艦隊これくしょん -轟ケ天ニ-   作:キューマル式

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みなさん、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

今年始めての投稿は、羅號VSモンタナの万能戦艦決戦からです。
とてつもなく長くなってしまいします。

やっぱり万能戦艦は化け物ですねぇ……。



悪夢 ラ級襲来 後編

「全主砲、斉射!!」

 

「主砲、Fire!!」

 

 最強最大、究極の戦艦である『万能戦艦』。その究極たちが互いに明確な敵意を載せて、鋼の巨砲を咆哮させる。

 通常の艦ならば装甲の厚い戦艦であろうと大きな被害を受けるだろうその攻撃はしかし、互いの展開する防御機構『磁気シールド』によって大きくその威力を減退させられ、決定打には至らない。

 ある砲弾は磁気シールドによってその弾道を反らされ、ある砲弾は威力が弱まったところを装甲によって弾かれる。

 主砲での決着は難しいと判断した羅號とモンタナは、互いに接近戦の道を選んだ。

『万能戦艦』の象徴とも言うべきドリルが唸りを上げる。

 

「おらぁ!!」

 

「くぅ!?」

 

 巨大なドリルによる接近戦。回転するドリルがぶつかり合い、火花を散らす。しかし、ドリルでの接近戦は二連装ドリルを装備するモンタナの方に分があった。

 モンタナの突き出した二連装ドリルの回転力の前に、羅號の超硬度ドリルは押され気味だ。

 

「1本より2本の方が多い! ガキでも分かる簡単な算数だ!!

 そのままひき肉になりやがれ、人類についた万能戦艦の面汚しが!!」

 

 そのままモンタナは押し込んで羅號を引き潰そうとするが……。

 

「何だ、このパワーは!?」

 

 羅號はその小さな身体に見合わぬパワーで、体格で優位に立つモンタナと拮抗していたのだ。

 

「舐めるな、僕は最強の戦艦『大和』の子だ!

 パワーでそうそう負けるものか!!」

 

 羅號はそのままモンタナを弾き返し、一端距離を開けると再び全砲門を構える。同じようにモンタナも砲を構えた。

 

「全力斉射! 薙ぎ払え!!」

 

「主砲、鉛玉をブチ込め!!」

 

 再びお互いの主砲斉射、それは同じように互いの磁気シールドによって防がれ、決定打には至らない。

 

「構うな、連続斉射!!」

 

 だが、羅號はそのまま動きながら主砲を射撃し続ける。

 射撃兵装に対する強力な防御機構である磁気シールドを持つ万能戦艦同士の砲撃戦、それは一見すると無駄な行為のように見える。

 しかし、次第にそれは効果を表してきた。羅號とモンタナ、互いの砲弾が磁気シールドによって削られる勢いが減ってきたのだ。

 磁気シールドは強力な防御機構だが、『無敵の盾』ではない。磁気シールドは展開した磁場によって砲弾を反らし勢いを減退させるのだが、それを行うシールド発生装置には当然ながら負荷がかかる。そしてその負荷限界点を超えてしまえば磁気シールドはその効果を失ってしまうのだ。

 羅號とモンタナは互いの主砲の壮絶な撃ち合いによって、磁気シールドの負荷限界点を超えつつある。そうなると今まで拮抗していた戦況に変化が訪れた。

 

「ガッ!?」

 

 磁気シールドを抜けてきた羅號の51cm砲弾、それがモンタナの装甲を叩き、その臓腑を揺さぶった。それはまるでボクサーのボディブローを受けたかのようだ。

 

「まだまだ!!」

 

 対する羅號にもモンタナの長41cm砲弾が当たり始めるが、それは未だにダメージには至っていなかった。

 これが羅號とモンタナの違いである。

 羅號は51cm4連装砲を3基12門を搭載している。対するモンタナは長砲身41cm3連装砲を3基9門だ。砲撃火力では羅號の方が大きく優れている。そのため羅號の方が早くモンタナの磁気シールドの負荷限界点にまで追い込めたのだ。

 くわえて羅號は物理防御装甲においても自身の主砲である51cm規格の『対51cm完全防御』を誇っており、防御力においてもモンタナより優れていた。そのため単純な砲撃戦においては羅號に軍配が上がったのである。

 水柱とそれに伴う水しぶきによって互いの姿が完全に見えなくなったところで、両者は一時お互いに砲撃をやめて様子を見る。

 そして水しぶきが収まると、そこには互いに向かい合う羅號とモンタナの姿があった。しかし、その姿には大きな差が出来ている。

 羅號は始めとほとんど変わらぬ様子でそこにいた。少々煤で汚れてはいるものの怪我をしている様子はない。艤装に関しても対空砲数基と副砲が1基煙を噴いていたが、主砲には僅かなへこみがある程度で支障はなさそうだ。

