リリカルな魔法使い<一時凍結>   作:悪事

13 / 21
クロス・マジシャン

海沿いの夕焼けに照らされた道を歩く二人、片方は異世界の魔導師

もう一方は平行世界に干渉できる規格外の魔法使いその二人が行くのは

海鳴でも、噂に事欠かないお化け屋敷。

 

 

「仄くんってあのお屋敷に一人で住んでるの?」

 

 

「うん、前までは一人でいたんだけど、今は先生が一緒なんだ、

そうだ、なのはちゃん僕の先生はいろいろとぶっ飛んでるから気をつけて」

 

 

「どんな人なの?」 「人だったらまだよかったんだけど」

 

 

なのはは頭にクエスチョンマークを浮かべながらも、仄の後ろについてくる。

そして目的地である洋館に辿り着いた。

 

 

 

洋館の客間になのはとフェレットを連れていくと、

そこには先客がいた。

 

「おお、ホノカもう帰ったか ……おやそちらのお嬢さんは、

この間の店の子か?こんなところでどうしたのかな?」

 

 

「こんなところってここは僕の家になんですけど」

 

 

「えっと確かゼルレッチさんですよね」

 

 

「おや、こんな老いぼれのことを覚えてくれたとは、

……君が抱えている小さな友人も何か言ったらどうかな?」

 

 

「…………それでは初めまして僕の名前はユーノ・スクライアです」

 

 

「それでホノカ今日はいったいどうしたのかな?」

 

 

「先生、なのはちゃんたちに魔術と魔法のことなどを

説明しようかと思い、二人を招待しました」

 

 

「ここはお前の街だ、好きにするがいい」

 

 

「仄くん、海鳴が仄くんの街ってどういうこと?」

 

 

「それを説明するには、順を追って説明してくよ。

長い話になるけど我慢してね」

 

 

「魔術っていうのは、基本的に奇跡や神秘を人の手でコントロールする事が、

できるんだ、でも何でもできそうに見えて実は事細かな等価交換によって、

成り立っている、そんな魔術を使うのには理由があって根源と呼ばれる

全事象の始まりに辿り着くのが目的なんだ。」

 

 

「根源?全事象?」

 

 

「根源は世界の事象の到達点でそこに至れば、

極論を言うと全ての知識が手に入る」

 

 

「そんな!それは伝説上のアルハザードとそっくりじゃないか!」

 

 

 

説明ばかりしていた仄が今度はハテナを浮かべる、

 

「ユーノくん?アルハザードっていったいなんなんだい?」

 

 

「はい、アルハザードというのは古代の魔法文明の都市の名で、

そこにはあらゆる魔法が存在すると言われています」

 

 

『フェイトちゃんからそんな話聞いてなかったな、

話からして根源なのかもしれないけどフェイトちゃんにあとで連絡して

詳しい話を聞いてから確定しよう』

 

 

 

「とりあえず話を進めるね、次は魔法のことだ

魔法っていうのはその根源に辿り着いた魔術師のことで、

僕とゼルレッチ先生はその魔法使いなんだ」

 

 

「それってすごいの?」

 

 

「なのはちゃんにわかりやすく言えば、

あり得ないことを、簡単にできるのが魔法使いってとらえてくれれば」

 

 

「魔法と魔術は決定的な違いがあって、

魔術は時間・資金がかかっても人のできることで、

魔法はそうじゃないモノなんだ」

 

 

「すごーい!じゃあ仄くんはどんなことできるの?」

 

 

 

気が進まないが、なのはにこれ以上隠し事をするのはまずいと考えて、

 

「平行世界の運用と世界基盤の構成っていうのなんだけど」

 

 

「? それってどういうの?」

 

 

 

「ものすごーく簡単にいうと、サイコロで6を連続で出したり

世界の水を全部ジュースに変えたり」

 

第一法の例え話で言ったジュースの例えは、世界常識の改竄のことを

指しており、使い方によっては世界の酸素を二酸化炭素に変えたりできる

恐ろしい代物なのだ。(うまくいけば無の否定存在の精製も可能)

 

 

 

「な…なんかすごい平和なんだね」

 

 

「説明というか例えが下手すぎじゃないかね」

 

 

「なら先生が代わりに説明してくださいよ」

 

 

「面倒だ」 「ダメだ、こりゃ」

 

 

「にゃはは」なのはがあきれたように笑う。

 

 

「…………」なのはが呆れている時にユーノは、その魔法が確率操作と

世界をコントロールできるすさまじいものだと、

きちんと理解していた。

 

 

「仄さん、あなたはそれを悪用しないんですか」

 

