ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~ギャスパーの部屋の前~
零によって外に出されたオカ研メンバーとアーシア、白音。
皆が外に出てはや一時間が経とうとしていた。リアスはギャスパーの事を心配し、扉を見つめている。零がギャスパーに何かするとも思えないが、もしギャスパーの身に何かあれば勝てない相手にあろうがリアスは零に襲い掛かるだろう。
リアス・グレモリーの眷族に対する深い愛。それがグレモリー眷族の一番の長所であり、弱点でもあることにリアス本人も眷族達も気付いていない。
《ガチャ……キィー》
扉が音を立てて開くと零が出てくる。
「話は終わったかしら天王理?」
「あぁ……ギャスパーなら今は眠っている。起こしてやるなよ、折角幸せな夢を見たいるんだ」
「夢?……まるでその夢の内容を知ってるみたいな言い方ね」
「だとしたら?」
それを聞いた瞬間にリアスから魔力が溢れる。どうやら零がギャスパーに何かしたと思った様だ。
「あの子に何をしたの……答えなさい、返答次第では私は貴方を許さない」
リアスは殺気の籠った目で零を睨み付ける。だが実力は明らかに目に見えている故にリアスの身体は震えていた。だが必死にそれを隠そうとしている。
「震えているわりには、大した覇気だ。まぁそう睨むな。俺はただ、アイツに必要な事をしているに過ぎない…………」
「必要な事?まるでギャスパーの事を知っている様な口振りね。主である私を差し置いて何をしようと言うのかしら?」
「クククッ……アハハハハ」
それを聞いた瞬間、零は何の前触れもなく笑い始める。
「ククク………あぁ……俺以上にアイツやそこにいる姫島朱乃の事を理解している奴はそう居ないぞ」
零は突然、朱乃の名前まで上げる。それを聞いて朱乃自身も驚いている。だかそんなことを言われてリアスも黙ってはいられない。
「ふざけないで!貴方に朱乃やギャスパーの何が分かるって言うのよ!?」
「そうだぜ、レイ。一体どうしちまったんだ?」
「何か何時もと違うね、天王理くん」
零の言葉と雰囲気に違和感を感じた一誠と裕子もリアスの後に発言した。
「分かるさ…………俺はお前以上にギャスパー達の苦しみを、痛みを、寂しさを、辛さを理解出来るんだよ。お前と違ってな純血悪魔…………貴様に理解出来るか?」
混血と言うだけで
混血故に
混血と言うだけで【化物】【穢れた存在】【忌子】と呼ばれる心の痛みが!
混血故に己を理解してくれる者が少なく、最悪は誰も居ないと言う孤独が!
異なる2つの血を宿す故に強大で、他と違う力を宿してしまい、1つ間違えば世界すらも危険に晒すかも知れないという力に対する恐怖が!
誰にも蔑まれる事もなく、愛されながら生きてきた貴様にこの苦しみが!哀しみが!孤独が!理解出来るなどと言うな!
純血である貴様には一生理解できない!ギャスパー達の受けし屈辱は!苦しみは!哀しみは!怒りは!孤独は!貴様が考えるほど、軽いものではない!
「はぁはぁ…………すぅ………ふぅ………帰るぞ、2人とも」
零は自分の中にあった何かを叫ぶ事で吐き出した。そして直ぐに荒れた息を整えると、白音とアーシアに帰ると言ってそのまま、歩いてその場を去ろうとする。
「絶対にギャスパーを起こすなよ。アイツは世界で一番アイツを愛している人と会ってるんだ。もし無理にアイツを起こす様な真似をすれば…………貴様はギャスパーの傍にいる資格などないと判断し、ギャスパーは俺が連れていく(ギラッ」
零が振り返りそう言うと、力を発現させる時と同じように輝いていた。
そして再び歩き出し去っていく。アーシアと白音も驚いていたが直ぐに零の後を追った。
残されたリアス達は、零の言葉に含まれていた言葉にできない何を感じ、叫んでいる時の零の姿を見て何も言えなかった。
怒り、哀しみ、絶望、苦しみ、孤独と言った負を含み今にも泣きそうな瞳、苦しみながら足掻く子供の様な顔が皆の目に焼き付いていた。