はしない!ただモチベーションがいつまで経っても回復しなかっただけなんだ!つまり全部仕事が悪い!
......本当にすいませんでした。
結局、穂乃果に言われるまま、流されるままに今日の練習は休みとなり、俺たちは秋葉原へと遊びに来た。
黄昏時のオレンジは喧噪さえも包み込み、そんな寂しくもあり、賑やかさも兼ね備えた街の中をクレープを食べながら並び歩く。
「ゆう君のクレープ一口ちょうだい!!」
「嫌だ、半分は持っていかれるじゃん」
俺は穂乃果から遠ざけるようにクレープを持ち直す。
「私そんなに口大きくないよ!代わりに私のも一口あげるから!」
「いや、それはちょっとな......ほら、一口だけだぞ」
この子は俺に対してガードが甘すぎるんだよ......普通は男女間の間接キスって気にするところだよな?本当こういうことされると俺の精神力がガリガリと削れていくから困る。
「うーん!やっぱりクレープは美味しいね~!」
「具半分以上持っていきやがった......また太るぞ」
かぶり付かれたクレープを見てみると、バナナは半分以上消失していた。
まあ、別にクレープなんかいい。問題は穂乃果だ。
何故急にラブライブに参加しないなどと言い出して、今から遊びに行こうなんて言い出したのか。
こうして見てると普段と何も変わらないように見える。
穂乃果から視線を移し、みんなを見るように視点を変える。
うん、いつもと変わりない。クレープを美味しそうに頬張りながら前方を歩いている。
いや......にこだけはむすっとしながらクレープをかじっている。
にこはラブライブにかける想いがとても強い。かつてのメンバーの離脱によってどうしても諦めざるを得なかった夢が、今目の前にある。
それに、俺はこのメンバーなら優勝だって奇跡ではないと思っているし、にこの気持ちはよく分かるつもりだ。
穂乃果がラブライブ出場に積極的ではない理由......それはきっと――
「ゆーサン、クレープ一口ちょうだい!」
俺の思考はいつの間にか傍に来ていた凛の催促の声によって遮られた。
「いいけど......具は食べるなよ」
「それだと生地と生クリームだけ食べることになっちゃうよ......そんなの分けてもらう意味ないにゃ」
「見てみろ、このクレープ。もう具が少ないだろ?凛が俺のクレープをかじることによって正にお前が言った状況になりかねないんだ」
ふっと遠い目をしながら呟く。
今はもうその姿の多くを消してしまったバナナを思い......ってそんなことはどうでもいいか。
「あ!ゲームセンター行こうよ!プリクラ撮りたい!」
たたっと穂乃果が駆け出していく。
...まあ今は楽しむとしようか、穂乃果のことは......あとで家に行くか、家に呼ぶかをして話をしよう。多分、俺が考えていることで合っているはずだから。
などと考えていると、袖口がくいくいっと二度引かれる感覚がした。
「......絵里?どうした?」
袖を引いているのは絵里だった。
何かを悩んでいるような様子で、覚悟を決めたのか、俺の耳元にそっと顔を近づけ......いや、近い近い。
「ねえ優くん......ぷ、ぷりくら?って何かしら?」
そう聞いてきた。
......嘘だろ?その発音の仕方近所のおばあちゃん(69)に俺の部活を教えた時と同じ反応なんだけど。
す、すくーるあいどる?あぁ、懐かしいねえ......私も若い頃はやってたね~......ところで美味しいお菓子があるんだけど、持って帰らないかい?
