巫女の方を読んでいた方は分かるキャラの過去話と思ってください
それでは!どうぞ!
この日の博麗神社は、夏の暑さによって外も部屋も蒸し暑くなっていた。
そんな夏の日にもかかわらず、縁側で一人の居候妖怪が寝っ転がっていた。
「あ〜……夏だな〜……蝉の声が煩い……」
その白い雪の結晶の柄の着物を着た、青い長髪で、その毛先が黒の髪をした何処と無くキツそうな顔をした女妖怪は、鬱陶しそうにそう呟くと、耳を塞いで横になる。
しかし、直ぐに起き上がる。
「……おっと、コレは……」
その女妖怪、『小倉 雪華』は目を輝かせて別の方に視線を向けると、立ち上がった。
「楽しい楽しい、『異変』だ〜!」
雪華は楽しそうな声でそう言うと、スキップしながら今代の巫女である『博麗 霊夢』の元まで向かった。
その空は、いつも通りの青空であった。
***
その日から数日経つと、その空模様は青空から紅い霧へと変わってしまっていた。
これには流石に霊夢も動かざる終えなくなり、遊びに来ていた普通の魔法使い『霧雨 魔理沙』と異変がある場所へと向かう事にした。
「それじゃあ、私達は行ってくるけど……なんなら付いてくる?雪華」
「嫌よ、面倒臭い。私は異変の成り行きを此処から見守っておくから、ゆっくりじっくり解決して来てね〜」
「それ、つまりはあんたが楽しむ時間を増やせって言ってるわよね?誰がゆっくりじっくりするもんですか。即急に解決して来てあげるわ!」
「え〜!つまんないじゃん!」
雪華のその言葉は霊夢には届かず、魔理沙は苦笑しながらもその後を追って行く。
雪華はそれを見送ると、その場を立ち上がる。
「さて、霊夢もいないし……仕方ない。面倒だからやりたくないけど、代わりにするか」
雪華は本当に面倒そうに頭を掻くと、竹箒を持って境内の掃除を始めた。
……しかし、直ぐにそれは終わる。
「……やっぱり面倒だわ……」
雪華はそう言うと、竹箒を放ったらかしにし、また縁側で横になった。
「はぁ……なんだか、まだまだ異変は終わりそうにないし……寝るか」
そう言って雪華はまた横になろうとする。
幻想郷の現在の気温は、夏の暑さを感じさせない冷たさで、『雪女』である雪華にとっては心地いい気温である。
「これなら、能力使わなくても……あ、気温戻ったら溶けるから無理か。でも、寝てる時に能力維持するのも大変だし、面倒だし……」
そう言うと、横になるのを止めて考え始める。
そして、思い付く。
「仕方ない……人里の様子でも見に行くか……あんまり行きたくないけど」
雪華はそう言うと、出掛けるための支度を始める。
椿色の鈴が付いた紐を使い、後ろの髪の毛を結んでポニーテールにし、お金を多少持って外に出る。
その外は、未だに紅い霧に覆われている。
「……ま、こんな感じだし、人里でお店とかは……『人間以外』の輩しかしてないよな〜」
雪華はそう言いって、笑みを浮かべて人里へと飛んで行った。