Fate/buro   作:這い寄る劣等感

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最近東方月光鉄という作品を見始めますた。中々面白いんだが?


一方その頃の叔父さん

一方その頃、場所は同じくして、哨戒任務中だった仰木一等空尉と部下の小林三等空尉の元に、冬木市からの災害派遣要請が届き、それに応じこの場にいた。

そこで目の当たりにした光景は、怪獣映画にでも紛れ込んだかと錯覚を起こすかのようなものだった。

空には黄金に光り輝く謎の飛行物体。

末遠川には生物的なグロテスクさを醸し出す巨大な何か。

それらを目にした仰木は思考能力が落ち、状況報告を求める通信への返答を迷っていた。

バカ正直にこのことを話すべきか、それとも否か。

それを考えていたこともあり、小林が状況を間近で確認しようとすることを制止するのが遅れてしまった。

小林は制止を振り切り、怪物に近付き、怪物から出た触手に絡み取られて喰われた。

 

 

「小林ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

 

仰木は叫ぶ。

だがその叫びも夜の闇に虚しく吸い込まれるだけだった。

仰木は理解する。

次は自分の番であると。

そう考えると途轍もない恐怖が襲い掛かるが、それを怒りに転化し、仰木は本部の制止も聞かず、武器のセーフティを解除し、怪物に立ち向かわんとする。

その時だ。

ガコンッ、と何かが機体の背面に着地した音が聞こえた。

恐る恐る上を見上げると、そこには黒い霧を纏った甲冑がいた。

そこで、仰木の理性は途絶える。

それ故なのか、コクピットにいたからなのか、甲冑を着込んだ男の声が仰木の耳には入らなかった。

 

 

「我らと同じ、護国の輩よ。ここから先は私のような神秘の世界に携わる者の領分だ。誠に申し訳ないが、お引き取り願おう」

 

 

そう言った男はコクピットのガラスを壊し、中からパイロットを引き摺り出して、放り投げた。

仰木は突然のことに困惑していたが、自分が空にいることだけはわかっため、パラシュートを開いて減速した上で着地した。

そこから先のことは覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、バーサーカー。そのままあの飛行物体に近付いてくれ。きっとアレは時臣のサーヴァントの宝具だ」

 

「承知した。飛ばすぞ!」

 

 

バーサーカーの背中には雁夜こと俺が負ぶさられていた。

そしてバーサーカーの宣言通り加速し、ヴィマーナに近付く。

ヴィマーナの上を通り過ぎる瞬間に俺が飛び降り、遠坂時臣と対面する。

 

 

「時臣ぃ!どうして桜ちゃんを間桐なんかに預けた!」

 

「我が子、凛に桜は二人とも魔術師としての才がある。それこそ私よりもな。故にあの子らには魔術師としてしか生きる道が残されていなかった。いずれか一人の未来のために、もう一人が秘め持つ可能性を摘み取ってしまうなどーーーー親として、そんな悲劇を望む者がいるか」

 

「……桜ちゃんを間桐に養子に出したのは、あくまで桜ちゃん自身のためだと言うのか?」

 

「その通りだ。桜の属性は架空元素・虚数。魔術協会から封印指定をくらっている希少な属性だ。その属性を扱う魔導の家門は私の伝手にはいない。魔導の家門の庇護がなければ、桜は魔術協会によってホルマリン漬けにされるであろう。そんなことは認めてはならない。一人の親として、一人の魔術師としてだ。

それ故、間桐の翁の申し出はまさしく天恵だったのだ。聖杯の存在を知る一族であれば、それだけ『根源』に至る可能性も高くなる。

私が果たせなくても凛が、そして凛ですら至らなかったら桜が、遠坂の悲願を継いでくれることだろう」

 

 

俺は時臣の言葉に理解はできなかった。

だが、魔術師としての価値観ながらも一人の親として桜をどうにかしたいと思っていたことだけはわかった。

その結果がアレだったのが皮肉ではあるが。

ブロントさんに諭されなかったら、時臣を憎悪の対象としてしか見れなかっただろう。

 

