艦隊これくしょん -轟ケ天ニ-   作:キューマル式

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久方ぶりの更新となったキューマル式です。
今回から中盤戦の山場とも言える、帝都炎上編に突入します。
かなり長めの予定ですので、気長にお読みください。



第九話
業火 帝都炎上(その1)


 夢にまで見た本土……でも私たちを出迎えたのはあの整然としたレンガ造りの倉庫街ではなく、燃え盛る炎と硝煙の香り、そして大量の深海棲艦でした。

 

 ボロボロになりながらやっとの思いで単冠湾(ひとかっぷわん)に辿り着いた私たちはそこでやっと、息をつくことができました。

 あの時は感動でしたよ。トラックを出るときには先行きも見えず不安ばかりでしたが、それが誰一人欠けることなく、しかもレムリアの人たちというおまけ付きで単冠湾(ひとかっぷわん)まで辿り着けたんです。

 仲良くなった睦月ちゃんに単冠湾(ひとかっぷわん)の間宮であんみつを奢ってもらったんですが、その時は恥ずかしながら感動のあまり泣いちゃいました。あの味は生涯忘れられませんね。

 

 受け入れてもらえるか心配だったレムリアの人たちも、単冠湾(ひとかっぷわん)の提督は理解ある方で、着いた翌日に単冠湾(ひとかっぷわん)の艦娘たちが総出で歓迎のパーティを開いてくれました。

 最初は単冠湾(ひとかっぷわん)の艦娘にも警戒心があったみたいですけど、話してみればレムリアの人たちも私たちと同じだってすぐに分かってもらえました。助けられた睦月ちゃんが積極的に話しかけてくれたことで、警戒心を解くのに一役買ってくれたんです。

 

 一番損傷の激しく、心配していた羅號くんも単冠湾(ひとかっぷわん)に入ったその日の夜には目を覚ましました。

 まぁ、修理資材の関係と艤装の調査のために修理は後廻しにされちゃったんですが……あの丈夫さは流石ですね。メディカルポッドにも入っていないのに、目を覚ましてすぐに動き回って食事したりしてましたからね。

 他のみんなも単冠湾(ひとかっぷわん)の提督が惜しげなく高速修復剤を使ってくれたことで傷も癒え、レムリアの人たちも交えた穏やかな交流が始まる……はずだったんですけど……よりにもよって、そのパーティの真っ最中についにあの人……君塚大将が行動を開始したんです。

 

 ……用意周到でしたよ、あの人は。

 自分の権限を使って帝都周辺の防衛戦力をみんな南方からの防衛線に廻し、帝都をがら空きにする。そしてそこを内通していた深海棲艦隊で強襲ですからね。同時に北方戦線の深海棲艦も動き出し、単冠湾(ひとかっぷわん)を始めとした北方戦線まで身動きができなくなりました。

 

 結局、自由に動けたのは本来はあの場所に存在していない私たち……『トラック・レムリア聯合艦隊』だけです。出撃の段階で、主力にして私たちの切り札である羅號くんの艤装がまったくの手付かず状態だったときには冷や汗が出たんですが……やっぱり羅號くんは運命的な『何か』を持っている人ですね。あのタイミングで『アレ』が来るなんて……。

 とにかく、万全な状態になった『トラック・レムリア聯合艦隊』は本土へと出撃しました。そして私たちが見たものが……あの敵の航空爆撃と艦砲射撃によって燃え盛る帝都です。君塚大将は初撃で帝都を焼き、日本に対して降伏を要求していました。要求が聞き入れられない場合、帝都に対して総攻撃を行うという脅し付きです。

 戦力の無い帝都では、抗う術などありません。本来なら私たちは間に合わず日本は降伏、そして人類にとっての一大勢力である日本の陥落はそのまま、人類世界の敗北に繋がっていたでしょう。

 そう……もしあの時『あの人たち』が立ち上がってくれなかったら、の話です。

 

 ……私は幸運ですよ。

 あの戦争を生き残った……というのもありますけど、それ以上に『最も古い伝説』と『最も新しい伝説』をこの目で見られたんですから。

 もしかしたら私が今の任務に就いているのは、あの時見た『二つの伝説』の姿を伝えるためなのかもしれませんね。

 

 

 

        ――――――駆逐教導統括教官『吹雪』へのインタビューより抜粋

 

 

 

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「……トラック泊地残存艦隊、臨時司令兼旗艦の長門です」

 

「……私がこの単冠湾(ひとかっぷわん)の提督だ」

 

