比企谷八幡が海浜高校で生徒会長をしたら   作:時雨煉

22 / 25
久しぶりの更新です! 遅くなりすみません。これからは遅くても完結させるつもりです。
キャラを忘れているかも知れませんがすみません。
もしかしたら、こっちより先に新作を更新するかもしれません。


21話

 俺達は雑貨屋に着いたのだが……まあ、居心地は良くない。

 雑貨屋と言っても、客が女子ばっかりだ。

 

「せんぱーい、これとか良くないですかー?」

「いいんじゃねぇの?」

「でもー、やっぱりこっちの方がいいと思うですよねー」

「じゃあ、そっちで」

「でもー、やっぱり……」

 

 早く決めろよ。どっちなの? 本当はどっちがいいの? 決めてから喋ろう? これは聞いといて自分の中では決まってるやつなんでしょ? 自分が欲しいの決めてくれたらいいから。

 周りの視線が痛い。お腹痛い。

 

「あ……」

「どうした?」

「いや、これなんかいいかなーなんて……」

 

 一色が見ていたのは二つセットのマグカップだった。

 二つ重ねるとハートになるとかって言う、カップル用のやつだ。

 

「これ一人で使うのか? 悲しくなるぞ?」

「違いますよ!」

「じゃあ、誰かにやるのか?」

「そ、それは……」

 

 一色はバツの悪そうな顔をしている。

 あの葉山とか言うやつにやるのか? そこまで執着しているようには見えなかったが……。

 

「誰もあげる人いませんけど……このカップは可愛いかなーって……」

「一人で使うのか……」

「いや、それは悲しいんで」

「だよな」

 

 一色がペアのマグカップを一人で使っているとかまじウケるー。

 と言うか、本気で悲しいぞ?

 

「だから、先輩が使ってくれませんか?」

「は? 俺?」

「そうです。一人で使うのも悲しいですし、捨てるのも勿体無いですし……」

「いや、でもな……これ、カップルとかが使うやつだぞ?」

「大丈夫です! 我慢出来ます!」

「我慢しなくちゃいけないのかよ……」

 

 俺とペアってそんなに嫌なの? 八幡泣いちゃうよ?

 でも、自分の買ったやつを捨てられるのはな……まあ、最悪、小町に使わせればいいか。

 

「分かったよ……一個貰えばいいんだな?」

「はい! 初めからそうしていればいいんですよ」

「じゃあ、金渡すから買って来てくれ」

「……はい?」

「いや、金渡すから……」

「一緒に買いに行くんじゃないんですか?」

「は? だって恥ずいし、勘違いされたら一色も嫌だろ?」

「別に大丈夫なんで買いに行きましょうよ」

「二人で行く必要……」

「行きましょうよ?」

「はい」

 

 笑顔で睨まれた。笑顔で睨むって何だよ……。

 いろはす怖い。超怖い。

 

 

 

 

 もう嫌だ。あの雑貨屋には行けない。行く気ないけど。

 二人で買いに行ったら、店員さん超ニコニコしてたよ。仲良いカップルですね、みたいな目で見てたもん。

 二人で買いに行かなければ良かった……。

 どのみち強制的に行かされてただろうけど。

 

「はい、先輩の分ですよー」

「……おう」

 

 一色は買ってもらってから機嫌がいい。現金な奴だな。

 

「この後どうしましょうか?」

「この後って帰るんじゃねぇの?」

「まだですよー。なんで真っ先に帰ろうと思うんですか」

「そろそろ日も暮れるぞ?」

「まだいいじゃあないですかー」

「そろそろ小町も心配するだろうし、俺は帰るぞ?」

「でも……」

 

 今日の一色はなんかおかしいな。変な物でも食ったのか?

 今は六時……外はもう暗い。一色も危ないだろう。

 

「先輩……」

「うっ……」

 

 一色が少し涙ぐんでいる。

 そんな目で見てくるな! 心折れちゃう!

 その時、心は折れた。

 

「今日はクリスマスだしな……ツリーでも見に行くか?」

「はい!」

 

 俺達は外にあるクリスマスツリーの所に向かった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。