ダイの大冒険コミックス9巻から12巻を読んだ後に読むことを、お勧めします。
クロコダインは最初から合流している設定。
一部TS。
「おお‼これがあの伝説の『バランの書』」
ここは迷路のように入り組み、最早ダンジョンと化したパプニカ王国宝物庫最奥。
宝物庫最奥にある封印されし宝物と呼ばれるうちの一つ、竜騎士バランが書き残せし『バランの書』を手に取り、パプニカ3賢者が一人大賢者アポロンと呼ばれる者が高らかにバランの書を掲げた。
そしてアポロンはパラパラと書をめくり「ふぅむ、やはり読めぬか」と、呟いた。
もはや伝説の竜騎士バランが存在したのは約1000年前。
時代と共に言語が文字が変わっていき、その書には最早時代と共に廃れし『最古パプニカ語』で書いてあった。
アポロンは大切にバランの書を抱え何故これが『禁書』に指定され、何故発見されては封印されるのかを解き明かすべく宝物庫最奥を後にするのであった。
この物語は、封印されし書物『バランの書』に書き記された物語・・・
それは、突然の再会であった。
ナバラとメルルと言う占い師に連れられてベンガーナ王国に来たダイ達の前にバランが現れたのだった。
「バッバラン!!」
その姿を見たクロコダインが思わず声を上げる。
「知ってるのかおっさん」
驚き戸惑っているクロコダインに身構えたポップが尋ねる。
「うっうむ。奴は『魔王軍超竜軍団軍団長バラン』だ・・・だが何故やつがここに」
「何言ってんだ、魔王軍ってことは俺たちが狙いだろ?」
「う~む、そうだとは思うのだが・・・」
「?」
身構えもせず、何故か歯切れの悪いクロコダインにダイ・ポップ・レオン・メルル・ナバラは首をかしげる。
戸惑いながらお互い見つめあう一同、その時
「ディー・・・」
若干俯いたバランが少し震えながら何かを発した。
「?」
微かに風に乗って来る言葉にダイ達一同はますます困惑していく。
バランが顔を上げたその瞬間
「ディーーーナァァァァーーーー!!!」
バランが奇声を発しながら両手を広げダイに向かって走っていく!!
ダイは咄嗟に動けずそのままバランに抱きしめられた。
「ディーナ、ディーナ!こんなに大きくなって!!パパだよ私がディーナのパパだよ!!」
「え?」
ダイはそのままバランの腕の中に納まり茫然と声を上げた。
「ディーナ!ディーナ!!」とダイを抱きしめたままおいおいと泣き出すバランを前に茫然とする一同の中困惑の最中クロコダインが言葉を発する。
「ディーナ?ディーナとはあの?」
「知ってるのかおっさん!?」
一同が、状況が分からず混乱しバランの頭を押しながら「離れろ、離れろって!!」と言っているダイさえもがクロコダインに注目する。
「ああ、バランは俺が魔王軍に入る前からいるんだが、軍団長と呼ぶのは大魔王バーンのみだった。何故なら奴にはもう一つの名があったからだ」
一同が神妙に話すクロコダインに緊張しながら「ディーナーディーナー」・・・緊張しながら聞く。
「その名は、
『酔いどれのバラン』
「「「「は?」」」」
その、あまりにもありえない二つ名に一同が茫然とする中クロコダインは続けた。
「奴は軍団長の肩書を持つにもかかわらず基本的には何もしないんだ、唯一するのは唯酒を飲むだけだった。毎日のように酒を飲み、あまつさえ呼び出しが来ても無視し決まって最後には酔いつぶれることから来た二つ名だ」
「「「「・・・・・」」」」
「そして酔うと必ず口にする者の名がディーナ」
「「「「・・・・・」」」」
「以前ザボエラが『酔いどれの、ディーナとは何者か?』と尋ねたことがあったが酔っていないにもかかわらず泣き崩れたことがあったため、それ以降誰も聞きはしなかったが・・・」
「あ・ああ、そういやぁダイの奴はデルムリンに流れ着いてブラスじいさんに拾われたんだっけか?」
「つ・つまり何かいポップ。あのバランってやつがダイ君の父親?」
「あ・ああ。まあ、そう言う事なんじゃあないんすかねぇ?レオン王子?」
困惑する中、何とか言葉を出す魔法使いポップとパプニカ王国レオン王子。
そして未だに「ディーナーディーナー」と泣き縋るバランと「離れろ、離れろよ!!」と離そうとするダイ。
その光景を見ながら
「まあ、何にせよまずはダイからバランの奴を引きはがし、落ち着かせてから話を聞かねば何もわからんな」
頭お抱えそう言ったクロコダインに一同は唯々頷くだけだった。
山小屋の中、小一時間ほど経ち目と鼻を真っ赤にしてようやく落ち着いたバランが、ポツリポツリとダイと自分の関係を話し出した。
15年前魔王ハドラーが地上を征服しようとしていた頃、自分は魔界にて冥龍王ヴェルザーを倒していた事。
地上に戻り体を癒す泉にて倒れ伏していた時にアルキード王国のソアラ王女に救われた事。
ソアラの父、アルキード王国国王にも認められソアラ王女と結婚した事。
ダイことディーナが生まれた事。
そして、自分は次期国王として学ぶ事がたくさんあったため行かなかったが、アルキード王国国王ソアラ王女ダイが船で旅行に行ったこと。
数週間後船が沈んだ事を聞いた事。
他の者は全員浜に無残な姿で海から揚げられたが、ディーナだけが海から上がらなかった事。
家臣どころか国中の者が死んだと諦めたが自分は諦めきれず世界中を探し回り、最後には酒におぼれた生活が待っていた事。
話を聞いたダイがバランに尋ねる。
「でも、どうして魔王軍なんかに・・・」