 西日射す執務室で、男と女が敬礼を交わし合っていた。

 男はこの単冠湾(ひとかっぷわん)の提督だ。汚れ一つない真っ白な軍服に身を包む精悍な20代半ばほどの男である。

 対する女はトラック泊地艦隊を率いてきた長門だ。トラック泊地提督の形見である羽織った軍服は今までの旅で幾分くたびれていた。おまけに仲間だった天龍の形見である眼帯で隠された無くした左目に失った左腕という痛々しい姿。しかし、そんなものでは彼女の精悍さは色褪せない。長門は単冠湾(ひとかっぷわん)提督に引けを取らない、見事な敬礼だった。

 

「まずはこちらの駆逐艦娘『睦月』を保護してくれたこと、貴艦隊に感謝する」

 

「こちらこそ我々トラック泊地残存艦隊を受け入れていただき、感謝します」

 

「構わない。 傷ついた友軍を迎え入れることは当然のことだ」

 

「それに……『お客人』に対する対応にも、感謝します」

 

「それも当然だ。 彼女らは他国からの使者である。

 他国の使者に対する無礼は国家の恥、決してしてはならないことだ。

 こちらも最上級の礼を尽くそう」

 

 すると、それまで見事な敬礼を交わし合っていた提督は何かに耐えかねたかのようにブルブルと震え出す。

 今、室内にいるのはこの2人と筆頭秘書艦である天城だけだ。

 

「……すまない、天城。

 執務中ではあるが少しの間……5分だけ提督であることをやめてもいいか?」

 

「ええ、その程度なら休憩の範囲で目を瞑りますよ」

 

 天城は最初から分かっていたとでもいうように微笑みを浮かべる。

 そして……。

 

「有希! 有希っ!!」

 

「兄様! 兄様っ!!」

 

 2人はどちらともなく泣きながら抱き合った。

 戦争の中、死に分かれたと思われた兄妹の、涙の再会である。

 兄妹の再会が終わり、しばしの後に2人は離れた。すると、今度は天城が長門に抱きつく。

 

「よく……よく生き残っていてくれたわ、有希ちゃん……!」

 

「貴子さん……」

 

 涙ながらに長門の生還を喜ぶ天城に、長門も先ほどの涙そのままに答えた。

 単冠湾(ひとかっぷわん)泊地筆頭秘書艦、空母艦娘『天城』……彼女は長門にとっては子供のころから姉のように接してくれた相手だ。

 長門と単冠湾(ひとかっぷわん)の提督……『筑波 茂雄(つくば しげお)』の父である呉を預かる筑波海軍大将の大親友、佐世保を預かる天城海軍大将の令嬢こそこの『天城』……人間としての名前は『天城 貴子(あまぎ たかこ)』その人である。

 もっと言えば彼女の母親は長門たちの母の大親友で戦争最初期に多大な戦果を叩き出した艦娘であり、天城も長門たちと同じく『二世世代』と呼ばれる存在である。

 

「あらあら、昔みたいに『お姉ちゃん』とは呼んでくれないの?」

 

「それは……さすがにこの歳では……」

 

 少しだけ顔を赤くし恥ずかしそうにする長門に、天城はくすくすと上品に笑う。

 

「それはダメよ有希ちゃん。

 私は……もう少しで本当に有希ちゃんの『お姉ちゃん』になるんだから」

 

 そう言って、天城は自身の左手の薬指にはまった指輪を長門に見せた。

 

「それは!?」

 

「ふふっ……茂雄さんと婚約したのよ」

 

 驚いた長門が提督の方を見てみると、恥ずかしそうにしながら視線をそらす。

 

「この戦争に区切りがついたら、正式に式を挙げるつもりよ」

 

「おめでとうございます、兄様、貴子さん!」

 

「こらこら、貴子さんじゃなくて『お姉ちゃん』でしょ?」

 

「え、あ~……ね、義姉(ねえ)さま?」

 

 何とも慣れないことを言わされ顔を赤くする長門が面白かったのか、天城はころころと笑った。そんな天城の様子に長門は照れくさそうに頬を掻く。すると、不意に長門は真顔に戻って言った。

 

「それなら……兄様たちには最高のお祝いを贈れるかもしれません。

 この戦争の早期決着という祝いの品を……」

 

 長門のその言葉で、天城も提督も真顔に戻った。

 

「……報告は聞いている。

 生き残った睦月からも、そしてアネット代表からも大まかな話は聞かせてもらった。

 お前や天城が大丈夫だと太鼓判を押していることだし、俺も彼女たちから敵意や危険は感じ取れん。何かしらの計略という気配もない。

 信じがたい話ではあるが、『レムリア国』の話を信じよう。

 もっとも、彼女らの疲労も激しいので本格的な話は明日以降にするが……。

 天城、彼女らの様子はどうだ?」

 

 すると、天城は懐からメガネを取り出して掛けると、手元の書類に視線を落とす。

 

