私は鉄棒を握りしめ、構える。
ミホさんは得物を持った私を警戒し、そのまま動かない。
しばらくの硬直の後、動きが起こる。
先に動いたのは相手。鉄の塊を持った私を気にせず近づいて来た。
そして、私を目の前に捉え蹴りを加える。
「……! 形状を盾に!」
私は鉄の棒の形状を丸く変え、盾のような形へ作り変え、蹴りをガードする。
蹴りを加え、もう片方の足が留守になっているのを私は見逃さなかった。
「一部を棒に!」
盾の端を棒のように伸ばし、傘の手元のような形状に変える。
それをミホさんの片足に引っ掛け、盾を引っ張る。
「……ッ!」
彼女はバランスを崩し、地面に倒れる。
「盾を二分割へ! 片方は棒に!」
鉄を二分割し、盾を左手もう一つを右手で持ち、形を先ほどと同じ棒に変化させる。
それを振り上げ、ミホさん目掛けて振り下ろす。
しかしミホさんはそれを横に転がりながら避けその勢いで地面に手を付き、アクロバットな動きでそのまま立ち上がる。
「……これは面白い。まるで
「ありがとうございます。剣……ですか、棒よりはかっこいいかもしれませんね」
自分の持っている棒を見る。
『剣』か、今度からそう呼ぼう。
「ところで一つ聞きたいんですけど、この服は何製なんでしょう?」
私は自分の着ているメイド服に親指を向け尋ねる。
「さあ、それはお答えできません。だって、
「バレましたか。まあ、その通りです」
頭にのせていた、カチューシャを手に取り、頭にひっ掛けるプラスチック部分とヒラヒラの白い布の接合部分を引きちぎる。
プラスチック部分を鉄に変え、その新しくできた塊を右手の武器へ融合させる。
「驚きました。新たに作ったものを加えることもできるとは」
「はい、ですから私に長期戦は不利ですよ」
「服も全部鉄に変化させて武器に加えるつもりですね」
「いやそれは……ちょっと恥ずかしい……かな」
「んん? なぜです、どうせココには自動ロックがかかるので終わるまで誰も入って来ませんし、私は同姓の裸体を見ようがどうも思いませんが」
「と、とにかくダメです! さあ続きです!」
顔を真っ赤にしているのはさすがにバレただろう。というか私だって別に女の子くらいならなんとも思わないけど、演算さんが終わったら入ってくるし結局鍵の意味なんてないのよね。
「承知しました。ところで……その剣と盾、少しずつ大きくなっているような気がするのですが気のせいでしょうか? 先ほどのパソコンの部品とカチューシャの部品の大きさとは釣り合っていないように見えますが」
私の手元にある、鉄の塊は本当に少しずつであるが確かに大きくなっている。
気づいたみたいね、私の能力の恐ろしさの一つに。
「そうです。実はあなたと話している最中も戦っている最中も大きくなっていたんですよ。私との模擬戦が終わるまでにこの力は解明できるでしょうかね?」
「……できますよ。超スーパーメイドの私になら、当然です」
小学生女子よりも少し大きいくらいの超スーパーメイドのミホさんは私に余裕の笑顔を見せる。
私と彼女は再び激突した。
彼女の能力の詳細は次回