姉さん救出から数日後。
原作における何日目かもうわからなくなってきた頃(作者)
今日も今日とて魔術の修行に励んでいます。
「威力が強くなるごとに詠唱時間も長くなるって面倒ですね。無詠唱で撃てないんですか?これ」
「俺は無詠唱で撃てる奴を一人ぐらいしか知らないな。けどその一人はれ伊賀いちゅウの例外だから気にすることはにい」
「例外ってどの程度の?」
「古代魔法……魔法といってもこっちの魔術みたいなもんだがよそれを無詠唱且つ連続で相手にぶちまける奴だ。「」確かにタルタルという黒魔に向いている種族ではありますがそれでもおかしいのは確定的に明らか」
うわ、なんだその人。
無詠唱且つ連続ってことはつまり、私で言えばウォータ→バイオまでの繋ぎがほぼゼロってことですよね?
それを連続で?
……凄いお方だ。
「それに世界から別SEGAいへ行ける奴でもある。仮にせいは伊勢んそうに呼ばれるとしたらキャスターだろうな。最弱最弱呼ばれてますがそいつが呼ばれたら他のサーヴァントは裏世界でひっそりと幕を閉じてそのまま骨になる」
ブロントさんにここまで言わせるってことはブロントさんでも敵わないのかな?
「まあ練習あるのみだぬ……ん?」
ブロントさんが私の頭をポンポンと叩くと、怪訝そうなか鬼なる。
「ブロントさん」
「何かようかな?」
「何かあったのですか?」
「こっちの方向で何かが出た希ガス。こっちの方向に何かあるわけ?」
「何かってそんな漠然と言われましても……川がありますね。末遠川って名前の川が」
「そうですかありがとう。地理すごいですね」
「それほどでもありません」
一頻り茶番を済ませたところで叔父さんらも蟲蔵に入ってくる。
いやーしかしもうすっかり蟲蔵が私達のシマになってますね。
それなりに広いからっていうのが理由でしょうけどね。
「ブロント。今のを感じたか?」
「感じた」
「巨大な魔力反応だ。サーヴァントの誰かが何か大きいことをやらかしたのかもしれない」
「おいィ?「」確かに今は夜ですが深夜ではないという事実。まだそれなりに人はいるでしょう?しんpino秘匿はどうしただよ」
「……もしかしたら、そういうのに疎いサーヴァントとマスターのコンビがこの聖杯戦争にいたのかもしれん。確認すべきだと思うがどうだ?」
「どちかというと大賛成だな。口で説明するくらいなら俺は向かうだろうな。俺100m走で9秒出すし」
「ではお前はあのチョコボという鳥で先行しておいてくれ。此方は後を追おう」
「おk把握」
こうして私達は末遠川の方向で感じ取った反応を調べるために向かったのでした。
「クソッ、何なのだコレは⁉︎」
私、セイバーはキャスターが召喚した大海魔を相手取っている。
だが斬れども斬れども即座に再生されて、キャスターの姿を一向に拝む事が出来ないでいた。
ランサーの宝具があれば宝具を破壊する事が可能らしいが、こうも再生されては意味が無いというものだ。
……私の宝具ならば、あの大海魔ごと一撃の元葬ることが出来るだろうが、現状それは不可能であった。
ランサーに付けられた傷。それは決して癒えぬ傷。
この傷が癒えぬ限り、私が宝具を使えることはない。
だが戦場でついた傷は戦士の誇りと私は考えていた。
故に、ランサーには、ましてやライダーにもそのことを言わずこうして戦っているというわけだ。
しかし、このままでは只々ジリ貧になっていくのは目に見える事実。
何か現状を打開する手段をーーーー。
その時、何かが此方にやってくる。
今が夜なのでよくはわからなかったが、それは黒い大きな鳥に乗っている白い鎧を纏った男だった。
「おいィ?これは一体何がどうなっているわけ?詳しく教えるべきそうすべき。早く教えテ!」
珍妙な口調でまくし立てる男は鳥から降りる気配を見せない。
いや、それ以前にこの男は何なのだ。
間違いなくこの男はサーヴァントだ。
だがそれはおかしい。
セイバーは私、ランサーにライダーはこの場にいて、アーチャーは黄金の船で高みの見物。
キャスターは見ての通り大海魔で暴れ回って、バーサーカーは姿はわからなかったが、白い色ではなかった。
アサシンは既にこの聖杯戦争から敗退している。
ではこの男は何だ。
「貴様、何者だ」
ランサーが短く問い質す。
その問に白い鎧を纏った男は顰め面になり、
「質問に質問で返すのはやめてくださいませんかストレスたまるので(苦笑)。だが俺は優しいからな答えてやる。他の奴らにも伝えるべき。
俺の名前はブロントで唯一ぬにのメイン盾。クラス名で言うならナイトだな。謙虚だからさん付けでいいぞ」
ナイト……?謙虚だからさん付け……?