「今は第四ドッグをそのまま宿舎替わりに入ってもらっています。

 出会った時には損傷も激しかったんですが、向こうが持ってきていた資材で自己修復に入っているらしく、回復しつつあります。おそらく明日には全員、話ができる状態になっているんじゃないかと……。

 あと食事をお願いした間宮さんの話では、こちらの食堂で出しているご飯をお出ししましたが、美味しそうに食べていたそうです」

 

「そうか……なら、明日にはうちに所属する全員に紹介もできるな。

 食事も明日以降は他の艦娘と一緒に、食堂で対応するようにしよう。

 あと、そうだな……歓迎のパーティを開くというのもいい。

 簡単なものでいいので、そういうのが得意な艦娘たちに声をかけ、準備をしてもらえるか?」

 

「いいんですか?」

 

「他国の使者に対して歓待のパーティを開くことは別におかしなことではないよ。

 それに桟橋であれだけしっかりと見られたんだ。 今さら隠しようが無い」

 

 損耗の激しい駆逐艦たちは、とにかくその繋がりと絆が深い。

 実は帰還の際、行方不明になり生存が絶望視されていた睦月が生きている、という情報をどこからか聞きつけた駆逐艦娘たちは全員、睦月を出迎えようと海に出たのだ。

 素晴らしい彼女たちの友情ではあるが……その時にばっちりと『レムリア亡命艦隊』を見られてしまっていたのである。

 もう『レムリア亡命艦隊』の存在を知らぬものはこの単冠湾(ひとかっぷわん)には1人も居ないだろう。

 

「下手に隠せば余計な混乱が起こるだけだ。

 それなら、彼女たちが会話ができて特別友好的な、和平を求めにきた深海棲艦の一派であることを公開する。そのうえで彼女たちとじかに接しさせて、その情報が間違いでないことを示した方が今後を考えるといいだろう。

 ただし箝口令を徹底し、この事実を絶対に外部に漏らすな。

 これはまだ、外部に軽々しく出せる話じゃない」

 

「了解です」

 

 提督の考えに天城は頷く。そこで長門は声をかけた。

 

「兄様、このことを父様に。

 それにできれば義姉(ねえ)さまから、お父様である天城提督に話をして助力をお願いしたいのですが……」

 

 そう言うと、提督と天城は揃って首を振った。

 

「そうしたいのは山々だが……」

 

「実は……」

 

 聞けば、長門たちが北方への旅を始めてからの戦況は悪くなる一方のようだ。

 南方からジリジリと戦線を押し上げてくる深海棲艦に対し、それを抑えるので手一杯の人類勢力という状態らしい。その状況に、武闘派の筑波大将も天城大将も前線での指揮をとるために向かったというのだ。

 

「何とか連絡を取ろうとしているが、ことがことだけに極秘裏に進めるのがなかなか難しい。今の本土周辺は君塚大将の息のかかった者が多くなっている。お前やアネット代表の話の通りなら、今の大本営にそのままことを報告するのは論外だ。

 だから少しだけ……『地盤固め』の時間が必要だ。その間に我々は彼女ら『レムリア』との間に信頼関係を築く。

 有希、お前たちも休んで、まずは長旅の疲れを癒すんだ」

 

「兄様、お言葉に甘えさせてもらいます」

 

 長門がペコリと頭を下げる。そして最後に、提督はどうしても聞きたい話を切り出す。

 

「それで最後に……あの男の艦のことなんだが……」

 

「あれは羅號。 私の息子です!」

 

 胸を張って言い切る長門に困惑気味な提督と、変わらぬニコニコとした天城。

 

「それじゃその可愛い甥っ子について教えてもらえないかしら、有希ちゃん?」

 

「ええ、あの子はとにかく凛々しく強く……」

 

 とにかくテンション高く羅號の話を天城にしていく長門。

 妹はこんなキャラだっただろうかと思いながら、提督は急にできた、規格外の甥っ子のことを考えていた……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「……知らない天井だ」

 

 羅號はどこかで聞いたことがあるような言葉とともに目を覚ました。暗い室内、光源は窓から入る月の光だけだ。

 辺りを見渡すと、どうやらここは医務室か何かのようである。独特の薬品の匂いがツンと鼻につき、羅號は僅かに顔をしかめた。

 羅號は清潔なベッドに横になっており、ところどころには包帯が巻かれている。ベッドサイドの時計は19時過ぎを指していた。どうやら10時間近く気を失っていたようだ。

 

「ここは……単冠湾(ひとかっぷわん)かな?」

 

 どうやら状況から見て、無事艦隊は単冠湾(ひとかっぷわん)に逃げ込めたようだ。そう判断した羅號は一息をつくと、状況を確認しようと身を起こした。

 すると……。

 

「あっ、らーくん!」

 

「羅號っ!」

 

「ラゴウ、起きタ!」

 

