暫くといっても一ヶ月か二ヶ月かは作者にもわかっていないあるさま!
というわけでおもえらには早く書くためのパワーを作者に注ぎ込んでほしいんだが?
間桐雁夜は臓硯により変化させられた身体を酷使して、間桐家に急いで向かっていた。
己の身体に起こった変化。それを確かめるためだ。
魔術的な素養は兄よりは優れていた。
だが、自分自身間桐の魔術を嫌悪することもあり、家を出奔しフリーのルポライターとして生計を立てていた。
この聖杯戦争が始まる一年前。
想いを寄せていた女性と久しぶりに会い、そこで彼女の子供の一人が間桐に養子に出されたことを知った。
自分が出奔してしまったせいで彼女の子供が身代わりとなってしまったのだ。
僕はそれを知り、間桐の家に戻る決意を固めた。
間桐の悍ましい魔術から桜ちゃんを救うために。
そのために実質間桐の当主である間桐臓硯と交渉し、自らが聖杯戦争で勝利することを条件に桜ちゃんの解放を確約させた。
俺はマスターとなるために嫌悪していた間桐の魔術に手を染めた。
刻印蟲で魔力回路を補強し、翅刃蟲の大群使役を出来るようになった。
尤も大群使役をすると刻印蟲が身体の中で過剰に反応し、文字通り血を吐く想いでやっているわけだが。
その刻印蟲の反応がなくなり、翅刃蟲が使えなくなったのだ。
考えられることとしては、臓硯が自分を見限ったということ。
この聖杯戦争で勝ち残ることができないと早々に判断して蟲を使えなくさせたということ。
あとは低い確率だと思うが、臓硯の身に何かが起きたということ。
自分が使役する蟲も元はと言えば臓硯の物だ。自分は間借りしているにすぎない。
その臓硯の身に何かあったら、蟲も機能を失うのではないか?
ふとそんな考えが頭を過ぎったが、まずあり得ないと捨て置いた。
そんなことを考えていたらいつの間にやら間桐家に着いていた。
そしてまず向かったのは蟲蔵。
別にそこに臓硯がいるという確証は無かったのだが、自然に足は蟲蔵へと進んでいた。
蟲蔵の扉の前に着き、恐る恐る扉を開く。
そこで見たのは間桐桜が蟲に犯されている酷い光景ではなくーーーー
「王手です、ブロントさん」
「ちょ、ちょと待つべき。死にたくないならそうすべき」
「何回待ったと思ってるんですか。そもそも金銀飛車角抜きで尚小1に負けるナイトとか聞いたことないので抜けますね^^;」
「こ、この将棋は早くも終了ですね」
見たことのない長身の男と自分の姪が将棋をしている一見長閑な風景だった。
盛大にこけた。
「何いきなりこけているわけ?事前にこけるとわかっていれば対処も出来ますがわからない場合手の打ち様が遅れるんですわ?お?」
「いやいやいやいや、お前は誰だよ⁉︎」
「俺が誰とか言っている時点で相手にならないことは証明されたなだが俺は優しいから教えてやる他の奴らにも伝えるべき。俺はブロント、謙虚だからさん付けでいいぞ」
「はあ?ブロント?いや名前だけ教えられても困る……」
「さんを付けなさいデコ助野郎!」
「桜ちゃん⁉︎その口の利き方どうしたのっていうか、すっごい元気になったね⁉︎」
一体全体何が起こったと言うのだ。
まあ今は気にしないでおこう。
取り敢えずここに来た目的を果たそうと俺は蟲蔵から出ようとする。
「おいィ……。名前名乗らないで出て行くとかお前絶対忍者だろ……。汚いなさすが忍者きたない」
「あ、ああ。それは済まなかった。俺の名前は間桐雁夜。桜ちゃんの義理の叔父だよ」
「で、何をしにここに来たわけ?名倉の様子を見に来たのなら何も心配することはにいぞ。ナイトが護っているのだからな」
「いや、それもあるにはあるけど……俺は臓硯に用があって来たんだ」
「双剣?それならもう死んだぞ」
「えっ」
「俺が殺した」
「……マジで?」
