ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~一軒家の前~
ふぅやっと着いた。母様にも困ったものだな、これがこの世界の俺の家か。うん…ちょっと他の家よりは大きい感じがするが普通だな、昔は酷かったからな。俺1人の為に野球場が数十個はできるであろう敷地と城みたいな馬鹿デカい家だ。在り得ないだろう?使用人?居たなホムンクルスだったけど。
ん?と言うか……周りの物が大きい様な………まさか…昔も何度かこういうのが在ったな。母様の気まぐれで……
零は鏡を取り出すと自分の身体が小さくなっている事に気付いた。
母様………今回は何でこの姿に?前は俺が小さい頃の事を思い出したからだったか、その前は小さい頃に女の子の服を着せとけば良かったとかだったな。あの人は全く何を考えているのか、長い間あの人の子供だけど未だに分からん。
零は幼くなった自分の姿を見ながら、溜息を吐くと母が用意した家へと入る。
~自宅内~
「中身は見た所…普通だな」
何の変哲もない普通の家で、TVや冷蔵庫、エアコン、電子レンジなどの家電は揃っている。零はリビングの机の上に1枚の紙と幾つかの金融機関の通帳に気付いた。
「手紙か……母様からだな。何々」
母からの手紙を読み始めた。
『無事に着いた様ですね、貴方の私物は全てその家の貴方の部屋に置いてあります。それと貴方が生活する為の資金はその通帳から引き出して下さいね。先程まで貴方がいたのは約1000年前の魔界でした。因みに貴方が倒した2体のドラゴンはその世界で二天龍と呼ばれる存在です、詳しい事は貴方の本棚で調べて下さい。それとこの世界には天使・悪魔・堕天使といった勢力もあるので、気を付けて下さい。貴方には敵わないとは言え、もめると動き辛くなると思います。貴方が縮んでいる理由は久しぶりに貴方の可愛い姿が見たかったからです、それとその方が色々と都合がいいので………それはそうと、貴方が動くのは未だ数年先なので今は静かに暮らして下さい』
「ふぅん……二天龍って何処かで聞いた様な。まぁいいや、【本棚】か。取り敢えずそれは後でいいか、まずは街の事を把握する必要があるか。霊脈・龍脈と言った物の把握に霊地・神佑地とか1人でやるのは面倒だけど仕方ないか」
零が目を閉じると、意識が身体から離れる。
~真っ白な空間~
白い空間で目を開けた零。目を細めると、何処からともなく無数の本棚が飛来する。
「これがこの世界の情報………此処からキーワードで絞り込むか【神】【天使】【悪魔】【堕天使】【ドラゴン】」
本の数が一気に減るが、それでも数百冊は在り、零の周りに浮いている。
「これでも未だこんだけあんのかよ……仕方ないか」
零が両手を開くと、周りに本と同じ数の魔方陣が浮かぶ。本が魔法陣を直ぐにその場から消えた。
「……一気にこの情報量はキツイ。後は整理だな」
零は頭を押さえながら、ブツブツと何かを呟いている。
「成程…………この【原初の本棚】は使い易いけど、今の状態だと少し疲れるな」
まずこの世界は「ハイスクールD×D」という物語の世界。そういや、少しだけで読んだ事があるな。俺がいた千年前に起きた神・悪魔・堕天使の三つ巴の戦いで、この世界の「聖書の神」と4大魔王が死んだ。それで俺が会った二天龍、赤龍帝ドライグと白龍皇アルビオンは神も手を焼く暴れ者。大戦中、この2体を先に倒さないと自分達が危ないと思った3大勢力は協力して倒そうとしたって事ね。そこに偶々、俺が現れたって事か。現在、3つの勢力は停戦状態が続いている。
白い空間から自分の身体に意識を戻した零。
「はぁ………この世界の事は分かった。次はこの街の事か、よぉ~し出掛けよう」
~街中というより森の中~
自分の住む事になった街の事を知る為に出掛けた零なのだが、森の中にいた。理由はただ迷っただけである。
「ハハハ、完全に迷っちまったな。迷ったものは仕方がないけど……よし取り敢えず帰ろう………にも道が分からないな。まぁ瞬間移動を使えば直ぐに戻れるけど、ん?」
零は何かが聞こえ、その方向に向かって歩を進める。そしてその先には黒と白の猫がいた。2匹の猫はどうやら怪我をしている様だ。
「猫……しかも怪我をしてる。こんな愛らしい生き物が怪我をしていると言うのに、放っておけるものか!」
零は猫達を抱きかかえると、その場から力を使い自分の家へ戻った。
~自宅~
「まずは治療をしないと」
零が猫達に手を翳すと、淡い光が灯る。すると猫達の傷が一瞬の内に治癒した。
「これでよし……傷は治ったし命に別状はない。でも何だかこの猫達に若干の力を感じる、霊力?いや妖力かな?まぁいいや。まずは腹ごしらえか」
零は食事を作る為にキッチンへと向かった。
~猫side~
零によってタオルに包まれた黒猫が目を覚ますと、周りを見回している。
(むにゃ……此処は何処にゃ?私はどうなったのにゃ?あっ…そうだ、白音は何処!?)
