真・響鬼   作:三澤未命

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最終之巻『君の響き』

○たちばな・地下作戦室

 勢地郎を中心に机を囲んで座っている、ヒビキ、ダンキ、ゴウキ、エイキ、フブキ。

そして少し離れて香須実と日菜佳。

勢地郎「やっぱり、キュウビとタマモだったか……」

ダンキ「ヤツらの体に触れられなかったってのは、一体……」

勢地郎「キュウビとタマモというのは、大いなる謀(はかりごと)によって発生する最強の魔化魍ということになっている。しかし、今まで千年以上の間、実際に出現したことはなかったんだな」

ゴウキ「それが何故、今になって……」

勢地郎「理由は分からないが、千年の年月の間に自然の邪気が日本の中心地であるこの場所に蓄積されて、その怨念が実体化したものなんだと思われるねぇ。だから、目には見えても、実際は実体のない魂の魔化魍なんだよ」

フブキ「では、物理的な攻撃は効かないってことですか?」

勢地郎「そうだ。倒す方法はただ一つ、怨念には、こちらも念の力しかない!」

 力を込めて言い放つ勢地郎。

ゴウキ「しかし、そんな観念的な攻撃なんて……」

勢地郎「君たち鬼には、強靭に鍛え抜かれた精神力がある。だから、怨念を打ち消す念波を生み出すことができるはずなんだ。ただ、その念波を魔化魍を清める音撃に転換させるためには、人間が持つ、最も強く、清らかな音の力が必要なんだ」

エイキ「最も強く、清らかな……音?」

 固唾を呑んで勢地郎を見つめる全員。

勢地郎「それは…………、『声』だ」

 

○オープニング曲『輝』

 

○サブタイトル

 最終之巻『君の響き』

 

○提供ナレーション 細川茂樹

 

○柴又近辺の公園

 ベンチに座って話す明日夢とひとみ。

ひとみ「安達君は、大人になったんだねぇ」

明日夢「え?」

ひとみ「私には無理だもん……、私には、できない……」

 ひとみ、ニコッと笑って、

ひとみ「ゴメンね、こないだはワガママな事言っちゃって。あ、安達君の人生だもんね。私がワガママ言っちゃ、いけないよねぇ……」

明日夢「持田……」

ひとみ「……私も応援しなくっちゃね! うん! ……私、安達君のこと……好きだからさ、ちゃんと応援してあげるよ! じゃあね!」

 そう言って、恥ずかしそうに走り去っていくひとみ。

明日夢「持田……」

 振り返り、歩き始めようとする明日夢。

 ふと立ち止まり、

明日夢「……え!? 今、何て言った!? お、俺のこと……」

 今になって顔を真っ赤にする明日夢。

 

○明日夢の自宅・和室

 こたつに入って話す明日夢と郁子。

郁子「……明日夢、アンタ、漫画家にでもなるつもり?」

明日夢「え? ……じゃなくって」

郁子「あのねぇ、そんな事あるわけないじゃないの! ……もう、何言ってんだか」

明日夢「ホントなんだってば! ……屋久島でも話しただろ? ……母さん、酔っ払ってたかもしれないけど……」

 表情を歪める郁子。

郁子「言われてみれば……、聞いたような……、そうでないような……」

 考え込む郁子。

明日夢「あの時、バケモノを退治した鬼が、ヒビキさんだったんだ……」

郁子「明日夢……」

 真顔になる郁子。

 しかし、すぐに立ち上がり、

郁子「……バカなこと言ってないで、早く宿題済ませちゃいなさい!」

 そう言って部屋から出て、襖をピシャリと閉める郁子。

明日夢「か、母さん!」

 ガックリと肩を落とす明日夢。

 と、襖の向こうから郁子の声が……。

郁子「……明日夢」

明日夢「……え?」

郁子「男が一度決めた道なんだったら、絶対挫けちゃダメよ。もし途中で投げ出したりなんかしたら、……母さん許さないんだから」

 そして、遠くなっていく郁子の足音。

明日夢「母さん……」

 

