リリカルな魔法使い<一時凍結>   作:悪事

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海は蒼く、空は青く

ーーSide多華宮 仄ーー

 

 

海鳴という街は自分を狙ってきた魔術師を倒して、手に入れた霊地だ。この件によって多華宮くんは魔術協会に行き、そこで魔術協会の神秘学科の連続殺人事件に巻き込まれてしまう、もっともその事件が時計塔を牛耳る領主(ロード)の一人バルトメロイと交流を深めるきっかけとなるのだが。そんなこんなと紆余曲折の果てに、この海鳴市は仄の所有することになったのだが、当時の多華宮くんは想像もするまい、まさか一般人のクラスメイトが誘拐事件に巻き込まれたり異世界の魔導師が登場するなど、海鳴を管理すると決めた時には予想もできないような出来事が雪崩のように矢継ぎ早に起きて、のんびりとした生活をおくれると思えば、友人が誘拐されたり、ジュエルシードという危険物の封印、師匠の訪問、異世界の魔導師の組織がやってきたり、日々が目まぐるしく回っている。

 

 

 

 

最近、自宅の工房でひたすらに街の結界の強化に、認識改竄などをやっていて、頻繁に徹夜をすることが多い。そのせいで小学校での居眠りが目立ってきた、それで先生、アリサちゃん、すずかちゃんなどに不本意な目で見られている。同じ男子生徒はある程度は理解してくれていた。なのはちゃんはどうやらアースラという管理局のところにいて、学校を休んでいるらしい。それよりこの前、管理局という勢力の登場で事態はさらにややこしくなり、なのははそちらに現在進行形で協力している。管理局の出現から、ジュエルシードを二個、三個封印したあと、またジュエルシードは発見出来なくなった。アースラからこちらに来るなのはちゃんは、一個、二個は封印したが、所有数はこちらが現在は多い。最後になのはちゃんとフェイトちゃんは全てのジュエルシードを賭けて戦うため、そんなことは意味がないのだが。

 

 

 

 

………どうしよう。このままでは学校生活に多大な問題が起きそうだ。ジュエルシードの封印作業や異世界の魔導師に関する問題に決着をつけたい。そもそもこの街には後に゛血と契約の支配者゛゛黒血の月蝕姫゛こと、アルトルージュの来訪があって、下手に管理局の人たちが何か刺激すればリィゾとフィナたち死徒二十七祖の一角が管理局を殲滅するなんてことになる。そうなると海鳴は軽くても地図から名前が抹消されることが冗談ぬきで起こりかねない。それにアルトが来るということは十中八九、いや十割の可能性でプライミッツマーダーが来る。゛ガイアの怪物゛゛アルトルージュの魔犬゛と呼ばれ霊長に対する殺害特権を保有する規格外の犬である。といっても通常は小型犬にしか見えず抱き抱えることすら容易に出来る、戦闘状態になると己の体を巨大化させて周囲を蹂躙する。戦闘でも交戦でもなく蹂躙だ、プライミッツは戦闘をしない。その力が解放されれば抵抗の余地なく霊長に属す者を一斉の区別なく殺害する。

 

 

今にして思えば、プライミッツに自分が懐かれたのは奇跡だと思っている。霊長の殺害を唯一の使命とするプライミッツに人類種の自分が懐いたとは、いや自分だけではないかもしれない、いつか、また地球上でプライミッツに懐かれる人が現れる可能性はゼロではない。プライミッツが懐く人物は非常にランダムだ。もしもそんな人物が登場するのはいつになるのか………………それは果たしてどんな人なのだろうか?

