魔導元帥 キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグについて、
説明するならこう言う他ない。いわゆる自由人と(まあ 吸血鬼なんだが)
自分のやりたくないことは、死んでもやらず 気にくわないのがいれば
ぶっとばして殺るといった、自己に素直という性格なのだ。
朱い月のブリュンスタッドにケンカふっかけた理由を聞くと、
『なんか偉そうだったから、ついやっちまった。』なんて
トンでも解答がとびだしたくらいだ。
そんな彼に気に入られることが幸福かと聞かれると、
否と言うしか選択は存在しない。
そんなはた迷惑な魔法使いが来たのは、
ある日に、家に戻るとそこには自分の第二の先生がいたのだ。
「ゼルレッチ先生、どうしてここに?」
「何、かわいい弟子の顔を見に来ただけといえば
納得できるかな?」
「先生がそんな人道的なこと考える訳ないでしょう」
「全く、ひどい言われようだ、では本題に入ろう、
ホノカ、 この街の事態はコントロールできているのか?」
「はい ゼルレッチ先生、異世界からの魔導師?という少女に
協力するという形で、ことは進んでいます。」
「ふむ…………そうか、なら問題はないか」
「はい、でもなぜにそれを気にかけているんですか?
先生の性格からして、おもしろくないことに
関わっていくとは思えないんですが」
「たわけ、第二魔法の使い手の本質を言ってみろ。」
「平行世界の確認・干渉とそれに時間軸と空間の矛盾を防ぐ
平行世界の運営ってそうか。つまり今回の事件、
下手するとこの世界の基盤にヒビをいれかねないと?」
「その通り、それは第二魔法の存在理由に反する」
「魔法の存在理由は宇宙の存在を霊長の存在を
保つことにあるんでしたよね」
「ああ 第一法は地球に比肩する新たな星(セカイ)の創造、
第二法は人類の滅びを回避できる選択肢の捜索、
第三法は人類があらゆる環境でも生き残れる生命への進化を
第五と六は、第四法が目覚めなければ意味がない」
「わかりました、今回の事態は僕が責任を持って
対処にあたります。」
「よし、ならば わしはしばらくここに滞在する
空いてる部屋に案内しろ」
「先生、ここに泊まるんですか?
ホテルとか旅館とかあるでしょうに、」
「まあ そう言うな
今回の件が無事に解決できれば、わしはまた旅にでる、
…………うまくやれよ。」
先生にあたるスーパー自由人を空いてる部屋に連れていき
どうかこの吸血鬼がややこしいことをしないでくれと
願いながら、その日の活動を、終わりにしたのだ。
朝に起きて自分と先生の分の朝食を作り、(多少文句をいわれたが)
疲れた様子で学校に出掛けたのだ。
「仄、どうしたの?朝から調子が悪そうだけど」
「ちょっと、先生がうちにきてて色々と大変なんだ。」
「先生が来て大変って? どんな人なの?
私、興味があるなぁ」
「すずかちゃんに言うのもなんだけど、
自由な人かな、とんでもなく迷惑なことするんだよね」
「へえ、会ってみたいな、仄くん
今度、翠屋に来てもらえるかな」
「あんまりおすすめできないけど
わかったよ、ちゃんと伝えとくね」
「翠屋に来るなら今度うちにも来てくれないかな、
お姉ちゃんが仄くんに会いたいって言ってるし」
「ちょっと、私 先生に出すものがあるから、
ちょっと待ってて、」
なのはが教室から出ていくと、
アリサが声をかけてくる。
「……………仄、あんたの先生って魔法使いがらみ?」
「冴えてるね、アリサちゃん まあそんなとこかな
でも関わらない方がいいよ、なんたって迷惑しか起こさない人だから
……それですずかちゃんのお姉ちゃんが家に来てほしいって?」
「うん、仄くんに話しを聞きたいんだって
実はお姉ちゃんって海鳴の管理をしてるんだ」
「海鳴の管理?例えばどんなことをしてるの?」
「この前の誘拐の時の組織は、龍っていうらしいんだけど
そういう危ないのから海鳴を守ってるの」
仄からすれば、たったそれだけなのかと思わなくもないが、
魔術師でない存在が管理するとは、その程度なのだろう。
「ねえ、今日暇なら翠屋にいかない?」
「そうだね、今日は塾もないしお姉ちゃんに遅くなるって、
ちょっと電話してくるね」
「お父さんと、お母さんもみんながくるなら喜ぶよ~」
なんてことない話しをしながら、翠屋に向かい、
しばらくして翠屋に到着し店に入る。そこには、
「おお、ホノカ奇遇だな」
顔をひきつらせながらやっとこぼせた言葉は一言だけだった。
「ゼルレッチ先生なんでここに」
「仄くんの先生ってこの人なの?」
「ん? そうだともそこのホノカの先生をやっている、
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグだ、
よろしく、かわいらしいお嬢さん」
「ふええ、は、はじめまして高町 なのはです」
「月村 すずかです」 「アリサ・バニングスです」
「おやおや、まさか弟子にこんな甲斐性があったとは」
「先生、からかわないでください」
挨拶も終わり、シュークリームを食べていると、
「仄くんの先生ですか、
では失礼だと思うが、質問があるのです
今の彼が独り暮らしをしているのは
一体どういうことでしょうか?」
「そのことかね、何その程度のことで、
折れるような、やわな鍛え方はしとらんよ」
「子供にとってこの時期は非常に大切なものだ
昔、私も同じようなことをした。
彼はそれを教えてくれた子だ、だから仄くんには、
同じ目にあってほしくない」
「ほう、君は優しいようだ」 「親としては当然です」
親たちが話しをしてる間、子供のほうは
「なんか気まずい空気ね」
「仄くんの先生と士郎さんがこわいよー」
「お父さんが怒ってる~」
「先生には、説得は通じないと思うよ
年の功がありすぎるから」
そこに桃子さんが、参加してきて状況は
さらにややこしくなる。
「あなたは仄くんの先生で、後見人なんですよね」
「ああ、そうだとも、お嬢さん」
「あら、お嬢さんなんてそんな、
でも仄くんの後見人として、義務を果たしてるのですか?」
「これは手厳しい、しかし生活に必要なものは
用意させたつもりだ。」
「仄くんに゛用意させた゛?