これがその時の反応だ。50年以上前のスクールアイドルとか逆に見てみたい。その後は話を逸らすことに必死だったのか、お菓子までくれたし。美味しかった。
「......あー、うん行けば分かる。行こうか」
俺は絵里を連れて穂乃果たちがいるであろう、プリクラコーナーへと足を運んだ。
***
さて、現在凛と穂乃果が絵里にプリクラの仕方をレクチャーしているところ。
...おい絵里が鞄持ったまま入っていったぞ、ちゃんと教えてやれよ。
プリクラの筐体の中から楽しそうな声と驚愕したような声が聞こえてくる中、俺は残ったメンバーと適当にゲームセンター内を徘徊していた。
「せっかくだし、俺たちも何かして遊ぶか」
「そうやね、何がいいかな~」
ダンスゲームは俺たちがやると真剣勝負になりすぎるし、UFOキャッチャーは上手い人がやらないとこの店の貯金箱になるだけだし...おっ。
「じゃあ俺はあれやるわ。バスケのシュートのやつ」
懐かしさに目を細めながら、筐体へと近づく。ボールに触るのは大体1~2年ぶりってところだっけ...上手く出来るといいんだけど。
硬貨を投入して転がってくるやや小さめのボールを手に持ち、リングに向かって放る。もちろんこのゲームに合わせた低めの放物線を意識しながら的確にリングへと入れていく。
こういうのってちゃんと体が覚えているものなんだな。...ラスト一本はしっかり決めよう。
「さすが優くん、元バスケ部のことはあるね!」
「まあ、新記録更新ってわけでもなく、極々普通のスコアだけどな」
こういうゲームのベストスコアは大体400を超えている。一本入るごとに2点だから1分間に200本入れたことになるな、超化け物じゃん。
「でも真剣にプレイしている優くんは格好良かったと思うよ?ねっ、花陽ちゃんに海未ちゃん」
「え!?あ、その...はい」
「...まあ普段が普段ですからね」
「ちょっと?俺普段そんなにふざけてないよ?え、ふざけてないよね?」
真面目にやっているはずだ。多分、きっと、メイビー......。
「ほらふざけたこと言ってないで、ちょっとこっちに来なさい」
にこに腕を掴まれたまま、どんどん引きずられ......はしない。体格差と男女の力量の違いを活かしてその場に踏ん張る。
「ちょっと!どうして踏ん張るのよ!」
「いや、なんとなくだけど......分かった、分かったからその蹴りの構えを解け、着いて行くから」
すぐに暴力に訴えかけるのはアイドル志望の乙女としてどうなんだろうか。いや、威力はないんだけど......脛とか蹴ってくるし、本当痛いんで勘弁してほしい。
「で?なんだよ、告白か?ごめんなさい」
「そんな訳ないでしょ!穂乃果のことよ!」
なんだ、ゲーム機の音がしなくて人気のない場所に連れて来られたもんだから告白かと思ってつい断ってしまったじゃないか。
「優、あんた穂乃果の考えてることが分かってるんじゃないの?」
いつになく真剣な表情をしたにこが言葉を紡ぐ。
......こいつの偶に見せるこの鋭さは一体なんなんだろうか。
さて、俺はここで何と答えるべきなのか。確かに俺は穂乃果の考えていることに限りなく近い解答を持っていると思う。だけど、確証はない。
結局のところ穂乃果本人にしか答えは分からない訳で、適当なことを言って騒ぎになっても困る。
「......確証はないけど、あいつの考えは......俺が考えていることで合っていると思う」
「なら!――」
「――だからこそ、俺に任せてほしい。......ダメか?」
にこの言葉を途中で遮って、俺は言う。
このことは今、俺にしか動けないことだ。
「あぁー!!ゆーサンこんな所にいたぁー!!」
にこの返答を待っていると、周りの筐体の音を劈く声が俺の元へ届いた。
「ゆーサンも凛たちと一緒にプリクラ撮るにゃ!ほら行くよ!」
「ちょ、まだ話してる最中で......服を引っ張るな!伸びるだろ!」
にこの返答を待たずして、俺はプリクラゾーンに放り込まれることになってしまった。
......大丈夫だよな、にこのやつ......
***
「えっと......ゆう君?どうして急に呼び出したりしたの?」
「あぁ、ちょっと話がしたくてな」
解散後、穂乃果を連れて俺の部屋。これじゃただの五七五じゃねえか。
おふざけはここまでにしてっと......