 対するモンタナは艤装の対空砲や副砲から黒煙が上がっていた。主砲も至近距離に着弾したのか、1基の砲身が2本ほど折れ曲がり使用不能になって生き残った主砲数を7本に減らしている。そして、モンタナは頭から一筋の血を流していた。

 モンタナはその自身の頭から流れる血に触る。自分の血で赤く濡れた手を眺め、自分が傷を負わされた事実にブルブルと怒りで震えだす。

 

「てめぇ……!」

 

「……」

 

 殺意と憎悪を込めた視線をぶつけられながらも、羅號は内心でその状況に満足していた。

 モンタナの激しい気性を考えるに、激昂すれば狙いを自分に絞ってくるだろう。今の羅號の役目はあくまで『トラック・レムリア聯合艦隊の退避を支援し、モンタナを撃破する』である。仲間の仇討ちを切望していた睦月には悪いが、退避の時間を稼ぐことの方がモンタナ撃破よりも優先度は高いのだ。

 羅號は目だけを動かして水上レーダーを見ると、艦隊はもうそろそろレーダーの有効範囲外に出る辺りにまで進んでいるのを確認する。これで向こうはもう安心、心おきなく目の前の敵を倒すために集中できる……羅號はそう内心考えていた。

 しかし……レムリアの切り札『万能戦艦』はその程度の簡単な相手ではなかったのである。

 突如として、モンタナから放たれる気配が変わるのを羅號は敏感に感じ取った。

 今まではまるで燃え盛る炎のようだった気配が、凍てつく吹雪のような気配に変わったのである。

 

「……てめぇは面白いクソガキだな」

 

「お褒め預かり光栄ですよ。

 あと僕はクソガキなんて名前じゃない、羅號だ」

 

 羅號はモンタナの言葉に答えながらも、注意深く観察を続ける。

 

「気に入った、クソガキ。 お前を沈めるのは最後にしてやる。

 先にあのメスガキどもを皆殺しにしてからだ。

 全員がミンチに変わるところを見せてから、最後に沈めてやる」

 

「……僕がここをそう簡単に抜かせるとでも?」

 

 予想外にもモンタナの優先目標が自分から艦隊に移ってしまったことに内心舌打ちしながら、仲間を殺すと宣言したモンタナに羅號も怒りを滲ませながらモンタナを見返す。

 

「地上のサルに造られたような奴とは違う。

 レムリアの万能戦艦が、ただ海を行くだけだと思うなよ」

 

「何?」

 

 モンタナの妙な言葉を羅號はいぶかしむ。そして次の瞬間、モンタナはニヤリと嗤った。

 

重力炉(グラビトンリアクター)、出力臨界!」

 

 モンタナの宣言とともに、万能戦艦の動力源でありモンタナの心臓である『重力炉』が唸りを上げ、膨大な出力を生み出していく。

 そして起こった変化に、羅號は驚きで目を見開いた。

 

「空に……浮いた!?」

 

 そう、モンタナという超重量級の万能戦艦が離水し、空中へと浮き上がったのである。その羅號の驚きに、モンタナは嬉しそうに、狂ったような嗤いを響かせる。

 

「アハハハハハッ、これがレムリアの万能戦艦の機能、『空中移動能力』だ!

 水上・水中・空中……そのすべてを移動し、すべてで戦闘行動を行えることこそ『万能戦艦』と呼ばれる所以だ!!」

 

 宙に浮き、大仰に手を広げそう語るモンタナは彼方に視線を向ける。それで羅號はその意図に気付いた。

 

「マズい!?」

 

「遅ぇよ、クソガキ!!」

 

 慌てて羅號は主砲を放つが、それを空中にいるモンタナはよけるとそのまま艦隊の退避していった方向へと移動を始める。

 

「ま、待て!!?」

 

 慌てて羅號も反転しモンタナの後を追うが、その速度差は一目瞭然だ。いかに羅號の水上移動速度が常識外に速くとも、空を行くモンタナとはスピードが違いすぎる。

 

「くそっ!?」

 

 羅號はらしくない悪態をつくと、出せる最大速度でモンタナを追うのだった……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 離脱した艦隊は、単冠湾(ひとかっぷわん)へ急いでいた。

 

「らーくん……」

 

「ラゴウ……」

 

「ローも『ちぃ』も大丈夫です。

 私たちの羅號が、あんな奴に負けるわけありません」

 

 心配そうなローと『ちぃ』を、並走した朝潮が励ます。

 

「そうだぞ、羅號の強さは我々が一番知っているはずだ。

 今の我々は羅號の足手まといにならないように、そしてこの戦争を終わらせる希望となるアネットたちを無事に送り届けることが先決だ」

 

 長門の言葉に誰もが頷くが、今度の敵は羅號と同格の万能戦艦なのだ。楽観視などできるはずもない。

 その時だ。

 

