東方〜博麗神社の居候妖怪〜   作:ルミナス

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今日から日常編!

その最初の一話は……ちょっとシリアス?

それでは!どうぞ!


日常
第十三話


春が少しずつ幻想郷に返ってきた日、雪華は織姫と一緒に紅魔館へと向かっていた。

 

雪華一人ではなく織姫も一緒にいるのは、咲夜の新しいメイド服を作ってもらうためである。

 

「私、博麗神社か人里しか行動範囲が無いから、こっちまで来るのは初めてだよ」

 

「だろうね。私は結構来るけどね」

 

「アルくんと会う前から?」

 

「まあね。織姫の知らない『付喪神』に会うためにね」

 

「そうなんだ!なら、今度紹介してね?せっちゃん」

 

「良いよ〜!」

 

そんな話をしていると、既に霧の湖の近くまで来ていた。

 

「あとはここを超えるだけ……?」

 

「?せっちゃん?どうしたの?」

 

雪華が途中で言葉を止めたことに不思議に思った織姫が首を傾げながら聞くと、雪華はその湖の畔を見ていた。

 

織姫もその方向を見てみると、白い何かがあった。

 

「?何だろ?アレ」

 

「さあ……気になるし、降りてみよっか」

 

「うん」

 

二人が地面に降り立って先ほど白い物体があった方に顔を向けてみると、其処には白い狐が倒れていた。

 

「妖怪?」

 

「いや、妖怪なら妖力とかでなんとなく分かるし、こんな不用心なわけ……」

 

二人はもっと近寄って見て、其処でようやく気が付いた。

 

その狐の体と足が血塗れであることに。

 

「!?せっちゃん!」

 

「分かってる!」

 

雪華は直ぐに白い狐を抱き上げると、そのまま紅魔館へと飛んで行った。

 

***

 

美鈴はいつも通り、門番の仕事をサボって昼寝をしていると、三つ分の『気』を感じた。

 

一つはよく知っている『気』だが、もう二つは覚えの無い『気』だった。

 

(雪華さんと一緒にいるなら、警戒はしなくて良いかな?)

 

美鈴はそう思ってもう一眠りしようとしたが、雪華達が近付いてくるにつれて『血』の匂いに気が付いた。

 

それに驚いて目を見開くと、もう既に雪華達の姿は見える距離にあった。

 

「美鈴!」

 

「せ、雪華さん!?この血の匂いは何処から……」

 

「説明してる暇はないから悪いけど強引に入らせてもらうよ!」

 

雪華は美鈴の横を飛んで通ると、扉を乱暴に開いた。

 

その扉の先にいたのは青髪の青年。

 

その青年は突然の訪問者に驚き、血塗れの動物を見てもっと驚いた。

 

「えっ!?ど、どういう状況なのです!?」

 

「説明してる暇ない!あんた、手当出来る!?」

 

「ひ、人のは出来ますけど、動物は……」

 

「なら部屋を貸して!私がする!」

 

「あ、主の許可を……」

 

「してる暇あるか!この動物が死んだらどう責任取るつもりだ!」

 

雪華はその少年を睨みつけながら怒ると、その青年は涙目になりながらも近くの空き部屋へと案内した。

 

***

 

雪華が空き部屋で応急手当をしている間、織姫と青髪の青年は廊下で成り行きを見守っていた。

 

そこに来たのはアルカとレミリア、咲夜、ギルである。

 

「!アルカ様!」

 

「アルくん……ごめんね。部屋を無断で使わせてもらって」

 

「いや、気にしなくて良い。動物の手当をする為だろ?構わないさ。それと、シファは頭を上げてくれ」

 

その言葉を受けてシファが頭をあげるとほぼ同時に扉が開いた。

 

其処から出てきた雪華の手には血が付いていた。

 

「あ、来たんだ、アルカ」

 

「ああ……それで?怪我してた動物はどうだった?」

 

