他に何も思いつかないからこうなっていますが、変えたほうがいいのであれば変えたいと思います。
神裂たちがボトルメールを海に流してから数日が経っていた。
ヲ級は今、仲間たちが艦娘との交戦に備えて準備をしているなか、体調が優れないことを理由に抜け出し、海中を移動していた。
(今日は返事が来ているだろうか・・・。いや、高望みはするな。来ていない確率の方が高いんだから。)
相反する思いを抱えつつ、海中を移動するヲ級が海面を見上げてみると、自分が送ったものと同一のボトルが海中を漂っているのを発見した。
(あれは・・・いや、今回も私が流したものだろう。同じことは何度もあったし、私が送っていないものかと思ったらただのゴミだったこともあったんだ。)
心の中ではそう思いつつも、一縷の望みに賭け、ヲ級はボトルのそばまで行き、ボトルを回収していた。
(ただ確認するだけだ。もしかしたら、もしかしたら返事が来ているかもしれない。)
そのままあの孤島まで行き、陸に上がると、ヲ級は抱えていたボトルを置き、栓を抜いた。
(・・・紙の質が違う・・・?いや、まさかな。)
中に入っていた紙を見てみると、
「憎しみは、多分君が思っている以上の力がある。憎い相手の前では、予想もしていないほどの力が出るものだ。だから、一人でなんとかしようとするな。君の想いは、とても尊いものだ。だが巻き添えを食って君が巻き込まれるのは、忍びない。それでも何とかしたいのであれば、相手に寄り添うことが大切だと思う。憎しみの原因が分からなければ、対処の使用が無いんだ。」
「私は、あなたがとても優しい人だということが分かりました。きっと、どうすればいいのかも分からなくて、それでも放っておきたくなくて、でも頼れる人もいなかったのかな、と思ったのです。憎しみに囚われている人を見るのは、私も悲しいから、気持ちはよく分かるのです。でも、負けないでほしいのです。あなたのその気持ちは、とてもすばらしいものなのです。」
「私は憎しみや苦しみに囚われている人を助けるなら、その人の悲しみを、痛みを、分かち合う必要があると思うわ。その人の辛さを分かっていない人が何かを憎むな、なんて言っても、何の説得力もない。だからこそ、その人の立場になって考える必要があると思うの」
といった内容のことが書かれていた。字を読む作業に慣れていないヲ級は文章を最後まで読むことに少し時間はかかったが、紛れもない自分の手紙への返答が来たことに驚き、気がつけば涙が溢れて止まらなくなっていた。
「・・・私ノ気持チハ、誰カニ届イタノカ・・・。ウッ、ウァァァア・・・!!」
涙に塗れた目で、たった一枚の紙を何度も、何度も読み返す。初めてだった。深海棲艦である自分が、こんなに暖かい言葉をかけてもらったことは今までなかった。自分はどこへ行っても、「化物」と呼ばれておびえた目で見られるのが普通だった。だからこそ。だからこそ、手紙に書いてある文字の暖かさに、ヲ級は涙を流した。返事が来ることなんて期待していなかった。ただ、現状を変えたくて。でも、方法が分からなくて。
そんな思いを抱えた少女は、わずかな望みに賭け、ボトルメールという方法を取った。自分が人とつながりを持とうとすれば、自分が傷つくだけ。だから、こんな来るかどうかも分からない返事を待つしかなかった。
(深海棲艦たちの憎しみに寄り添う、か。私にできるかな。)
少女は、手紙を見つめてそう思った。だが、不思議とできる気がした。
「・・・明日カラ、忙シクナルナ」
ヲ級はボトルに手紙を詰め直し、海へと帰っていった。まずは自分の部下から、少しずつ憎しみを減らしていこうと決心しながら。
神裂とヲ級が中々接触しませんね・・・。