東方〜博麗神社の居候妖怪〜   作:ルミナス

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第十二話

博麗神社へと帰って来れば、庭だけ桜が満開となっていた。

 

この理由を幽々子に聞いてみれば、まだ『春』を返しきれていないらしく、宴会をするためだけに先に此処だけ先に『春』を返したらしい。

 

そんな雪景色から桜景色に変わり、その『変化』に雪華はテンションが上がり、はしゃぎ周り、現在は疲れて木に背を預けてお酒を飲んでいた。

 

その雪華の隣には織姫と彦星もいる。

 

「ねえ?なんでお酒をまだ飲めない彦星がいるわけ?」

 

「そ、それは……」

 

彦星はそう言いながら織姫を見る。

 

それに対して、織姫はキョトンとした顔で彦星を見返す。

 

それさえ彦星には可愛いく思え、顔を真っ赤に染めて顔を逸らした。

 

そして、その『変化』は雪華にとって一興の一つ。

 

すぐに彦星を弄り始めた。

 

「そうだよね〜♪彦星は〜、織姫の事が〜」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

雪華のニヤニヤ顔で言われる台詞を彦星は大声で遮る。

 

そんな二人の姿を、なんの事だかよく分かってない織姫は首を傾げていた。

 

と、そんな三人にクリーム色の髪の妖精が近づいてきた。

 

「こんにちはです〜!」

 

「ん?……えっと、誰だっけ?」

 

「私も知らない。お店から出る事はあんまり無いから……ひこくんは知ってる?」

 

「俺も知らない。人里にもこんな妖精は来た事はないと思う」

 

三人の話は近くにいたその妖精にも筒抜けで、その妖精は自己紹介を始めた。

 

「私は『フウノ・ウィンディ』です〜!よろしくです〜!」

 

「あっそう。よろしく」

 

「よろしくね!フウちゃん!」

 

「よろしく、フウノ」

 

三人はそう挨拶すると、フウノは嬉しそうな顔をすると、織姫の膝の上に座った。

 

「いや、なんで自然といるわけ?お前」

 

「『お前』じゃないです!フウノです〜!理由は、織姫さんが優しそうだからです〜!」

 

「そう?ありがとう、フウちゃん!」

 

「いえいえ〜!」

 

織姫はフウノの頭を撫でると、嬉しそうに頬を緩めるフウノ。

 

そんなフウノを興味なさそうに見ている雪華は、フッと浮かんだ疑問を聞くことにした。

 

「なあ?フウノって名前通りの妖精?」

 

「なまえどおり?」

 

「だから〜、『ウィンディ』って事は『風』でしょ?だから、名前通りの『風』の妖精かと思ったんだけど……」

 

それに対して、フウノは笑顔で頷く。

 

「はいです〜!私は、『風』の妖精です〜!」

 

フウノはそう言うと、指を微かに動かす。

 

すると、その場にそよ風が吹き、桜の花弁を少し散らした。

 

「わぁ〜!桜吹雪!」

 

織姫がそうやって喜ぶと、フウノは益々嬉しそうにする。

 

そんな四人に近付く、もう一人の妖精。

 

幽々子と同じ桜色の髪の毛を小さくツインテールにしており、桜を思わせる形のフリルスカート、その下にはかぼちゃパンツを履いているようでスカートが膨れている。

 

その妖精はフウノの目の前まで来ると、怒り始めた。

 

「も〜!折角春が来たんだから、桜を散らさないで〜!」

 

「私の能力を見せただけだよ?『サクラ』ちゃん」

 

『サクラ』と呼ばれた少女はそれを聞くと、怒るのを止め、雪華達を見ると、頭を下げた。

 

「す、すみません……今年は桜が中々咲かなくて……だから、力も弱ってて……」

 

「だから、ちょっと散っただけでも叱ったのか」

 

彦星はそう言って散った花弁を持つと、桜がその花弁に触れた。

 

「はい……今年に入ってからずっと雪が積もってて……でも!春が来てくれて、良かったです!」

 

「だね〜!」

 

フウノがサクラの言葉に同意すると、二人は顔を見合わせ笑顔を浮かべる。

 

それを見て少しだけ笑みを浮かべる雪華は、そこに近付く一つの気配に気づいて、境内のある方に顔を向けた。

 

その方向から来たのは紅魔館の住人達で、勿論アルカもいる。

 

「お〜い!アルカ〜!」

 

雪華はアルカを呼ぶと、呼ばれた本人は雪華達に近付く。

 

「雪華、此処で酒を飲んでいたのか」

 

「ん〜、まあね〜。親友と子供、それから妖精と一緒に〜」

 