「対空レーダーに反応! 何か来ル!!」

 

「何ッ!? まだ敵がいたのか!?」

 

 『ウィン』の言葉に、長門はすぐに空を見上げた。あの万能戦艦だけでなく、まだ航空戦力をもつ別働隊が潜んでいたのかと空を睨む。

 しかしそんな長門たちの目に映ったのは、信じがたい光景だった。

 

「飛行船?」

 

 始めは反応の大きさから、航空機ではなく飛行船の類かとも思った。

 しかし遠目からでもわかるその禍々しさを視認した時、そのあまりにも信じがたい光景を誰もが理解することになった。

 

「ば、バカな!?」

 

「空ヲ……戦艦が飛ブ!?」

 

「ギャハハハハハ!!」

 

 それは見間違えるはずもない、あの『万能戦艦 モンタナ』である。

戦艦が空を飛ぶというあまりにも非常識極まりない光景だが、一度でも聞いたら忘れられないあの狂ったような嗤い声が、その場にいた全員にそれが現実のものなのだと嫌でも思い知らせる。

 

「全艦、対空戦闘!!」

 

「何ヲシてもイイ! アネット様ヲ守レ!!」

 

 長門と『ウィン』から指示が飛ぶ。濃密な対空砲火が形成されるがしかし、モンタナはそんなものでは小揺るぎもしない。

 そもそも対空砲火とは航空機を墜とすためのもので重装甲な戦艦など墜とせるようにはできていないのだ。そんなもの、蟷螂の斧にすらならない。

 長門や『ウィン』、『メリー』や『アイ』といった大型砲を搭載するものは主砲の仰角を合わせて徹甲弾を発射するが、動き回る空中目標に主砲弾がそう当たるはずもない。

 

「うるせぇ、雑魚ども!!」

 

 モンタナから副砲が、そして主砲が放たれる。

 

「きゃあ!?」

 

「アゥ!?」

 

「あっしー!? 『ちぃ』ちゃん!?」

 

 空中から降り注いだ副砲が対空射撃中だった朝潮の手にした10cm連装高角砲を吹き飛ばした。41cm主砲弾が『ちぃ』の艤装から砲を抉り取る。その衝撃に悲鳴を上げる友の声に、ローの悲痛な声が響いた。

 そして、被害を受けたのは当然、彼女たちだけではない。

 

「砲が!?」

 

「ヤバっ!? こっちの砲もオシャカだよ!?」

 

「吹雪ちゃん!?」

 

「き、機関部に直撃!? 航行不能です!?」

 

 朝潮と同じく対空弾幕を張っていた満潮と秋雲の砲が吹き飛んだ。吹雪は艤装の機関部近くに副砲が直撃、その推進力を奪われ膝をついたところを睦月が支える。

 あの地獄のトラック泊地を生き残ってきた彼女たち高練度駆逐隊が、一瞬で戦闘能力を奪われていた。

 幸いにも『アトラ』率いるレムリア水雷戦隊にはほとんど被害はないが、『アトラ』たちの対空砲火もモンタナには傷一つ付けられず、そのままモンタナは彼女たちを無視して進む。

 そして、その被害はアネットの直衛たる主力艦隊にも及んだ。

 

「飛行甲板ガ……!?」

 

 『ヨーク』の飛行甲板に直撃した副砲の雨が、その甲板上で大炎上を引き起こしていた。黒煙を上げながら、艦載機運用能力を失った『ヨーク』がダメージで膝をつく。

 

「クソッタレが!!」

 

 『アイ』の盾型の艤装の片方が吹き飛んだ。膝をつきながらも残されたもう片方の艤装で砲撃を続けるが、その艤装も吹き飛ばされ『アイ』自身も転がるようにして吹き飛ばされる。

 

「クゥ……!?」

 

 一番の脅威と考えられたらしい『ウィン』には41cm砲の集中砲火が放たれた。艤装の砲と飛行甲板が、執拗なまでに吹き飛ばされていく。戦闘力を奪われその上を悠々と進むモンタナに『ウィン』は手を伸ばすが、その鉤爪は空を掴むだけだ。

 

「ナガト!!」

 

「わかっている!!」

 

 アネットの乗るクルーザーの最後の守りである長門と『メリー』の2人が41cm砲の全力射撃を行う。

 2人はその高い練度から見事徹甲弾を空中のモンタナに命中させるが、それは展開された磁気シールドによって防がれていた。

 反撃として放たれたモンタナの41cm砲が『メリー』の3番砲塔に直撃、弾薬庫に引火したのか凄まじい爆発とともに『メリー』が膝をつく。

 長門の方は直撃こそなかったものの至近での爆発の衝撃で射撃照準装置が破損、砲の狙いをまともにつけられないようになってしまった。

 最後の守りたる長門たちを飛び越え、ついにモンタナはアネットの乗るクルーザーへと肉薄した。

 

「アネットぉぉぉぉ!!」

 

「アハハハハハハッ!