 

 

 

 

多華宮邸内

 

 

静寂に包まれ時間の流れから放逐されたような空間。洋風な居間に掛け軸や湯呑み、茶碗など雰囲気を考慮しない和洋折衷というには少し、多少無理のある家具。そんな居間ではテーブルの上に所狭しと洋菓子や和菓子が置かれていた。

 

 

「さて、それじゃあ、お菓子でも食べてこれからについて話し合おうか。管理局の対処、残ったジュエルシードをどうやって見つけるか」

 

 

 

 

仄が万感の意思を込めて、これからの進路を決めようと宣言する。フェイトはそんな仄の強い意思の込められた顔を横からジッと見つめる。その横のアルフはテーブルの上の菓子に吸い込まれたかのように、目を向ける。テーブル上の菓子は一目で見ただけで高価なモノだと理解できる。仄の発言にフェイトは顔を引き締めて話を聞く準備をする。アルフは菓子に心を奪われ聞こえていないようだ。そうして魔法使いと魔導師のお茶会が始まった

 

 

「…………………」ジーーーー

 

 

「「…………………………………」」

 

 

 

菓子を見つめる使い魔の様子にフェイト、仄はどうしようと二人が顔を見合わせる。そんな二人にようやく把握したのか、アルフは菓子に後ろ髪引かれる思いを断ちきって、顔を前に向ける。フェイト、仄は取り敢えず気を取り直して会議と言えば硬くなるので、茶会のついでにこれからどうするか、相談を始めた。

 

 

 

「それじゃあ、ジュエルシードは残りがどこかにあるのか?フェイトちゃん、他に探索してない所ってないかな?」

 

 

「………………街の中心部から調べて、浜辺から山まで探索魔法を使っているよ。この街で調べてない場所なんて家屋の中くらいかな?」

 

 

「む~、んなこと言ったって、これまでみたいに発動したらあいつらより先に封印するってのはダメなのかい、あたしはそれでいいと思うんだけどね」

 

 

「僕らがジュエルシードを封印するには問題は無いのだけど、もしも管理局の人たちが封印したら、なのはちゃん、フェイトの契約外だから手に入らないんだ」

 

 

「あ~、確かにそりゃ困るねぇ」

 

 

「…………でも私の探索魔法じゃ、もう調べようはないし」

 

 

「フェイトちゃん、ジュエルシードって魔導師なら誰でも封印できるの?管理局の人たちが全員できるとすれば、人海戦術で先のりされそうだし」

 

 

「んー、管理局でもジュエルシードレベルのロストロギアの封印処置が出来る人材は少ないと思うよ。なのはと私ほどの人はこの前の男の子くらいだと思うよ。管理局が人材不足って言うのは有名だから」

 

 

「そうだねぇ、人海戦術なんてそんな贅沢なマネできないだろうさ」

 

 

「はぁ~、それでもジュエルシード捜索は手詰まりかぁ。…………………それにしても」

 

(魔法、魔法って何度も聞くと種類が違うってのに、違和感は拭えないな。取り敢えず、早く馴じんでおかないとかな、当然、魔法の本質は見せられないし、その一端の宝石剣を使えば確実に管理局の人たちが面倒なことをやりそうだしな。いやいっそのこと弟子を取るってのは?…………無理だよなぁ)

 

 

 

「…か…………ほ……ほの……仄、それにしてもってどうしたの?」

 

 

「あ、ごめんね。フェイトちゃん、いや他にこの街で調べてない場所がないかと考えていてさ。…………………あれ?…………もしかして」

 

 

「ってちょっと、あんただけ納得しないでよ。あたしとフェイトにも教えなよ、なんか思い付いてはいるんだろ」

 

 

 

「……うん、まだ調べてない所があった。けど……どうやって調べようか。いっそスミレさんみたいに潜れれば良かったんだけど」

 

 

「仄?」

 

 

「おっと…………本題に入るね。今のところ調べてない場所があったんだ。この街にあって調べられてない場所が。…………それは海だ」

 

 

「「海?」」

 

 

「現時点で調べられない場所はそこくらいだ。でも海中って魔術では調べにくいんだよね。水の中は地上とは別の概念を持っていて、専門の魔術師でないと深くは調べられないのさ」

 

 

「へぇ、でも海の中ってのは良いアイデアかもね。でも深いところだとフェイトでも探索に引っ掛かるか?」

 

 

「それなら、こないだやったジュエルシードに魔力を打ち込むってのは?あれなら広範囲でも確実に発見できるんじゃないかな」

 

 

「え、でもそれって仄が危ないからやっちゃダメって」

 

 

「あれは僕がいない時にやったから怒ったんだ。僕がその場にいれば臨機応変に対処も出来る」

 

 

「それなら管理局を出し抜ける!………わかった、魔力を打ち込むのは私がやる。フェイトの損耗を減らさないとね。頼んだよ、フェイト」

 

