ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP37 時間停止

 ~オカ研部室~

 

 事の発端は数十分前。

 

 オカ研部室には神器のコントロールができないため、残されたギャスパーがいた。段ボールに入りながらゲームをしている。どうやら段ボールの中が落ち着く様だ。零より貰った「魔眼殺し」の眼鏡を掛けて居る様だ。

 

 

「………ボクは……ボクはどうすれば」

 

 ギャスパーは先日、零により亡き母と会った。それは本来、叶う筈のない再会であったが零の起こした奇跡によりそれが叶った。そしてギャスパーは知った。自分は父に、母に望まれて生を受けたのだと。自分は一人ではなくずっと母が傍に居てくれたのだと。何よりも愛されていた事を自分の事をこの世界で一番愛してくれている母から直接言って貰えた。

 それはギャスパーにとってとても嬉しい事であった。だが不安もあった、本当に自分はこの力を制御しきれるのかと。巨大な力故に、それに対する恐怖があった。ギャスパー自身、吸血鬼と人間のハーフという事で忌み嫌われ、人間からはギャスパーの神器【停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)】をコントロールできない事で気味悪がられた。それがトラウマとなっている。

 

 

「ボクは……?!」

 

 ギャスパーは魔力の気配を感じて顔を上げると、魔法陣が浮かび上がりそこから黒いフードを被った者達が現れる。

 

 

「だっ誰ですか?!」

 

 

「貴様がギャスパー・ヴラディだな。貴様のその力、我等が利用させて貰う」

 

 黒いフードを被った女が、手を翳すとギャスパーの身体が魔法陣に拘束された。そして自分に宿る神器【停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)】の力が増幅していくのを感じる。だがそれを何かが留めている。

 

 

「うっ……うぅ……」

 

 

「ん?何かが発動を留めている?これか?」

 

 黒いフードの者達の内の1人がギャスパーの掛けている眼鏡に気が付いた。そしてそれをギャスパーから外すと再び力が増幅し始める。

 

 

「いっいやボクは……ボクは」

 

 ギャスパーは暴走しそうな力を何とか抑えようとするが、本人の意思に関係なく【停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)】が発動した。

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 黒いフードの人物達によって強制的に発動させられた【停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)】の力は駒王学園を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~現在 会談室~

 

 

「これは……」

 

 

「時間停止の力ですね……心当たりがあるのですか零?」

 

 

「ギャスパー……人間と吸血鬼のハーフの子です。力のコントロールができないので此処には連れてこなかった様ですが………アザゼル、状況を説明しろ。神器(セイグリッド・ギア)についてはお前が詳しいだろう?」

 

 天照の問いに零がそう答えると、アザゼルに説明する様に言った。

 

 

「恐らく、魔法か力を譲渡できる神器(セイグリッド・ギア)でハーフヴァンパイアの神器(セイグリッド・ギア)で強制的に禁手(バランス・ブレイカー)状態にしたって所じゃないのか?一時的なもんだと思うが……まぁ問題はこのまま力が増幅し続ければ俺達まで止まっちまうって事か………」

 

 

「アザゼルが止まるなら問題ないな。顔に油性でラクガキしてやる」

 

 

「おい!ふざけんな!前ラクガキされた時、落ちなくて大変だったんだぞ!」

 

 

「あっそう……それでこんな状況になっている原因、お前の事だから心当たりあるんだろう?」

 

 

「って無視かよ!……はぁ……まぁ心当たりがないわけでもない」

 

 どうやらアザゼルには今回の犯人に心当たりがあるようだ。

 

 

「ギャスパーは旧校舎でテロリストの武器にされている……一体何処で私の下僕の情報を手に入れたのかしら……しかも大切な会談の時を狙うなんて!……よくも私のギャスパーを!これほどの侮辱、受けたのは初めてよ!」

 

 リアスは全身からオーラを立ち昇らせており怒っている。そんなリアスを見て零はどこか不機嫌だ。

 

 

「フン………俺や母様、魔王達、黒歌は俺の力の一部、一誠やヴァーリはドラゴンの……強い力や得意な力を持つ者はかからない様だな。外には転移の魔法陣、それに敵の大群……しかも此方の転移は無理と。俺達なら問題なくいけそうだが……ん?」

 

 零が落ち着いて状況の分析をしていると突然魔方陣が現れ、1人の女性が現れた。

 

 

