リリカルな魔法使い<一時凍結>   作:悪事

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事件は次から次へと

夜の深い闇の中、照らしているのは月明かりだけ、

その中で動く二つの物影、一方は獣というには、異形な姿

まるで黒いボールに脚を、取ってつけた率直に言葉にするなら、

まさに怪物、しかしてそれとぶつかっていくのは、

小柄な少年、その瞳は強い意思と責任を、帯びている。

 

 

「ふっ」 一息を発して怪物に向かっていく。

 

「GYEEEEEE」

 

 

怪物も同じように少年に体当たりをしようと、

突進をしていく、少年は一瞬で危険を、察知して横に避けていく。

少年は何とか危機を脱するが、その時に足を、痛めたのか

顔をしかめる、そして少年は、覚悟を決めたように前を向く。

 

 

「妙なる響き、光となれ、赦されざる者を、封印の輪に、

ジュエルシード、封印!」

 

 

少年は最後のちからを、ふりしぼるように、怪物に対して

光が飛んでいく。

 

 

「GYAAAAAAA」

 

しかし怪物はそれに、意に介することもなく

さらに速度を増して、少年に激突していった。

 

ドーン 鈍い音が深夜の林に響きわたる。

 

少年は地面に横たわる。

 

「ぐっ そんな あれを逃がしておいたら

だっ 誰か 助けて 誰かっ 誰……… たす… だ………助けて」

 

 

 

 

 

SIDE高町なのは

ピリリリリ、

ハッと意識が覚醒する「夢?」あまりにも、リアルすぎた夢に

驚いていた、そしてもうひとつ驚くべきは、

あの闘いの舞台は、この海鳴の公園によく似ていた。

そしてあの少年は助けを求めていた。

魔法使いのような少年は、自分の過去に助けられた少年を、

彷彿とさせた。そしてその少年が助けを求めていた

それは少女の意識に深く刻み込まれた。

 

 

「むー 何であんな夢を見たのかなあ」

 

 

少女は見た夢のことを、いったん頭のすみにおいて

今日の学校への準備を始めていった。

 

 

 

 

SIDE多華宮

バッ ソファーの上で目覚めた少年は先ほどの、

映像に対しての考察を始めた、

゛さっきのは魔術ではない 魔術で似たようなこともできるが

人の意識に見せるのは魔術では、パスを繋いでないとできないし

あとは、あの映像の舞台はこの間の散策で通った公園に違いない。゛

 

 

「魔術以外の何かを使う存在か、でも魔力の行使を感じたんだけどなあ

でも、前に会ったメイドは魔力を感じなかった。

ノエルはすずかちゃんの家の関係者、月村家か

敵にならないのなら、それに越したことはないけど

魔術師じゃない存在がこの町に?」

 

 

あの術には、ひたすらに害意がなかった、いやそれだから

自分の魔術防御にも、引っかかんなかった。

 

 

「僕の意識に潜入しておいて何もしなかったのは、

なぜ? それに助けを求めてくるなんて

あと海鳴市に魔力の塊がいくつかあるし

これじゃ 霊脈が歪んじゃうし やっかいごとを

この街に持ち込まないでくれないかな」

 

 

正体のわからない敵の存在がこの街にいるとなると、

頭痛がしてくるが、それでも、自分は小学3年なのだ

いつもと変わらずに学校にいかなければならない。

いくつかの不安などを、飲み込んで、前日に準備していた

学校の道具を持って、学校へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

学校ではいつもと変わらない日常が展開されている。

授業中には、他の小学生とくらべ、非常に模範的に

授業に臨んでいるため、授業は流れるようにおわり、

昼休みに至る、

 

 

「昨日わたし、おかしな夢をみたの。」

 

「夢を見たってあんた、いったいどんな夢をみたのよ」

 

「うん 私もなのはちゃんが見る夢ってどんなのだったのかなあ」

 

「それは右に同じ、どんな夢を見たんだい」

 

 

 

昼休みは、このように平和な話題で盛り上がる

なるほどまさしく普通の小学生だろう、

惜しむらくは、このメンバーは全員が普通とは、

何処かしら違うところが、あるところだろう。

 

