そんな彼は戦ったり戦わなかったりしながら今日も生き残る!
「ようやくだ……ようやく、この時が来た」
幾許かの雌伏の時を経て、ごつく眼つきが悪いヤで始まって間にクが入り最後にザが付きそうな男が、目の前にいる銀髪で帯のような物―――木の葉の額当てで片目を隠している男に言う。
「はぁ……やっぱりやるしかないのね」
「当たり前だぁ、俺は、今この戦いのために体を鍛えてきたと言っても過言じゃねえ……」
「いや過言でしょ」
場所は霧で覆われた、巨大な木が乱立する森の中。
そこで眼つきの悪い片方は背中に背負う巨大な剣―――首切り包丁に手を添え構えており、もう片方の銀髪は額当てに手をかけ、呆れた表情をしながらもいつでも本気を出せる状態であった。
「にしても、またお前と戦うことになるとはねえ。しょーーじき、勘弁してもらいたいんだが」
「うるせえ。俺ぁお前を倒さないといけねぇんだよ。例えお前がそれを望まなくても―――」
じりじりと二人は円を書くように移動しながら少しずつ間合いを詰めて行く。
20m、10m、5m、もう目の前にいると言ってもいい距離まで迫った時だった。
「今日こそ決着を―――」
「あ。ところでお前ってなんで眉毛剃ってんの? どうせならガイみたいなゲジ眉描いてやr」
「うおおおおおおおお!!」
ズガガァガアアアア!
「おっと。危ない危ない」
銀髪が挑発? をした瞬間、額に青筋を三つくらい浮かべながら背中から引き抜いた首切り包丁を、愚直なまでに一直線な動きで迫り袈裟懸けに本気の振り下ろしをする。しかし相手には余裕を持って避けられた。
その後もなんやかんや言い争いを続けながら戦う。
そして今日も彼らは
「白に―――白に、イチャパラ読ませるとかどんな腐った根性してんだてめえええええ! 今日こそその腐った本ごとぶった斬る!!!!」
「いやーだって恋愛について知りたいって言うんだもん。あれ表紙とか絵が少しアレだけど割りとちゃんとした内容よ? 少し下のほうに走ってるけど」
「その下に走ってる部分が駄目だっつってんだよこの糞むっつりいいぃぃぃぃ!!」
―――木の葉の里と呼ばれる場所の演習場で戦いに明け暮れていた。
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はろー。はろー。俺だ。俺っちだ。いきなりだが俺の回想話しにちょっと付き合ってくれ。
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自分という意識に気付いたのはいつだっただろうか。そう、あれは1万と6千年―――ろっと、そんな小ネタはどうでもいい。
俺が最初に目が覚めたのは、霧隠れの里とかいう場所の中でも腐ったクズで馬鹿みたいな連中が屯していた村の中だった。
そして自分が目覚めた時に一番最初に目に入ったのは、ヨレヨレの服を着て割れた酒瓶を片手にこっちを指差し嗤っているゴロツキ風の男と、その男の周りで爆笑する数人の男連中だった。
その時は混乱の極みだったことをはっきり覚えてる。なにせ普通の生活を送って普通の生き方をしていて普通の寝て起きてを繰り返していただけなのに、何回目かわからないいつも通りを繰り返していただけなのに、気づけば見知らぬ場所で見知らぬ連中が自分を指差し爆笑しているんだから。
「おっとぉ? まだ生きてやがんのか。餓鬼にしては頑丈だな。こりゃ嬲りがいがあるってもんだ! おい、お前らもやれよ!」
なにやら餓鬼、餓鬼、と周りの連中も口々に言っているが、はてこの場に餓鬼なんているか? と考え、餓鬼と言いながらこっちを指差す男たちに気づく。
それに疑問を覚え自分の手をふと見てみると、うん、小さい。こりゃ子供の手だ。ってあれ?