「ごきげんよう、現魔王サーゼクス殿、セラフォル―殿」

 

 

「旧魔王レヴィアタンの血を引く者……カテレア・レヴィアタン。これは一体どういうつもりだ」

 

 サーゼクスはこの人物を知っている様だ。

 

 

「貴様が何処の誰であろうが構わん、これは貴様等の仕業か?」

 

 

「ん?お前は……その紅と金の瞳……そうか、お前があの伝説の戦士か。そう、これは我等が仕掛けた。あのハーフヴァンパイアの力を利用してな」

 

 カテレアという人物は淡々とそう言った。

 

 

「何故、ギャスパーを利用した?」

 

 

「何故?人間でもない、吸血鬼でもない、できそこないの存在が悪魔に転生した。そしてその力を我等旧魔王達が利用してやろうと言うのだ。半端な存在の力を利用して感謝はされども文句を言われる筋合いはないだろう」

 

 

「なっ!?ふざけないで!よくも私のギャp「母様……いいですね?」天王理、邪魔をしないで!ギャスパーは私の眷族よ!」

 

 

「黙れ……何が眷族だ?何が下僕だ?そんなに大切であれば何故この場に連れて来なかった!?力が暴走?危険?ふざけるな!貴様がこの場にアイツを連れてきて居ればこんな事にはならなかったんだ!」

 

 

「!?」

 

 

「……まだまだ言いたい事はあるが、まずは目の前の此奴をぶっ殺す事とギャスパーを助けるのが先決だ。母様……俺は少し暴れます」

 

 零はかなり怒りを顕にしている。

 

 

「零」

 

 

「止めますか……母様?」

 

 

「いいえ……止めはしません。察するにそのハーフヴァンパイアは貴方と」

 

 零は何も言わずに頷くと、天照は目を細めた。

 

 

「分かりました。零、教えて差し上げなさい。貴方の力を……そして救いなさい。貴方と同じ苦しみを持つ子を」

 

 

「はい……」

 

 零は目を閉じると、零の身体から闇が溢れ出し、横に収束し人の形に変わった。そして現れたのは黒髪の零だった。

 これを見た天照達以外のメンバーは驚いている。

 

 

「ん……身が1つでは足りぬか……我が分身よ?」

 

 

「あぁ、力を貸せ、我が半身よ」

 

 銀髪の零は黒髪の方を【半身】と呼び、黒髪の零は銀髪の方を【分身】と呼ぶ。【半身】の方は笑みを浮かべていた。

 

 

「まぁいいだろう……我はあの女と外の奴等の始末をすればいいのだな?」

 

 

「あぁ……俺はギャスパーを助けに行く」

 

【分身】の方がギャスパーの救出を、【半身】の方がカテレアと外の連中を倒す事になった。

 

 

「なっ……きっ貴様等何を」

 

 カテレアは目の前で起きて居る事に驚いている。

 

 

「【ソウルコード:ユニコーンガンダム】!」

 

 銀髪の零の身体を光が包み込み、白い鎧が全身を包み込んだ。頭部には白い1本角がある。右手にはコカビエルの戦闘の際に呼び出したビームマグナムを握り、左手には白い盾を装備している。

 

 

「力を貸せ!ユニコーン!」

 

 《キィーーーーン》

 

 零【分身】の纏ったユニコーンの各部から緑色の光が溢れだすと、各部が開き先程より一周り程大きくなっていく。そして最後に頭部の角が割れた。そして左手のシールドも変形しX状のパーツが開き緑色の光を放ち、零の周りを飛んでいる。そして何処からともなく、同じシールドが2枚現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「【ソウルコード:真ゲッター】」

 

 零【半身】の右眼が光り出し、周りに3色の光が現れその形を変え零はそれを身体に纏った。

 

 

「チェンジ!ゲッター1!」

 

 零【半身】は深紅の鎧を纏い、背には悪魔の様な翼が形成される。

 

 

「さて我が分身よ、さっさと終わらせるぞ。【ゲッタートマホーク】行くぜ、おらぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 零【半身】は巨大な斧を取り出すと、翼を羽ばたかせカテレアの頭を鷲掴みにし外へ出て行った。そのせいで会談室の壁には大きな穴が開いている。

 

 

 

 

「ではそっちは任せて俺はギャスパーを助けに行くか」

 

 零【分身】は背のブーストを吹かせて飛び上がる。そして天井を破り旧校舎に向かい飛んで行った。

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