○たちばな・地下作戦室

 机を囲んで話を続ける勢地郎たち。

ダンキ「……声を音撃にだなんて、聞いたことないですよ?」

勢地郎「吉野で研究は進められていたんだ。で、今回の事件を受けて急ピッチに開発が進んで……」

ザンキ「こいつが出来上がったってわけだ」

 いつの間にか階段の下にいたザンキ。

ヒビキ「ザンキさん! ……いつ退院したんですか?」

ザンキ「ついこの間だ。で、退院した途端、こいつの運び屋をやらされたよ」

 そう言いながらザンキは、上部に念波発信器のついたヘッドセットマイク型の音撃転換装置を机の上に置いた。

ヒビキ「な、何ですかコレは?」

勢地郎「これを使えば、君たちの念波を声によって音撃に転換することができるんだ」

エイキ「へぇ~……」

 興味深そうに、装置を手に取るエイキ。

勢地郎「奴らがあの洋館から離れようとしないのは、奴らがあの土地が発生させた地縛的な邪魂だからだと思うんだ。恐らく、闇の鬼も奴らが作り出したものだろうから、もしかしたら、今はかなり力が弱くなっているのかもしれない」

ヒビキ「今がチャンスってわけですね?」

勢地郎「(頷いて)放っておくと、また邪悪な力を溜め込んでいく可能性もある。追い風の吹いている今、一気に叩かなくてはならない。……幸い、トドロキ君らの働きで通常の魔化魍発生が落ちついてきた。もうすぐイブキ君も帰ってくるので、ここは一つ、合同業務ということで……」

サバキ「俺を忘れるなよ」

 階段から現れたサバキ。

ヒビキ「サバキさ~ん! もう大丈夫なんですか?」

サバキ「ザンキが退院したってぇのに、俺がゆっくりしていられるか!」

 両手を広げて苦笑いするザンキ。

ヒビキ「お~し! んじゃあ、一丁やりますか!」

 

○渋川付近の山中ふもと

 凱火で山道を疾走するヒビキ。

 そして、平野部になったところへ凱火を止め、ヘルメットを脱ぐ。

 そこへ、トドロキの雷神がやってきて停車。

 降りてくるトドロキ。

トドロキ「ヒビキさん!」

ヒビキ「おう!」

 ヒビキ、凱火から降りて歩き出す。

 その左後方を、トドロキが歩く。

 と、前方にイブキの姿が。

イブキ「お待たせしました」

 ポーズを決めるイブキ。

 ニコリと笑ってポーズを返すヒビキ。

 そしてイブキは、ヒビキの右側に並んで歩き出す。

 すると、その左右から次々と戦士たちが現れる!

 サバキ、トウキ、エイキ、ダンキ、ショウキ、ゴウキ、バンキ、そしてフブキ。

 ついに勢揃いした十一人の鬼戦士!

 ヒビキを中心に、横一列に並んで歩を進める!

 真ん中にいるヒビキが、ゆっくりと音角を鳴らして額へと持っていく。

 同じように、他の十人の鬼もそれぞれの変身動作に入る。

 そして、十一人の鬼が同時に変身!!

 変身体となった、響鬼、威吹鬼、轟鬼、裁鬼、闘鬼、鋭鬼、弾鬼、勝鬼、剛鬼、蛮鬼、そして吹雪鬼が、気合いを一つにして洋館へ向かう!!

 

○謎の洋館

 洋館を取り囲む十一人の鬼。

 そこに漂う邪気は、ここにきてまた強力になっている。

響鬼「さて……、と」

 響鬼が上を見上げたその瞬間、辺り一帯が真っ暗闇に包まれた!

 そして轟く雷鳴!

 グラグラと揺れ始める洋館。

 そして、天井をブチ破って飛び出すキュウビとタマモ!!

轟鬼「うわっ!!」

 見ると、キュウビとタマモはその体を一体化させて、一回り大きくなっているではないか!

 大きくひと吠えするとともに、口から火炎玉を吐きまくるタマモキュウビ!

 上空から降ってくる無数の火炎玉を避ける十一人の鬼。

 なおも火炎玉を吹き続けるタマモキュウビ。

 そして、十一人の鬼はそれを巧みに避けながら、頭に音撃転換装置をセットしていく。

タマモキュウビ「フギャーーーーーオッ!!」

 大空に向かって、大きくひと吠えするタマモキュウビ。

 十一人の鬼たちは、その姿に神経を集中させて念じ始める。

 すると、十一人の鬼たちの頭上に、次第に念波のオーラが湧き出てきた。

 そしてそのオーラが、それぞれ大きな球体のようになって浮かび上がる!

