リリカルな魔法使い<一時凍結>   作:悪事

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未知との遭遇

多華宮 仄は第一法の魔法使いの継承者である。

その魔法使いへと、至るまでの道は波乱万丈というしかない。

両親の謎の失踪から始まり、孤児院で蒼崎 青子との出会い、

世界を旅したり、三咲市というかつて青子のいた街で久遠寺有珠に

魔術のことを学んだり、人形の使い手で青子の姉の橙子との最初の戦闘、

それから第一の魔法使いに成長し、どこから聞き付けたのか

魔導元帥様じきじきに弟子に迎えようとか、

いろんなことがあって海鳴の管理をすることとなるが、

やっと海鳴でのびのびできるかと思えば、なにやらきな臭いのに、

巻き込まれたりと、昔よりはましだがそれでも大変なことになっていた。

 

 

 

時刻は草木も眠りにつき夢を見る丑三つ時。

 

 

「それじゃあ 捜査を始めますか」

 

 

この夜、彼は街に存在するまだ起動していないジュエルシードを

確保しようとしていた、なぜ起動していないジュエルシードを

見つけることができたかは、使い魔を総動員し探したのだ。

使い魔に持ってこさせれば、一番よかったのだが、

ジュエルシードの放っている魔力が使い魔のジャミングになり、

自分が確保に向かうことになったのだ。

 

 

「内蔵されてる魔力もなかなかだし、保有してる神秘もそれなり

あとは願いに反応して魔力がはねあがる特別な式がかかっている。」

 

 

確保したジュエルシードに解析の魔術をかける、

物体構造 製造方法 存在理由 蓄積時間

様々な情報を頭の中で整理する。

 

 

「異世界から落ちてきた物ってこれか~

簡単に分類すると願いを叶える願望機?」

 

 

なにかを願う思念によって起動し、

願いを叶えようとすると、しかし一個だけでは、

不完全で合計二十一個でその真価を発揮する。

 

 

「でもさすがに死者の死の回避まではできないみたいだな。

でもこれどうしようか、家に置いとくのも、なんだかなあ

高町さんにあげてしまおうか 彼女はウチの管理している霊地で

魔術っぽいの使ってるし、いや 時計搭のエルメロイⅡ世に

渡して時計搭に貸しを作ってしまうか、

いやゼルレッチ先生に渡して帰ってもらうとか。」

 

ジュエルシードの扱いに困り、思考の海へダイブした魔法使いは

悩みながらも一旦工房に持ち帰ってそこで機材を使用して

もっと詳しい解析をしようと夜道を歩く。

そこに表れたのは一人は煌めく金髪を、

頭部の両側にまとめている自分と同じ位の少女

もう一方はまるで獣のような野性味のある女性、

その二人が自分の持つジュエルシードと呼ばれる物を要求した。

 

 

 

「突然、すみません あなたの持ってるそれを渡してくれませんか?」

 

 

「そうそう、おとなしく渡してくれんならいいけど

渡さないんって言うなら、ちょーーっとガブッていかせてもらうよ」

 

 

「ああ またややこしいのが来るなんて

どうなってるのさ この街は」

 

 

「なーに ごちゃごちゃ言ってるんだい

いいからさっさとよこしな」

 

 

「そう言う訳にもいかないんだ エクスキュート《起動》」

 

 

魔術回路を起こして礼装一式を出し、

一瞬で箒に乗って空へと、飛び出した。

 

 

「なっ ……アルフ!追いかけよう!」

 

「わかった! 待てーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

空を駆けるのは箒にまたがった少年と機工の杖を持つ少女、

それに付き従う女性達が、ビルの間を高速で飛び回る。

 

 

「逃がしません!」

 

帯電している魔力の塊が仄に向かう、

しかし箒をターンさせて、それをやり過ごす。

わずかな減速だが、その好機を見逃さずに

もう一人が拳をふりかぶる!

