リリカルな魔法使い<一時凍結>   作:悪事

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サッカー場での交差

始まりはたわいのない言葉から、それは金曜日の学校で

なのはの言ったことが原因である。

 

 

「ねえ 仄くん、仄くんってサッカーに興味ない?」

 

 

「サッカーってあの球技の?」

 

 

「うん、実は今度の日曜にお父さんの監督してる

サッカーチームが試合をするの、それをすずかちゃんにアリサちゃんと

見に行くの、だから仄くんも行かない?

お父さんも仄くんに会いたがっていて゛是非来てほしいって゛」

 

 

「なのはちゃんのお父さんが?」

 

 

「仄も時間があるのなら来なさいよ」

 

 

「私とアリサちゃんも見に行くんだ、仄くんも来ない?」

 

 

 

そう女子三人からの、お誘いに乗り一緒に行くことになり

日曜にサッカー場に行く次第となった。

 

 

「仄、遅いわよ! もう後半だっていうのに!どこで油を売ってたのよ」

 

 

「ゴメン、実は道に迷ってさ」

 

 

「もう仄くん、言ってくれれば迎えに行ったのに。」

 

 

「仄くん、早く応援しよう お父さんの隣空いてるからそこに

座って。」

 

 

席に座っていると、

 

「やあ 仄くん、翠屋の時 以来だね」

 

 

「はい、お久しぶりです。士郎さん それより試合はどうですか。」

 

 

「そうだね、 選手たちは、調子がいいし

このまま行けば勝てるだろうね」

 

 

「そうですか、 応援するなら、勝ってもらった方が

気持ちいいので、いや~よかったです。」

 

 

「そうだね、 そういえば仄くん この前にアリサちゃん、

すずかちゃんが、お世話になったらしいね」

 

 

「………そのことなら問題ありません、二人とも僕の友達ですから」

 

 

「そうなんだ、いや 二人はいい友達を持ったね、

それで相談なんだが、二人の身に何かあったら助けてくれるかな?」

 

 

「もちろん」 「…即答か、なのはは、本当にいい友達を持った」

 

 

「仄くん、お父さん、何話してるの、もっと応援しないと」

 

 

 

「うん、応援しないと来た意味がないしね」

 

 

そしてその試合は、高町 士郎率いるチームが

2ー0で勝利し、解散の流れとなった。

 

 

「じゃあ みんな、また月曜日に会いましょ。」

 

アリサちゃんは鮫島さんと言う執事さんの車で帰り、

 

 

「じゃあ 私もなのはちゃん、仄くん、また 明日ー」

 

 

すずかちゃんも帰っていくのだった。

 

 

「じゃあ 僕も今日はこれで、なのはちゃん おつかれさま」

 

 

 

「うん 仄くん バイバーイ」

 

 

そして少年・少女が解散している時と同時刻。

 

 

「それで、父さん 多華宮 仄はシロなのか」

 

 

「ああ 彼は信用に足りる少年だ。

それで彼の自宅の方はどうだったんだ?」

 

 

「…………」 「おいおい 黙ってたら何もわからんだろう」

 

 

「……済まない 父さん、自宅を調べることはできなかった。」

 

 

「何? 確かお前だけではなくノエルさんに美由紀も

いたんだろう、それで自宅を調べることができなかったって

いったい、どんな要塞に住んでるんだ」

 

 

「いや、 父さんそもそも、俺たちはその家自体を見つけられなかったんだ」

 

 

「何?見つけることができない、まさか学校で教えてもらった

住所はフェイク?」

 

 

「父さん、信じられないかもしれないがその住所に

たどり着くことができなかったんだ。

行こうとすると、なぜか別のところに行き着いてしまう」

 

 

「ふーむ やはり彼は魔法使いなのかもしれないな」

 

 

「なのはを昔、助けてくれた? そうか

ならうちにとっては恩人だな。しかしそうすると困った

忍が今日のことで、だいぶ警戒するようになってしまった。」

 

 

「お前の恋人だろう、我が家の恩人に手荒いことは

しないよう、お願いしといてくれよ」

 

 