「マジで」
俺は耳を疑った。
あの臓硯が死ぬだなんて万に一つもあり得ないと思っていたからだ。
だが死んだと言う。
目の前の男が殺したと言う。
嘘の可能性もある。だけど俺にはブロント「さんを付けなさいデコ助野郎!」……さんと名乗った男が嘘を吐いているようには思えない。
いや、例え嘘を吐いたとしてもすぐにバレる嘘しか吐けないように思える。
なんでこう思ったかは定かではないけども。
「だから急に魔術が使えなくなったのか……。ありがとう、それだけ聞けたら十分だ」
俺は必要な情報を手に入れたから蟲蔵から出ようとする。
しかしそこをブロントさんに止められた。
「ちょと待つべき。お前なんで桜の様子見に来たわけ?お前らは桜に酷いことしてたじゃにいのかよ」
「それは違う!俺に原因の一端がない、と言ったら嘘になるが俺自身は桜ちゃんにそんなことはしていない!」
「じゃあお前は桜を助けようとしていたということでFA?」
「その通りだ」
「そうか、ならよーーーー」
ブロントさんはここで一拍間を置いた。
「ーーーーなんですぐにでもここから桜を連れ出さなかったわけ?」
「ーーーー……え?」
俺はブロントさんから発された言葉に一瞬惚けてしまった。
何故すぐにこの家から連れ出さなかったって、そんなのーーーー。
「俺が知る限り桜は少なくとも1年以上芋にのりこめー^^されてたんですがねぇ……?お前その間黙ってそれを見てたわけ?」
「ち、違う!俺もその事実を知ったのは1年前だ!だから、桜ちゃんを解放しようと臓硯と交渉して、聖杯戦争で勝利すれば解放すると約束させてーーーー」
「だからなんで知ってすぐに行動しなかっただよ。月極お前は1年も桜を放置プレイしていたじゃにいか。お前奨学生のメンタルの強さがそこまで強いと思っていたのかよ。実際強かったんだが」
「そ、れは……」
言い返せない。
如何に言葉を言い繕っても、自分がそうしていたと言うのは紛れもない事実だった。
「そ、そうだ。臓硯、臓硯がいたから俺は迂闊に動けなかったんだ。奴が生きている中でそんな行動をしたら、桜ちゃんの身の安全がーーーー」
「けど今のおもえはマスターなんだろう?サーヴァントを手に入れた瞬間不意打ちをすればよかったのではないかな?まあ一般論でね?」
「なっ、どうしてそれを⁉︎」
「そるは俺もサーヴァントという実績があるからなのだよ。だからお前の右手にある令呪を見て「あ、こいつマスターだな……」とわかった感」
しまった、油断していた。
そもそも何故こんなところにいるのかを疑問に思うべきだったのだ。
ブロントさんの珍妙な口調と桜ちゃんが元気になったことでそんな些事は頭の隅に追いやられていた。
ブロントさんは自分のことをサーヴァントと言った。
だが自分はマスターだ。
サーヴァントならばマスターである自分が見ればある程度のステータスがわかる。
が、そのステータスが一切見えなかった。
恐らくは情報隠蔽系のスキルか宝具が発動しているのだろう。
それに見た目もそれとわからない一因となっていた。
ブロントさんは黒い作務衣を着ていたため、褐色であることとか耳が尖っているとか日本人にしてはあり得ない長身だとかは置いといて普通の人間に見えていた。……うん、なんで気にしてなかったんだろう、俺。
「そるにだ。聖杯戦争に参加するってことは桜の父親を殺すのとほぼ同義なんだが?桜にはリアル姉がいるらしいがお前そいつから父親を奪う気ですか?」
「だ、黙れ……」
「お前は確かに桜のことがキッカケで精米戦争に参加したのかもしれないが今は目的すらも変わっているあるさま!これが証拠ログ」
Buront>こんにちわKariyaさん
Kariya>何かようかな?
Buront>桜を助ける気はありますか?