その時から始まったのだ、自分の新しい人生が。自分の新しい物語が。
……なんてかっこつけてるけど、そのゴロツキ連中にやり返す力なんてないんでその日は殴られつつも必死に逃げてやり過ごしましたとさ。泣かなかった自分を褒めてやりたい。
それが最初。俺が俺として自分を認識した時に起きた出来事。
それからも色々あった。
あんなゴロツキ共なんてメじゃないくらいしゃれになんない腐った連中から追われ逃げ隠れしたり、優しいと思ったおっさんがショタコンで俺をアッーーーーしようと近づいてきたり、自衛の手段を得る為に入学させてもらった忍者学校とかいう場所で忍術教えてもらったり、そこで覚えたことが前世の記憶のとある知識、NARUTOと言う漫画と一致したりして焦ったりと、本当に色々あった。
なによりも最大級の混乱が
「これって、この顔って、……」
自分が少年として成長していくにつれ眼つきが鋭く、側から見てかなり怖くなっていく今の自分の顔を見ながら思う。
まだこの時は『いやまさか』と思って本気では考えてなかったけど、とある事件? を経て確信に至った。
「それでは皆さんには学校を卒業するための試験としてこれから―――コロシアイをしてもらいます」
「……え?」
理解できなかった。理解したくなかった。いや別に特別仲良いやつがいるわけじゃないが、多かれ少なかれ交友があったやつらと、たかが卒業試験のためだけに本気でコロシアイを、バトルロワイアルをやるはめになるなんて―――
だが俺はそれを打ち破った。
いや簡単な話しなんだが、この忍者学校で俺は圧倒的に強く、常に体術、斬術、忍術全てにおいて一位だった。その一位をまず潰そうと全員襲いかかってくるのは道理。そして俺はそいつらを全員―――
ふざけたことを抜かしおった教師ごと犬神家状態(上半身を地面に埋めること。本来は水の中だが)にしてやった。誰も殺して無いしやったことに反省はしていない。
しかしそれがどう曲解して伝わったのか、俺は忍者学校中の人間を教師ごと皆殺しにした超危険な子どもとして民間に伝わった。なにそれ。俺一人も殺してないし。隣の席だった山田君(仮名)もこの前普通に道端で会ったし。山田君って話しかけたら苦笑いしながら山田じゃないって頭ぺしんって叩かれたけど。
というのもなんか忍者としての自信を無くしたとかで俺以外誰一人下忍にならず、教師の忍者も子供にあっさり犬神られた(謎)せいでプライド粉々になって辞めたそうな。
そんで結局忍者学校を卒業して下忍になったのは俺だけっていう。
……下忍一人だけってスリーマンセルとかどうすんだろ。あれって木の葉だけのルールなんかな。そんな現実逃避をした日であった。
あとやっぱ自分、序盤のボス的な再不斬さんに憑依したっぽい。はい自分のことがわかった事件の件終了。
その後もなんやかんやあって、結局上忍と自分一人の計2人だけっていう少数精鋭スタイル(笑)でしばらく過ごし、そこそこの実力をつけながらそこそこの強さになってきたんじゃないかなーと思い始めてきた頃に俺に衝撃が走る!
なんと、なぜか霧の七人刀? だっけ? 最高戦力? うろ覚えだがなんかそんな感じのすごい人に気に入られたらしい。いや本人からその七人刀だーとかそう聞いたわけじゃないけど、だって背中に背負ってるんだもの。
……あれって首切り包丁ですよねー。
ということで師匠となるビワさん(なんかカタカナな感じで言ったら首切り包丁ぶん回してきた。シャレになんねえ)との出会いをダイジェスト。
「ほほう、てめえが噂の餓鬼」
「そうです私が変なおj……子供です」
「ふむ……身体はそこそこ鍛えてるようだな。……これは、いやそうか。めんどいとしか思ってない命令だったがそこそこ面白そうなことになってきたぜ……くくっ」
「あのー、なんの話しです?」
そこで俺に二度目の衝撃が走る!