 

 

「くらえーーーー」

 

 

「くっ」 ローブに多少かすりはしたがギリギリで

コンビネーションを回避した、そこで両陣営は思考する。

 

少女のは゛この世界には魔法技術の発達していないはずなのに。

ジュエルシードの回収も起動を待って封印するだけが

今、自分と同じ位の少年がジュエルシードを持っている、

飛行能力は自分より低く、あの箒のような

デバイスで飛行している、このままいけば

直に詰みだけど、懸念するとすれば

彼の今 使っている魔法がミッドのモノでないことに

魔法陣がでないうえ、デバイスは箒?゛

 

これはデバイスではなくて礼装と呼ばれるモノだが、

魔術の存在を知らない、彼女には無理からぬことだ。

 

 

片方は相手の使う魔術?の解析に全力でいた。

゛彼女の飛行能力はすごい 飛行の魔法は、人類が

魔法から魔術にした例であり、現代の魔術師は飛行という

分野には触れること自体が少なくて、とっくに

廃れた魔術だ、しかし彼女のなめらかな飛行は

素晴らしいとしか言えない、でも魔法陣が毎度でるのは?゛

 

 

魔術ではなくて魔法と呼ばれるプログラムなのだが、

多華宮 仄が知らないのは仕方ない。

 

 

゛神秘に概念もないのは興味深いが、

何より殺意が存在しない、あの口の悪いほうも

攻撃を当てる気はあるけど殺すというつもりがないのか?゛

 

 

逃げながら、追いかけながら、相手の弱点や行動パータンを、

解析、分析をする二人しばらく空を飛んで

動いているが、魔法使いの方はこう考えていた、

このままじゃじり貧だ。

魔導師はゆっくりと追い詰めていこうと

使い魔に念話をして少年を追いかけていく。

 

 

 

 

空を飛ぶ二人、ビルや街の灯りは消えて月明かりだけが

お互いを判別できるものとなる中で少年は

箒の速度を上げる、しかし少女はそれ以上の速度で

とうとう少年に追い付いた。

 

 

「おとなしく、ジュエルシードを渡してください」

 

 

「ほーら もう、おいかけっこはおしまいだよ

さっさとジュエルシードをわたしな」

 

 

「うん、君たちのいう通りだ、飛行能力じゃこっちは負けてるし

人数もそっちが多い。でここで一つ相談。」

 

 

「………………いったい何ですか?」

 

わずかに身構えた少女。少年は笑いながら

 

 

「君達の名前を教えてくれない?」

 

 

「はあ?」

 

 

「ふえ ………あのそれだけでいいんですか?」

 

 

 

「うん、名前を知らないとどう呼べばいいかわからないし、

君達はジュエルシードだけが目的みたいだ、

僕はこの街にあれがあったら困る、君達が回収するというなら

大歓迎だ、だから街にいるなら協力しない?」

 

 

「…わかりました、私の名前はフェイト フェイト・テスタロッサです」

 

 

「ちょっとフェイト! そう簡単に信じていいのかい?」

 

 

「えっ! だって協力しないかって言ってるし

それにあの魔法がなんなのか気になるから」

 

 

「僕が言ったことだけど、そんな簡単に

人の言うこと信じちゃダメだよ

まあ いっか 僕は多華宮 仄 よろしく

仄って呼んでくれればいいよ」

 

 

「ホノカ? わかりました。ほらアルフ」

 

 

「ううーー ………………アルフ、フェイトの使い魔さ」

 

 

「うん ありがとう。」

 

 

「あの あなたの使ってた魔法って何ですか?」

 

 

「えーと あれは厳密には魔術で、

魔法とは違うんだけど」

 

 

ひとしきり会話をしたあと、

近くの公園に降りて、ジュエルシードを渡し、

電話番号を、教えてひとまずは解散となった。

 

 

 

 

「アルフ、ホノカのことどう思う?」

 

 

「とりあえず、天然かね~ あいつの使ってた

魔術?っていうのも興味あるし

それにフェイトもなんかアイツのこと気に入ってなかった?」

 

 

「うん、わかんないけどホノカなら

なにかうまくいくかと思うんだ、ジュエルシードのことも、

それと……お母さんのことも、

それとホノカって、たしかに天然だよね」

 

 

「……そうだね 天然だよね」

 

 

「え? アルフどうしたの?」

 

 

自分の主もけっこうな天然はいっているのだが、

正直にいうのもはばかられる。

 

 

魔法使いとの出会いは、金髪の少女に何をもたらすのか、

物語はまだ序盤である。

 

 

 

 

 

 

 

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