 

「……それはそれとしてお前には腹がたっているから殺せないけど一発当てますね^^」

 

「血の責任から逃げた軟弱さ、そのことに何の負い目も懐かぬ卑劣さ。間桐雁夜は魔導の恥であると言うのに、まだそんな戯言を言うのか」

 

「時臣、お前頭悪ぃな。背水のJINという名ゼリフを知らないのかよ」

 

 

あ、意外と楽しいなこの喋り方。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて、けどどうしたものか)

 

 

俺は時臣と対峙し、考えていた。

まずそもそも俺の魔術師としての力量は時臣より遥かに劣る。

今覚えているブロントさんがくれたスクロールで覚えた魔術も己の才能の無さからウォータはⅡ、ウォタガはⅠまでしか覚えてない。

蟲魔術の時だったらもっと悲惨であったが、今も大して変わりはない。

 

 

「ええい、ままよ!ウォータⅡ!」

 

 

俺はウォータⅡを行使。時臣に向けて放つ。

迸る水弾が時臣を向かうが、それを見ても時臣は眉一つ動かさずに冷静に炎の壁を目前に出すことで対処した。

炎の壁に水弾が当たり、そのまま水蒸気となる。

文字通り火力が違うのだ。

如何に水が火に対して相性が良いとは言え、まさしく焼け石に水と言ったところかな。

 

 

「どうした?私に一発当てるのではなかったのか?この程度の威力では、何発撃ったところで私に当てることは叶わんよ」

 

 

ですよねー。

実際俺は確実に相手に当てられる手は用意してあるが、今はその時ではない。

その手を温存し、次なる手を行使する。

 

 

「ウォタガ!」

 

 

今度は水弾が弾けて複数の小さな水弾となって時臣に向けて放たれる。

だが今度もまた意味はなかった。

炎の壁の前にウォタガも水蒸気となる。

 

 

「やはりこの程度か。魔導から背いた割に水魔術を覚えていたから少しはやるものかと期待したが、所詮はただの魔術師の面汚しというだけであったか。お前の顔をこれ以上見ていたら私の髭のキューティクルが失われる。一思いにトドメをさしてやろう」

 

「髭のキューティクルが失われるとか聞いたことがないんでこれで抜けますね^^;。ーーーーポイズン!」

 

 

時臣が俺に対し魔術を行使しようとした瞬間に、俺はポイズンを行使。

ポイズンは対象を毒状態にする魔術。

確実に相手に当てられる俺の温存していた手。

……まあ、その程度しか魔術を覚えられなかったんだけどな。

 

 

「ガフッ……⁉︎」

 

 

時臣は吐血し、魔術の詠唱がキャンセルされる。

俺がその隙を見逃そうとするわけもなく

 

 

「バーサーカー!とんずらこくぞ!」

 

 

戦闘機を己の宝具としたバーサーカーを呼び出し、戦闘機がこの黄金の船の下を通り過ぎる前に飛び降り、バーサーカーに受け止められて戦場から離脱する。

マトモにやる必要なんて一切ないからな、こっちは。

 

 

「一発当ててやったぞ、ザマァ見やがれ!」

 

 

捨て台詞のようなことを俺は言ってバーサーカーと共に逃げる。

俺は一発当てられてだいぶ満足したから、あとはブロントさんの目的を積極的にサポートするとしよう。




オススメでは本来魔法は相手に直接当たるものですが、こっちではキングダムハんつ方式に変更。
手の平からなのか杖からなのかは知らにいがそこから相手に向けて放たれるという感。
そうじゃないと叔父さんでもマスターを一方的に嬲れちぇしまう(戦慄)
ただしポイズンとかの状態異常を引き起こすものは直接当てられるということにするんだが?

じゃあ闇系のデュエルがあるからこれで

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