 パッと明かりがつき、眩しさに羅號が目を細めると同時に慣れ親しんだ声が聞こえる。

 

「ああ、みんな……って、うわっ!?」

 

 声を掛けようとした羅號が、突然降ってわいた超重量弾(スーパーヘビィシェル)もかくやという衝撃に息を詰まらせる。

 見ればローと朝潮、そして『ちぃ』の3人が羅號に飛び掛かるようにして抱きついていた。少しだけ傷に響いた羅號がやんわりと抗議の声を上げようとする。

 しかし……。

 

「らーくん、よかった……よかったですって……」

 

「心配、したんです……」

 

「ぐすっ……ラゴウ……」

 

 3人は涙を流しながら羅號に縋り付く。

 自分はどうやらずいぶんと手酷くやられていたらしいということを理解し、そしてそんな自分を本気で心配してくれていたことを羅號は感じ取った。

 

「ごめんね、心配させて……」

 

 羅號はそれだけ言うと、彼女たちが落ち着くまでその柔らかな髪を優しく撫でるのだった……。

 

 

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「もう、らーくんったらそれまでずっとそばにいたのに、ちょっと食事に行ってる間に目が覚めちゃうなんて、空気読まなすぎですって」

 

「あはは……ごめんね」

 

 可愛らしく頬を膨らませるローの言葉に、羅號は苦笑いしながら答える。

 

「ロー、やっぱりラゴウに目覚メのチューを試すベキだった。

 ソウすれバ、もっと早く目覚めタハズ」

 

「何を言ってるんですか、あなたは」

 

 何やらウンウンと頷く『ちぃ』に、朝潮が突っ込んだ。どうやら羅號はおもちゃにされる一歩手前だったようである。ひとしきり苦笑いをすると、少しだけ真剣な表情になって羅號は3人に聞き返す。

 

「それで……あの後はどうなったの?」

 

「ええ、あの後は……」

 

 朝潮の説明によれば、あの後すぐに偵察任務をしていた単冠湾(ひとかっぷわん)所属の艦隊と合流し、保護されたようだ。

 

「ここの提督は私たちに高速修復剤まで使ってくれましたからね。

 損傷の激しかった長門さんたちも含め、全員もうすっかり元通りです」

 

 トラック艦隊の仲間たちの無事を確認し羅號は頷く。そしてもう一つ気になっていたことを聞いてみた。

 

「それで、レムリアの人たちは?」

 

「それも大丈夫です」

 

 長門たちの説明で、ここの提督はレムリア亡命艦隊の面々が敵ではないと理解してくれたようだ。他国からの大切な使者として、かなり丁寧に扱ってくれているらしい。

 

「間宮のゴハン、美味しカッタ!」

 

 ここで出してもらった食事を思い出しているのだろう。『ちぃ』の様子からも不満はなさそうで、丁重に受け入れてくれているようだということがわかる。

 

「そうか、よかった……」

 

 羅號はホッと息をつくと、身を起してベッドから立ち上がろうとする。

 

「ど、どこ行くの、らーくん!」

 

「うん、僕の艤装の状態を確認したいからちょっと工廠にね……うっ!?」

 

 そう言って歩き出そうとするが、身体の痛みにバランスが崩れる。

 

「らーくん!」

 

「羅號っ!?」

 

 そんな羅號を慌てて左右からローと朝潮が支えた。

 

「あはは、ごめんね2人とも」

 

 そういって羅號は杖でもないものかと周囲を見渡すが、それらしきものは見当たらない。

 

「いいですって、らーくん。

 このまま支えてあげますって」

 

「任せて下さい! 全力であなたを支えてみせます!!」

 

「じゃ、じゃあお願いしようかな」

 

 なにやら気合い十分な2人に押し切られ、若干冷や汗をかきながら羅號は頷く。

 モンタナとの戦いのとき、長門は遺言代わりにと『羅號をこれからも支えてほしい』という言葉を彼女たちに言っている。これは親である長門が羅號との今後を認めた、交際許可のように彼女たちの中では解釈されていた。そのため2人は今まで以上に積極的になっているのであるが、その辺りの分からぬ羅號は『何だかよく分かんないけど気合い入ってるなぁ』くらいの感想である。

 

「ぶぅ……出遅レタ……」

 

 そんな中でただ一人出遅れた『ちぃ』は、不満そうに頬を膨らませたのだった。

 

 

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 ローと朝潮に両側から支えられながら、羅號は工廠の前までやってきていた。

 ちなみに、『ちぃ』はこの場にはいない。

 彼女たち『レムリア亡命艦隊』の存在はこの単冠湾(ひとかっぷわん)では周知の事実なのだが、一応正式な発表を行う明日までは秘密の存在なのだ。そのため、宿舎代わりに提供された第四ドッグで今日は大人しくしておいてほしいとアネットたちには伝え、彼女らもそれを了承したのだが……羅號が心配だった『ちぃ』はそこから無断で抜け出してきていたのである。

