リリカルな魔法使い<一時凍結>   作:悪事

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日常における魔法使いの行動

私立聖祥大附属小学校、それは海鳴市に存在する中で最も大きい小学校で、小中高大と学業機関を一括で、纏めるトンでもない学校なのだ。

この学校は、その特性上小学校を、卒業すればエスカレーター式に

上にあがれるのだが、その勉強のレベルは、他の小学校と比べても

非常に高く入学することが、困難なのだ。

しかし海鳴生まれの子は、この学校に入学するのが、

とても多く子供の学業レベルが高いことが、海鳴市の特徴である。

 

 

 

 

 

 

「多華宮くん では、この文を訳してみてください」

 

 

「はい その文の訳は日本語にすると

゛危険な事がわかっているのならその危険に備えよ゛です。」

 

 

「正解です タカミヤくんは、もう英語が訳せるのですね。

皆さん、タカミヤくんに拍手を」

 

 

゛おお~~~゛ パチパチパチパチパチパチ

 

「スゲーな タカミヤ 英語って 今年から始まったヤツなのに

もしかして お前って外国にいたことあるの?」

 

隣の男子がやや興奮ぎみに、質問を投げ掛ける。

 

「まぁ 昔に少しだけね 先生に連れられてその時覚えたんだ

(四日間寝ないでね 間違えたら宝石剣の攻撃が

連続でくるんだから、 覚えないわけにはいかないよ )」

 

「ど、 どうしたんだ、タカミヤ 顔色悪いぞ」

 

「大丈夫 大丈夫 ちょっと昔のトラウマを思い出してさ。」

 

「って それ! 大丈夫じゃねーだろ」

 

 

「多華宮くん、保健室に行く?」

 

隣で自分を心配そうに見てくる茶髪の少女は、

高町なのは、理学系統の科目を得意にして誰に対しても、

優しい聖祥大附属小学校のアイドルの一人である。

 

 

「いや 大丈夫だよ 高町さん もう治まったし。 」

 

 

「トラウマなんて情けないわねー あんた、男の子でしょ

別に死ぬ訳じゃないんだから しっかりしなさいよ!」

 

いや、死ぬか生きるかの境目だったために、

トラウマになったのだが、事情を知らない彼女には文句を言えない。

 

 

「アリサちゃん、ダメだよー そんなこと言っちゃ」

 

 

こちらの二人は高町なのはと同じく、聖祥大附属小学校のアイドルで、

金髪で気の強そうな子はアリサ・バニングス、

日本に来て建築系や他にも貿易系の起業に成功した、

アメリカ人の実業家を両親に持つ成績優秀、容姿端麗なお嬢様なのだ。

一方の黒髪の旧き大和撫子を思わせる子は、月村すずか、

海鳴に古くから存在する名家の少女で気弱そうな中で、

運動神経が非常に高く、聖祥大学に在学する姉の月村 忍の、

妹として広く知られる美しい少女である。

 

 

「ありがとう 月村さん でも、もう大丈夫だから

高町さんも、もう大丈夫だから安心して。」

 

 

キーンコーンカーンコーンキンコーンカーンコーン

 

「それでは、今日の授業は、終わりです。 タカミヤくん

気分が悪いなら保健室に行ってきなさい。」

 

 

教室の空気が弛緩する学校の時間割を全て消化しきって

生徒たちもさすがに、気が抜けたのだろう。

 

 

「よーし 学校 おわったー」 「なぁ 放課後に校庭でサッカーしようぜ」

「えーー ドッジボールがいいなぁ」 「私は缶けりしたーい」

「じゃんけんだろ」 「今日の塾って何時からだっけ」

 

 

ガヤガヤと教室が色めき立つ、放課後にどんな遊びをするかで

教室が盛り上がる中で、多華宮 仄の近くでは、

真剣な顔で話しをする少女がいた。

 

 

 

「多華宮くん いきなりだけど コーヒーって好き?」

 

 

「えっ! 好きだけどさ、 高町さんどうしたの? 本当にいきなりだけど。」

 

 

 

 

「多華宮くん 今日は、何か用事はない?」

 

 

「いや 別にないけど、どうしたの? 高町さん 何かあった?」

 

 

「はぁ 良かったー 多華宮くんの予定が合って、ああ

それで今日 良かったらうちに来てくれないかな?