 

夢で見た少年の話しを、すると二人の少女は呆れ

少年は何かを、考えるように、目を閉じた。

 

 

 

「みんな、何か言ってよ~」 「なのはがその手のことをいうのは

珍しくないけどここまで、凝ってるなんて、将来は

絵本作家にでもなったらどう?」

 

「アリサちゃんいいすぎだよ 夢でいろんなことを、

見れるのはいいことじゃないか」

 

閉じていた目を開き少年がはなしにはいってくる。

彼のいうことに疑問を投げたすずかは

彼を、真っ直ぐに見つめる。

 

 

「仄くん それは何でかなあ」

 

「だって 夢でいろんなことを、見れるのは、

それだけその人のやれることが広いってことなんだから」

 

 

「ずいぶんとロマンチストじゃない 仄」

 

 

「仄くん ありがとう にゃははは なんだか元気がでてきた」

 

 

昼食も、おわり午後の授業の中で、

また声が聞こえた゛誰か………助けて゛

 

「えっ 誰!」

 

 

「なのはさん、授業中に私語は慎むように」

 

 

「あ ごめんなさい 先生」

 

 

゛なのはちゃんもあの声に反応した、

一定以上の魔力の持ち主に反応しているのか゛

 

 

授業が終わり、アリサちゃんやすずかちゃんに

授業中のことを、心配されることがあったが

無事に下校の時間となった。

 

 

 

「アリサちゃん、今日は鮫島さんに送ってもらわないの?」

 

 

「すずか、あんた、わたしをどんな箱入り娘と、

思っているのかしら、一度、ゆっくり聞きたいわね」

 

 

「アリサちゃん、すずかちゃんも悪気があったんじゃないんだから」

 

 

「何よ なのはは、だいたい今日は授業中に

いきなり、誰~なんて叫んじゃって」

 

「ふにゃー!アリサちゃんそれはー」

 

「それは僕も聞いたよ、なんたってとなりの席だし。」

 

今日のなのはの行動を肴に帰宅や塾に向かう道を歩くと、

公園にさしかかるそこでは、市の役員達が壊れた遊具や樹に

池のボートなどを、診ていた。

 

 

「ここで何かあったんですか?」

 

「ああ どこの誰かはまだわかってないが、

昨日の夜中に誰かが、この間の公園で暴れたらしいんだ

そういうわけでこっちの道は、使えない

向こうの無事な方の公園の道をつかってくれ」

 

 

「「「「ありがとうございました」」」」

 

 

「全く、誰があんなことをしたのかしら」

 

 

「アリサちゃん、ずいぶん怒ってるね」

 

 

「仄くん、アリサちゃんはこういうことは許せないんだよ」

 

 

「そこ! すずかに仄、あんたたち何か言いたいことでもあるの」

 

 

「滅相もない」 「アリサちゃん、そんなことないよー」

 

 

 

「ここって、」

 

 

突然、何かに弾かれたように、なのはが駆け出す。

 

「ちょっと、なのは」「なのはちゃん!」

 

「追いかけよう!」

 

 

追いかけた先にいたのは、小さないたち、

いやあれは、フェレットだろう。

 

「なのは、その子どうしたのよ」

 

「ここでぐったりしていたの、怪我しているみたい」

 

少女達から見れば、ただの傷ついた動物だが、

仄はそのフェレットが魔力を、もっていることに、

気がついていた。少女たちに関わらせる訳にはいかない。

 

 

「もしかしたら、近くに飼い主がいるかもしれないし、

見つけやすいところに連れていってあげたらいいんじゃない」

 

 

 

「仄のいう通りかもね でも

そうしてる間にこの子が取り返しのつかないことに

なったらどう? 後味わるくない?」

 

 

「怪我をしてるのにほっておくなんて

わたしにはできないよ」

 

 

「わたし、この近くに動物病院があるの知ってるよ

まえにうちの猫を診てもらったの」

 

 

「じゃあ そこに連れていきましょう

仄も、文句ないわね。」

 

 