 このことはローと朝潮も知らなかったらしく、聞いた時には驚きで目を見開いていた。このままでは大事になると、3人揃って慌てて『ちぃ』を説得し、第四ドッグに送り届けてきたところである。

 

「……『ウィン』さん、怖かったです、って」

 

「……あれは私も生きた心地がしなかったわ」

 

 送り届けた時、迎え入れた『ウィン』の顔を思い出してローと朝潮はブルリと身を震わせた。

 いつも通りのニコニコ顔で、しかしその裏で渦巻くブリザードのような冷気……本気で怒り狂っている姉に『ちぃ』は涙目で羅號に縋り付いて盾にしようとしたわけだが、怪我もして万全な状態でない羅號にはどうしようもないし、正直に言って羅號も巻き込まれたくなかった。

 彼ら3人にできたことは泣きながら奥に引きずられていく『ちぃ』に敬礼を送ることだけである。

 閑話休題。

 そんな紆余曲折を経て、羅號たちは工廠までやってきた。

 

「ここが……」

 

 見上げるように、羅號はその倉庫のような建物を眺める。

 羅號はトラック泊地壊滅の時に着任している。その時にはすでにトラック泊地の主要施設はすべて瓦礫の山に成り果てており、実は羅號は本格的な施設を見るのは初めてだったりする。

 重たい金属製の扉を開けて中に入ると、そこには見知った顔があった。

 

「明石さんに夕張さん……」

 

「羅號くん、目を覚ましたんですね!」

 

「心配してたのよ。 ホントによかったわ!」

 

 なにやら資料を見ながら作業していた2人は羅號の姿を認めると、すぐに駆け寄ってくる。羅號の無事を確認するように何やら抱きしめたり撫でたりする2人に、羅號は傷の痛みを感じながらもまるで姉のように接してくれる2人に悪い気はせず、されるがままだ。

 

「それで、羅號くんはここに何しに?」

 

 しばしの後、解放された羅號に明石が問う。

 

「僕の艤装の確認に来ました」

 

「ああ、それは当然よね。

 こっちよ」

 

 その答えにさもありなんと夕張は頷くと、先導しながら歩き出した。やがて見えてくるのは傷つき、ボロボロになってしまった羅號の艤装である。

 

「武装は副砲、光線兵器群が全壊。

 高角砲、対空機銃、主砲もほとんどが稼働不能。およそ8割以上が損壊してるわね。

 装甲は傷がついていない場所を見つけるのが難しいレベル。

 ドリルだって内部機構が致命的なダメージを負って、もうこれただの鈍器ね」

 

「はっきり言って、普通の艦なら10回沈んでもお釣がくるような損傷状態です。

 これだけやられておいて、羅號くん本体の傷がそれほどでもないのは凄いですね。

 艤装の肩代わり……ダメージ吸収率が尋常ではない証拠です」

 

「……僕の傷をみんな代わりに受けてくれたんだ。

 ありがとう、僕の相棒……」

 

 夕張と明石の被害説明に、羅號は慈しむように傷だらけの艤装を撫でる。そんな羅號を支える朝潮が明石に聞いた。

 

「それで、羅號の入渠はいつになるんですか?」

 

「あー、それが……」

 

「実は……」

 

 朝潮の言葉に、歯切れの悪くなった2人は説明を始める。

 なんでも試算したところ、羅號の艤装の修理に必要な資源の量が尋常ではないらしい。あの大和型の数倍はかかることは間違いないようだ。

 そして幸いにもダメージのほとんどを艤装が吸収したため、羅號はそれほど大きなけがを負っていなかった。

 そのため今しばらくは現状のままでいてほしいという話が来たという。

 

「らーくんに怪我したままでいろなんて酷いですって!」

 

「そうですよ!」

 

 その話を聞いたローと朝潮は憤りを露わにする。

 

「まぁ、私たちトラック泊地艦隊の心情としては一秒でも早く入渠させてほしいんですが……私たちも居候の身ですからね、あまり強く言えません。

 ここの提督も次の補給を必ず羅號くんの艤装の修理に充ててくれると確約してくれてますし……」

 

「僕は構いませんよ」

 

 もう苦境には慣れっこになっている羅號にしてみれば、こんな日常生活になんの支障もない程度の怪我はどうということはない。それに自分の艤装の修理に膨大な量の資源が必要なのは自覚していたので、羅號としてはそれをどうこう言うつもりはなかった。羅號のあまりの聞き分けの良さに、逆に大人である明石と夕張は心苦しさでいっぱいである。