翠屋っていうお店なんだけど、知ってる?」

 

 

「何よー 翠屋にいくの だったら私たちも、いきましょう。」

 

「うん 私たちも行きたいなー 最近 翠屋に行ってないし」

 

 

「翠屋って レストランかなにか?」

 

「ええっとー お母さんとお父さんがやってる喫茶店で、

私もたまに ウェイトレスを、やったりするのー」

 

 

「じゃあ 今日は、何もないし ぜひ、行こうかな。」

 

 

「やったー あ、 もし良かったら 昔 見せてもらった魔法を

お母さんたちにも、みせてくれる?」

 

 

「えっとー それはちょっと あれは手品で、

昔のだからやり方は、わすれちゃってねー」

 

 

「そうなんだー(ションボリ)」

 

 

「ガッカリしないでよ、 今から翠屋に行くんでしょ

だったら 笑顔で美味しく食事したいじゃない」

 

 

 

ガッカリするなのはを、すずかが励まして、

「そうだねー なのはちゃん、元気だして 行こっか 翠屋に」

 

「うん わかった~」

 

 

そして少年少女たちは、翠屋へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

カラン コロン

 

ドアのベルが静かに音をだす、店内には数名の客がいる他に、

落ち着いた印象を感じさせ、

地元の知る人ぞ、知る名店といった風情を醸し出す。

 

 

 

「お母さん、お父さん ただいまー」

 

 

とっても若い女の人が、反応する。

「お帰りなさい なのは あら それに、アリサちゃんにすずかちゃん

あら? そっちの男の子は」

 

 

「はじめまして、多華宮 仄です。」

 

 

「まぁ じゃあ あなたがあの魔法使いさん。 会いたかったわー」

 

 

「へ あのどういうことですか?」

 

 

「なのはが、ひとりに苦しんでいる時に

あなたがなのはを助けてくれた。 それになのはがあなたと

会った後に士郎さんが回復しはじめて だから、あなたは我が家の

魔法使いなの 本当にありがとう。」

 

 

出会っていきなり頭を下げられて驚いたようだが、

 

 

「はぁ それは、どうも」

 

 

カウンターの奥の男性が、こちらに向かってくる。

その男性は、まさに男盛りといったようで、実にたくましい体のようだ。

 

 

「はじめまして 私は高町 士郎 なのはの父だ。

君のことはなのはから聞いているよ」

 

 

「あ、 これははじめまして」

 

「そんなに緊張しなくていいよ そうだ!

もし良かったら君がなのはにかけた魔法を私達も見たいんだが、」

 

 

にこやかに笑って泰然とした様子、これが父親というヤツか

ひっそりと、感心してると魔術がらみのことが、いきなり出されてきた。

なのはにかけた魔法というのは、要するに自分の記憶を、

相手にも少し見せる魔術であり、やろうとすれば今度は、

魔方陣を、使わずに発動させられるのだが、

神秘の秘匿上、一般人にホイホイと見せるわけにはいかない。

 

 

 

「えっと あれは高町さんにも言ったけど、手品の類いで、

しかもやり方を、忘れちゃったからもうできないんです。」

 

 

「そうか それは、残念だ だが忘れたのなら仕方がない、

ああ それと私のことは士郎と名前でよんでくれると助かる。

妻も息子に娘達も高町だからね。」

 

 

 

どうやら案外、きさくな人のようだ。

 

 

「それでは士郎さん 僕のことも仄と よろしくお願いします。」

 

 

「お願いされました。 さて、せっかくきたんだ。

うちの自慢のコーヒーとシュークリームをたべないかね。」

 

 

「ぜひ いただきます ん 高町さんの質問の理由ってこれか。」

 

 

「むーー お父さんばっかりズルイ 多華宮くん

私も名前で呼んで」

 