 死んじまえよぉ、裏切り者ぉぉぉぉぉ!!」

 

 そしてついにアネットの乗るクルーザーに向かってモンタナの41cm砲が火を噴いた。空から放たれた必殺の砲撃は迷わずクルーザーに向かう。

 装甲など施していない非戦闘用の船などひとたまりもないだろう。誰もがこれで終わりかと思われたその時だ。

 

「磁気シールド、展開!!」

 

 機関全力でモンタナを追ってきた羅號がギリギリのところで間に合った。クルーザーの前にでると磁気シールドを展開、41cm砲弾は明後日の方向へと弾かれる。

 そして羅號は空に向かって反撃の一撃を放っていた。

 

電子熱線砲(マーカライト・ファーブ)、照射ぁぁぁ!!」

 

「うおぉぉぉ!?」

 

 羅號から熱線が空中いのモンタナへと伸びる。鋼鉄をも溶断するその必殺の熱線はモンタナの右の装甲を焼いた。副砲1基が吹き飛び、巻き込まれた高角砲が誘爆する。

 自分の受けた思わぬ損害に、モンタナは殺意のこもった視線を羅號に向けた。

 

「てめぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「お前の相手は僕だ、モンタナ!!」

 

「いいだろう、てめぇを最後に沈めるって約束したがあれは嘘だ!

 今すぐてめぇは沈めぇぇぇぇぇ!!」

 

「やってみろ!!」

 

 激昂したモンタナは、その標的をアネットから羅號へと移した。

 羅號は51cm砲と副砲、そして電子熱線砲(マーカライト・ファーブ)と冷凍光線砲という光線兵装まで使った垣根なしの全力射撃を行うが、いかに羅號といえど空中を自在に動き回る目標にそれらを当てるのは至難の業だ。

 

「ムダムダムダぁぁぁ!!

 海に浮くだけの艦の攻撃なんぞ、そう当たるか!!」

 

「くそっ!?」

 

 モンタナは羅號の攻撃をあざ笑うかのように避けると、今度は自身の41cm砲の集中砲火を羅號に浴びせかける。それによって、今までの激しい戦闘で酷使され続けていた羅號の磁気シールドの負荷限界点がついに突破された。

 

「うわぁぁ!?」

 

「らーくん!?」

 

「羅號っ!?」

 

 羅號の初めて受ける大ダメージに、ローと朝潮から悲鳴が上がった。

 磁気シールドを失った羅號の左背の51cm四連装砲が吹き飛んだ。弾薬庫に引火したのかそれはとてつもない火柱を上げ、超重量の砲を根元から吹き飛ばす。さらにその爆発によって副砲と光線兵装の装備された左下の基部までもが致命的なダメージを負っていた。

 

「くぅ……」

 

 左半身を焼かれた羅號が、ガクリと膝をつく。

 

「トドメだ、クソガキ!!」

 

 そんな羅號に向けて、一気に高度を下げたモンタナは海面スレスレに飛行しながらその自慢のツインドリルを突き出して必殺のドリル突進(チャージ)を敢行する。

 羅號はダメージで動けない。それは羅號を貫くかと思われたその時だ。

 

「今です!!」

 

「がっ!?」

 

 突進するモンタナが、空中で何かに引っかかった。

 それは4本のワイヤーだ。明石の作業用クレーンから伸びたそれを、端を持つ鳥海と夕張が協力することで接近するモンタナに引っかけ、その動きを止めたのである。

 

「なんてパワーなの!?」

 

 機関最大出力を出しながらも、モンタナを受け止めた衝撃とその恐るべきパワーに、鳥海と夕張と明石の艤装が悲鳴を上げながらひしゃげ、砕けていく。しかしそれでも彼女らはそのワイヤーを離さない。

 

「夕張! 明石! もう離脱して!!」

 

「馬鹿言わないで! 今が私たちの艦娘魂の見せどころよ!!」

 

「そうですよ、鳥海さん!

 工作艦でも、私だって艦娘です! 艦娘魂、見せてやりますよ!!」

 

 鳥海は夕張と明石に離脱を促すが2人は聞き入れない。砕けかけた艤装で、それでも焼き切れるほどに機関出力を上げていく。

 

「このぉぉぉ……ザコメスどもがぁぁぁぁぁ!!」

 

「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」」

 

 激昂したモンタナが、そのツインドリルを振り上げ絡まったワイヤーを引き千切った。ワイヤーを引っ張っていた鳥海・夕張・明石の3人がつんのめるようにして海面に激しく打ち付けられる。

 しかし、彼女たちの健闘は戦場で何よりも大切な『時間』を稼いでいた。

 

「上出来だ!」

 

「なっ!?」

 