 そんな2人の心情を知ってか知らずか、羅號は話は終わったとばかりに艤装から視線を外すと、物珍しそうに辺りを見渡した。

 

「ん? あれ……」

 

 その時、羅號はその壁際にある機械を見つけた。

 

「ああ、それは装備開発用のマシーンですね。

 資源と使用する者によって、さまざまな装備を開発する機械です」

 

 そう説明してから、明石は何かを思いついたように言った。

 

「どうです羅號くん、装備開発やってみません?」

 

「あっ、それいいわね。

 羅號くんが何を開発するのか私も興味あるわ」

 

 すぐに賛同する夕張。2人は押し出すようにして羅號を開発マシーンのところにまで連れてくる。

 

「あのぉ……ここはよその鎮守府ですし、勝手にこんなことやっていいんでしょうか……?」

 

「あー、大丈夫大丈夫。

 さすがに何回も廻せないから1回だけよ。

 そのくらいなら最悪、私たちの持ってきた資源で弁償もできるわ」

 

「はぁ……」

 

 朝潮のもっともな質問にも夕張は問題ないと太鼓判を押す。

 当事者である羅號も初めてのことでワクワクしていて、この場にはストッパーはすでに存在しない。

 

「それじゃ行ってみましょう!」

 

「何が出るかな? 何が出るかな?」

 

「えいっ!」

 

 ハイテンションな2人に押されるように羅號がレバーを引くと、しばらくしてゴトリという音を立てて完成品が姿をあらわした。

 

「……はい?」

 

「なにこれ? 初めて見るんだけど……」

 

 見たこともない『ソレ』に明石と夕張は警戒心も露わに、解析結果の表示された端末を覗き込む。しばらくして、そこに表示された意味を飲み込んだ2人は、揃ってため息をついた。

 

「うーん、さすがというかなんというか……」

 

「何から何までハンパないわ、この子」

 

「はぁ……」

 

 若干の呆れを含む言葉を聞かされても、羅號としても困ってしまう。

 結局、開発された『ソレ』は一時明石と夕張の預かりということになって、羅號は工廠を後にするのだった……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 翌朝早朝、単冠湾(ひとかっぷわん)泊地に所属する全艦娘が集められた前で提督の口からトラック泊地艦隊の生存と保護、男の艦息である羅號、そして深海棲艦である『レムリア亡命艦隊』についての紹介が行われた。

 全滅したと思われていたトラック泊地の生き残り、そして強大な戦闘能力を持つ世界初の男の艦息である羅號は驚きを持って迎えられたが、やはりその驚愕度は『レムリア亡命艦隊』には一歩譲る。

 今まで会話の通じない『滅ぶか滅ぼすか』という絶滅戦争しなかい関係だった深海棲艦、それが会話ができて人類との間に友好的な和平を結びたいという一派がいるというのは途方もない衝撃を艦娘に与えたのだ。しかもその証拠のように、傷ついた駆逐艦娘である睦月を助けたという事実も同時に伝えられている。

 提督は彼女らは他国からの使者として最大の礼を持って接するように、そしてこれらのことは最高機密として決して外部に漏らさないようにと厳命した。そのうえで今夜には彼女らの歓迎を兼ねたパーティを行うので交友を深めるようにと宣言する。

 かくして単冠湾(ひとかっぷわん)泊地の食堂は飾り付けられ、急ながらもパーティ会場として使えるようになっていた。非番の艦娘は基本的に全員参加だ。かなりの数が一同に会するため立食パーティの様式である。

 ところどころのテーブルには間宮の手によるもの、あるいは有志の艦娘たちが作った料理が所狭しと置かれていた。

 

「このような歓迎の会を催して頂き、ありがとうございます」

 

「いえ、構いませんよアネット代表」

 

 ワイワイと賑わいを見せる会場を、提督は長門とアネットとともに歩いていた。

 

「他国の使者に対しては最大の礼を持ってあたるものです。

 逆にこのようなささやかな会しか開けぬことをお許しいただきたい」

 

「今は戦時下ですし、貴国と我々の現状を考えれば、いきなり撃たれないだけでも十分すぎますわ」

 

 そう言いながらアネットはグラスに口を付けた。

 飲み物を口にする、たったそれだけの動作だというのにどこか人を惹き付けるような美しさがあり、長門の話の通り本当に王族なのだなと提督は妙に納得する。

 

「それにお礼を言わなければいけないのはこちらの方です。

 あの子たちが、ああも艦娘に溶け込めるなんて……」

 

 そう言うアネットの視線の先には、艦娘たちと談笑する『レムリア亡命艦隊』の面々の姿がある。

 

「オオ、これガ有名なパゴダマストか……まるデ前衛芸術ノようダ!」

 

「カッケー!