 

「わかった、アルフ。よろしくね」

 

 

「行こうか、面倒な仕事はさっさと片付けないとね」

 

 

ローブを纏い、三角帽子を被る。空を駆けるための霊装である箒を持って、仄は海の方に飛び立つ、フェイト、アルフもそれを追いかけるように海鳴の空に飛び立った。それを多華宮邸から、ゼルレッチは笑いながら覗いていた。魔導元帥は幼き魔法使いと魔導師に何を思い、彼らを見ているのか。どの様な理由であれ、それはろくなことにならないだろうが。

 

 

その時、フェイトはジュエルシードを全て封印したあと仄といられるのかと、僅かな不安を抱きながらも母のためジュエルシードの封印に意識を集中させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーSideアースラーー

 

 

 

様々な情報がモニターに映っては消え、映っては消えることを繰り返す。ここはアースラから本局のデータベースにアクセス出来る唯一の場所。時空管理局が収集した情報から、とあるキーワードを検索する。そのキーワードとはテスタロッサというファミリーネーム。それは現在、ジュエルシード事件に関わるミッド式魔法の使い手。その他にも謎の技術を持つ少年がいたが、そちらに関しては検索に掠りもしない。元より地球と呼ばれる管理外世界に魔法技術は存在しないはずなのに、デバイス無しの魔法を使う者がいた。……魔法技術を公開せず、利益を独占するという姑息な行為をあんな子供が行っていることにクロノは怒りを感じていた。一方、隣に座りテスタロッサについて一心不乱に調査している少女、エイミィはクロノを静かにたしなめる。

 

 

「まだ、あの子が気になっているの?」

 

 

「……未知の魔法技術を管理局に登録せず、世間に公表しない。ならばあの魔法技術は何のために存在するんだ?」

 

 

「それは何らかの事情があるんでしょ」

 

 

「では、なんで、それを説明しないんだ」

 

 

「………………クロノってば最初に結構、高圧的な言い方をしたよね」

 

 

「うっ、それは……………管理外世界で魔法を使っている現場に行ったんだ。あれくらいは当然だろう」

 

 

「リンディさんから、お叱りを受けたのに反省していないの?」

 

 

「僕はあの場で行った対応に一切、誤りはないと断言できる」

 

 

「そうやって開き直って、まったく。それにしてもサーチャーを破壊したり、サーチャーの追跡を撒いたりどんな技術を使ったんだろう………おっと、テスタロッサが検索にヒットしたよ~」

 

 

「………………プレシア・テスタロッサ……26年前にミッドの管理局主導の中央技術開発局の第3局長だったが、次元航行エネルギー駆動炉「ヒュードラ」が暴走、中規模次元震を起こしてしまい、甚大な被害を出し娘を失う。その被害を裁判に起訴するが敗訴。そして地方に異動後、辺境で行方不明に……………」

 

 

「起訴でプレシアが敗訴したのは、ヒュードラの完成を急いだことが暴走させた原因で、それを会社側の弁護士に宣言されたからだって」

 

 

「ふー、そんな彼女が何故ジュエルシードなんてロストロギアを狙うんだ?……………もしかすればヒュードラの完成かな。娘を喪ってまで作ろうとしたんだ、その可能性はないか?」

 

 

「クロノ、女心をわかってないね。娘を失う原因を作ったモノだよ、それを完成させようとするなんて有り得ないよ」

 

 

「そうか、こういったプロファイルはどうにも苦手だ」

 

 

 

クロノが僅かに愚痴を溢すと、その瞬間アースラ内に大きなアラートが鳴り響く。クロノは意識を引き締め、母であり直属の上司であるリンディの元に向かった。

 

 

 

 

アラートによってなのはがリンディたちが集まる部屋に到着した。その部屋の真正面のモニターには海上で雷と闘っている、なのはにとっての戦友たち仄とフェイトが見えた。なのはも戦友たちと闘おうと強く意気込み、リンディたちに意見をした。

 

 

「あ、あの私も二人のところに!」

 

 

「必要ない」それをクロノの言葉が否定する。それに次いでリンディも

 

 