ダメだといっても、彼女たちは、

聞かないだろう、なら自分の目の届くとこにいた方が、

ましなのだろう、心やさしい自らの友人たちを、

見て、急いで、動物病院へと、そのフェレットを連れていった。

 

 

 

動物病院へいったあとは、アリサとすずかは、

塾方面に、なのはと仄は家の方に向かっていった。

 

そこで事件がおきるのだが、

さて、その結末は、どうなるのか…………

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE月村すずかandアリサ・バニングス

 

「それにしても今日のなのははホントになんか違和感があったのよね」

 

 

「アリサちゃん、またその話し? 別にいいんじゃないかな

なのはちゃんがやさしいのは変わらないし

それに変わっていたとしてもそのおかげで

あのフェレットが助けられたんだし」

 

 

「まあ そうなんだけど なんか釈然としないのよ」

 

 

そこで彼女たちは、事件に巻き込まれる自分たちが

始めて魔法使いの友人と遭遇する事件へと。

 

 

 

「来たぞ ゛ご招待゛に時間をかけるな」

 

「はいはい それよりあの金髪のガキはどうするのさ?」

 

「あいつはこの街にいる実業家バニングスの一人娘だ。

来ていただけば、それなりに使えるだろう

それに警察に電話なんてされても困るしな」

 

 

「そりゃそっか」 「それより捕まえたら、好きにしていいんだろ」

 

「ふん ロリコンめ あんなののどこがいいんだか」

 

 

「いくぞ ゛ご招待゛を開始しろ」

 

 

 

黒いバンから顔を隠した男たちが表れる。

 

 

「なによ あんたたち」 「黙れ」

 

 

「アリサちゃん、逃げて!」

 

「捕まえろ!」 「何いってんの すずか 逃げるのはあん…むぐーー」

 

 

ここでアリサがすずかのいう通りに、

動いていれば話しは変わったかもしれない。

しかし起きてしまったことを変えるには、

それこそ魔法でも使うしかない。

 

 

「アリサちゃん!」 「おっと 月村すずか 動くな

動けばこの金髪の嬢ちゃんの身は保証しない」

 

 

「いったい、何が望みなんですか。」

 

「何、君の叔父さんの氷室という人に頼まれたのさ

きみを、゛ご招待゛しろとね 来てもらおう

夜の一族 」

 

 

「あなたたちはいったい 何者なのですか」

 

 

 

「我々をそこらのチンピラと一緒にしないでもらおう

我々は龍(ロン)さて、自己紹介もすんだことだし、

少し眠ってもらおうかな」

 

 

そういうと男は、何らかの薬品を

染み込ませたハンカチを使ってすずかの口をおさえた。

 

意識が暗闇に堕ちていくその中で思うことは、

自分の都合に親友をまきこんでしまったことに、

対する後悔と罪悪感だった。

 

 

 

 

SIDE多華宮 仄

さてあのフェレットだが、対処するにしても、

まずは、あのフェレットが退院してからにしようと

心の中で決定し家に戻ってきた。

この洋館には、様々な防衛機能があり、

その防衛力は要塞にも匹敵する。

この洋館なら、物理的、魔術的なモノにも

スキは存在しない、しかしその中でも、

特に優れているのは、海鳴市を、

監察することができるという鏡だ。

 

 

自分の趣味いや、セカンドオーナーとして

海鳴を、魔術で見ていると、(これがあるなら箒を使って

パトロールする必要は、ないのではないかと思わなくもないが、

自分の目で見るのと、この魔術で見るのは違うのだというらしい)

自分の学友であるアリサとすずかが誘拐されている現場を、

みつけてしまったのだ。

 

助けにいけば、自分の魔法(ちから)を、隠せなくなってしまう。

神秘の秘匿を考えるのなら、彼女たちを、

見捨てるべきだ、しかし日常の自分は、

助けにいきたいと叫んでいる、魔法使いの自分と日常の自分が、

交錯する中で、アリサちゃんが、捕まりすずかちゃんも連れられる時に、

鏡ごしに、彼女と目があった気がしたのだ、

それだけでよかったし、それ以上は要らなかった。

四の五のいってる暇などない、やる前からグダグダ考えてやらずに、

後から悔いるより、やって後悔すると覚悟を決めた。

誘拐犯の車が、夜の海鳴市を駆け抜ける。

車は海鳴市の、今は使われていない工場地帯に向かうのを、

確認すると、刀身は宝石でつくられた切れ味などを望めない剣を、

腰のホルスターに付け礼装の箒を持ち、自分を内側から変える

呪文を唱える。

 