あなたは仄くんの先生でしょう、なぜ彼の面倒を
みないんですか?」
「それを君に教える必要があるのかね?」
「質問に質問で返さないでください
……………仄くんが独り暮らしをするというなら
彼を家で引き取らせてはもらえないでしょうか?」
「ほう、それは面白い…があれはあの家でしか
できないことがある、君の善意はただの押し売りだ」
「やらないで見捨てるより何倍もましです」
「ははっ 確かにだがその話しはまたの機会にするとしよう
ごちそうさま、美味しかったよ」
「待ってください、話しはまだ…………」
ゼルレッチ先生が店を出ていくとホッとする。
なにせ相手は二十七祖の一角、
それ相手に討論を繰り広げるとは、心臓に悪いからやめてほしい。
すると桃子はこちらにきて、
「仄くん、うちの子にならない!」
「えっ、いや、僕はあの家にいなきゃいけないので」
「そんなことを、言わないであの人は
私達が説得するから」
「ああ、仄くん遠慮することはない。
桃子もおれも歓迎だ」
「いや、本当に平気なので………」
以前もしたような遠慮VS家族になろう、というお誘いを
ごまかして今日は疲れながら、家に戻るのだった、
家で、晩ごはんを作らされ容赦なくこきつかわれて、
本気で高町家でお世話になろうか、考え始めるのだった。
(海鳴の管理の都合上この工房にいるしかないのだが)
SIDE高町家
さて夜の食卓を囲んでいると、
話題になったのは、仄の後見人のことだった。
「小学3年の子を独り暮らしさせるなんて、
あのおじいさんは何を考えているのかしら」
「お母さんがそんなに怒ってるなんて珍しいね」
「でも仄くんが、あのお化け屋敷でしかできないことって
なんなのかな?」
「えっ!なのは それどーいうこと?」
「にゃっ! 仄くんが家に住むのを
断った時にそんなことを、言ってたの」
「………母さん、とりあえず彼が来たいというまで
待とうじゃないか」
「そんなのんびりしてたら、仄くんは人との
関わり方がわからない子供になってしまうかもしれないわ
そうなったら恭也どうするの」
「とりあえず、今日はゆっくり休みなさい
そうすればいいアイディアが思い付くかもしれない
なのはも夜更かしてはいけないよ」
「わかったわ、士郎さん おやすみ」 「おやすみなさ~い」
「…………桃子たちは眠ったか?」
「ああ、でも父さん 多華宮 仄の後見人か
どんなヤツだったんだ?」
「好好爺としたとらえどころのない存在だった、
それとあれはおそらくオレよりも
はるかに強いぞ」
「「 お父さん・父さんよりも強い!」」
「ああ、それにうちに住むか、聞いた時に仄くんの顔色が悪かった。
あれは後見人なんてもんじゃない」
それは吸血鬼相手に恐れないで、話しをしてる高町夫妻に
肝を冷やして顔色を悪くしていたのだが、
「多華宮 仄は龍の一味と仮定して、
そいつはナニモノなんだろう」
「仄くんが怖がってたんだよね
何か弱味があるのかな」
美由紀は少年を気づかうように(勘違い)思考する。
「いや、もしかしたら彼は龍に命令されているのかもしれない
そうなるとあの老人は龍の構成員?
子供を刺客にするなんてなんてヤツだ!」
「恭也それは結論を急ぎすぎだ、
彼が龍に関わりがあるのか、まだわからない」
「それでも、彼はその人を恐れているんだろう?
もしかすると虐待されているなんてことも」
「この話しはおしまいだ、だが彼は昔なのはを
孤独から救ってくれた、だから彼が龍の構成員だとしても
彼を救おう、恩は返さないとな」
少年の後見人が、現れて事態はまた少しややこしくなったが、
高町家の結束は深まったようだ。
魔法使いを取り巻く環境は混乱の一途をたどるが、
魔法使いはそれに、まだ気がついてない。
月村家には、龍の一味と認識され記憶を消して、
海鳴から追い出そうと画策されて、
高町家では龍のメンバーで老人に脅された子供の刺客、
彼を助ける方針で話しは進んでいて、
フェイト勢には協力者という立ち位地
舞台は混沌としながらも、いまだに序盤
これからも、この作品にこうご期待。