「そんな軽く言うなよ、この夜の一族の管理する海鳴に

訳のわからない存在がいるんだ。

警戒するなと言う方が無理だ。」

 

 

「そうだよなあ じゃあ忍ちゃんに

仄くんは今のところ、危険はないとだけ伝えておいてくれ」

 

恭也は静かにうなずくと、一旦、月村家の家に向かっていった。

そう彼らはこの海鳴に起きる龍と呼ばれる組織の行動に、

目を光らせこの海鳴市を、管理しているというのだ。

この場合、多華宮と月村のどちらが海鳴を、

本当の意味で管理しているのか、疑問になるが。

 

 

 

 

その時、街が揺れ始めた、まるで何か地面の中を

蠢くような違和感が広がる、その正体はすぐにわかった。

そう樹の根っこが街を覆い侵食する。

 

 

「何が起きているんだ!……………こんなことができるのは。」

 

 

そう今回の父が対象をサッカー場に呼んでいる時に、

彼の自宅を調べようとした本日の作戦。

それが訳のわからぬままに失敗し、

そしてこの形容しがたい事態に遭遇した彼がそう思うのは、仕方ないだろう。

 

 

「まさか、これはあの多華宮という子の仕業なのか?」

 

 

知らず知らずのうちに自分が関係していない事件の、

黒幕にされた、多華宮 仄 最初に説明を渋らずに

いればこんなことにはならなかったのだが

時はすでに遅いと言わざるをえない。

 

 

 

 

 

SIDE高町 なのは

 

友人と別れたあとに、しばらくして

ジュエルシードが発動してしまったのだ。

彼女は後悔をしていた、それはサッカー場の会場で、

自分はジュエルシードのような宝石を持っていた少年を

見かけていたのだ、もしあそこで自分が気づいて

ジュエルシードに封印をしていればと、

しかし もし気づいていたとしても、

初対面の相手の持ち物をどうこうすることはできなかっただろう。

あらゆる感情を振り払い、現状どうすればいいか考える。

 

 

 

「レイジングハート お願い。」

 

レイジングハートのプログラムによって

重力がまるでないかのように、そこらのビルの屋上に

着地する、そこからは樹の蔦に覆われ、

壊されている海鳴市の姿を見渡せた。

 

 

「そんな、……こんなの…ひどい」

 

 

「おそらく、人間の願いでジュエルシードは、発動しちゃったんだ

強い思い、願いに比例してジュエルシードは力を

増幅させ願いを叶えようとする、

人間の願いは生物の中でも特に強いから」

 

 

「ユーノくん、私 ジュエルシードを持っているかも、

しれない子がいたのわかってたの

わかってたのに、こんなことになるなんて」

 

 

「…なのは、落ち着いてまずはこの状況をどうにかにないと」

 

 

「そうだね、ユーノくんどうすればいい?」

 

 

「最初に元になっている部分を見つけないと、

でもこれだけ広い範囲に広がってるとどうやって見つければいいのか」

 

 

なのはにはその時、自分が何をすべきか直感で理解していた。

 

 

「元を見つければいいんだね、ユーノくん」

 

 

「えっ?」 「お願い、レイジングハート!」

 

 

『Area search』

 

 

「リリカル、マジカル、探して!災厄の根源を!」

 

 

 

「見つけた!ユーノくん早く封印しよう!」

 

 

「なのは、待ってここからじゃ魔法が届かない」

 

 

「できるよ、ユーノくん………そうだよね、レイジングハート」

 

 

なのはが信じるように、そう言うと

 

『All right Shooting mode set up』

 

 

杖は少女の願いに応えるがごとく、

自身の形状を変えていく、それはこの惨状を終わらせる一撃。

 

 

「………行っけーー」

 

 

桃色の光が海鳴の空を駆ける、駆ける、

 

 

「リリカル、マジカル、 ジュエルシード…………シリアルⅩ 封印!」

 

 

『Selling』

 

 

「ふう…レイジングハート、ありがとう。」

 

 

゛僕にも使えない遠隔魔法を!なのはの魔法の才能は成長している、

僕の予想をはるかに越えるスピードで!ジュエルシードを全て封印した時

なのははどれ程の魔導師になるんだ?゛

 

 

なのはの使用した遠隔魔法により、なのはの魔法の才能に戦慄していたユーノだが

なのはが発した言葉で我にかえる。

 

 

「いろんな人に迷惑をかけちゃった」

 

 

「そんななのはは、頑張った、ちゃんとやってくれたんだ!