Kariya>ある
Buront>そうですかありがとう。さっき部屋から出ようとしたのすごいですね
Kariya>それほどでもない
「やはり変わっていた!しかも部屋を出ようとしたのに謙虚にもそれほどでもないと言った!」
「黙れ」
「目的が変わった奴の助けなんか【せっかくだけど遠慮します】」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇ!」
「■■■■■■■■■!」
俺の叫びに呼応してバーサーカーが姿を現し、ブロントさんを攻撃しにいった。
「なんだ急に牙抜いてきた>あんこくw。全く、口で勝てないとわかったら実力行使ですか。そんなだから私に最期「馬鹿な人……」とか言われるんですよ。まあでもなんか黒い霧なのか靄なのか知りませんが出してるからと言ってブロントさんが勝ちますからね、まあ見てなw」
私はブロントさんに絶対の信頼を寄せているため、ブロントさんが勝つことは確定的に明らかな事実と認識していた。
駄菓子菓子……
「ブロントさんが……押されている……だと……⁉︎」
あんこくwの最初の攻撃を見事なバックステッポで回避したブロントさんがお返しとばかりにメガトンパンチをおごろうとするとそれを手の甲で打ち払い、右足をコメカミに向けて振り抜きそれをブロントさんが左腕で受けてあまりの威力にちょと僅かばかり飛ばされてしまった。
「バんサーカーが武術使えるのはずるい。バーサーカーの凶化されたステータスに武術が組み合わさることで最強に見えるがやめてもらえませんかねぇ……?」
さしものブロントさんもあのあんこくwには手を焼いているようだ。
それでもブロントさんなら……我々のブロントさんならなんとかしてくれる……!
「■■■■■■■■■■■!」
ブロントさんの事情など知ったことではないとばかりにまた凸撃するあんこくw。
それに対しブロントさんもまた勇猛果敢に立ち向かっていく。
二つの重戦車がぶつかり、その場で鬩ぎ合う。
「おいィィィィィィィィィ!」
「■■■■■■■■■■!」
お互いに咆哮を上げて、ガッシリと手を組み合って押し合う。
だがやはりブロントさんがジリープアーだ。
単純な筋力ではブロントさんが若干負けているらしい。
「ブロントさん!」
「心配するんじゃにい、桜!俺はリアルではモンクタイプで武器を持たなくても素手で怪力だから強い!」
ブロントさんがそう叫ぶと同時に押されていたはずのブロントさんが逆に押し返す。
その勢いも徐々に増していき、遂には壁に叩きつける。
「■■■ーーーー!」
「追撃のダークパワー!」
ブロントさんは叩きつけるやいなや、黒い爆発的に何かをあんこくwにぶつける。
あんこくwはそれをモロに受けてなんでなのは知らないが頭をブンブン振っていた。
「ダークパワーはナイトが持つと光と闇が備わり最強に見えるが、逆に暗黒が持つと頭がおかしくなって死ぬ」
なるほど、あんこくwの頭がおかしくなってるからあんなに激しくシェイクしてたのか。
そうしているうちにあんこくwが纏っていた黒い霧が腫れていき、よくわからなかった全貌がわかった。
傷だらけの黒い甲冑。
ブロントさんと対をなしそうな感じの見た目だった。
だがブロントさんはそれに反応した。
「おいィ……まさか、サー・ランスロット……?」
俺はアニメしか見てないからよ。
叔父さんがヒーローに見えてたんですわ、お?
けと叔父さんの妄想シーンでおいィ?となった感。
桜が叔父さんに「バカな人」って言ったから俺は
「叔父さんの努力を認める気はないのか;」と聞くと
「おいィ?あなたたちは今の言葉が聞こえましたか?」
「聞こえない」
「何か言ったの?」
「儂のログにはなにもないな」
と言われたので
「認めてくだしあ;;」と言ってしまった。
そんなだから叔父さんがただの人妻スキーと知った時には目ん玉がひゅんひゅん飛んだ。
じゃあ闇系の書き溜めがあるからこれで。