「なんとかしたよ。あの狐の『精神力』を『生命力』に変えながら殆どない知識でやり繰りしたから……咲夜、治療できる?」

 

「私も専門ではないわね……」

 

「そっか……なら、後は安静にさせるかな?包帯は巻いたし、怪我の原因も取り除いたし」

 

「!?取り除いたのか……?」

 

「ああ。何とか……怪我の原因はこれ」

 

雪華がそう言って掌を開いて見せたのは銃弾だった。

 

「……狩猟?」

 

「違うんじゃないかな?……『狩猟』よりも寧ろ……」

 

「……『駆除』か」

 

「うん……」

 

雪華はそう言って銃弾を握り、胸のあたりまで持っていく。

 

その手は密かに震えていた。

 

「『駆除』……白い狐というなら、『ホッキョクギツネ』ですね。なるほど、羊などの家畜を襲うから、害獣として駆除されそうになってた所を逃げ出して……」

 

「此処まで逃げてきた」

 

雪華はそう続けると、レミリアは少し疑問に思った事を口に出した。

 

「でも、確かホッキョクギツネは寒い所に住んでいるのよね?それなのに、どうして此処まで……」

 

「それを分かるやつがこの場にいるわけ無いじゃん」

 

「分かってるわよ!そんな事!」

 

雪華の言葉にレミリアは怒鳴りながら言うと、雪華が睨んだ。

 

「怒鳴らないでよ。狐の傷が開くし、何より起きたらどうするの」

 

「うっ……ごめんなさい」

 

レミリアは謝ると、雪華は何処かへと歩き始めた。

 

「?せっちゃん、何処に行くの?」

 

「図書館。確か、あったよね?此処」

 

「ああ。シファ、案内してやってくれ」

 

「わ、分かりました。此方です……」

 

「有難う」

 

雪華はそう言ってシファの後を付いていく。

 

「……なんで、図書館?」

 

「狐の事と医療関係の本を探しに行ったんだと思うよ、レミちゃん。その動物をちゃんと手当するなら、まずは其処からちゃんと知らないと」

 

「まあそうね……って、『レミちゃん』って何?」

 

「え、『レミリア』ちゃんだから『レミちゃん』だけど……」

 

「あ、そう。分かったわ」

 

レミリアがそう言ってアルカを見ると、何処から真剣な眼差しをしているアルカが其処にいた。

 

「?お兄様?どうしたの?」

 

「ん?……いや、雪華のあんな姿は見た事なかったからな……」

 

「せっちゃんは動物が大好きだから……それに、誰だって死にそうな子がいたら焦るでしょ?」

 

「……そうだな」

 

アルカはそれを言うと、歩き出した。

 

「?アルくん、どこへ?」

 

「雪華の手伝いに行く」

 

「あ、それなら私も行きます!」

 

「私も!」

 

アルカの言葉に着いて行くと言ったレミリアと織姫。

 

それを見て咲夜に目配せすると、咲夜は頷いた。

 

「それでは、私は此処で待機します。あの動物が目を覚ましたらお知らせします」

 

「ああ、頼んだ。有難う、咲夜」

 

アルカは咲夜にお礼を言うと、レミリアと織姫を連れて図書館まで向かったのだった。




言っておきますね。

皆さん!動物虐待はダメ!それと、理由なく動物を殺すのは駄目ですよ!

動物はモノを離しませんけど、動物の行動には一つ一つ理由があります。

そ理由のうち、人のテリトリーまで脅かすような行動の半分ぐらいは私達人間にもあります。

私達が森林を伐採する事で、動物達の住処を少なくしたり、餌場を少なくしたり、絶滅危惧種が此処の所増えてきているのもです。

ですから、皆さん。動物には優しくしてあげてください。動物達の事を考えてあげてください。あの子達も必死に生きてるのですから……。

作者からのお願いです。

それでは!さようなら〜!
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