 ツインドリルを振り上げたモンタナに、長門が肉薄する。

 モンタナは振り上げたドリルを打ち下ろそうとするが、そのモンタナの左手を素早く長門の右手が掴んだ。

 

「これだけ接近すれば、その御自慢のドリルも振り回せまい!」

 

「て、めぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「私の41cmの至近弾、受け取れぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 長門の41cm砲が全門、火を噴いた。対艦徹甲弾がモンタナに叩き込まれる。

 しかし……。

 

「何……だと……!?」

 

 普通の艦艇ならば10度は沈むだろうその苛烈な砲撃を、モンタナはその恐るべき装甲で耐えきったのだ。

 しかし流石のモンタナも無傷ではない。副砲と高角砲、そして対空機銃座が根元から吹き飛び、どす黒い黒煙を噴いていた。

 その煙と、そして頭から流れた自身の血で汚れたモンタナは血走った視線を長門へと向ける。

 

「てめぇぇぇぇぇ! このクソメスがぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「くぅッ!?」

 

 激昂したモンタナがその超パワーで長門を振り払おうとする。長門は必死にそれに抵抗するが、片腕の長門ではそう長くはもたないだろう。

 長門はチラリと、後ろを見た。

 そこでは大ダメージを負った羅號を、同じく大ダメージを負いながらも支えようとしているローと朝潮、そして『ちぃ』の姿があった。

 

「ロー、朝潮、そして『ちぃ』……これからも羅號を支えてやってくれ。

 頼んだぞ」

 

「……長門さん?」

 

 何か長門から不吉な気配を感じ取った羅號は、顔を上げる。長門は羅號たちに微笑みながら頷くと、意を決したかのようにモンタナへと向き直った。

 そして長門はそのまま一歩進むと、モンタナへとガッチリと抱きつく。

 

「てめぇ、何をっ!?」

 

「……知っているか?

 長門型二番艦『陸奥』が爆沈した時、その爆発は凄まじく天高くまで炎が上がったという……」

 

 そこまで来てモンタナは長門の意図に気付いた。長門は……モンタナを巻き込んで自爆しようというのだ。

 

「この……離しやがれ、クソメスが!!」

 

「そう邪険にしてくれるな。

 貴様も女を抱いて逝けるなど男冥利に尽きるだろう?」

 

 モンタナは長門を撃ち抜こうと砲を構えるが長門が抱きついているため砲では狙えない。同じくドリルでもあまりに近すぎて振れないのだ。

 

「鳥海! みんなのこと、羅號のこと……頼んだぞ!!」

 

「長門さん!?」

 

 長門の叫びの中、長門の自爆シークエンスは着々と進んでいく。その後ろ姿を、羅號はローたち3人に支えられながら見ていた。

 羅號の脳裏に、唐突に長門の後ろ姿に別の影がフラッシュバックする。

 長い髪をポニーテールに纏めた、日傘を持つその姿……羅號はその影が自分の母である『大和』だと気付いた。

 

 

 羅號はその誕生の瞬間に母である『大和』を亡くした。

 そして今、自分の新しい母になると言ってくれた『長門』が目の前で散ろうとしている……。

 

 

「ダメだ……」

 

「らーくん?」

 

 ローたち3人の支えを振り払うようにして、何かに突き動かされるように羅號が動く。

 

「ダメだ! ダメだ!! ダメだ!!!」

 

「羅號、来るなッ!!」

 

 それに気付いた長門が叫ぶが、羅號は止まらない。

 そして……。

 

「長門さんから……ママから離れろぉぉぉ!!」

 

「ぐがっ!?」

 

 長門から引き剥がすようにモンタナの顔面へと、羅號はその拳を叩き込んだ。羅號の超パワーの拳を受けたモンタナは、長門の拘束も解けてそのまま吹き飛んでいく。

 

「ぐぅ……」

 

「ママ!?」

 

 自爆シークエンスは緊急停止させたとはいえ、長門はそれまでのダメージで立っていられなくなり膝をつく。

 そんな長門を、羅號は抱きつくようにして支えた。

 

「羅號、何故来た……?」

 

「……嫌なんだ。 僕はもう、母さんを亡くすのは嫌なんだ!

 長門さんは僕のママになってくれるんでしょ!

 なら……こんなところで沈まないでよ!

 僕に……2度も母親を亡くさせないで!!」

 

 それは今まで誰よりも強く隔絶した力を振るい誰もが頼り切っていた少年の、歳相応の少年らしい感情の爆発だった。

 

「羅號……」

 

 そんな羅號の頭を、長門は撫でる。

 

「私は母親失格だな。 息子をさっそく親無しにしてしまうところだった……。

 こんなダメな母だが……私を母だと思ってくれるのか、羅號?」

 

「もちろんだよ、ママ!」

 

 ここで終わっていれば感動の一幕である。しかし、当然ながら現実はそんなに綺麗には行かない。

 

「ギャハハハハハ!!」

 

 見上げれば空に浮いたモンタナが2人を見降ろしていた。

 

「いいねぇ、感動的だねぇ! だが無意味だ!