「喜べ餓鬼。俺が直々に鍛えてやらぁ。安心しろ、簡単には死なせねえ」
「……はぇ?」
「くっくっく、いや俺がこんなめんどうなことを無償でやってやろうってんだ。死ぬ気で……死んでも俺を飽きさせんなよ?」
そんなことがあって首に衝撃が走ったと思ったら次気づいた時には見知らぬ場所、目の前にニヤニヤしながらなんか巨大な虎っぽいのを従えてる誘拐犯(断定)。
そこから始まる命懸け壮絶な鬼ごっこは今後思い出したくないくらいのトラウマとして俺の中に刻まれていった。
まあそれでも生き延びたのだ。自分で自分の生命力にはほとほと呆れが出る。
他の6人にも会って(霧の忍刀七人衆と言うらしい。厨二乙と心の中で言ったら色々飛んできて死にそうになった)なぜか皆さんにそこそこ気に入られつつも、修行という名のいじめに付き合わされていった。
そんで何度か首切り包丁借りて練習したりほかの七人衆の忍刀を(なぜか)借りて練習したりしながら、何年か過ぎた頃だった。
「水影のやつ……怪しいな」
「どうしたんですかビワさん」
「てめぇはなんか俺の名前を呼ぶ時に変な発音なんだよな……まぁいい。今は置いといてやる」
だって果物のビワと名前被るんだもんとは言えない。言った瞬間俺が真っ二つになる。
名前の呼び方は最初師匠とでも呼べばいいかと言ったのだが、なんかうぜぇ。と一蹴されてさん付けとなった。
「いや次の任務で木の葉の忍び共を潰せって話しなんだが、どうにも、な」
「?」
「嫌な予感がしやがる。なにか裏で動いてる物の……再不斬、訓練は中止だ。少し待ってろ」
「あっ、まあいっか」
なにかと言い返す前に自分の言いたいことだけ言って瞬身の術でどこかに行ってしまった。辛うじて目が追いついたのでどっちに行ったかわかるが、わざわざ追うまでもないし待てと言われたから待つことに。
そして数時間が経って、いい加減まだかなあと思い始めた頃だった。
「よし、待ってたな。てめえにこれを渡す」
「うわっ、後ろからこないでくださいよ。なんですかこの巻物?」
「満月の野郎に作らせてた……収納用の巻物だ」
そう言いながら投げ渡されたのは少し大きめの巻物だった。
そんなもの自分に渡してどうすんだろうと思い悩みつつ、ビワさんの方を見てみる。すると、
「……?」
「まあ万が一のためだ。ありえねえが、俺やほかのやつらに万が一が起こった時のためにてめえにそれを預けとく」
「あ、はい」
ビワさんがなんか言ってるがそれ以上に気になることがある。
背中に背負ってる首切り包丁から、なんというか、いつもの威圧感が感じられない。そう、なんというか―――
「……形だけ似せた物……?」
「…………。その巻物は何が何でも手放すな。今日の修行は以上。ああ、あとこの紙を渡しとく。なんかあった時に見ろ」
そう言ってまた瞬身でどこかに言ってしまった。方角的に水影邸だろうか。
なんかモンモンとした物を感じながら家に帰る。
それから三日後だった。ビワさんが木の葉の忍びに敗れて帰らぬ人となった報告を受けたのは。
静かに泣いた。
でも前を向いた。
たぶん自分に求められてるのはそうじゃないだろうと信じて。
それからも大変だった。仲が良かった忍刀の人ら数人もビワさんと一緒に散ってしまったらしいのでこの謎の巻物について相談できる人がいない。
それにどうやら霧隠れの里は次代忍刀七人衆探しのためにてんやわんやなようだ。
覚悟を決めてビワさんから渡された紙のほうを見る。
そこに書いてあったのは