黒猫は自分の横でタオルに包まれている白猫を見つけると安心した様子だ。
(アレ…傷が消えてるにゃ。何がどうなってるの?)
「おっ目を覚ましたか。怪我は治したけど、悪い所はないか?」
黒猫が声がした方向を見てみると幼い零の姿を見た。
(子供?でも唯の子供じゃない、どうやったか分からないけど私の傷を治した。しかも何か途轍もない力を感じる)
黒猫は子供の事を警戒しているのか、威嚇している。
「そんなに警戒してくれもいいよ、俺に君達を害するつもりない。そうじゃなきゃ君達を助ける訳ないだろう?」
黒猫は黙ったまま、威嚇を解くと真っ直ぐ零を見つめる。
「君は唯の猫じゃないから言葉は理解できるみたいだな。猫又……猫魈かな」
「?!……何故分かったにゃ?」
「俺はそう言うのに敏感でね。まぁ何があったかは置いておいて、ほらっまずは腹ごしらえだ」
零は黒猫の前に食事を置いた。
「普通に人間が食べる物でも大丈夫か?」
「(凄くうまそうにゃ)だっ大丈夫にゃ。お前、名は何ていう?」
「俺は
「日本人とは思えない名前にゃ」
「うん、よく言われる。君の名前は?」
「私は
「となりの白い猫は君の知り合いか?」
「この子は私の妹にゃ」
「そうか……まぁ先に飯を食おう、飯を」
~数時間後~
目を覚ました白猫の方、名前は白音と言うらしい。姉の黒歌から、白音が起きる前から事情を聞いていた。何でも両親が死に、妹と2人で猫魈として暮らしていた。だがそこに悪魔が現れて無理矢理眷族悪魔にさせられた、そしてその手が妹にまで及びそうになった為、その悪魔を殺したという。そして悪魔達から逃げる途中で攻撃を受けた、白音だけでも逃がそうとしたが失敗し人間界に逃げてきたと言う。
それを聞いた零の身体からは、凄まじいオーラが立ち昇っている。
「なるほど……その悪魔野郎が目の前にいたら生きている事を後悔させてやるのに、まずは次元連結システムを応用して時間固定を行って死んでも生き返る様にしてから、俺の持ってる機体の全技を生き返るたびにぶち込んで、それが終わったら幾つもの拷問を行ってやるのに」
先程の話を聞いて黒歌を無理矢理眷族にした悪魔に怒りを抱いている様で、何やら物騒な事をブツブツと呟いている。
「よし、話しは分かった。黒歌、白音、お前等は此処にいるといい」
「いやでも私等ははぐれ悪魔として狙われてるにゃ」「貴方が危険な目に合う」
「問題ない。俺自身、強いから大丈夫だ、それにこの家には結界が張られている。この世界の最高位の神でも破れない様な強力な奴がな。第一!こんな可愛い猫達が命を狙われているのを俺が放り出す訳ない!可愛いは正義だ!」
「「………………」」
何やらジト目で零を見る2匹の猫。
「コホン……失礼、取り敢えず今日はゆっくりと休むといい」
こうして、零に同居人?が増えた。
今回、零の同居人に黒歌と白音が増えました。ヒロインになるかは不明です。