 なンの意味がアンのか全然ワカンネェけど、トニかくカッケー!」

 

「……山城、これは褒められているのかしら?」

 

「はぁ……不幸だわ……」

 

 『メリー』と『アイ』は扶桑と山城の特徴的なパゴダマストを模した髪飾りを物珍しそうに触り、扶桑と山城は何やら疲れたようなため息をつく。

 

「そういう考えナラ、私たチ空母は全戦闘機構成(オールファイターキャリー)として防空に専念スルという選択モ有ると思ウ……」

 

「なるほど……でも空母最大の特徴であるアウトレンジからの攻撃を捨て去るのも勿体無いと……」

 

 『ヨーク』は天城を筆頭とした空母艦娘たちと艦載機運用について意見を交わし合っている。物静かなはずの『ヨーク』は、今日に限ってはかなり饒舌だ。

 

「私たち軽巡と重巡の仕事といえばやっぱり夜戦よ、夜戦!

 あなたたちもそう思うでしょ?」

 

「イヤイヤ、駆逐を率いテ艦隊対空防御の方ガ重要ダろう」

 

「私ハやたら運が悪イからなぁ……夜戦は怖イ。

 潜水艦に会いソウで怖イ」

 

 やたらテンションの高すぎる川内の夜戦至上主義に『アトラ』は対空防御こそが仕事だと持論を振るい、『イリス』は何を思ったのかしみじみとため息をつく。

 

 『レムリア亡命艦隊』の面々は単冠湾(ひとかっぷわん)の艦娘たちと驚くほどに意気投合していた。提督とアネットは、今までのお互いの確執から交流は上手くいかないのではないかと懸念していただけに、今の状況は大変喜ばしい。

 もっとも、この雰囲気も最初からというわけではない。パーティの開始直後はレムリア側にも単冠湾(ひとかっぷわん)の艦娘側にもどことなく警戒心が残っており、こう上手くはいかなかったのだ。そのためレムリアの面々と話をするのは今までの旅で気心の知れた、トラック艦隊の面々だけだったのである。

 その雰囲気を砕いたのは、単冠湾(ひとかっぷわん)の駆逐艦娘『睦月』である。

 命を助けられ、短いながらもレムリア亡命艦隊と行動を供にしていた睦月は彼女たちに危険はないと分かっており、自分の友人である駆逐艦娘たちを連れてレムリア亡命艦隊の旗艦である『ウィン』に話しかけたのである。

 その様子を見て『駆逐艦娘に負けていられない』とばかりに他の艦娘たちもレムリアの面々に話しかけ始め、今に至る。

 

 チラリと提督が視線を巡らすと、このパーティの最大の功労者ともいえる睦月は他の駆逐艦娘たちと一緒に『ウィン』のところである。

 高身長、そして艤装展開時の巨大な鉤爪のせいで非常に威圧的な印象を受けてしまう『ウィン』なのだが、彼女は非常に子供好きだ。その辺りは妹である『ちぃ』に対する態度を見ていれば一目瞭然である。今『ウィン』は駆逐艦娘の文月の頭を撫でながらご満悦の様子だ。

 そんな様子を見て、アネットは提督に頭を下げた。

 

「改めて、ありがとうございます。

 そして今後も変わらぬ良き関係をお願いします」

 

「無論です、アネット代表。

 できることなら、もう戦いなどテーブルの上でだけにしたいものですね」

 

「ええ、本当に……本当にそうですね」

 

 冗談めかした提督の言葉に、アネットはしみじみと頷いた。

 レムリアの制圧派が戦争を主導している以上、交渉という名のテーブルの上での戦いになるまでにはまだ遠いことは2人とも分かっているが、戦いなどすぐにでも終わってほしいというのは偽らざる本音だ。

 現実にはこれから多くの戦いが必要だということも理解している。そしてその中には制圧派の切り札である『ラ級万能戦艦』の姿もあるだろう。これからの戦いはさらに過酷なものになっていくのは間違いない。

 しかし希望はある。

 こうして今まで戦うことが当然だった艦娘と深海棲艦がこうして仲良く手を取り合えるのなら、あるいは……。

 そして強大な『ラ級万能戦艦』に対抗する希望も、今の人類には存在する。

 

「さて……その人類の希望(うちの甥っ子)はどこかな?」

 

「兄様、羅號ならあそこに」

 

 パーティ会場で羅號の姿を探す提督は、隣から長門の耳打ちされてそちらに視線を向ける。するとそこではある意味異様な空間が広がっていた。

 

「らーくん、あーん」

 

「羅號、飲み物です」

 

「ラゴウ、これ食ベル!」

 

「う、うん。貰うね。

 ありがと」

 

 ソファーに座った……いや、座らされた羅號にしな垂れかかるようにしたロー、朝潮、『ちぃ』の3人が次々に食べ物や飲み物を羅號に差し出している。先ほどから羅號は食事にあたってまったく自身の手を動かしてはいない。