 

「エクスキュート 《起動》」

 

三角帽子に黒いローブを身に纏い、箒に乗って

誘拐された友達のため、夜の空へと翔び立った。

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、工場地帯そこで二人の少女が、目を覚ました。

 

 

「ここは、どこ?」 「アリサちゃん! ケガはない?」

 

 

「大丈夫 それより静かに、あいつら わたしたちを、

誘拐するなんて、覚えてなさい。」

 

縄で縛られて身動きができない中で、

アリサは静かに報復を決意し、すずかは、

自分の親友を、どう逃がすのか考えていた。

 

 

そこで、扉がいきなり開く 開いたドアの先にいた男は、

こちらを邪悪きわまりない眼差しで見つめていた。

 

 

 

 

 

 

一方で、廃墟である工場には、不釣り合いなほど綺麗な部屋に、

男が二人、そしてメイドがいた、おかしいと指摘するべきは、

一人は端正な顔立ちにそれに似合わない正面の男を、

侮蔑するような瞳、もう一人の男は腕をへし折られ、床に転がされている。

最後のメイドは、それを見てニヤニヤと笑っていた。

 

 

「なぜ? バニングスの娘まで、連れてきた?

僕の完璧な計画の邪魔がしたかったのか。」

 

 

「そんなことは、ただ切れる手札はあればあるだけ、」

 

 

 

「もういい 黙れ 劣等種族の貴様たちに

コトを任せたのが間違いだったよ

イレイン、そいつを始末しろ」

 

「りょーうーかーい」

楽しそうに愉しそうに笑って殺しを肯定する。

 

 

 

「待て! 俺を殺せば龍の(ロン)連中が黙ってないぞ」

 

 

「なぜ 僕が劣等種族の群れの、顔色をうかがわなくては

ならないのかな? 殺れ イレイン」

 

 

「待って! お願いだ たすけ「バイバイビー」

 

 

ザシュ 鈍い頸を落とした音が響く。

 

「さてと、かわいい親戚の様子でも見に行こうか

劣等種族に貞操を奪われ、友人もメチャクチャにされれば

劣等種族の愚かしさがわかるだろう。」

 

 

「そうっすね この男の後始末どうしましょうか」

 

 

「何 劣等種族の始末は同じ劣等に任せるさ、

むしろいい見せしめになるだろう」

 

 

ドア開けて、違う部屋にいくと、そこは

先ほどの部屋と違い、電話以外ない部屋で

顔色の悪い男が一人いるだけだった

 

 

 

「月村の本家に連絡はしたのか?」

 

 

「はい まあちょっと 脅したりしましたが、

うまいこといきましたぜ」

 

 

「ならいい それですずかはどうなっているのかね」

 

 

「それなら 今頃 溜まってたヤツラの相手で」

 

そこに扉が開く、立っているのは魔法使いのコスプレを

したような少年であった。

 

「おあいにくさま アリサちゃんもすずかちゃんも

無事だよ 傷一つないし貞操だって問題ない」

 

 

 

「なに? 貴様 いったい何者だ?」

 

 

 

「名乗るほどのもんじゃない

ただの通りすがりの魔法使いさ。」

 

 

少年は笑って悪党たちのまえに、二人の少女を連れて表れた。

 

 

 

 

時間を、少し戻すとしよう、

すずかとアリサのまえに表れた男たち数えて

ざっと8人というところか

 

 

「よーし じゃあ 俺が一番目なー」

 

「ふざけんなてめーー」

 

「まあまあ 仲良くヤろーぜなぁ」

 

 

 

 

「何よ、あんたたち早く私達を解放しなさい!