「ああ、『もし生きているのならば竜騎士として何らかの行動を起こす可能性があるんじゃないか?』とな。更には『何かが起こった時に魔王軍にいればすぐに情報が入って来るぞ』と言われ、気が付いときには・・・」
「「「「・・・・」」」」
普通に考えて世界を征服する魔王軍に入った理由にしてはとんでもない理由に絶句する一同。
「ま、まあ何にせよ生き別れた親子の対面だ。しばらく二人でゆっくりと話すがいいだろう」
そう言い立ち上がるクロコダイン。
「ちょっと、おっさん」
ポップは二人きりにするのは危険だと思いクロコダインを止めようとしたが、
「バランがあの様子ならば二人きりにしても問題はないだろう」
そう言われ、バランの泣き顔を思い出し頷くことしかできなかったため、小屋から出ていった一同。
だがこの選択は間違いであった。
最初二人きりになったダイとバラン。
そのまま少しづつ少しづつお互いに話し出していた。
バランがダイの母親がどうだったかを話し、ダイが育ったデルムリン島のことを話した。
1時間ほどした時だろう。
突如小屋の扉が開き無表情のバランと困惑したダイが出てきた。
レオンが少し戸惑いながらバランに対し「どうでしたか?久しぶりの対面は」と言ったが
バランは無表情のままだった。
そして、
「レオン君とポップ君だったかな?・・・」
「え?はい。私がレオンで」
「俺がポップっすけど・・・」
「そうか、君たちが・・・いや貴様らが俺の可愛い『娘』の裸を見たのか!!!!!」
「「!!??」」
そう、ダイは女の子だったのだ。
基本動物の性別を人間が見分けられないのと同じく、モンスターであったブラスは赤ん坊が女の子だとは気が付かず男として育てていたのだ。
そして、パプニカ王国レオン王子と会い、一緒に風呂に入った事で女だと判明し、魔法使いポップにあった時も男の様な振る舞いをしていた為、男だと思われ一緒に風呂に入ってしまっていたのだった。
そして、それをダイは特に何も思うところはなく娘を溺愛する『父親』バランに話した結果・・・
「貴様ら!!!殺す!!!!!!」
「「うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーー!!??」」
そこからはまさに竜の騎士と言うに相応しい暴れっぷりだった。
ギガデインを各種極大呪文を雨のごとく放つバランが二人を追い回した。
「「まってくれー!話せばわかる!!話せばわかるから!!!」」
「わかるか!貴様らーーーーーーーー!!!」
二人が何を言っても正しく逆効果。
バランの怒りのボルテージは上がりに上がり続け、ついには・・・
「これが、この姿こそが、竜と魔族と人の力を併せ持つ、最終戦闘形態(マックスバトルフォーム)竜魔人だ!!この姿になっかからには最早逃がさぬぞ!!!!!」
「「アンギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!??」」
閃光の逃げ足を持つレオン、俊足の逃げ足をもつポップが更なる猛攻を前に徐々に追い詰められていく!!
唖然と見ていたクロコダイルはあたりの地形がこの世の終わりと化していく中、流石にまずいと思うが、今バランの前に出れば一瞬でチリと化すのは火を見るより明らか。
誇りある武人として味方の盾と言うならともかく、こんなアホみたいな理由で命を懸けるのはちょっと・・・
そう思ったクロコダイルはダイにバランを呼ぶよう言うが、バランが起こし続ける轟音の前にダイに声など一切届かない。
だが、ダイも仲間の大切な者の危機の中懸命に声を張り上げていく。
「父さん!父さーーーん!まってやめて!!」
しかし!声はバランに届かない!!
バランのギガブレイクが後ろに下がったポップの前髪を切り落とす。
「お父さん!お父さーーーん!止まってまって!!」
しかし!声はバランに届かない!!
バランのドルオーラが慌てて切り返したレオンのマントを消滅させる。
「パパ!パパーーー!止めて止まって!!」
その瞬間奇跡が起きた!!
「今パパと呼んだかい!?」
正しく電光石火の速さでダイの前に降り立つバラン。
「ぜーはー、そ・そうだよパパ止めて止まって」
「おお!」
バランは夢にまで見た『パパ』と娘から呼ばれたことにより感激し、漸く止まった・・・が
「ポップは大切な仲間なんだ!それにレオンは・・・大切な恋人なんだ!!」
その瞬間あたりの空気が絶対零度と化す。
「・・・ほう」
ゆっくりと、ゆっくりと顔が般若と化した竜魔人バランが背後のレオンに顔を向ける。
この瞬間レオンは自分が『死んだ』と確信した・・・が再度奇跡は起きる。
「レオンを傷つけたら・・・パパのこと嫌いになるよ!!」
レオンに向けて一歩踏み出した瞬間のバランが思わず固まる。
「なん・だと・・・」
バランの中で二つの思いがせめぎ合う。
愛娘ダイことディーナに嫌われたくない思いと、愛娘ダイことディーナに近寄る糞虫を消し去りたいと言う思いが。
「どうすれば、どうすれば・・・」
そう言いながら頭お抱えたバラン。
皆が恐る恐る見ている中、
「ディーナ少し待っててくれるか?心の整理をつけてくる」
そういうや否や猛スピードで空を行くバラン。
地上では二名が「「助かった」」と言いながらへたり込んでいた。
親バカと言えば娘!!
もしくは、他の生物の性別なんて専門家でもわからないのに、爬虫類と哺乳類以上に離れているだろうモンスターと人類。
用は「鬼面道士が人間の裸体をじっくり見たことあるなんて何か嫌」っという理由で書きました。