「操符『乙女文楽』!」
「夢符『封魔陣』!」
アリスが大玉を設置し、其処から人形を生み出してレーザーや弾幕を撃つのに対し、霊夢も自身のお札を使ってアリスに対して撃ち始める。
そんな二人から離れた所で、雪華とフィールは二人を見ていた。
「あっちはなんか派手だな〜」
「……そうだね」
「フィールだっけ?応援しないの?」
「……お姉ちゃんは強い。負けない。そう、信じてる。貴方も、巫女のことを信じてる」
「いや信じてるというより、巫女は人間に負けるのなら仕方ないけど、妖怪に負けたら駄目なんだよ。だから、彼奴が負けることは無い」
雪華はそう言うと、フィールを見た。
「それじゃあ、談笑も此処までにして……」
「……うん」
二人はお互いを見て頷きあうと、構えた。
雪華は氷の薙刀を、フィールは手を前に出して。
そんなフィールの構えに雪華は気にせずに近付くと、フィールはいきなりスペル宣言する。
「操形『ウッド・ドール』」
フィールは抑揚の無い声でそう言うと、直ぐに手を近くに生えていた木に向けた。
その手から魔力で作られた糸が現れ、木に刺さる。
すると、その木から二本の足と腕が生え出し、フィールの前に出ると、雪華の薙刀を止めた。
「うわぁ……面倒」
雪華は思わずそう呟くと、直ぐに距離を離す。
「な〜にこれ〜?」
「……私の能力」
「デスヨネー」
雪華はこの面倒さに既に頭を抱えたくなってきていた。
(アレを操れるってことは、当然他のも操れるってことだから……はぁ、私の周りは全部『敵』と考え無いといけ無いわけね……すっごく面倒)
雪華は溜息を吐くと、スペルカードを出す。
「変弾『酸性雨』」
雪華は数多くの白い小型の雫弾をフィールの上に撃つと、それは重力に従って下へと落ち始めた。
ウッド・ドールは自分の主人を守るために壁となり、フィールはそれを無表情で見つめた。
しかし、雪華の弾幕がウッド・ドールに当たった瞬間、木の人形は悲鳴を上げた。
『キシャァァァァ!』
「……どうしたの?大丈夫?」
フィールはやはり無表情のままに聞くと、気付いた。
木の人形が溶け始めているのを。
「……ウッド、ありがとう」
フィールは最後にお礼を言うと、その木は溶けて消えてしまった。
「……」
「……悪いとは思うけど、これも勝負だから」
雪華はフィールに木の人形の事を謝った後、フィールに近付き、薙刀を向けた。
「……これで終わり、で良いよね?」
「……うん」
フィールはフィリアを大事に抱きしめながら負けを認めた。
その向こうでは、
「霊符『夢想封印』!」
アリスが霊夢の得意技にやられていたのだった。
***
弾幕ごっこの後、霊夢は再び雪華に鈴を付けると、アリス達からヒントを貰えた。
「冬が続いている理由はね、『春』が奪われてるからよ」
「『春』?」
霊夢は分かってないのか、首をかしげると、アリスは手のひらに桜の花弁の様なものを載せた。
「これが『春』よ」
「そのまま桜じゃん」
「……春の象徴だから」
「単純というか、なんというか……」
咲夜はそんな感想を言うと、アリスはそれを服の中に隠した。
「『春』が訪れない理由は、さっきのが誰かに奪われているから7*
「なら、その異変主を倒せば良いだけだぜ!」
魔理沙はアリスの説明を聞いてやる気を出すと、箒に乗った。
「ほら!早く行くぞ!」
魔理沙は霊夢達を急かすと、先に飛んで行ってしまった。
「……彼奴、何処に行くか分かってるのかしら?」
「この花弁は空から降ってきたから、空へと飛んでいけば辿り着けると思うわよ」
「分かった。情報有難う、アリス」
霊夢はそれを言うと、そのまま飛んで行った。
「……あ、私が言えば良かった。それならもっと早くたどり着けたじゃん……まあ、もうこの異変も終わりそうだし、いっか」
雪華は独り言の様に呟くと、咲夜と共にその後を追って行ったのだった。