でないとあんたたち、ただじゃすまないわよ」

 

 

「アリサちゃん!」

 

 

「ただじゃすまないって そりゃこっちの台詞だぜ。」

 

 

「何よ なにすんのよ あんたたち」

 

 

 

「そりゃ、 ナニなことさ お嬢ちゃん。」

 

 

その瞬間、呪文が響く、

「ジャッジメント 《魔弾 開放》」

 

その刹那に光の弾丸が男にあたる、すると

男は意識を失い、床にキスをすることになった。

 

 

「誰だーー」

 

 

その声に引かれてかのように後ろを見ると、

そこには、童話の魔法使いのような格好をした少年がいた。

 

 

「やらせないよ、そんなこと。

少し眠っていてね、大丈夫、一週間くらいだから」

 

「ふざけてんじゃ………………」

 

 

同じ光の弾丸が男たちに、直撃しバタバタと倒れていく。

 

 

 

 

 

 

 

その光景を見た少女たちがそう言うのは、ある意味では、

当然なのだろう。

 

「「魔法使い?」」

 

そのときに二人が、出した言葉は、全く同じだった。

 

「えっと 二人とも大丈夫?」

 

 

「仄!」 「仄くん!」

 

 

そこには同級生の顔があった、いつもボーっとしている天然気味の

どこか憎めない新しい友人、多華宮 仄がそこにいた。

 

 

 

「あんた そのかっこ、てゆーかさっきの光…………

あーもーどこから聞けばいいかわかんないわよーーー

早く、縄ほどきなさい!」

 

 

 

「あっ はい。」 「仄くん ちゃんと説明してくれる?」

 

 

「それはあとにしてくれるとありがたいなぁ」

 

 

縄をほどき、「急いで逃げよう、アリサちゃん、仄くん。」

 

 

 

「そうね 悔しいけど私達みたいな子供じゃなにもできない、

でもどうやって、逃げるの、見張りとか他のヤツも、相手にしなきゃ

いけないのに…仄! さっきの光 今は詳しく聞かないけど

あれどのくらい、撃てるの?」

 

 

「いや、 心配しなくてもここに来る途中の人たちは、

全員眠らせておいたし」

 

「本当にあんた何者なのよ」 「それにその格好って

なのはちゃんのいう通り仄くんって魔法使いだったの?」

 

 

「それより、他の敵も見つけて眠ってもらわないと、」

 

 

「何でよ ここは逃げるべきでしょ」

 

「そうだよ 仄くん さっきのは凄かったけど

大人の人を、呼んで任せようよ」

 

 

「なら、二人は先に行って、僕だけでいくから」

 

「そんなことできるわけないでしょ!」

 

「そうだよ!友達をおいていけないよ!」

 

 

後で多華宮 仄は、もう少し言い方を考えるべきだったといっている。

 

 

「ちょっと 静かに、静かにしなきゃ

仕方ない 二人ともついてきて、僕が守るから」

 

 

二人の少女は、顔を真っ赤にすると、

コクりとうなずき彼のあとについていった。

 

 

 

 

 

 

「えっ、氷室叔父さん………どうして?」

 

「どうしてか? ………………それは私が聞きたいよ

僕の計画がこんなに狂ってさぁ」

 

 

「すずかちゃん あの人は知り合いなの?」

 

 

「知り合いも何も僕らは、同族じゃないか」

 

「同族? それってどういうこと?」

 

すずかはまるで怯えるように、恐れるように、

「やめて 叔父さん、やめてー!」

 

「ちょっとすずか どうしたの、

あんた、すずかに何をしたのよ!」

 

 

「どうもしないさ、自分の正体がお友達に

知られるのが、よほど怖いのだろう。

冥土の土産に教えてやろう

すずかは私と同じ吸血鬼と呼ばれる夜の一族なのだよ」

 

 

吸血鬼といきなり言われて はい そうですかと、

早々に理解して飲み込むことは普通だったらできない

だろうが、現に魔法使いの友人を、この目で見ている

 

「ごめんなさい アリサちゃん 仄くん

私は二人に友達なんて呼ばれる資格のない化け物だったんだ」

 

