エタっていてすみません。次はいつになるかも怪しいですがすみません。でも、次は比較的早くできるとは思ってます。
今年の生徒会の仕事も終わり、後は学校にも行かずだらだらとゲームなりアニメなりを見る毎日。といっても三日程度なのだが。
最近のイチオシはFPSだ。クリアリングとか言うのがまだいまいち出来ていない俺はカモられっぱなしだ。
睡眠時間を削りながらゲーム勤しんでいると小町に「引きこもりみたいだよ……」と言われてしまった。お兄ちゃん将来きっとこんなのだから養ってね。という言葉を察したのか、誰かいい人とくっつけとそんな目をしていた。
今日は流石に引きこもっていると小町になんて言われるか分からない。酷いこと言われたら本格的に引きこもっちゃう。
適当に本屋でもぶらつくか。最近はラノベの買う量が増えてきた。申し訳ないと思いながらも金がないので立ち読みでもして時間を潰そう。
新刊は何があったっけ? 〇さえいればいいが出てたな。
そのまま家を出ようとしたのだが……運悪く電話が鳴った。着信相手は……
「折本……」
いや、ほんと運悪くね? ラブコメならきっとこのまま女の子とデートする流れかも知れないが俺はラブコメの主人公なんかじゃないよ。全然。
そうだ。無視をしよう。今度あった時に文句言われたら「ごっめーん、寝ちゃってた」って言ってやろう。
無事、着信音が止まった。よし、出かけよう。財布に数千円入れ、俺はそのままドアを開けた。
「あ、比企谷」
「っ……」
「電話したはずなんだけどなー……」
まるで狙ってやったかのように目の前に折本がいた。いや、本当ドアを開けたら目の前に。
えっと、どうしたらいいんだっけ?
「ごっめーん、寝ちゃってた」
「キモッ……」
うわ、この子ストレートすぎない? 俺の美声(裏声)がそんなに気持ち悪かった? きっと目のせいですね。
折本はパーカーの上にコートを羽織り、短パンという身軽な服装だった。
女子って冬によく短パンとかミニスカとか履くよね。足凍らない? 冷え性の方多いでしょ?
ってかなんで折本がここに? 何の用なんだ?
「比企谷さ、一月一日って空いてる?」
「いや、空いてない」
「で、先生が車で送っていってくれるらしいんだけど」
「話聞いてる?」
「これ、先生から渡されたやつね」
「は?」
読んで見ると、それはそれは事細かに俺のことが書いてあった。
比企谷は休日には電話には必ず出ないため直接伝えること。
用事があるということは暇ということなので無視をして進めること。
それでも、渋るようなら妹さんを呼べば解決する。
うわぁ……俺のことよく見てるなー(棒)。愛されてるー(棒)。
とはいえ、八方塞がりだ。平塚先生に何を言っても鉄拳制裁で解決してしまう。教師に力を与えた結果がこれだよ!
折本は少しもじもじとしながらこちらを見ている。
「なんだ?」
「来る……んだよね?」
「まあ……平塚先生と小町に組まれたら逃げ場ないしな」
もうほんと、一人だけでも太刀打ちできないのに。正に鬼に金棒。いや、鬼に鬼のレベルだ。悪魔と小悪魔とかでもいいかもな。
「比企谷って……着物ってどう思う?」
「着物? 和風でいいとは思うが」
「何色?」
「着物で色って言われてもな……その人に合ってればいいんじゃないか?」
「あたしのイメージカラーってある?」
「は?」
折本のイメージカラーと言われてもな。俺のイメージカラーなら黒とか灰色とか即答だろうが。
茶色……いや、なんかそれは女の子からしたら嫌だろう。赤とか青は違うよな。かといって、暗い色でもないし。
俺は悩んだ末、
「金色だな」
「金色!? あたしってそんなに光ってるの!?」
「あー……、ああ、輝いてる。眩しくて見えないぐらいだ」
「なんかそういうの言われると恥ずかしいっていうか……比企谷ってそういうとこ気が利かないよねー」
「ほっとけ」
彼女はおろか、女友達もいない俺には女心なんて分かりやしない。選択肢が出てきたらかなりの高確率で正解する自信はあるがな。
「でも、金色の着物ってあるの?」
「……知らねぇ」
ものすごく目がチカチカしそうですね、はい。
「金色とかウケる?」
「ウケても嘲笑う方だぞ。多分……」
それ似合ってるじゃんっていう受け方じゃなくて変な人がいるっていうウケるだ。折本のよく使う方のウケるだな。
にしても、こいつ着物着てくるつもりなのか? ってことはやっぱり初詣なのか。今年は小町と適当に行こうかと思ってたんだけどな。この様子じゃ小町も付いてきそうだが。
「まあ……比企谷に聞いたのが間違いだよね……」
「本人目の前に言うなよ……」
並の人間が次の日顔を合わせにくいレベル。俺はどんな人間とでも年がら年中顔を合わせにくいので関係ない。自分でも悲しくなってくる。
「でさ、比企谷暇してる?」
「いや忙しい」
主にゲームとかゲームとか。でも、折本は平塚先生からの比企谷攻略法があるので、
「じゃ、適当に遊びに行こうよ」
「は?」
「私暇なんだよねー」
「仲町さん? とかと遊べばいいだろ」
「昨日遊んだし、仲町さん塾にも行ってるしねー」
「で、俺?」
「そうそう」
実はこいつ仲町さんぐらいしか友達いないじゃないかと思ってしまうぐらい仲町さんしか話に出てこないな。上辺だけ仲のいい奴が多いんだろうな。俺は上辺だけもいないが。
このまま帰すと小町がうるさい。遊んだら遊んだで
「じゃ、行こっか」
「……おう」
折本と二人で出かけるのは案外これが初めてだったりするのか? 一色がいたり、家に行っただけだったり、来られただけだったりしたからな。
そこそこの付き合いかとも思ったがまだ一年も経ってないんだな。
最近、急に葉山のあの言葉が浮かぶ。
折本と一色。この二人と俺の関係性は恋人でもなければ友達でもない。生徒会の付き合いそれだけだ。それ以上にもそれ以下にもならない。
葉山のいうことは間違っている。傍から見た関係と実際の関係は違う。
実際に葉山の言う通りでも関係ない。このままの関係が続きそしていつか終わるだけだ。