だからなのは、悲しい顔をしないで元はと言えば

僕が原因でなのはは、何にもできない僕の代わりに

ジュエルシードの封印っていう危険なことを」

 

 

「ありがとう、ユーノくんでも私、わかってなかったジュエルシードは

ほっといたら大変なことになるって、だからもう一度、決めた。

ジュエルシードを、全部封印する!」

 

 

「……わかった、なら僕もなのはのサポートをもっと頑張るよ!」

 

 

「うん、あらためてよろしくユーノくん」

 

「こちらこそ、なのは。」

 

 

 

ここに幼き魔導師は、ジュエルシードの封印を胸に誓うのだった。

 

 

 

 

 

 

「まさかこんなことになるなんて、想像を越えてたよ…

これは本腰をいれて処理をしないと」

 

 

そして魔法使いはジュエルシードの危険性を

再確認し、ジュエルシード争奪戦に関わっていく。

 

 

 

 

 

そして月村家のほうでは、ある作戦を始めようとしていた。

 

 

「お姉ちゃん、お願い仄くんを信じてあげて!」

 

 

「すずか、聞き分けのないことを、言わないで

彼が特別な力の持ち主ということはわかっていたけど

今日の一件で彼は危険とわかった。急ぎ対処しないと。」

 

 

「仄くんは私達を助けてくれたんだよ。それなのに。」

 

 

「もしかしたら彼は龍と関わりがあるかもしれない。

氷室さんを逃がしたというのは彼がヤツラと繋がってる可能性を否定しきれない」

 

 

「…………わかった、今度仄くんをうちに招待する。

その時に仄くんが危険かどうか確かめればいいよね

…………でも、お姉ちゃん氷室叔父さんは、この街に入れば

えっーと そうマダガスカルガエルになっちゃうんだよ」

 

 

「それが何処まで本当なのか、把握できればいいんだけど、

わかったわ、すずかの友達だものそれに夜の一族のことが、

知られてるし、彼が信用できる人だったら契約を交わして

それでひとまず手を打ちましょうか。」

 

 

「お姉ちゃん ありがとう!仄くんは必ず連れてくるねーー」

 

 

バタン 忍の書斎から、すずかが出ると、

 

 

「忍様 本当に多華宮 仄を信じるのですか」

 

 

「ふうー ノエルは誤魔化せないか、そうね

今は彼が危険か判断しきれない、龍のメンバーに

夜の一族の氷室さん、小学3年が、それを全員相手にして

すずか達を助けたのよ。彼は十中八九

HGS(高機能性遺伝子障害)だと思うの。」

 

 

「しかしあの箒に乗っていたのは」

 

 

「それは彼の言ってた趣味ってヤツじゃない?

どのみち彼のような危険要素は海鳴にいてもらっては困る。

すずかのためにも、恭也たちのためにも彼がうちに来た時は

暗示をかけてこの街から出ていってもらう。」

 

 

「すずか様は悲しむでしょうか」

 

 

「まあ悲しむでしょうね、でも裏切られて傷つくより

よっぽどいい終わりじゃないかしら

……………すずかには、このこと言わないでね、嫌われたくないから」

 

 

「そこは嫌われる覚悟を決めないのですか」

 

 

「だってーー昔からすずかは、本当に可愛かったのよ

ずっと仲がよくて、もしすずかに『お姉ちゃん 大嫌い!』

なんてこと言われでもしたら、立ち直れないわよ!」

 

 

「はぁぁ、了解しました」

 

 

シスコン気味の主に頭を痛めながらもすずか、忍のために

多華宮 仄を倒すことを決めたノエルだった。

 

 

 

 

さて一方でこんな事態になっているのを、魔法使いは知らない。

それは幸か不幸かわからないが、海鳴で起きる様々な事件、

事態はあちこちで進展する様相を見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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