 両手を胸の前で合わせながら、マイクロフォンを通してタマモキュウビに向かって叫ぶ十一人の鬼!!

十一人の鬼「音撃念・猛鬼声魂!! ハアアアアアアアアアアアアアア…………、ハアッ!!」

 十一人の鬼の清めの声とともに、十一個の光の球がタマモキュウビに向かって飛ぶ!!

 激しい閃光とともに、その光の球がタマモキュウビの体にブチ当たり、それは巨大な光の塊となって洋館もろとも包み込む!!

 余りの光の強さに目を伏せる十一人の鬼たち。

 そして、タマモキュウビは、洋館とともに激しく粉砕!!

 ついに、千余年に渡る長き邪念によって生まれた、強大な魔化魍の清めが完了した!

    ×   ×   ×

 辺りに青空が戻り、空き地と化したその場に集結する十一人の鬼。

鋭鬼「なんと、建物までが奴らの妖力のなせる業だったってことか……」

轟鬼「……恐ろしい奴らでしたね」

 顔の変身を解く十一人の鬼。

サバキ「……しかし、これで魔化魍が全滅したってわけじゃない。魔化魍ってのは、自然の力から生まれた悪しき存在。それを、自然の力を借りて我々鬼が清めていく」

ゴウキ「この世に人と自然がある限り、永遠に続く戦いってことですね」

トウキ「だからこそ、俺たちは常に鍛えて鍛えて、鍛え抜いておかねばならんのだ!」

腕を大きく広げて見得を切るトウキ。

ヒビキ「……んじゃあ、明日っから、また働きますか~!!」

 笑い合う十一人の鬼たち。

 空は、晴れやかに澄み渡っていた……。

 

《CM》

 

○たちばな

 忙しい店内。

 セカセカと動き回る香須実、日菜佳、そしてひとみ。

客「すいませーん」

香須実「……あ、はーーーい!」

別の客「あ、お茶もらえる?」

日菜佳「あああ、ハイハイ!」

また別の客「すんません、お勘定!」

ひとみ「た、ただいま参ります!」

 バタバタと働く三人。

 奥からその様子をチラッと覗き込む勢地郎。

 勢地郎、顔の前に右手を立てて謝るような仕草をし、そそくさと地下へと下りていく。

 

○同・地下作戦室

 階段を駆け下りてくる勢地郎。

 部屋の中央に座っていたのは、フブキ。

勢地郎「いやあ、お待たせお待たせ!」

フブキ「すいません、忙しいところを……」

勢地郎「いやいや」

 そう言いながら、フブキの正面に座る勢地郎。

勢地郎「……で、何だい? 話って」

 フブキ、一度下を向いてから、キッと顔を持ち上げて、

フブキ「私、…………引退します」

勢地郎「ええ!? ホントかい!?」

フブキ「はい。……音楽の方をね」

 勢地郎、ちょっとホッとした表情で、

勢地郎「……ああ、……そう」

フブキ「才能に溢れてるって罪ですよね。まあでも、猛士にはまだまだ私が必要でしょうから」

勢地郎「そ……、ああ、そうね……」

 何とも答えづらい勢地郎。

 それを見て、思わず吹き出すフブキ。

 そして、和やかに笑い合う二人。

 

○同・地下研究室

 バンキ、みどりと一緒に新しい武器の実験中。

みどり「バンキ君、ちょっと、そこのドライバー取って」

バンキ「あ……、はい」

 バンキ、みどりに道具を渡しながら、

バンキ「……みどりさん、なんか俺のこと助手みたいに思ってませんか?」

みどり「え? ……なーによ、やあねぇ。そんなことないって! ……あ、バンキ君、そろそろモニターつけといてね」

バンキ「……ハイハイ」

 疑問を抱きつつも、みどりに従うバンキであった。

 

○藤岡山中

鋭鬼「必殺必中の型!」

 オオアリに音撃打を決めていく鋭鬼。

鋭鬼「イヨッ!」

 華麗なバチさばきで鼓を打ち、オオアリを撃破!

