そろそろ一章が終わるかもです。次は二章であるので。
「そろそろ寝ろよ」
食い終わったので、早く寝かせたい。というか、帰りたい。
「ねぇ、比企谷」
「なんだよ、早く寝ろよ」
「私のこと嫌い?」
「はあ?」
「ねぇ」
いつになく真剣な折本の少したじろぐ。
本当にどうしたんだ? 風邪ってこんなんだっけ?
「別になんとも思ってねえよ」
「ぅ……」
折本が泣きそうな顔になる。
風邪の時って少し卑屈になるよね、心身共に安定してないというか、そのせいだよね?
そうじゃないと折本にこんなことを聞かれるはずがない。
正直な所、嫌いかと聞かれれば、違うと答える。
仮にも中学時代好きだったのだから、よっぽどのことがない限り嫌いにはならないだろう。
それに最近は同じ生徒会だからと言うこともあってよく話す。
だから、どちらと言えば、好き……なのだろう。
「やっぱり、嫌いなんだ……」
「別に嫌いとは一言も……」
「だって、比企谷に色々、嫌なことしてきたし……」
「してたか?」
「うん……」
思い付くことと言えば、生徒会長になった件ぐらいだが……。
他にあっただろうか? 笑われたぐらいか?
「生徒会長のこともそうだけど、他にも色々と……」
「なんかされたか? お前に」
「直接はあんまりだけど、一緒になって見てたりとかは……」
「それぐらいいいだろ。ぼっちにとったら日常茶飯事だ」
「でも、比企谷のメール無視ったりとか、色々と」
「え……」
やっぱり無視ってたの? あ、ごめーん、メール見てなかった! とか言ってんの嘘だったのかよ……。何人にもやられてるんだけど……。
「だから、嫌いなんでしょ?」
「別に嫌いじゃない……」
「好きか嫌いで言えば?」
今日はなんだか、ぐいぐい来るな……風邪じゃなくて、いろはす病とかか? 一色並にぐいぐい来る。
「どちらと言えば好きになる」
「そ、そう……」
自分から聞いといて、赤くなって、俯かないで下さい。余計に恥ずかしくなる。
「明日はクリスマスイブか……」
「でも、お前は無理なんだろ?」
「うん……少し楽しみだったんだけどなー」
「まあ、仕方ないだろ」
「うん……」
折本はかなり乗り気だった。
前の日まではちょー楽しみなんですけどーとか言ってたからな。
リア充達ならこうゆうイベントは好きだろうからな……。この調子じゃ、クリスマスも分からんからな。
「なあ、折本……って、寝てるのか……」
やっぱり、こう見ると折本は可愛い。本人の前で言うと茶化されそうだから言わないけど。
クリスマスイブか……なんとかならないもんかね……。
そろそろ俺も帰ろう。看病もしたし、これで平塚先生も文句はないだろう。
帰る前に、少し、今からやらないといけないことがある。
小町に電話しとかないとな……。折本の家に行っているのは連絡してある。
「あ、お兄ちゃん、かおりさんどうだった?」
「まあ、ぼちぼちだな」
「そうなんだ……」
「小町、今から少しよるところあるから、もう少しかかる」
「何するの?」
「まあ……色々とな」
「分かった……アイスよろしくね」
「金、アイス買うほど残ってるか分からないんだけど……」
「じゃ、小町待ってるからねー」
「聞いてねぇし……」
冬場にアイスなんか食わなくてもいいだろうに……。
はぁ、寒いな……。