 クソガキ、てめぇはそのマーマがつくった億に一つのチャンスを台無しにしたぜ!

 残念賞に、親子水入らずの水底行きのチケットをくれてやるぜ!!」

 

 嗤い声が辺りに響く。

 身構える長門だが、それを押しのけるように羅號は前に出た。

 

「……ママもみんなも、誰一人沈めさせない!

 僕がみんなを……守る!!」

 

「ギャハハ!

 どうやるっていうんだ、海を行くことしかできない艦の分際でよぉ!!」

 

 モンタナのいうことは確かに正しい。

 海しか行けない艦では、空を自在に行くモンタナをとらえるのは至難の業だ。先ほどの長門たちの一連の連携が成功したのもモンタナの油断に付け込めたからである。2度目を期待することはできない。

 モンタナとその他の艦では、そもそも立っている土俵そのものが違うのだ。

 ならば……。

 

「同じ土俵に、立てばいい!!」

 

 羅號はスッと目を閉じる。

 そして感じるのは、己の心臓とでもいうべき超機関『零式重力炉』の脈動だ。

 生みの母たる『大和』、新たな母たる『長門』、そしてローに朝潮に『ちぃ』、艦隊のみんな……羅號が出会い、何より大切に想う者たちの姿が次々に浮かんでいく。

 

「みんなを守りたい……そのために力が欲しい!

 吼えろ、『零式重力炉』!

 限界を超えて絶望すら穿つ力を僕に! 僕に……力を!!」

 

 羅號の心に答え、咆哮を上げながら『零式重力炉』がその超パワーを解放していく。

 そしてその出力は限界点を超えたその時だ。

 

「あっ……」

 

 羅號の中に、何かが浮かぶ。

 それは何かの歯車がカチリと組み合うような感覚、それとともに限界を超えて不気味な金切り声をあげていたはずの『零式重力炉』が安定していく。

 そして羅號は、心に浮かんだその言葉を口にした。

 

「離水、開始!」

 

 羅號の言葉とともに、『零式重力炉』から生み出されたエネルギーが、スクリューではないどこかに流れ込んでいく。

 そしてその結果はすぐに現れた。

 

「な、何ぃぃぃぃぃ!!?」

 

「羅號まで……飛んだ!?」

 

 敵であるモンタナ、そして味方からも驚愕の声が上がる中、宙に浮いた羅號はゆっくりと目を開けた。

 

「僕だってあなたと同じ『万能戦艦』だ。

 あなたに出来ることが、僕にできない道理はない!」

 

 艦種『万能戦艦』とは、ドリルを装備し重力炉を動力源とした、水上・水中・空中での航行・戦闘が可能な超戦艦のことを指す。

 羅號は封印されていた最後の機能、『空中飛行能力』を解放し今、初めて真なる『万能戦艦』として覚醒したのだ。

 空中で対峙する2隻の『万能戦艦』は、雌雄を決する最後の激突を始める。

 

「しゃらくせぇ!

 今飛んだばかりのガキに、この俺様が負けるか!!」

 

「負けない!

 僕は勝って、みんなを守り通す!!」

 

 羅號とモンタナの、無事な主砲が同時に吼えた。互いに着弾、その黒煙を引き裂きながら羅號とモンタナは自身の必殺のドリルを構えて突き進む。そして両者のドリルは正面からぶつかり合った。

 互いのドリルは拮抗し、激しくぶつかって火花が散る。

 互角に思われたそれはしかし、少しずつ羅號のドリルにヒビが入っていった。それを見て、モンタナは狂ったように嗤った。

 

「ギャハハハハハ! マヌケだな、クソガキ!!

 1より2の方が多い! 算数以下の数字の問題だぜ!!

 そんな1本のドリルが、俺のツインドリルに勝てるかよ!!」

 

 しかし、自身のドリルにヒビが入っていく光景を見ながらも羅號は静かだった。

 何故なら……。

 

「……確かにあなたの言う通り、1より2の方が多い……それは常識だ。

 でもね……ドリルは、僕の魂だ!

 たった1つの魂なら、込めるものはたった1つ。2つは多すぎる!

