何を以て善と為し、何を以て悪と為すのか 作:Noah/Deal
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終焉、その残り香
………ふと気が付くと、そこは「空間」だった。
唐突な目覚めに対応できず、薄れた意識に広がる思考はノイズ混じりの雑音の如く定まらない。
上下前後左右、どこを眺めてもただ無機質な空間だけが広がっており。
白くぼやけた視界を自らに向けると、そこには
見慣れた筈のその姿に違和感を感じつつも、ようやく定まった思考に広がるのは疑問。
―――はて、何時の間にこのような場所に迷い込んだやら
それは、このような場所で覚醒した人間ならば抱くはずも無い疑問。
普通であれば、突然の事態に慌てふためくか、良くてもこの場所に対する疑問が浮かぶであろう。
だが、違った。
脳裏に浮かんだその疑問は、特に意識したものではなく――
完全な
その思考に違和感を感じない己に、違和感を感じる。
果たして
それを考える為、深く、深く自身の内面に沈み込んで行き―――
………その、刹那。
―突然の思考の奔流。スパークするノイズが奔る己が崩れていく。
まるで
――微かに残された残滓が、その行為により掻き消える。
今残っている
―――脳内に反響するナニカの声を最後に。
駄目だ駄目だもう時間が無い間に合わないならば最後に―――
――――「己」の意識は、立ち消えた。
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