穂乃果も呼び出した訳を聞きたがっているみたいだけど、きっと薄々勘付いてはいるのだろう。
「......私がラブライブに参加しないって言った理由のことだよね?」
「正解、さあ今すぐ訳を言え」
今は一分一秒でも惜しいんだ。二回目のラブライブ開催が決まった今、きっとどこのスクールアイドルだって必死に練習しているはずだ。栄光を掴むために、一つだけの未来、優勝という文字を目指して。
A-RISEだって一回目優勝だからといってそこに胡坐をかかずに練習しているに違いない。
「......私ね、怖いんだ。また失敗したり、みんなに迷惑をかけちゃうことがさ」
やがて、ぽつりぽつりと語り始めた内容は俺が想像していた通りの内容だった。
「ラブライブにまた挑戦出来ることは本当に嬉しいよ。でも、もう廃校の危機は一時的にだけど去ったんだって考える自分もいてね?これ以上を求めることなんて贅沢すぎるかなって思うんだ」
真剣な表情の穂乃果をしっかりと見据え話を聞き続ける。
「凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃん。絵里ちゃん、にこちゃん、希ちゃん。それに海未ちゃんにことりちゃん。もちろんゆう君も。μ’sというグループの活動を通して......私たちはどんどん仲良くなっていったよね。これ以上の贅沢なんて望んでもいいのかなって......思っちゃったんだ」
瞳を揺らがせた穂乃果はそのまま俯く。
......はぁ、やれやれ。
「穂乃果、こっち見ろ」
「......ゆうk――痛ぁ!?」
穂乃果が顔を上げた瞬間に思いっきりデコピンをかます。
「痛いよゆう君!!何でデコピンするの!?」
「いや、お前がバカなのにバカなことを考えてるからイラッとしてな」
呆れを隠さずにため息を吐いてやる。
「酷いよぉ!これでも本当に真剣に悩んだんだから!」
「とりあえずだ。お前は本当に何も分かってない!」
人差し指を穂乃果に突き付けながら俺は捲し立てる。
「1人でやってるつもりか!このバカ!!迷惑をかけることが怖い?今更なんだよバカ!失敗上等!お前が躓いたとしても俺がいる!みんながいる!最初からフォローもさせてくれないで逃げる気か?ふざけんなよバカ!」
「バカって三回も言われた!?」
ここで一息入れてクールダウン。
「......なぁ、穂乃果。考えてみろよ」
「え、えっと......何を?」
急に怒鳴ることを辞めて諭すように話し始めた俺を見て穂乃果が躊躇いながら聞き返してくる。
「今が10月だから、あと5ヶ月。これが何を意味をするかわかるか?」
「5ヶ月......あと5ヶ月?......3月、卒業式?......あ」
ぶつぶつと呟く穂乃果、どうやら答えに辿り着いたようだ。
「そうだ、来年の3月には絵里たち3年は卒業だ。つまり俺たちが一緒にいられるのはあと5ヶ月だけなんだ」
「そんな......」
「だからこそ、5ヶ月という短い期間を思い出作りの為に停滞しているわけにはいかないんだよ」
停滞か、前進か。どちらがいいかなんてのは明白だ。
「そっか......うん......ゆう君、私、いや私たち出るよ。ラブライブに」
「あぁ、俺も最後まで支えてやる。だから頑張れ......違うな、頑張ろう」
他人事じゃない。俺を支えてくれて、ここに居続けさせてくれている彼女たちを力一杯支え返すのが俺がやらなきゃいけないことだ。
「うん!そうと決まればみんなに連絡......ってあれ?にこちゃんから電話だ」
穂乃果が携帯を操作し、俺にも会話が聞こえるようにスピーカーをオンにした瞬間だった。
『穂乃果!今からラブライブ出場をかけて私と勝負しなさい!!』
波乱を予感させるにこの叫びが聞こえてきたのは。
――To be continued――
雑談のコーナー?本編考えるので精一杯です!
よって今回は休み!
次回もお楽しみに!