 

「悪用しないかと言われても、僕は魔法を僕の意思で使う他の人からしたら、

悪用してるように見えるかもしれないけど、理由なく他人を傷つけない」

 

 

「………信じてもいいんですか?」

 

 

「ユーノくん、仄くんはそんなひどいことしないよ」

 

 

「ほうホノカずいぶん信用されてるじゃないか」

 

 

「茶化さないでください」

 

 

「………仄さん、なのはの信じるあなたを僕も信じてみようと思います」

 

 

「それはありがとう、せっかくだしお茶でも飲んでいかない?」

 

 

「仄くんありがとう、じゃあいただきます」

 

フェイトに説明したのと同じ位の情報を与えて、

場が和やかになって話が落ち着いてきたところで、

゛ピンポーン゛玄関のチャイムが耳に届く。

 

 

「お客様?ごめん ちょっとでてくるね」

 

 

玄関に向かい扉を開ける、そこにはついこの間協力を申し込んだ、

金髪の見目麗しい少女 フェイト・テスタロッサがそこにいた。

 

 

「あ、ホノカ」 「フェイトちゃん、どうしたの?」

 

 

「実は今日、ジュエルシードを封印したんだけど」

 

 

「長い話になりそうだし、とりあえず上がって」

 

 

「へっ?う、うん」

 

 

ここで仄はてっきりなのはとフェイトが仲間かと勘違いしていたことで、

こんな事態が起こったのだろう。

(似たような杖を使っていたから勘違いをしてしまったのだろうか?)

 

 

客間につくと、

 

「なっ!あなたは昼間の」 「ちょっとホノカ!まさかフェイトを裏切って」

 

 

「どういうこと、仄くん!」 「仄さん、まさかなのはを裏切って!」

 

 

「えっ!二人は仲間じゃないの?」

 

 

仄の天然が炸裂してしまったことでこんなややこしいことに、

なってしまったのだが、

 

 

「ホノカ、いったいどういうこと」

 

フェイトが不機嫌そうに仄を見つめる。

 

 

「私も聞きたいな、仄くん」

 

なのはは異様なプレッシャーを放ち仄を見ている。

 

 

「知らなかったんだよ、っていうか二人は敵同士なの?」

 

 

「私はそういう訳じゃないけど」

 

 

「私は全てのジュエルシードを集めるんだ」

 

 

「ホノカあんたフェイトを騙した訳じゃないのかい?」

 

 

「そうだよ、てっきり二人は仲間かと思って」

 

 

「修羅場だな、ホノカ」 「だから先生は茶化さないでください!」

 

 

「とりあえずお茶いれてくるから待ってて」

 

 

「ホノカ、私達は」 「まあお嬢さん、話をするにしろ、帰るにしろ、

お茶を一杯飲んでから考えてみたらどうかね?」

 

 

ゼルレッチの言うことも一理ある、それにジュエルシードを持っている少女がいるのだ。うまくいけば、それも手に入るかもしれない。

フェイトは自分にそう言い聞かせ、仄の持ってきたお茶を飲む。

 

 

「なのはちゃんはジュエルシードを何で集めてるの?」

 

 

「あっ、それはね」ジュエルシードのこの街にきた経緯を聞き、

 

 

「つまりそこのフェレットくんが、厄介事を持ってきたと」

 

 

「本当にすみません」

 

 

事件の元凶に頭を下げられ、毒気を抜かれる普通の魔術師なら

ユーノはここで バットエンドなのだが、仄はそれを許して

フェイトの方の事情を聞く。

 

 

「私達は全てのジュエルシードが欲しいんだ」

 

 

「ジュエルシードはユーノくんのなんだよ!」

 

 

「ジュエルシードは、本当に危険なモノなんですよ!」

 

 

「うるさいよ!あんた達そんなとやかく言うなら

ガブっていくよ!」

 

 

 

「ストーップ!落ち着いてーー!」

 

 

 

混乱した客間を、なんとか鎮めて

 

 

「ホノカはどっちの味方なんだい」

 

 

「どっちの味方でもありません、ただこのジュエルシード事件を

早く解決したいだけだよ」

 

 

「仄くん~」 「なのはちゃん。そんな声を出してもダメだよ」

 

 

「じゃあ、ホノカはどうするの」

 

 

「とりあえず事件の解決が急務なんだけど、

二人は協力してくれないのかな?」

 

 

 

「無理だね、私達はジュエルシード全部欲しいんだ、

ジュエルシードが要らないってんなら、

話は違うが、協力なんてできやしない」

 

 