「ええ、クロノのいう通り待機を命じます」

 

 

「そんな!どうしてですか!」

 

 

なのはの言葉にクロノが答える。それは子供では理解できないモノ、大人の妥協からくる諦めの決断。

 

 

「今すぐ出るのではなく、彼らが消耗したらそこで行く」

 

 

「それってズルいよ!」

 

 

「なのはさん、わかってちょうだい。これはロストロギアに関する事件、私はなのはさん、クロノのことを考えて最善の決断をする他ないの。おねがいわかって……」

 

 

 

リンディの口調に僅かな苦々しさが含まれる。なのははリンディも苦しんでこの決断をしたのだと、理解した。理解はしたが、それと納得するかは別問題。なのははユーノに目を向ける、ユーノはなのはの意思の輝く瞳を見ると同じく目で了解の意を伝える。ユーノが転送魔法を発動させる。それにリンディ、クロノは驚き二人を止めようとする。

 

 

「待て!さっきの話を聞いていなかったのか!」

 

 

「なのはさん、待ちなさい!………………っ!」

 

 

リンディは続けてなのはを止める言葉を告げようとしたが、その一瞬なのはの瞳を見ると次の言葉を紡げなくなった。なぜならその瞳に見覚えがあるからだ、自身とクロノにとっての大事な人。クライド・ハラオウンの姿が重なっているようだった。もちろんそれは単なる錯覚、クライドの姿はすぐに幼い少女の姿に戻る。 その少女はリンディたちに告げた。

 

 

「ごめんなさい、リンディさん。戻ったら必ず謝ります!」

 

 

「なのは、頼んだよ」ユーノはなのはを海鳴の海上に転送した。

 

 

 

クロノはユーノを掴まえ、自分が何をしたのかと怒っている。リンディは命令を無視したなのはを叱ろうと考えていたが、その気が起きない。クロノもリンディも他の乗組員も正義のため、犠牲を正当化しようとする中。自身の感情に従い、動いた彼女をリンディは羨むように目を細めた。モニターになのはの姿が映る。それを見て、リンディはなのはたちの無事を一心に祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仄もフェイトもジュエルシードに予想外の苦戦をしていた。それは彼らの想定が間違っていたことに起因する。すなわちジュエルシードが同時に六個も発動するという事態、それを予測しきれずジュエルシードの暴走で雷、海上での極地的な豪雨に襲われていた。

 

 

「まさか、こんなことになるなんてね」

 

 

箒を使って巧みに雷雨の隙間をすり抜ける仄。フェイトはバルディッシュのサイスで雷をはねのけていく。

 

 

「フェイトちゃん!雷とか全部吹っ飛ばせば封印できそう?」

 

 

「……私一人じゃ難しい、もう一人いれば…」

 

 

フェイトが肩を落とそうとしたとき、上空から白のバリアジャケットを纏う少女がやってきた。仄は口を緩ませ、フェイトは穏やかな表情になった。

 

 

「なのは、遅いよ」

 

 

「ごめんね、フェイトちゃん。こっちも色々あって…」

 

 

フェイトが自分から軽口を叩くとは、始めて会ったときは予想だにしないことになのはも仄も、当人であるフェイトさえ笑う。雷雨は無粋なことにそんな彼らに向かってくる。仄が腰のベルトから宝石で出来た剣状の物体を構える。

 

 

 

「なのはちゃん、久しぶり。でもゆっくり話をしてはいられない。二人とも、ゆっくり話すのは終わったあとで………あの雷は僕が全て吹き飛ばす。だから二人は全力で封印して!」

 

 

「「わかった!!」」

 

 

 

「平行世界に接続(コンタクト)魔力流用!」

 

 

宝石剣から虹色の極光が放射される、それは世界を広げる第二の魔法。かつて落ちる月すら跳ね返した無限エーテル砲。雷、雨を紙のように引き裂いて、ジュエルシードまでの道を作った。

 

 

 

「二人とも!」

 

 

「ディバイーン」 「サンダー」

 

 

「「バスター!、レイジ!」」

 

 

桃色と金色の輝きが海上に静止したジュエルシードを撃ち抜く。ジュエルシードは魔力の放出を停止させ、六個とも動きを止めている。

 

