東方〜博麗神社の居候妖怪〜   作:ルミナス

11 / 28
第九話

「操符『乙女文楽』!」

 

「夢符『封魔陣』!」

 

アリスが大玉を設置し、其処から人形を生み出してレーザーや弾幕を撃つのに対し、霊夢も自身のお札を使ってアリスに対して撃ち始める。

 

そんな二人から離れた所で、雪華とフィールは二人を見ていた。

 

「あっちはなんか派手だな〜」

 

「……そうだね」

 

「フィールだっけ?応援しないの?」

 

「……お姉ちゃんは強い。負けない。そう、信じてる。貴方も、巫女のことを信じてる」

 

「いや信じてるというより、巫女は人間に負けるのなら仕方ないけど、妖怪に負けたら駄目なんだよ。だから、彼奴が負けることは無い」

 

雪華はそう言うと、フィールを見た。

 

「それじゃあ、談笑も此処までにして……」

 

「……うん」

 

二人はお互いを見て頷きあうと、構えた。

 

雪華は氷の薙刀を、フィールは手を前に出して。

 

そんなフィールの構えに雪華は気にせずに近付くと、フィールはいきなりスペル宣言する。

 

「操形『ウッド・ドール』」

 

フィールは抑揚の無い声でそう言うと、直ぐに手を近くに生えていた木に向けた。

 

その手から魔力で作られた糸が現れ、木に刺さる。

 

すると、その木から二本の足と腕が生え出し、フィールの前に出ると、雪華の薙刀を止めた。

 

「うわぁ……面倒」

 

雪華は思わずそう呟くと、直ぐに距離を離す。

 

「な〜にこれ〜?」

 

「……私の能力」

 

「デスヨネー」

 

雪華はこの面倒さに既に頭を抱えたくなってきていた。

 

(アレを操れるってことは、当然他のも操れるってことだから……はぁ、私の周りは全部『敵』と考え無いといけ無いわけね……すっごく面倒)

 

雪華は溜息を吐くと、スペルカードを出す。

 

「変弾『酸性雨』」

 

雪華は数多くの白い小型の雫弾をフィールの上に撃つと、それは重力に従って下へと落ち始めた。

 

ウッド・ドールは自分の主人を守るために壁となり、フィールはそれを無表情で見つめた。

 

しかし、雪華の弾幕がウッド・ドールに当たった瞬間、木の人形は悲鳴を上げた。

 

『キシャァァァァ!』

 

「……どうしたの?大丈夫?」

 

フィールはやはり無表情のままに聞くと、気付いた。

 

木の人形が溶け始めているのを。

 

「……ウッド、ありがとう」

 

フィールは最後にお礼を言うと、その木は溶けて消えてしまった。

 

「……」

 

「……悪いとは思うけど、これも勝負だから」

 

雪華はフィールに木の人形の事を謝った後、フィールに近付き、薙刀を向けた。

 

「……これで終わり、で良いよね?」

 

「……うん」

 

フィールはフィリアを大事に抱きしめながら負けを認めた。

 

その向こうでは、

 

「霊符『夢想封印』!」

 

アリスが霊夢の得意技にやられていたのだった。

 

***

 

弾幕ごっこの後、霊夢は再び雪華に鈴を付けると、アリス達からヒントを貰えた。

 

「冬が続いている理由はね、『春』が奪われてるからよ」

 

「『春』?」

 

霊夢は分かってないのか、首をかしげると、アリスは手のひらに桜の花弁の様なものを載せた。

 

「これが『春』よ」

 

「そのまま桜じゃん」

 

「……春の象徴だから」

 

「単純というか、なんというか……」

 

咲夜はそんな感想を言うと、アリスはそれを服の中に隠した。

 

「『春』が訪れない理由は、さっきのが誰かに奪われているから7*

 

「なら、その異変主を倒せば良いだけだぜ!」

 

魔理沙はアリスの説明を聞いてやる気を出すと、箒に乗った。

 

「ほら!早く行くぞ!」

 

魔理沙は霊夢達を急かすと、先に飛んで行ってしまった。

 

「……彼奴、何処に行くか分かってるのかしら?」

 

「この花弁は空から降ってきたから、空へと飛んでいけば辿り着けると思うわよ」

 

「分かった。情報有難う、アリス」

 

霊夢はそれを言うと、そのまま飛んで行った。

 

「……あ、私が言えば良かった。それならもっと早くたどり着けたじゃん……まあ、もうこの異変も終わりそうだし、いっか」

 

雪華は独り言の様に呟くと、咲夜と共にその後を追って行ったのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。