「ジュエルシードはとても危険なモノです、

一つでも危険なのに全部なんて納得できません」

 

 

「今のはフェイトちゃんとなのはちゃんに聞いたんだけど」

 

 

「ジュエルシードはユーノくんのなの、だから欲しいって言われても、

簡単にはわたせないよ」

 

 

「私だって譲れない理由があるんです」

 

 

「ちょっと、二人とも…………ああ、どうしたら」

 

 

 

「お困りのようだな」

 

「先生?」

 

 

仄にフェイト、なのはが疑問を浮かべる。

 

 

「ならば、そのジュエルシードとやら、

まずは全て集めることに、すればよかろう。

そして最後に全てのジュエルシードを賭けて戦い、

勝利した者が全てを得ることとするのは」

 

 

「そんな単純なことに納得できる訳……………」

 

 

「私はかまいません!」 「私もそれでいいよ!」

 

 

「…二人はそれでいいんだ。」疲れたように苦笑いをしながら、

仄はフェイトとなのはの単純さ、ではなく純粋さに疲労を覚えた。

 

 

「しかしそうすると別々の場所にいるのは都合が悪い、

それならば二人ともこの家に住んではどうかね?

幸いなことに部屋はまだ、空いておる。」

 

 

そんなゼルレッチの提案にのほほんと答える弟子。

 

 

「ああ、確かにそれならいろいろと便利そうだね」

 

 

「ふにゃ!?なのはは、お父さん達に聞いてみないといけないし」

 

 

「アルフ、どうしよう!?」少し照れたように顔を赤くしフェイトとなのはは、

その質問を保留にした。

 

 

 

話は一段落し、解散するときに、

なのはがフェイトに質問をした。

 

 

「ねえ、あなたの名前を教えて」

 

 

 

「どうして?」

 

「だってこれから一緒にジュエルシードを封印してくれるんでしょ

だったら名前を知っておかなきゃ」

 

 

「勘違いしてるようだけど、私達はジュエルシードの獲得量を、

競っている、仲間じゃない」

 

 

 

真っ正面から否定されても、めげることなく

「それでも知りたいんだ」

 

 

「…………フェイト、……フェイト・テスタロッサ」

 

 

金髪の少女は洋館を出て、なのはにフェレットのユーノくんも帰っていく。

魔法使い達はそれを黙って見送るだけだった。

 

 

 

 

 

場所は変わってとあるアパートの一室。

 

 

「フェイト、ジュエルシードの封印の状況は?」

 

 

「まず一個は手に入りました、お母さん」

 

 

「まだ、一個なの?早くジュエルシードを全て手にいれなさい!」

 

 

「はい!…………………あのお母さん」 「何か?」

 

 

「実は…………………………」

 

今この街の現状をあらかた伝えたフェイト。

 

 

「魔法使いに、別の魔導師か………………

フェイト必ずその白い子より、多くのジュエルシードを手にいれなさい」

 

 

「はい!」

 

 

「あとそうね、その魔法使いというのが気になるわ

部屋を貸してくれると言うなら好都合よ

フェイト、あなたはその魔法使いの家にいきなさい」

 

 

「えっ、そんな、一緒に住むって」

 

これにはさすがに驚きを隠せないのか、

フェイトは戸惑っている。

 

 

「ちょっと、フェイトはまだ子供なんだよ

どこのだれだかわかんないヤツのとこに娘を、

やって心配じゃないってのかい!」

 

 

「文句があるというの?」

 

 

「アルフ、いいんだよ。わかりました、お母さん」

 

 

「フェイト!」

 

 

「よろしい、ではまた何かあったら連絡なさい」

 

ブツン 壁に写された映像が消える。

 

 

「あんのくそババアいったいフェイトをなんだと思ってんだ」

 

 

「アルフ、お母さんを悪く言っちゃダメ」

 

 

納得いかないような顔でフェイトを、見ているが

フェイトのいうことにとりあえず従う。

 

 

「じゃあ、明日ホノカのところに言って部屋を借りようか」

 

 

「そうだね、………………あのガキ。フェイトになんかしたら、

噛み砕いてやる」

 

 

「アルフ?」

 

 

「ああ、何でもないよ、じゃあそろそろ寝よっかフェイト」

 

 

 

「うん、おやすみ」

 

 

一方、高町家ではなのはが仄の家に住みたいという提案をして、

案の定却下され、なのはが不機嫌に、それが士郎と恭也を怒らせる負の連鎖、循環に繋がるのだが、魔法使いはそれを知らない。

 

 

では魔法使い達の物語、今回はここまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。