『しばらく前から水影の糞餓鬼が怪しい行動をし始めていた。それを他の忍刀と話し合った結果、黒だと判断。恐らくなにかしらの手段で操られてやがる。そんな糞餓鬼に忍刀を渡してなんかやんねえ。その巻き物の中にゃ特殊な条件が必要な鮫肌以外の忍刀を入れといてやった。使う使わねえはお前が判断しろ。俺たちは限りなく忍刀に似せた、七人衆でもなけりゃ見分けがつかねえ偽物で戦う』
大雑把に言うとこんな内容だった。
まさか、今まで他の忍刀の練習をし、満月さんから教わることが多かったのもこのためだったのだろうか……。鮫肌は結局最後まで認めてもらえなかったが。
その後はもう自主鍛錬と記憶の中の、永遠に追いつけなくなってしまったビワさんを目標に鍛えていく。少し口調が荒々しくなってしまったが問題はないだろう。
長十郎とかいう餓鬼の戦災孤児を広い、才能があったから鍛え、忍刀の一本、ヒラメカレイを渡してやったりもしたが些細なことだ。
ちなみに俺は忍刀七人衆に選ばれ首切り包丁を水影、ビワさん曰く糞餓鬼から受け取った。偽物のだが。どうやら糞餓鬼は偽物ということに気づかなかったらしい。
あとは串丸さんなんかは例のビワさんが死んだ任務から無事帰ってきたんだが、どうも様子がおかしい。前は善人とは間違っても言えないが、必要以上にいたぶって喜ぶような人じゃなかったんだが……
あと当然忍刀縫い針の本物は俺が持ってるんだが、返せとか何も言ってこない。どういうことだろうか。
まあいっか。さあ、次の任務は―――反乱を企ててるっていう血系限界の家の粛清か。
ま、簡単に終わるだろう。もうこの五本の忍刀を武器になるぐらい使いこなせるようになったし―――
その後、七人衆の一人によってクーデターが起きて七人衆は解体する流れとなる。
そして抜け忍となった後、どういう物語を辿ったかは―――また今度。
「そんなことより、まずてめぇを倒さねえとなあ!」
「はあ。なんでお前みたいなバカを白ちゃんは好きになっちゃったんかねえ」
今日も楽しそうに轟音が響き渡る。
過去はどうであれ今は幸せかもしれないと頭の隅で考えながら。
―――fin
ども。葬炎です。
こんな妄想で断片的な短編を読んでくださりありがとうございます。
この物語の構想は、忍刀いっぱい使いたいな。白TSヒロインにしたいな。ついでにナルトとサスケもTSさせてヒロインにしたいな。と考え行き着いたのがこんな感じ。白TSもナルトにサスケTSも出てきてませんが。
大まかな流れを言いますと
再不斬に憑依(どうやら子供再不斬は冒頭に出た不良どもの攻撃が頭に直撃し死んだ模様。そこにすっと入り込む主人公)
七人衆全員+満月から修行をつけてもらい鮫肌以外は扱えるようになる。
長十郎は弟子みたいなもん。ヒラメカレイの偽物は長十郎がもらった時バレないように処分し本物を使う。
血系限界の反乱というのは真っ赤な嘘で、それにかこつけ再不斬暗殺を企てる。理由は恐らく忍刀の本物を持ってるとしたら再不斬しかいないから(偽物なのがバレないはずがないのよね)
んで再不斬暗殺のための生贄になったのが白一家。再不斬はハメられたことに気づき白を助けつつ、一緒に連れてクーデターを起こす。成功。逃亡。
こっからの話しは考えてないですがなんやかんやで木の葉に落ち着いて白を鍛えつつ他のメインキャラと交友を深め最終的に穢土転生したビワさんにお礼を言って倒して終わりですかね。
ああ水月とか再不斬を憧れ? てましたし、TSして仲間にするのもアリかもしれません。まあ所詮妄想ですが。
というわけでここまで見ていただいてあざました。また他の小説で見る機会があればよろしくお願いします。