何を以て善と為し、何を以て悪と為すのか 作:Noah/Deal
――本来持ちえぬ"0"は、"1"を侵し、その中に容易く入り込む。
――"1"に取って、それは"害"以外の何にも成り得ないだろう。
――だが、"0"もれっきとした■■であったのだ、その生存本能を誰が否定出来ようか?
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「……ぅ、ぁ――れ、僕、は」
瞼を焼く暖かい光を受け、僕は目を覚ました。
ゴツゴツとした感触が背中越しに伝わってくる。ささやかな違和感。
何故だか気だるい体を起こすと、足元に転がっていたのは――
「あれ、これって……、ジュエルシード?」
そう、一期において最重要アイテムであるジュエルシード、その内の一つ。
それを視界に納めた僕の脳裏に、昨日の光景がフラッシュバックし――
「――そうだ、フェイトは!? あれから僕は……?」
――そうだ、昨日
もう一度足元を見つめる。何度見ても、そこには確かにジュエルシードが存在していた。
……と、いうことは。僕の他に
――それも、恐らく転生者の。
「……これは情けってこと、かな。舐められてるな僕は……」
恐らく、その介入者はフェイトの持つジュエルシードを回収し、そのついでとばかりに僕に情けを与えたのだろう。
その行動、その思考――、"介入者"が管理局側か高町家側かは知らないけれど、何故か吐き気がする。
――だが、昨日まで僕を蝕んでいた"衝動"は、不思議と消え去っていた。故に感じるのは嫌悪感だけ……。
「……馬鹿みたいだな、僕って」
昨日までアレだけ苦しんできた衝動はもはや一寸も感じない。
あるのはただ、謎の"介入者"に対しての嫌悪感と、それに起因する"殺意"。
――あれ、今、僕は"介入者"に殺意なんて……
――■ k ■ u a ■ ■v ■ ――
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――迸るノイズ。脳ミソがぐちゃぐちゃに掻き回されるような、そんな感覚に――
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―― ■ v■ ■ a u ■ k ■――
あれ、なんで僕はそんな
――"物語"を壊すような"介入者"なんて、殺したっていいじゃないか。
そうだ、コレは
――壊して、しまおう
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――放課後。
ランドセルを背負い、帰宅していく小学生の波。
俺は、いつもの通りに仲良し三人娘と歓談しながらその波に飲まれていた。
――その時、だった。
""なのは!!龍斗!! ジュエルシードが……っ!!""
念話で直接語りかけてきたのは、いんじゅ……ゴホン、我らが先生、ユーノ・スクライア氏だ。
幾らフェレットの姿とはいえ、原作でのあの行為……、実 に け し か ら ん。
だが今回の俺は格が違った。ユーノに陰険な態度を取って、なのはの好感度を下げる訳にはいかないからな。
話を聞くと、どうやら学校近くの路地裏にその反応があるらしい。
発動前に発見できた事は幸いだが、これじゃあ俺TUEEEEEができねぇじゃねぇか!!
……コホン、まぁいい。鮮やかな封印で、なのはをここで落としてやんよ!
「……ユーノ、この辺りだよな? よし、いくぞ」
「うん、龍斗くん!! 頑張ろう、レイジングハートっ」
《yes, master》
おうおう、なのはも張り切っちゃって。
ユーノの案内で辿り着いた路地裏。
念のため俺も探査を掛けてみたが、暴走はしていないようなので一安心と言ったところか。
一同は俺を戦闘に、ゆっくりと足を進める。
手には俺の専用デバイス"ナイチンゲール"が、その紅い機体をこれでもかと主張している。
片手杖ではあるが、変形機構によって両手剣に姿を変える事も可能だ。
……やがて、路地裏の奥に見覚えの有る姿が浮かんだ。
――ってあれは、あの時の負け犬……っ!!
よくよく見れば、その手には禍々しい意匠を施した長槍が握られていた。
……まずい、なのはには"転生者"相手はちとキツイな。しゃあねぇ!!
「モードリリース、デュアル――バーストッ!!」
《roger, BURST system apply》
――先手必勝。負け犬如きに負けるわけは無いが念のためだ。双剣を構えた俺は、真っ直ぐに奴へと向かっていった……
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