 僕の魂のドリルを……舐めるなぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 自らの魂たるドリルが、こんなことで砕けないと信じていたからだ。

 羅號はヒビが入っていく自身のドリルをさらに押し込んだ。すると、今度はモンタナのツインドリルの方にヒビが入っていく。

 

「ば、バカなぁぁぁ!?」

 

 目の前の光景に、モンタナから驚愕の声が上がった。

 そして……。

 

「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

 

 羅號のドリルが、モンタナのツインドリルを砕いた。自慢のツインドリルが粉々となり、モンタナの左手のドリル基部が吹き飛ぶ。

 しかし、打ち勝った羅號のドリルも無事ではない。黒い煙を噴きながら、ヒビだらけのドリルの回転が止まった。内部機構が完全に焼け焦げ、羅號のドリルももはやただの鈍器でしかない。

 最後は戦艦らしく、2人は戦いの決着を自身の主砲に託すことになったのだ。

 

「主砲、発射!!」

 

「残存主砲、オールファイア!!」

 

 至近距離で、互いの主砲が炸裂した。その衝撃に互いに吹き飛ばされながらも、お互いの生存を認める羅號とモンタナ。

 勝負は次の一撃で決まる……それが分かったとき、モンタナはほくそ笑んだ。何故ならモンタナの41cm砲の方が羅號の51cm砲より小さい分、再装填の速度は速いはずだからだ。

 次の一射は間違いなく自分の方が速い。そしてその一射でトドメになる……そう考えるモンタナだったが……。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 吹き飛んでいた羅號が、雄たけびとともに突進してくる。ドリルはすでに動かず、羅號には近接武器はない。

 その時、モンタナは見た。

 羅號の左手の51cm四連装砲……射撃によって上を向いているはずの主砲のうち、1本だけが未だに水平であることを。それは射撃の準備が完了していることの証左だ。

 

(再装填がこんなに速く終わったっていうのか!?

 ……違う! さっきのは斉射に見せかけて、1本だけ撃たずに残しておいたのか!?)

 

 気付いたところでもう遅い。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ぐぁ!?」

 

 雄たけびとともに突進した羅號が、左手の残った1本の砲身を突き刺すようにしてモンタナの右わき腹に抉りこむ。

 

「51cm砲……発射ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 そしてゼロ距離で主砲のトリガーを引いた。

 

「ぐぼぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 強力な51cm砲、それをゼロ距離で受けては装甲などさしたる意味を為さない。51cm砲の砲弾はモンタナの脇腹を抉り取り、艤装の中枢を撃ち抜く。

 溢れ出る血と、次々と内部で連鎖爆発を繰り返していく艤装。

 

「バカな、俺は……俺は最強のはず!

 それが……それがこんな……バカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

 そして空中に浮遊する能力すら失い、断末魔の叫びとともにモンタナは海面に落下、水中でかつてないほどの大爆発を起こした。

 それが多くの艦娘を絶望の淵に追いやった『悪魔』の最後だった。

 

「敵ラ級万能戦艦……撃沈……」

 

 モンタナの最後を確認した羅號も海面まで降下してくると、そのままドウッと倒れ込む。

 

「らーくん!」

 

「羅號ッ!?」

 

「ラゴウ!!」

 

 すかさずローと朝潮、そして『ちぃ』が羅號へと駆け寄った。

 抱き起こすが羅號には意識はない。その艤装はところどころで黒煙を噴き、羅號自身も血で汚れていた。

 

「ナガトアドミラール! らーくんが! らーくんがぁ!」

 

「わかっている、落ちつけ!

 全員、単冠湾(ひとかっぷわん)に急ぐぞ!

 動けるものは動けないものを曳航! 急げ!!」

 

 長門の指示に、艦隊が慌ただしく動き出す。

 その時だ。

 

「長門さん、上! 航空機です!!」

 

 朝潮の言葉に空を見上げれば、そこには確かに航空機の姿がある。

 機種は……艦上偵察機『彩雲』だ。

 

「友軍だ! みんなもう一息だ、がんばれ!!」

 

 長門は皆を叱咤すると、『彩雲』に向かって通信・手旗・発光信号、あらゆる手段で交信を試みたのだった……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「これは一体……」

 

 霧が晴れ、偵察任務に出撃した単冠湾(ひとかっぷわん)に所属する第一艦隊の面々は、困惑しながら偵察機『彩雲』からの映像を眺めていた。

 そこには行方不明になった駆逐艦娘『睦月』の姿がある、それは朗報だ。

 だが、そこには同時に、驚愕の光景が映っていた。睦月以外の多くの傷ついた艦娘が映っており、同じく傷ついた深海棲艦の艦隊が映っていたのである。

 それが交戦中だというのなら話は分かる。しかしその映像では、互いに肩を貸し助け合いながら航行する姿が映し出されていたのだ。

 今までの深海棲艦の常識を打ち壊す光景に、誰もが頭が働かない。

 

「どうしますか、天城さん?」

 

 判断に困った軽空母『祥鳳』は、旗艦である『天城』に指示を仰ごうと振り返る。

 すると……。

 

「ど、どうしたんですか、天城さん!?」

 

 天城は泣いていた。しかしその表情にあるのは喜びの感情であり、天城の涙がうれし涙であるとすぐに分かる。

 

「有希ちゃん……生きていてくれたのね」

 

 天城はそれだけ呟くと涙を拭い、艦隊に指示を出した。

 

「今すぐ救助に向かいます!

