東方〜博麗神社の居候妖怪〜   作:ルミナス

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第十六話

二人は最初、弾幕の撃ち合いをしていたが、途中で魔理沙が弾幕を消し、避ける事に徹し始めた。

 

それをアルカによって安全な距離まで連れてこられた織姫は心配そうに見ていた。

 

「まりちゃん……大丈夫なのかな?」

 

「……どうだろうな?弾幕ごっこは当たりどころが悪ければ死んでしまう」

 

「そんな!」

 

それを聞いてますます心配になった織姫は魔理沙の様子を見た。

 

助けにはなれないし、この決闘に口を挟むことは出来ないが、魔理沙が死ぬのは見たくない様だ。

 

しかし、その心配は杞憂に終わる。

 

織姫は魔理沙の表情を見て、その考えを払拭したのだ。

 

「……まりちゃん、楽しそう」

 

現在、魔理沙はフランのスペルの一つである『クランベリートラップ』の弾幕を避けている最中である。

 

その弾幕は、四匹いるフランの使い魔を縦横に移動させ、その使い魔が赤と青の弾幕を魔理沙を狙い撃つスペルである。

 

それを魔理沙は箒に乗って避けているが、その表情は本気で楽しんでいる時の表情であった。

 

「……ねえ?アルくん」

 

「?なんだ?織姫」

 

「……弾幕ごっこって、楽しいの?」

 

織姫は純粋な疑問をアルカにぶつけてみると、アルカは少し驚いた表情を浮かべたが、直ぐに笑みを浮かべてフラン達の決闘を見た。

 

「……それは、あの二人が物語っている」

 

「……だね!」

 

織姫はまた二人の顔を見ると、二人して本気で楽しんでいる表情をしていた。

 

「あはは!凄い楽しい!」

 

「だろ?何でも破壊しちまったら、楽しくないだろ?」

 

「うん……今までは、私が楽しむ方法はそれしか無かったけど、これ、とっても楽しい!」

 

フランはとても綺麗な笑顔を浮かべてそんな感想を言うと、次のスペルを宣言した。

 

「禁忌『レーヴァテイン』!」

 

すると、自分の手に炎の剣を召喚し、それを振り回し始めた。

 

その振るわれた後にも炎の弾幕が生まれ、それが飛ばされる。

 

魔理沙はそれを避けながら反撃する隙を伺うが、その隙は中々出来ない。

 

そして、織姫とアルカは、その炎の弾幕から必死で避けていた。

 

「な、なんでこっちまで来るの〜〜〜!」

 

「アレはそのまま飛ばされてくるからな。仕方ないだろ」

 

「う〜、私、せっちゃんみたいに上手く避けれないのに〜」

 

織姫はそう言いながら必死で避け続けた。

 

何度も転けそうになりながらも避け続けた結果、なんとかスペルブレイクされるまで避け切ったが、着物が所々焼け焦げてしまっていた。

 

「……作り直し」

 

「……織姫、強く生きろ」

 

アルカは着物がダメになって落ち込んでしまっている織姫にそう声を投げ掛けた。

 

アルカなりの慰めである。

 

その間に今度はフランが四人に増えており、狭い通路から広い所で避ける為に、魔理沙はその場から一時撤退し、フランはその後を追って行った。

 

「……どうしよう。追い掛ける?」

 

「俺は良いが、織姫はやめておけ。死ぬぞ」

 

「うぐっ、それは嫌だ……まりちゃん、信じてるからね?」

 

織姫はその通路から出て行った友人を想いながら、一度部屋へと避難した。

 

***

 

それから数十分後、魔理沙とフランはお互いに服がボロボロになった状態で戻ってきた。

 

その顔はお互いにとても清々しい表情をしていた。

 

「良い弾幕ごっこをしてきた様だな」

 

アルカは二人を見ながら言うと、お互いに何度も首を縦に振った。

 

「お兄様!あのね、あのね!私、魔理沙と友達になったんだよ!」

 

「そうか。良かったな、フラン」

 

「うん!魔理沙!また遊んでね!」

 

「おう!次も私が勝つぜ?」

 

「私だって負けないんだから!」

 

二人の会話から、魔理沙がフランに勝ったことを知り、織姫はとても驚いた。

 

吸血鬼と人間ではどう考えても実力差がありすぎる。その実力の差があるにも関わらず、魔理沙が勝った。

 

(これが、弾幕ごっこ?人と妖怪が平等な実力で決闘する遊び?……せっちゃんは、いつもどんなスペルを使ってるんだろ?)

 

織姫は弾幕ごっこに少しの憧れを抱くが、しかし弾幕ごっこに参加する事はないだろうと考える織姫。

 

織姫自身にはそんな能力も力もないのだから、そう考えるのも仕方ないだろう。

 

しかし、そんな外野でも楽しめたこの遊びは、とても良いものだと思った織姫。

 

(せっちゃんは面倒くさがってやってくれないだろうな〜。頼めばしてくれるかもだけど、相手もいないし……せっちゃんが嫌がることをさせたくないな〜)

 

そんな風に考えていると、その部屋の扉が開いた。

 

全員が入り口の方に顔を向けてみれば、其処にいたのは織姫が丁度、考えていた雪華だった。

 

「せっちゃん!」

 

「ん?あれ?織姫。どうしたの?というか、なんで着物がボロボロなの?」

 

「着物の事は後で説明するよ。それで、此処にいる理由だけど、あの狐さんの様子を見に来たの……そうだ!その狐さんの様子はどうなの?アルくん!」

 

織姫は雪華からの言葉で当初の目的を思い出し、聞くと、アルカは笑みを浮かべる。

 

「ああ。コガネなら元気に回復して行っている……ただ、まだ目を覚まさないから、まだ安静にさせた方が良いだろう」

 

「そう……」

 

「そっか……それなら仕方ないね。帰るか。織姫はどうする?一緒に帰る?」

 

雪華は織姫にどうするか聞くが、織姫はアルカとの約束がある為に帰れない。

 

なので首を横に振ると、雪華は頷いて帰って行った。

 

「んじゃ、私も帰るか〜。フラン!また遊ぼうぜ!」

 

「うん!今後こそ、貴方を最後の一人にしてあげるんだから!」

 

「おいおい、それだと私は首を吊って死ぬのか?」

 

「?なんのお話?」

 

「此奴のスペルカードの一つの話だぜ。それじゃあな〜!」

 

魔理沙は柔かな笑顔を浮かべて部屋から出て行くと、フランはアルカに抱き着いた。

 

「お兄様!」

 

「どうした?フラン」

 

「あのね!私、今度から物は大事にする!だから、時々で良いの。一緒に弾幕ごっこ(遊び)してくれる?」

 

そのフランの言葉にアルカは驚いた顔をしたが、次にはとても嬉しそうな表情を浮かべ、頭を優しく撫でる。

 

「ああ。その時はレミィも入れて、三人で遊ぼう。……いや、家族みんなで遊ぶとするか」

 

「うん!」

 

フランの顔には、本当に嬉しそうな笑顔があった。

 

そんな二人の様子を織姫はとても穏やかな表情で見る。

 

その後、咲夜の案内で部屋を借りると、アルカからの要望を聞き、レミリアへの贈り物のワンピースを作り始め、その翌日には完成した物をアルカに渡し、帰って行ったのだった。




二人の弾幕ごっこはある動画を元にしてますので、そちらでご覧下さい。

ただし、それは3Dですので、3Dが嫌いな人、苦手な人、すみませんが脳内補完でお願いします。

それでは!さようなら〜!
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