 

 

まるで自分の罪を、懺悔するかのごとく泣きながら

謝罪の言葉を、振り絞るようにすずかは紡いだ。

 

 

 

少しの静寂 時間にして10秒といったところ

 

「どうだい 自分たちが助けようとして

巻き込まれてまで、すずかに関わっ」 「「うるさい」」

 

 

「すずかちゃんが例え化け物だろうと何の関係もない」

 

 

「すずかはただの私達の友達よ」

 

 

そうこの二人には、そんなことは関係のないことだ

そんなことが友達を、見捨てる理由にならない。

 

 

 

「二人とも………………ありがとう」

 

すずかはさっきの涙とは違う理由で泣いていた。

その涙はさっきのものとは全く違うものだ。

 

 

 

「つまらないな。イレイン、劣等を始末しろ

それと、すずかには傷をつけるな」

 

 

「あいよ、じゃあ感動のお別れだぜ。くたばれ、くそガキ」

 

 

 

そのときに仄が腰のホルスターから、剣をだした。

その剣は虹色に輝き、イレインは人間には不可能な動きで

仄に接近する。

 

 

イレインの拳が仄の頭を潰そうと飛んでくる

 

だが、その拳は仄には、届かない

 

「残念 さっさとおわらせるよ」

 

プツン

 

「てめええええ ちょーしにのってんじゃ」

 

 

その時に、イレインを虹色の光が貫く、

それでイレインはその機能を自らの生涯を、停止させた。

 

 

「はっ!? 貴様、いったい 何をした。」

 

 

「雑魚にいうことはないよ」

 

 

「ざ………こ? ふっふふふイレインを破壊して調子にのったのか?

劣等風情がふざけるなああああああああ」

 

 

その瞬間、氷室と呼ばれる青年は、光の弾丸をうけて

吹き飛ばされた。それで意識を失わなかったのは、

吸血鬼だからか、それとも仄が加減したからか?

 

 

「まあ、二十七祖じゃないからこんなもんか、それじゃあ

この町にもう来ないでください、来たらそのときには

あなたは後悔しますよ」

 

 

「ちょっと 警察につきださないの?」

 

 

「くっくっく なんと甘いことだ

いいだろう 今回は退くとしようしかし

私はまた、表れるその時に私に、撤退をゆるしたことを、

きっと後悔するぞ」

 

 

「仄くん、氷室叔父さんが、逃げちゃうよ

どうしよう、」

 

 

しかし少年は笑っている、まるでイタズラが成功したかのように

朗らかに、

 

「まあ、大丈夫だと思うよ。 もしこの町に次に来たら、

あの人は、…………マダガスカルガエルになる呪いを

かけておいたからさ」

 

 

「マダガスカルガエル? …………あんたがなのはのいった通り、

魔法使いなのは認めるけど、

何でそんな変なお呪いを知ってるのよーーーー」

 

 

「それってやっぱり、誰かにキスしてもらわないと

解けないお呪いなのかな?」

 

 

「すずか、あんた 以外と余裕じゃない

さっきまで誘拐されて吸血鬼だ、なんだって話ししてたのに」

 

 

 

「うん でも仄くんの魔法使いっぽい格好を見たらね

それよりここからどうやって帰ろうか

携帯は捨てられちゃったし」

 

 

「それなら 空を飛んでいけるから大丈夫だよ

そこの机に二人の家のどちらかの電話番号があるから

連絡していこっか」

 

 

 

「空を飛んでいくって、あんた、童話の魔法使いそのものね

じゃあ、連絡お願い、ちょっと疲れがどっとでて」

 

 

「仄くん、私もお願いね」

 

 

ここで二人が連絡を、代わりにさせなければ

話しはスムーズにすんだのだが、

ここでややこしい事態になるのを、彼らは知るよしもない。

 

 

「もしもし アリサちゃんかすずかちゃんの家であってますか?」

 

 

「月村の家だが、二人に何もしていないだろうな」

 

 

 

゛男の人? 大分心配してるな゛

 

 

「大丈夫です、もう二人に危険はありませんよ」

 

 