 

「へっ うん わかった じゃあ 僕のことも仄でいいよ、なのはちゃん 」

 

 

「うん 仄くん これで私たち友達だね。」

 

「じゃあ 私たちも名前で呼んでもらおうかしら」

 

「そうだね じゃあ あらためて よろしくね 仄くん」

 

「えっと よろしく アリサちゃん それにすずかちゃん」

 

 

「よろしい それじゃ さっそく

コーヒーとシュークリームをいただきましょう」

 

 

さて、翠屋に来た本来の目的を果たすこととしよう。

 

「「「「いただきまーす!」」」」

 

 

 

シュークリームを口に運ぶ。

外はサクサクで中はしっとりと、いくつ食べても飽きそうにない。

まさしく絶品だった。

 

 

「うまい これすごいよ!」

 

「そうでしょ 仄 昔 桃子さんは外国にパティシエの修行にいったのよ」

 

 

 

「桃子さんのシュークリームは絶品だからねー」

 

 

アリサとすずかが次に言ってきた。

 

 

 

そして 同じくコーヒーも絶品でそちらは高町士郎が、

ここ最近 ようやく形にしてきたモノだった。

 

 

「そうだ 今度は、仄くんのご両親を連れてきなよ

やっと コーヒーを美味しく煎れられるようになったんだ

たくさんサービスするよ」

 

 

「えっと 僕 両親が昔にいなくなって………」

 

 

「っつ それはすまない」

 

 

「いいえ もう昔のことですから それに後見人の先生がいて

いろいろなことを、教えてもらってましたし。」

 

「ました? 今はいないのかい?」

 

 

「今は仕事で海外に行っていないんです。」

 

 

「それは、また ちなみに海鳴のどこに住んでいるんだい」

 

 

「この先の海近くの洋館に」

 

 

「あそこか…あそこあたりは誰も近づかないところなのに」

 

 

誰も近づかないというのもそのはず

あそこ周辺には人ばらいの結界があり、なかなか人は近付かないのだ。

 

 

「一人でいるなんて寂しいし危ないわ。」

 

「お母さんのいう通りなの」

 

「大丈夫ですよ 街に近いしお金は苦労しないので」

 

 

しかし 小学3年を、一人暮らしさせているというのは、

さすがにおかしい。

 

「その後見人の人に連絡できるかね」

 

 

「いえ こちらからは、できないんですが、」

 

 

今 高町士郎の中にあったのは、怒りだった。

なのはに自分達に家族の大切さを、

教えてくれた少年の親代わりが、同じようなことをしている

その事に対し、高町士郎は怒りを感じていた。

 

 

「そうだわ、 じゃ うちにホームステイしないかしら?

仄くんなら私たちもなのはも大歓迎よー」

 

 

「良いアイデアだね! お母さん」

 

 

おかしな方向にはなしが進んでいる、

その気持ちは嬉しいのだが、簡単に工房を空けるわけにはいかない。

 

「いえ 今の家には愛着があるので

お気持ちだけで」

 

 

「まあまあ そんなことをいわないで子供が遠慮なんてするものじゃないよ」

 

 

 

こうした遠慮と心遣いの攻防は15分に及んだ。

 

 

「ふーむ 君の気持ちはかたいようだ 仕方がない

でも 何か困ったことが、あったら遠慮はいらない、大人を頼りなさい」

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

どこか疲れた様子でこの攻防に勝利した少年は返事した。

 

「遠慮なんてすることないのに~」

 

桃子さんは、若干あきらめていないようだが、

 

「じゃあ 僕はそろそろ帰るよ なのはちゃんにアリサちゃん、すずかちゃん

また明日 士郎さんに桃子さん ごちそうさまでした。」

 

 

 

少年は、帰り少女たちは、少年について語りはじめた。

 