 発砲は厳禁! 今見聞きしたことは別命あるまで他言無用です!!」

 

「で、でも深海棲艦が……」

 

「命令は聞こえませんでしたか? 復唱!!」

 

「りょ、了解です!!」

 

 何か言おうとした駆逐艦『潮』を視線で黙らせると、天城は艦隊を動かす。

 同時に、単冠湾(ひとかっぷわん)の提督に向けても緊急電文を飛ばした。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「……これは確かなんだな、大淀?」

 

「……私も何度も確認しましたが、その電文の発信者は間違いなく第一艦隊旗艦、筆頭秘書艦の天城さんです。

 あの天城さんが、緊急の電文まで使ってそんな面白くもない嘘をつくとはとても……」

 

 困惑気味な提督の言葉に、同じく困惑気な大淀が答える。

 その答えを聞きながら提督は意識を集中させるために少しの間目を瞑り、そして開いた。

 

「大淀、今すぐこの単冠湾(ひとかっぷわん)に存在するすべての艦娘に箝口令を敷け。

 レベルは最高。

 今これよりこの単冠湾(ひとかっぷわん)で見聞きすることは何一つ、外部に漏らすことは許さん!

 いいな!!」

 

「了解です!!」

 

 命じられた大淀はその指示に従い、慌ただしく執務室から出ていく。

 提督はもう一度手の中にある電文に目を通すと、それを机の上に置いた。

 そこには、こう記されていた。

 

 

『行方不明トナッテイタ駆逐艦娘『睦月』、及ビ所属不明ノ多数ノ艦娘ヲ発見。

 ソノ中ニ未確認ノ大型艦娘ノ姿ヲ認ム。

 マタ、ソノ艦娘タチニ深海棲艦ヨリ和平ヲ望ム使者ガ同行。

 深海棲艦隊ニ交戦ノ意思ナシ。

 艦娘・深海棲艦隊トモニ被害甚大。 入渠ノ準備ヲ求ム。

 

 追伸、筑波有希ノ生存ヲ確認セリ』

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 深夜の海、どこにも光の見えないその海に1隻のクルーザーが浮いていた。そのクルーザーは何かを待つように静かに、エンジンさえ切って波間に揺れている。

 そして、そんなクルーザーの前方からゆっくり、多くの影が近付いていた。

 それは黒い艦隊……深海棲艦隊である。

 人類の船を問答無用で沈めるといわれる深海棲艦、しかし深海棲艦隊は攻撃するでもなくゆっくりとそのクルーザーに近付いていった。

 

「来たか……」

 

 そしてクルーザーから人影が出てくる。

 それは横須賀鎮守府を預かる最高司令官である君塚大将だ。君塚大将は目の前の深海棲艦たちを恐れることなく見つめる。

 何故なら、君塚大将にとってこの深海棲艦たちは『味方』なのだから……。

 やがてそんな深海棲艦隊を割るようにして、1人の男が前に出た。

 ここは寒冷地かと思わせるような暖かそうなコートと帽子の男だ。巨大な砲をそなえた赤黒い艤装を装着するその姿は、男が戦艦級の存在であることを物語るが、その右手にしたドリルが、その特異性を際立たせる。

 

「貴官の長年の協力に、アブトゥ様は大変お喜びだ。

 ゆえに、アブトゥ様はその功に最大限に報いるために私を派遣した」

 

「ほぅ……貴様はそれほどに大きな存在なのか?」

 

 どこか挑戦的に君塚大将が問うと、男はビシリと直立不動の体勢になって答える。

 

「私の名は『万能戦艦 ソビエツキー・ソユーズ』。

 レムリアの誇る最強の艦、万能戦艦の1隻だ」

 

 誇らしげに名乗る男、ソビエツキー・ソユーズ。

 そこから滲み出る、隠しきれない強者のオーラに君塚大将は満足げに頷いた。

 

「結構、ではその力は今からの作戦で示してもらおう。

 心配はするな、すでに横須賀周辺戦力は南方からの深海棲艦の侵攻を防ぐという名目で再配置済み、周辺に戦力は残されていない」

 

「貴官の協力に感謝する。

 目標……帝都!

 全艦隊、侵攻を開始する!!」

 

 動き出す深海棲艦隊。

 嵐が、帝都に迫っていた……。

 

 




VSモンタナ戦、羅號の覚醒と色々濃い内容でした。
そして長門は『ママ』です。

この作品の始まりもそうですが、テーマは『母の愛』です。
そのため、ローちゃんたちヒロインズではなく母である長門の危機で覚醒でした。

次回は単冠湾に逃げ込んでのしばしの休息、そして急変する本土の状況となります。

次回もよろしくおねがいします。
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