 鋭鬼、音撃棒・緑勝をクルクルッと回しながら、

鋭鬼「オオアリ倒して、今日はもうオーワァリっと! ……今イチかな」

 首を捻りながら、一人テントに戻っていく鋭鬼。

 

○毛呂山の沼

弾鬼「今だ! 勝鬼ィ~~!!」

勝鬼「はい!」

 音撃管・台風を吹き鳴らす勝鬼。

 激しい振動とともに、ウブメの体にその波動が響き渡り、爆発!

 弾鬼、勝鬼の方へ近寄っていき、

弾鬼「決まったな、フォーメーションG!」

勝鬼「え? 今のはフォーメーションEですよ?」

弾鬼「何ィ~!? 違うだろ! Eは俺がこう打ってから……」

勝鬼「だから、それがGなんですってば!」

 相変らず、息ピッタリの二人であった。

 

○山道

 専用車両で移動中のゴウキ。

 運転席には、サポーターであるゴウキの新婚妻が。

ゴウキ「今日は、こことここを廻って……」

 助手席で地図を確認するゴウキ。

ゴウキの妻「ねぇ……」

ゴウキ「ん?」

ゴウキの妻「私、ちょっと休みを取らなきゃいけないわ」

ゴウキ「……え!? 何で?」

 驚いて妻の方を見るゴウキ。

ゴウキの妻「……だって、……デキちゃったんだもん」

ゴウキ「え……、ええええええっ!?」

 いつも冷静なゴウキだったが、興奮して持っていた地図を破り割いてしまう。

ゴウキの妻「ちょ、ちょっとあなた!」

ゴウキ「あ! ゴメンゴメン……」

 慌てて地図を元にくっつけようとするゴウキ。

 新たな幸せとともに、目的地へと向かっていくゴウキ車両。

 

○河川敷の土手

 トウキが、弟子である息子に式神操作の指導をしている。

トウキ「いいか、このタイミングで集中力を高めるんだ……」

 トウキの動作を手本に、ゆっくりと鬼笛を吹く息子。

 そして、手に持っていたディスクアニマルがポーンと飛び出して、アニマル型に変型!

トウキの息子「やった! やったよ、父ちゃん!!」

 喜び勇んでディスクアニマルに駆け寄るトウキの息子。

トウキ「よし! その調子だ。しかし、まだ波長が弱いぞ~?」

 息子の成長に顔をほころばせるトウキであった。

 

○大洗の海辺

 ディスクアニマルをチェックしているサバキ。

サバキ「お、当たりか! ……いっちょ行ってくるぜ!」

石割「あ、サバキさん! 無理しないでくださいね」

サバキ「何言ってる! 大丈夫大丈夫!」

石割「でもサバキさん、巷じゃあ、サバキさんもいよいよ引退かな~なんて噂がチラホラ出てますよぉ?」

 ニヤニヤ笑いながらサバキを見る石割。

サバキ「ムッ!」

 サバキ、怒りの表情で走りながら音錠を鳴らせて変身!

 そして、閻魔を手に持ち、

裁鬼「この俺の辞書に、『引退』という言葉はなーーーーーい!!」

 大きくジャンプし、必要以上に力を鼓舞する裁鬼であった。

 

○三浦半島海岸

轟鬼「音撃斬・雷電激震!」

 バケガニに刺した音撃弦を力強い指さばきで奏でる轟鬼。

 そして、バケガニが四散!

轟鬼「フゥ……」

 顔の変身を解いたトドロキの下へ、ザンキが歩いてくる。

トドロキ「あ、ザンキさん! ……お疲れッス!」

ザンキ「おお、お疲れ。……ところでトドロキ、最近、もうアレやんないのか?」

トドロキ「ア……、アレ?」

ザンキ「ほら、アレだよ。清めの……」

 そう言って、ギターを弾く仕草をするザンキ。

トドロキ「ああ、アレですか! いやあ、もうそんな事してらんないかなあって……」

ザンキ「何だ、残念だな。せっかく用意してきたのに」

 ザンキ、そう言って背中から練習用の音撃弦を取り出す。

トドロキ「……ザ、ザンキさ~~~ん!!」

 喜色満面のトドロキ。

 ちょっと照れ笑いするザンキ。

 そして二人は、目でタイミングを計り、清めのギターをかき鳴らし始める。

 二人の清めのギターセッションが、海岸に鳴り響く……。

 