 

 

「なのは…………ありがとう」

 

 

「そうだね、なのはちゃん。本当に助かったよ」

 

 

フェイトは自分の気持ちを共に戦ってくれた、なのはに率直に告げた。仄は感謝を素直に述べた。その時のフェイト、仄の表情をみてなのはは二人と闘えて良かったと安堵した。

 

 

「当然だよ、だって私たち……ってフェイトちゃん!」

 

 

 

フェイトの頭上に紫色の雷が降ってくる、それはフェイトにしかわからないだろうが、自身の母、プレシアの魔法に違いなかった。

 

 

 

「フェイト!」アルフが全力でフェイトを庇おうとする。

 

 

「かぁさん!?」

 

 

雷はフェイトを撃ち抜こうと、一直線に墜ちてくる。フェイトは恐怖から目をつぶる、………………………いつまでたっても痛みがやってこない。目を開けると体を虹色の光が包んでいる。こんな不思議な魔法を使えるのは、ただ一人そう海鳴の魔法使い、多華宮仄だった。

 

 

「フェイトちゃんの体を平行世界の可能性で守れてよかった」

 

 

仄がさらっと使った魔法は、青子の魔法と同じようなことを第二魔法で行ったのだ。平行世界の無事なフェイトの可能性を束ねることにより、雷に打たれたフェイトという現実を、無事な可能性によって矛盾を生じさせ、雷に打たれた結果を消滅させたのだ。まぁ、管理局に見られたかもしれないということに目を背け、フェイトの無事を確認した。するとジュエルシードを回収しようとクロノがジュエルシードに手を伸ばそうとした。アルフはそれを見逃さずジュエルシードを掴もうとする。クロノにも事情はあるだろうが、何もしていない者が景品を手にいれるというのはいささかいただけない。クロノの進行方向に向かって宝石剣で軽く、魔力を放つ。

 

 

 

「うわっ!………おい、管理局がジュエルシードを手にいれるのを邪魔しないんじゃなかったか?」

 

 

「言ったけど、流石にそれはダメでしょ」

 

 

「管理局の邪魔をするな!それにさっきのはいったいなんだ!」

 

 

「さっきのって?」

 

 

「惚けるな!…………話を聞かせてもらう、ついてこい!」

 

 

「いや、ついてこいと言われても……」

 

 

 

アルフが六個のジュエルシードを回収したのを見て、仄はローブに魔力を流す。実はこのローブは相当の年代モノで、それに仄が隠蔽、透明、認識阻害を組み込んだ特殊な霊装であり、その性能は桁外れというべきもので死徒二十七祖から逃げ切れるほどの凄まじい代物なのだ。フェイトとアルフを大きなローブで包み、クロノたちから逃げることに成功したのだった。

 

 

 

 

 

 

ーーーアースラーーー

 

 

リンディはなのはの命令違反を叱り、彼女たちを許したあと。エイミィ、クロノをモニター室へ呼んだ。そこには仄たちが海上でジュエルシードを封印した映像を流していた。

 

 

 

「リンディ艦長、彼が放った最初の一撃は魔力計測EXを出しました。EXなんて個人の魔力量では不可能な数値です。おそらく、彼が持っているこの宝石で出来た剣?はロストロギアです」

 

 

「なるほど、だから技術登録をしなかったのか。やつは魔法を使うのではなく、ロストロギアを使っていたんだな。道理でデバイスを使わないはずだ」

 

 

「ええ、彼と交渉をして彼の所有しているロストロギアを管理局で管理できるようにしないと、もしあのロストロギアが悪人の手に渡れば恐ろしいことになりかねない。彼の家がどこにあるか、なのはさんに聞いておかなきゃ」

 

 

 

 

彼らは勘違いしている、宝石剣は第二魔法を攻撃に転用するためのモノであって、ロストロギアなどではないこと。そしてもしも、宝石剣が無くなっても作り直せるということ。仄は宝石剣がないと何も出来ないという勘違いは、後々代償を支払らざるを得ないだろう。こうして、ジュエルシードを巡る戦いは終幕に刻一刻と近づく、果たして魔法使いと魔導師たちはどのようなフィナーレに至るのか。

 

 

 

 

 

 

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