ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~深夜 駒王街~
リアス・グレモリーのナイト、木場悠斗が街を歩いていた。その目的は聖剣エクスカリバーの探索と破壊だ。
「………………」
その目には何時もの優しさはない。仲間を奪った聖剣に対する憎しみと怒りが宿っている。だが何処か困惑している様だ。
その原因は昼間戦ったゼノヴィアの言った言葉だった。
~昼間 駒王学園 中庭~
零達が去った後、勝負で負けた祐斗。ゼノヴィア達は【伝説の戦士ライディーン】が零だった事を知り、怒りを買ってしまったと思い頭を抱えていたが気を取り直して、街へ赴こうとする。
「あっそうだ、赤龍帝。お前に1つ忠告しておく、【白き龍】は既に目覚めているぞ」
「白き龍?」
当の本人である一誠は何の事なのか、全く分かっていない様だ。
「後、木場祐斗だったか。例の事件の事は我々の中でもタブー扱いとなっている。しかし何故、そこまで聖剣に怨みを抱く?」
「何故!?そんなのは分かりきってるだろう!僕達はあの実験のせいで未来を奪われた!!あそこには、僕よりも小さい子も居た……みんな……みんな……未来を奪われたんだ!!!」
木場はかつて、仲間を失った。
「そんな馬鹿な……あの事件では行方こそ分かって居ないが犠牲者はいなかった筈だ」
「えっ?……そっそんな事がある訳が」
木場は困惑している。かつて木場を含めた聖剣計画の被験者である子供達は毒ガスを巻かれ次々に倒れていった時の事を思い出した。
「あの場所には被験者の子供達の遺体が一体もなかったんだ。確かに毒ガスは散布された形跡があったが、遺体が確認されなかったんだ。施設は徹底的に破壊されていた、そして唯一の施設の職員の生き残りの話では【金色の鎧を纏った男達を引き連れた少年によって施設は破壊された、子供達は少年が出した光によって治療され連れて行かれた】と言っていた」
「皆が……生きている?ならっ……僕は……わ……何の為に……」
「『黄金の鎧』?『少年』?」
リアスは「黄金の鎧」と「少年」という言葉に引っかかった。つい最近、身近で見たような気がしていた。
~深夜 駒王町~
「…………何の用だい?」
「おやおや……俺に気付いていたか」
木場が振り返ると、そこには零が立っていた。
「俺は散歩の途中だ。お前は散歩って感じじゃないな……聖剣探しか?」
「だったら、どうだと言うんだい……それに僕はもうどうすればいいのか分からない………皆が死んだんじゃないなら復讐の意味なんてない……僕の……今までは……」
そう今の木場には目的がない。今まで聖剣に対する復讐だけが木場を生かしてきた。
「………生きる意味は自分で見つけろ。お前は未だ生きている、生きる事を放棄するな……お前は今まで自分を捨ててきた、なら今度は自分として生きればいい」
零の後ろに金色の鎧を纏った男が現れる。
「王よ、御待たせしました」
「カノン……アレは手に入れれた?」
「はい。此方に……」
カノンは光る宝石の様な物を取り出すと、零に差し出した。それを受け取ると、空に翳し宝石を見ていた。
「うん……じゃあ行くとしようか」
「ハッ……【アナザーディメンション】」
カノンを中心に宇宙が広がる。そして悠斗は何か飛ばされる様な感覚を感じ、視界が真っ白に染まった。