○吉野本部・病室

 ベッドで資料に目を通しているあきら。

 そこにイブキが入ってくる。

イブキ「どう? 調子は」

あきら「あ、イブキさん!」

 あきらの傍らに座るイブキ。

イブキ「何読んでたの?」

あきら「まずは知識のおさらいと思って、魔化魍の出現条件を復習してました」

イブキ「そっか……。無理しちゃダメだよ、まずはしっかり体力をつけて」

あきら「はい」

 イブキ、立ち上がり、窓の方へ歩いて外を眺める。

イブキ「いい天気だなあ……」

 あきら、照れくさそうな表情で、

あきら「……イブキさん」

イブキ「ん?」

あきら「……本当に、……いつもありがとうございます」

イブキ「……どういたしまして!」

 イブキ、ニッコリ笑ってあきらに向かって銃撃のポーズ。

 目を丸くして微笑むあきら。

 そして病室に差し込む、希望の光。

 

○柴又近辺の公園

 ベンチに座っているヒビキと明日夢。

ヒビキ「少年と会って、そろそろ一年になるなあ……」

明日夢「……そうですね」

ヒビキ「学校の方はどうなんだ? ドラムの練習、しっかりやってるか~?」

明日夢「え、ええ……、まあ……」

 返事がぎこちない明日夢。

 明日夢の気持ちに気付いているのか、敢えてつっこまず、前の方を見て笑っているヒビキ。

 しばらくの沈黙。

明日夢「……ヒビキさん!」

ヒビキ「ん?」

 明日夢、ヒビキの方に向き直り、ジッと目を見て……、

明日夢「僕を……、僕を…………、弟子にしてください!!」

 ヒビキ、明日夢の真剣な眼差しを感じ取り、ニコッと笑ってまた前を向く。

ヒビキ「……しょ~ね~ん~来~た~よ♪ 弟~子~入~り~来~た~よ♪ よ、よ、よ、よ、よよよよよよよよ……、よろしくな……っと!」

 かえるの歌で明日夢に返答したヒビキ、明日夢の目をしっかりと見つめて、

ヒビキ「修行の道は、厳しいぞ? ……しっかりついてこい! ……明日夢」

 明日夢、目を輝かせて、

明日夢「……はい!!」

 ヒビキ、立ち上がって大きく伸びをしながら、

ヒビキ「よ~~~し! じゃ、まずラジオ体操だ! いくぞ明日夢~~!!」

明日夢「ええっ!? ……は、はい!!」

 

○『少年よ』フルコーラス

 この間、一之巻から最終之巻の名場面が順々に映し出される。

    ×   ×   ×

 まるで透明になったみたい

 ぜんぶ 自分をすり抜けていく

 そんなふうに 感じてたのかい?

 少年よ 旅立つのなら

 晴れた日に胸を張って……

 

 Hit the beat!  Keep your beat!

 心が震える場所 探して

 Hit the beat!  Keep your beat!

 誰にも出来ないこと 見つけ出せ

 

 それが君の響き

 

 なぜか空っぽになったみたい

 ぜんぶ 無意味に思えてしまう

 そんなふうに 世界が見えたかい?

 少年よ 旅に出たなら

 雨も降る、顔を上げて……

 

 Hit the beat!  Keep your beat!

 心が響いた鼓動 信じて

 Hit the beat!  Keep your beat!

 誰でもない自分の生き方で

 

 それが君の響き

 

 歩き疲れた道の途中で

 思い出すもの 夢にみるもの……

 

 Hit the beat!  Keep your beat!

 心が震える場所 探して

 Hit the beat!  Keep your beat!

 誰にも出来ないこと 見つけ出せ

 Hit the beat!  Keep your beat!

 心が響いた鼓動 信じて

 Hit the beat!  Keep your beat!

 誰でもない自分の生き方で

 

 それが君の響き

 

○フェリーの甲板

 風が吹く中、フェリーの甲板に立つヒビキ。

 隣には明日夢。

ヒビキ「ヨッ!」

 船上の外通路へと飛び降りるヒビキ。

 ヒビキ、振り向いて、

ヒビキ「結構、鍛えてます。……ハーーーックショイ!!」

 

○仮面ライダー響鬼 完


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