この男は一体何を言っているのだ。
「ほう、ではブロントとやらよ。お前はあの化け物をどうにかできるか?」
ライダーが笑いながら大海魔を指差す。
ブロントと名乗った男はそちらを一瞥し、剣を抜き放つ。
「ほむ……アレがどんなものか知らないけどよどうにかするんじゃないどうにかなってしまうのがナイト。別に倒してしまっても構わんのだろう?」
ナイトは手綱を繰り、黒い鳥を動かし、そのまま大海魔に向かって突撃する。
鳥は川に足がついても水面を走っていた。
「私達も行くぞ、ライダー」
「いいなあ、実にいい。あのナイトと名乗る者、中々の豪傑ではないか。是非とも余の門下に加えたいものだ。Aaaaalalalalalalalai!!」
私とライダーも大海魔に向かう。
ライダーは空から、私はナイトと同じように川の上を走り、斬りつける。
が、結果は変わらずすぐに再生されてしまう。
それでも諦めずに斬り続けるが、依然変わらずだ。
ライダーの方も同様で、成果が見えてこない。
だがナイトは違った。
彼の剣は大海魔の肉を捉え斬り取る。
しかし、斬られた傷が再生していなかった。いや、再生はしているが、眼に見えて遅くなっている。
数値で表すならば、私やライダーが10のダメージを与えたら大海魔が10回復するが、ナイトの剣は10のダメージを与えたら1しか回復できない。そんな具合だ。
勿論、相手が1しか回復しないわけではない。時が経つにつれ1ずつ回復する。
が、その回復の合間に何度も斬撃を叩き込んでいるため、自然ダメージは蓄積される一方だった。
もう一つ、あることに気がついた。
「攻撃が全てあの男に流れている……?」
私とライダーで攻撃した時には両方を狙っていた触手だったが、ナイトが参加した途端にナイトしか狙わなくなった。
何らかのスキルが働いているのだろうが、アレではナイトの負担が大きすぎだ。
ナイトはそんなことは意にも介さず、触手による攻撃をいなし、躱し、防ぎ、その手に持つ剣で斬り、突き、薙ぐ。
「チッ、このままじゃあもりにも時間がかかりすぎて俺のイライラで寿命がマッハにぬる。しゃあねえな(ソルボイス)。宝具を使うんだが?」
一体誰に弁明してるのやら、ナイトは宝具の使用を宣言する。
手綱をピシリと黒い鳥に叩きつけると、猛スピードで大海魔に突っ込んで行く。
そのスピードたるや、無数の触手がナイトを攻撃しようと迫り来るが、それら全てを掻い潜るかのように動けているのが証左と言えよう。
「『血煙咽ぶ九連撃(グラットンスウィフト)』でバラバラに引き裂いてやろうか!」
ナイトが大海魔の懐に潜り込み、縦横斜めと大海魔を斬りつける。
派手さはない。
だがそれ故か強力な一撃であった。
それが九つ。
大海魔に大きな傷が入り、駄目押しとばかりにナイトが追撃を仕掛ける。
「『後より喰らい付く炎蛇の顎(追撃のグランドヴァイパ)』‼︎ダメージは更に加速した」
ナイトが炎を纏い低姿勢で突進し、大海魔にぶつかった後に斬り上げる。
その宝具は先ほどの『血煙咽ぶ九連撃』で入った傷を抉るかのように叩き込まれ、その傷を縦に大きく広げる。
その結果、キャスターの姿が露見した。
「ーーーーッ!ジル・ド・レェ元帥までいるのかよ……!」
ナイトが何かを呟くが、遠いため私の耳には届かなかった。
「ーーーー!今だ、『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』‼︎」
その瞬間、ランサーが槍を投擲する。
紅い一閃がキャスターの元に迫る。
だがその一閃はキャスターを貫くこと能わなかった。
「ーーーー何だと⁉︎」
なんと、槍が中る直前に一気に再生したのだ。
ナイトが与えた攻撃は確かに再生が遅れていた。
あの再生スピードならば確実に槍は宝具を捉え、殺していただろう。
ナイトが槍を回収し、ランサーの元まで戻ってくる。
「一体どういうわけだ?お前の宝具の効果か、傷の再生が遅れていたのが急に元に戻ったようだが」
「肉を捨てただよ。傷付いている部分の肉を捨てて傷付いてない肉から一気に再生した感。「」確かに治癒を遅らせることは出来ますがあくまで傷付いた部分だけという事実。あんな荒技をされたせいで想像を絶する悲しみがブロントを襲った」
これで私達は万事休すとなった。
ナイトの攻撃もこれ以降は通じないだろうし、ライダーの宝具じゃ決定力に欠ける。
私の宝具が使えたのならばーーーー。
「おいィ、ディルムッド。おもえモラルタは持ってないわけ?」
「何故私の真名を⁉︎それに剣の名前まで……!」
「その様子じゃ持ってないみたいだな。だったらよーーーー」
ナイトがこちらを見る。
「騎士王よ。常勝の王よ。貴女が持たれる聖なる剣。今こそその輝きを見せん時です」
ブロントさんが知っているのはセイバー、ランサー、キャスター、バーサーカーだぬ。
聖杯戦争に参加しているサーヴァントの過半数を知っているとはブロントさんの山脈がえごいことがわかる。
上記の四人には明白かつ明瞭な共通点があるらしいぞ?
おもたがシャントット様はディシディアでは人形で参戦しただよな?それで歴代主人公はおろかラスボスやラスボスクラスの相手を倒せるとか恐ろしいなさすがシャントットおそろしい。
ん、なんか光が見えてギャアアアアアアアアアム!
そ、それじゃあ……闇系の帰宅があるから……こ、これで……オウフ。