「仄はなんか、隠しているわね」 「隠しているってなにを?」

「さぁ それは、わかんないけどさ、」

「私はまた 仄くんに会えてうれしかったの」

「それよりあいつ、なんかよそよそしいのよね」

「仄くんにも何か事情があるんだよ「そう言えばトラウマがあるって」

「全くワケわかんないわ」「でも アリサちゃん ちょっと」

「ちょっと なによ」 「楽しそう」

 「はあ  ちょっとどういう解釈をしたらそんなことになるの」

「だって アリサちゃん 本当に気にいらない人はほっとくのに」

「むー 確かにあいつは、 おもしろいわね

だって なのはなんかあいつと会ったとき゛魔法使い?゛なーんて」

「にゃあー!」 「な、なのはちゃん 落ち着いてーーー」

 

 

画して時が過ぎていく、少女たちが、こういった噂や話しをするのは、

もはや起源に属するのではないだろうか。

しかし、時間は無限ではなく有限であり

だからこそ時間はあっという間に過ぎていって

 

 

「じゃあ また明日」 「またね アリサちゃん、なのはちゃん」

 

「二人とも、バイバーイ」

 

友人は帰り、家族が帰ってくる時間だ。

夜の暗い夜道を、帰ってきた恭也や美由紀たちは、

今日きた多華宮 仄の話題について話しを聞き始めた。

 

 

「へえ その仄くんって あのお化け屋敷で、

独り暮らししているんだ」

 

 

「こら 美由紀 人の住む家をお化け屋敷とは何事だ

しかし父さんやはり仄くんには、

うちに来てもらったほうが良いんじゃないか」

 

 

「いや 彼の意思はかたい 何かあの家にいなくては

ならない理由があるんだろう そして私たちは、

それを打ち明けられたときに助けてあげれば良いんだ。」

 

 

「そうねー でもあんなに遠慮しなくてもいいのにー」

 

「母さん 普通はそういったもんじゃないなかな。」

 

 

「えー でもなのはは 仄くんと一緒でも大丈夫だよー」

「彼が、それに平気じゃないんだろ 父さんからもなにか」

 

 

「まあ 良いじゃないか それに彼はどこか

人を警戒しているところがあった。 彼には何かある。」

 

 

「本当か 父さん 今度 彼を調べてみようか?」

 

 

「そこまでしなくてもいい そういうのは

仄くんから話してくれるのを、ゆっくりと待つよ」

 

 

「お父さんにお兄ちゃんどうしたのー」

 

 

「何でもないよ なのは なのはは昔 仄くんに助けられたね

じゃあ 今度 彼が困っていたらなのはが彼を助けるんだ。

約束できるかい。」

 

「うん 今度は私が仄くんを助けるー」

 

 

さて こうして少女は少年を助けることを約束し

その一方で少年の方は、

 

 

「よし 魔術回路は順調 礼装にも問題は、なしっと

じゃあ 空の散歩でもするとしようかな」

 

 

箒に跨がり三角帽子に黒のローブは、

まるで物語に出てくる魔法使いのようで、

「エクスキュート《起動》」

静かに呪文が唱えられる。魔力が魔術回路を通り増幅される、

そして礼装に魔力が流れるにともない体重は軽く

仄の姿は認識されづらくなり箒は少年を乗せて空に浮かぶ

 

 

「じゃあ 行こっかな 誰にも気づかれないようにしないと、

なのはちゃんみたいな魔力高い人にはバレちゃうし」

 

 

なぜ 彼は空を飛ぶのか、神秘の秘匿はどうしたと、

つっこみたくなるが、本人いわく礼装はたまには使わないといけないとか、

これは霊地をパトロールするセカンドオーナーとしての

仕事のひとつだといったり、ようするにただの趣味である。

 

 

 

そして彼は、自分の礼装に乗り、海鳴市の空へと飛んでいった。

これから海鳴市でおきるであろう異世界の魔導師のことなど知らずに、

悩み、苦しみ、友情、笑顔、少年・少女を主役としたお話しは、

これから始まっていく。

 

 

今回の魔法使いのお話は、これにておしまい。




ちなみに、多華宮くんの魔術回路を開くときの
呪文はルールを作る または法律 それに関係する英単語などから、考えました。
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