霧ヶ丘女学院、私の通っている高校の名前である。
十八学区にあるこの学校は、名門のお嬢様学校と言われさらに珍しい能力者の多いところなのだそうだ。
その一人に私も数えられているらしく、去年の
そんなことは自分が一番理解していることだし、今更誰かに言われたくはなかった。
「はあ……、今年も
このクソ暑いなか、ここまで赴くはめになった理由は大覇星祭が原因だ。
今年は優勝したいと気合を入れているのか、競技の内容を説明された挙句、このポジションでこうして欲しいなど指示を受けてしまった。
まあ、言われなくともやるけどね。
「……っと。メールが来たわね。差出人は……演算さんか。また、あのコスプレ喫茶とかじゃないでしょうね」
思えばなんで私はあの格好のまま、第七学区の外を歩いてしまったのだろう。
向こうで着替えても良かったんじゃないだろうか。
今考えるととんでもなく恥ずかしい!
あのメイド研修の後、
確実に見られたわね、あれは。ていうかフォローになってないんだけど!
彼女はどうやら転校するらしいが、秋沙なら向こうでもやっていけるだろう。
……じゃなくて、演算さんからのメールは。
『今回ハ、二十三学区の添付した画像の場所へ来てください。心配せずとも喫茶ではないので、ゴ安心ヲ』
私の考えていることは全部筒抜けなのね、あの人には。
「……まあ行きましょうか。二十三学区って、一般学生は入れないんじゃなかったかしら」
彼のことだし、許可くらいは取っているでしょ、向こうについてから考えればいい。
スマホの地図サービスを開き、二十三学区へのルートを探す。
どうやら、そこまで電車は出ているようだ。
演算さんが送ってきたメールの画像も駅のすぐ隣のようだし、丁度いい。
「電車代、後で請求してやろうかしら」
*****
というわけで、二十三学区に到着した私。
なんだか、場違いな気がするが気にしている場合でもない。
駅の近くの画像の場所はどこだろう。
辺りを見るとそれと思しきところを発見した。
大きめのコインロッカーの前に彼はいた。
「オオウ、菜優花さん。お疲レ様デス」
「ああ、うん。お疲れ様」
実は普通じゃない場所を期待していたのだが、別に何もなかったのでちょっと物足りな……あれ、もしかして毒されてる?
「サテ、今回ハ大仕事になりますよ。それも学園都市の歴史に関わるようなモノデス!」
「すごいはねそれは。私なんかに務まるの?」
「イエイエ、寧ろアナタにしか頼めないようなことだとおっしゃっていまシタカラ」
今度は掃除やら、雑巾がけやらはしなくて済みそうね。
「ソレデハ、行きまショウカ」
胸を張る彼の後を私は追う。
心配と希望の気持ちを胸に抱きながら。