もし以前に、多華宮 仄が高町の長男と会っていたら

こんな勘違いが起きなかったのだが、

この会話は、受け手からしたら、二人を殺したように

聞こえてしまうのは無理もない。

 

 

「っつ! そんな!」

 

゛喜んでいるのかな? 安心しているといいけど゛

 

 

 

「それじゃあ、二人は海鳴自然公園に運んでいくので

着いたら、連れて行ってあげてください」

 

 

この少年は、幼い頃から吸血鬼に魔法使い、代行者など

まともな人との、会話の経験値が少ないために

人の感情を、察するのが下手なのだ。

 

「………わかった、覚えておこう、貴様の声もな」

 

ブツ

 

゛あれ?なんか最後に声がドスが効いてたけど゛

 

細かいことを、棚上げにするのも、彼の欠点だった。

いやこれは、天然としてとらえるべきなのか?

 

 

 

「まあ、いっか じゃあ二人とも

箒に乗って! いくよ!」

 

 

ここで少女 二人が興奮してしまい、大変な目にあうが、

ここでそれをいうことは、蛇足というものだ。

 

 

 

 

 

 

 

海鳴自然公園に飛んでいくとそこには

ポカーンとした人たちが佇んでいた。

それを気にせずに、我らの主人公は、

地面に降り立った。

 

 

「到着っと」

 

なにやら、すずかによく似ている女性が泣いているが、

どうしたのだろう、それに刀?を二本腰に

着けた男性に女性が驚いている。

そして、廃工場で倒した人形に似た人形?(メイド服着用)

 

 

「お前はいったい? それに二人とも生きて………」

 

 

「二人とも生きてますよ そりゃ当然」

 

「すずか様、ご無事で」

 

「それにその格好って魔法使い?」

 

 

「格好のことなら先生にも説明して笑われたっけ、

その質問に対しての解答は単なる趣味です。

じゃあ 僕は帰るね じゃあまた明日~」

 

 

「ちょっと待って、すずか達を無事に連れて来てくれたことは

感謝するけど、あなたの目的は、あなたは何者?」

 

 

箒で、空に向かう少年を、止めたのはさっきまで

泣いていた、おそらくすずかちゃんの姉だろうか。

 

 

「えっと、話をしたら長くなるので、

今日はここらへんで じゃあ、さようならーー」

 

 

「こらっ 待て! ノエル逃がさないで、ロケットパンチ!」

 

「はい、忍様。」

 

「なっ! ロケットパンチ? うわっと危な!」

 

 

「えっ ちょっとノエル、待ってーーー」

 

「っていうか 仄ーー ちゃんと説明しなさーい」

 

 

「えっ! あの子ってなのはの言っていた魔法使いの子?!」

 

「君! 待ってくれ! 話を聞かせてくれーー」

 

 

 

ロケットパンチが当たりかけ、急いでその場から

多華宮 仄は離脱したので、後ろの声などに気がつかないままに。

 

 

 

といってもロケットパンチを、撃たれてまだその場に

留まっていられる、人間がいるとは思えないが。

 

 

「ふうー ひどい目にあった……というか

魔術のことを、どの程度説明しようかな」

 

 

自分の友人はきっと魔術の説明をしない限り、

諦めることはなさそうだし。

今はともかく、自宅である洋館に帰ろうとする途中に、

 

 

『リリカル マジカル ジュエルシード封印!』

 

メカのような杖を用いて、魔力の高い獣のような存在に、

桃色の光を使って、退けるのを見て、

 

「まだ、ややこしくなるの?

なのはちゃんの件は………仕方ない後にしよう

早く寝たいな とりあえず帰ろう。」

 

 

自分の友人である高町なのはが、明らかに

魔術とは関係ないモノを使っているのだ、

事態は際限なくややこしくなり、

セカンドオーナーをやめたくなる衝動にかられるのだが、

それをこらえて明日のために洋館の防衛を強化し

探索用の魔術の精度を上げて、

早く寝てしまおうと疲れた体に鞭を打って、帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




海鳴でやっかいなことは当たり前
主人公の明日は、どうなるのか?
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