「へっ……へへっ」
「やっぱり、まだただのガキだな」
「何よ……? あんたたちバカ二人組はもうすぐ
なぜ笑っている。
私は不気味で仕方ない。
武器をなくし、攻撃も無意味だとわかった、なのになぜこいつらは笑みを浮かべている。
「俺たちが、いつ、『二人組』だと言ったんだ?」
しまった。
と思ったときにはもう遅かった。
私は後ろを振り返る。
そこには、もう一匹の、
どこかで拾ったであろう鉄の棒っきれを野球のバットのように構えていた。
そして、横に振るわれたそれは、私の腹側部へとたたきつけられる。
「がは…………っ!?」
「残念、ライト前ヒット……ってとこだな」
あまりの激痛に私はその場で足を崩し、膝をついてしまう。
「こいつは?」
「さあな、お人好しの命知らずだろ」
「殺すか?」
殺す、その言葉がでただけで、自分の中に死という文字が浮かびあがってくる。
「ていうかお前ら、こんな女の子一人に腰抜かしてんじゃねえよ。 ハンドガンだってそんなすぐ近くにあるってのに」
もう一人の男はそう言い車の中にあった、ハンドガンを手に取る。
「いや、そいつはそれじゃあ殺せなかったから……」
「はあ? どうせそれは能力によるものだろ? そんなの、痛みとかで気を集中できない状態に追い込めば発動すらできなくなる。 能力者だって、無敵じゃない。 そういう弱点はあんだよ」
自分の頭に銃が向けられる。
ああ、私はこんな所で……
こんな、くだらない結末を迎えるのか。
こんな、くだらない連中の手で……!
「死ぬ前に何か言いたいことはあるか。 言っておくが俺は女には情け深い、それくらいは許してやる」
情け深い……?
こんな連中に情けをかけられたというのか……私は。
「あんた達は……なんでこの子を攫ったの?」
「……何を言うかとと思えば、そんなことか」
「そんなことではないわ。 私がどんな出来事で死ぬのか、その全貌だけでも知っときたいってのよ、文句ある?」
私はもう半ば諦めていた。
でもせめて、自分は何に巻き込まれに行ったのか。
それだけでも知っておきたかった。
もし、これがただのクソロリコン変態野郎の性欲のためとかだったら、おちおち墓場にもつけやしない。
「復讐だ。 学園都市第一位へのな」
「……!? まさかそれって……」
「知ってるのか。 そう学園都市第一位、一方通行だよ」
どうして、ここであの人の、一方通行の名前が出てくるのだ。
「一方通行……!」
「ああ、そいつへの復讐だ。 オレはアイツのせいで大切なパートナーを失った……! こんなクズにでも持つことできた幸せをあいつに奪われた! だから、あいつにも同じ苦しみを味わってもらう。 あいつの大切なあそこのガキにあるものを埋め込むことでな」
男はそういうと、小さめのチップを見せる。
「ウイルスコード。 これがあれば全部壊せる、あいつの大事なものも何もかも……!」
「勝手よ……あんたは……!」
「……何?」
こんなの……間違っている。
だってあの子は、関係ない。
「確かに一方通行にも非はあるかもしれない、でもあの子は関係ない! こんな犯罪に手を染めている時点でいくら話を美化しようたって許されるわけじゃない。 結局、アンタはクズのままよ、何も変わることはない」
「……そうだ、んなコトは初めからわかってる。 こんな暗部に身を下ろした時点でな」
ヤツがトリガーに指をかける。
「殺しの連鎖ってのは止まらない。 例えばAがBを事故で殺してしまう。そしたら、Bの恋人のCはAに殺意をもちAを殺しに行く。 その後はAの家族のDがCを殺しに行く。 次はCの友達のEが、EにはFが、FにはGが。 ……人から人への殺しが始まった時点で止められないんだよ。 人間にはな」
「…………」
「じゃあな、天国でオレのパートナー、『ナンシー』に宜しく言っといてくれ」
銃にかけられた指は動き始めた。