 一見すれば美少女3人を侍らせて奉仕をされているように見えなくもないのだが……とうの羅號は何とも困った表情をしており、とても楽しんでいるようには見えない。まるで捕獲された宇宙人のごとくその姿には哀愁が漂っており、なんとも哀れだ。

 

「あ、あのねみんな……僕の怪我なんてどうってことないし、食事ぐらい自分でてきるから……」

 

 やんわりと3人娘を引き離そうとするのだが、3人娘は『あえて空気を読まない』。

 

「ダメですって。 らーくんのお世話はローちゃんたちがしますって」

 

「そうですよ、無理して傷が開いたらどうするんですか」

 

「ラゴウ、『ちぃ』たちに全部任セル!」

 

「あのぉ……それならちょっとだけ傷に響くんで、寄りかかるのは待ってほしいかも……」

 

 羅號の頬を掻きながらの小さな抗議は、完全に黙殺される。

 羅號も困った顔をするものの、3人を無理矢理引き剥がすような拒絶をすることはない。ちょっとした抗議の声をあげても3人が上目遣いで「だめ?」と尋ねると、途端に抗議の声を引っ込める。

 結果、見るからに甘ったるく近付くのが躊躇われる空間が完成し、羅號はそこに完全に囲い込まれていた。そのため、世界初となる男の艦息である羅號に興味はあるが近づけないという艦娘たちが遠巻きに様子を窺うという状態になり、明らかに羅號の周りだけ浮いている。

 

「……甥っ子はずいぶんモテるようだな」

 

「もちろん、私の自慢の義息子ですから!」

 

 皮肉のつもりで言ったのだが長門は何故か胸を張って答え、妹のキャラがいつの間にか残念な方に変わっていたことに提督は頭を抱えたくなった。

 しかしそうも言ってはいられない。提督はフゥっと一つ息をつくと少し気合を入れてその甘ったるい異空間に入っていく。

 

「あっ、提督」

 

 提督に気付いたローと朝潮はさすがに立ち上がって敬礼する。羅號もキョトンとしている『ちぃ』をどかすと、慌てて立ち上がって敬礼をした。

 

「いや、今日は無礼講だ。

 特に羅號は怪我をしているんだ、そういうのは無しでいい」

 

 提督はヒラヒラと手を振って敬礼はいらないことを促すと、羅號たちは敬礼をとく。

 

「どうだ羅號、楽しんでくれているか?」

 

「はい、叔父さ……いえ、提督」

 

「無礼講だと言ったぞ。 『叔父さん』でいい」

 

 慌てて言い直す羅號に提督は苦笑する。

 

「今日のパーティ……これは君がレムリアの艦隊を保護しなければ為し得なかっただろう。

 それだけじゃない、トラックからの生還者……個人的にも妹と再び会えたのは君のおかげだからな。

 提督としても、私個人としても礼を言っておきたかった。

 ありがとう、羅號君」

 

「そんな……僕はただ皆を守りたかったから自分にできることを必死になってやっただけですよ」

 

 羅號の言葉に、提督は謙虚なものだと感心する。

 

「……すまないな。

 本来ならすぐにでも入渠で傷を癒してやりたいのだが……」

 

「いえ、大破判定を受けた僕の艤装の修理には膨大な量の資源が必要になるのはわかっています。

 僕は大丈夫、これくらいの傷はなんてことありません。

 それよりも他の子の治療を優先して下さい」

 

 あまりの聞き分けのよさに、提督としても心苦しい。提督はその心苦しさからか、視線を逸らしながら言った。

 

「……すまんな、次の補給があり次第最優先で君の傷を癒す。

 それまでは我慢して、ここでゆっくり長旅の疲れを癒してくれ」

 

「叔父さん、ありがとうございます……」

 

 羅號が深く頭を下げ、提督はその礼儀正しさに再び罪悪感に襲われる。いっそのこと、緊急用の備蓄に手を付けてでも羅號の治療を優先しようかとまで提督は考え始めた。

 その時だ。

 

 

バンッ!!

 

 

「提督ッ!!」

 

 蹴破る勢いの乱暴な音を立ててドアが開かれると、そこには大淀の姿があった。

 全力疾走してきたのだろう、肩で息をする姿からは日頃の冷静沈着な様子は見る影もない。その姿に、その場にいた全員は即座に異常事態が発生したのだということを理解した。

 

「どうした大淀! 何があった!?」

 

 提督の言葉に、大淀は息を整えながら青い顔でその言葉を言った。

 

「帝都が……帝都が攻撃を受けています!!」

 




今回は交流編でした。
次回は……出撃編かな?
戦闘はまだまだ先の予定です。
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