「子供言うな!」

 

雪華がそんな紹介をすると、『子供』と言われた彦星は勿論反応するわけで、それが欲しかった雪華はニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

「あれれ〜?彦星。だーれもあんたの事を『子供』とは言ってないけど〜?」

 

「今の紹介じゃどう考えたって俺の事だろ!」

 

「あ、なんだ。自分で子供だって気付いてたわけね、彦星坊や、頭いいね〜」

 

「そんな賞賛はいられねよ!」

 

そんな風に雪華に弄られる彦星に、同情の目を向けるアルカに織姫は気付いた。

 

「そういえば、アルくんもせっちゃんに弄られてる一人だったね〜」

 

「ああ、まあ……って、なんで知っている。名前も」

 

「せっちゃんから聞いてたからね。あ、私は織姫。付喪神だよ」

 

「そうか。よろしくな、織姫」

 

「うん、よろしくね!」

 

アルカから差し出された手を握り、握手をする二人。

 

そんな二人を他所に、未だに雪華に弄られていた彦星は少し不機嫌そうな顔でその様子を見ていた。

 

「なに?織姫がアルカと仲良さそうで妬いてるの?」

 

「ばっ!?や、妬いてねえよ!?」

 

雪華のニヤケ顏で言われた言葉にスルー出来ない彦星は顔を真っ赤にして反応する。

 

しかし、それは雪華でなくても逆効果で、益々弄られる結果となる。

 

それを見ていたフィールは本を読んで静かにしているアリスに話しかけ、離れる事を伝えると雪華達に近付く。

 

それを遠目に見ていた桜暗はつまらなそうな顔をして見ていた。

 

「……なにがそんなに楽しいんだ。彼奴らは」

 

「あら、お酒を飲んで、お団子も沢山食べれて、その上でこれだけ騒がしかったら楽しいでしょ?」

 

幽々子はニコニコ笑顔で桜暗にそう言うが、桜暗は顔を顰めた。

 

「そうか?ただ煩いだけだ。食べるのも飲むのも、ただの栄養補給だ。……全く理解出来ないな」

 

「あら?楽しいと思えない?」

 

「私にあるのは負の感情だけだ。怒り、憎しみ、苦しみ、悲しみ。それ以外など私にはない」

 

『西行妖』は昔、幽々子の父がその木の下で死んで以来、その父と近しいもの達がその木の下で死んでいった。

 

その時にあるのは勿論、負の感情で、それしか見て、感じてこなかった『西行妖』である桜暗にはそれ以外の感情や行動は理解が出来ないものとなっているのは仕方がないのかもしれない。

 

それを理解すると、幽々子は桜暗を可哀想なものを見る目で見つめる。

 

「……何故、そんな可哀想なものを見る目で私を見る」

 

「……気にしないで頂戴」

 

幽々子はそう言うと、妖夢によって注がれだお酒を喉へと通したのだった。




これにて妖々夢編終了!

日常編もしますが、雪華さん視点だけではないと先に言っておきます

それと、最後の挨拶の後には、紹介されてないキャラを紹介していこうと思っています!

それでは!さようなら〜!



フウノ・ウィンディ

種族:妖精(風の妖精)

性格:子供っぽい性格

チルノと大妖精と一緒にいるのがよく見られているが、他にも妖精友達はいる

能力は『風を操る程度の能力』だが、何処ぞの新聞記者の天狗とは違って此方はそよ風程度しか起こせない

モデル:fairy tailの『ウェンディ・マーベル』


サクラ

種族:妖精(桜の妖精)

性格:簡単に言えば元気っ子

春になるとテンションが上がり、冬になると住処に籠る妖精

能力は無いため弾幕ごっこもしない

モデル:カードキャプターさくらの『木之本 桜』


フィール・マリオネット

種族:魔女(見習い)

性格:表情には出ないが甘えん坊の友達思い

いつも無表情だが、いつも手に持っているフランス人形の『フィリア』に語りかける様に感情を表している

能力は『操る程度の能力』。物に限らず生物も自然も操れる

『フィリア』とはいつも一緒で、お風呂の時も一緒と、全く離れることがない

モデル:物語シリーズの『斧乃木 余接』

西行寺 桜暗

種族:妖怪であり付喪神(西行妖)

性格:冷酷、冷血

負の感情しか持たない付喪神。雪華の身勝手により産まれた

元は妖怪なのだが、付喪神として生まれ変わったとも言える

能力は幽々子と同じで『死を操る程度の能力』

モデル:東方の『西行寺 幽々子』(赤黒ver)
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