ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP43 会談後

 ~駒王学園 中庭~

 

 零達が消えた後、三大勢力は駒王学園の修復作業を行っていた。

 

 

「三大勢力が揃って修復とか妙な光景だぜ……それにしても零の奴、結界消す前に修復していけよ」

 

 アザゼルはそう言いながら頭を掻き毟っていた。結局のところ、零の事を聞きそびれてしまったので少し落ち込んでいる様だ。

 

 

「今回は色々とあって話し合いもできる様な状況ではありませんね」

 

 天照がそう切り出すと、ミカエル、アザゼル、サーゼクス、セラフォルーが天照を見る。

 

 

「ですが私共と……天使や堕天使の方々は未だしも悪魔の方々とはあまり好ましい関係ではないですね。それに零の報告で転生悪魔達の扱いについても色々と聞いています」

 

 それは天照達が零から聞いた話だ。悪魔や天使達は過去の大戦において深手を負い、種そのものが滅びようとしている。だが悪魔達は『悪魔の駒(イーヴァル・ピース)』によって他の種を転生悪魔にする事で種の存続を図ろうとしているが、実際の所、転生悪魔は言わば僕。純粋悪魔達から道具の様に扱われるケースも少なくない様だ。

 

 

「全くふざけてやるぜ、自分達の都合で悪魔にした連中を差別し道具の様に扱うとは……」

 

 素戔嗚がそう言うと、サーゼクスとセラフォルーは苦い表情をしている。素戔嗚からは凄まじい神気が溢れており、今にもサーゼクス達を切りそうな勢いだ。

 

 現在の日本神話体系と悪魔側の関係は正直言うと最悪だろう。先の話し合いでもあった様に、転生悪魔の件の性で日本の幾つもの妖怪や種族が全滅させられた。そしてその転生悪魔達が不当な扱いを受けている事を知った。

 

 その件に加え、魔王の妹であるリアスが零を「化物」よばわりした性で戦争しようと思ったくらいだ。3柱の神の悪魔に対する好感度は既にマイナスだ。恐らく、零が止めなければ確実に素戔嗚は神剣でリアスを斬っていただろう。そしてそのまま確実に悪魔と戦争になっていたかも知れない。

 

 理由としては零を侮辱した事が殆どだろう。

 

 

「サーゼクス殿、できれば我々も無益な争いはしたくありません。我々が争えば人の子等も犠牲になるでしょう……ですので我等も出来るだけ事を穏便に運びたいと思っています」

 

 

「えぇ……それは我等も望んでいる事です。勿論、転生悪魔の件、この日本での領土問題についても直ぐにでも対応させて頂きます」

 

 天照の言葉にサーゼクスはそう言って頭を下げる。これが今、サーゼクスに出来る最大限のことだ。

 

 

「ですが………これだけは言っておきます。【もし我が息子を傷付けた時は………貴方達を容赦なく、この世界から消しますよ?】」

 

 一瞬ではあるが天照から凄まじい力と殺気と共に魔を焼き尽くす日輪の光が放たれた。サーゼクスはそれを間近で感じ、動けなくなくった。

 

 

「では私達はこれで失礼します」

 

 天照はそういうと、月読と素戔嗚と共にその場から消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かぁ~……やっぱ神にも色々いるんだな。俺も長い時を生きた中であそこまでおっかねぇ神は見た事がねぇぜ」

 

 アザゼルは何時もの様な軽い口調でそう話しているものの、全身から汗が噴き出していた。

 

 

「全く……本当に彼は面白いよ」

 

 全員が振り返ると、ヴァーリが立っており、その横には棒を持った男が立っていた。

 

 

「美猴まで居やがる」

 

 

「知り合いか、アザゼル?」

 

 アザゼルはヴァーリの横に居る男の事を知っている様で、その事についてサーゼクスが訪ねた。

 

 

「アイツは闘戦勝仏…‥…つまりは西遊記のクソ猿、孫悟空の末裔だ……しかしお前まで居るとは、【禍の団(カオス・ブリケード)】に入るなんて世も末だ」

 

 アザゼルがそう説明すると皆は驚いている。

 

 

「カッカッカッ!オレッチは初代と違って自由気儘に生きるんだぜぇ……それよか、ヴァーリさっきまで此処に張ってあった結界は誰がやったんだぜぃ?」

 

 

「零……伝説の戦士だよ」

 

 

「マジか!?どいつが伝説の戦士なんだぜぃ!?オレッチも手合せしてみたいぜ!」

 

 美猴は「伝説の戦士」がいると聞くと、誰がそうなのかと必死に探す。

 

 

「彼は帰ったよ」

 

 

「うぇ~………それは残念だ、じゃオレッチ達も戻ろうぜぇヴァーリ」

 

 

「あぁ。じゃあアザゼル、オレ達は行くとするよ」

 

 

「おいおい、未だパパのお話が終わってないぞ!」

 

 アザゼルは突然そう言い出した。周りの一同はそれを聞いて唖然としている。

 

 

「きもっ………それと前から言ってる様にアザゼルの下着とオレのを一緒に洗わない様に言ってただろう。それに毎度、毎度、うざったいったらありゃしない。と言う訳でオレは面白そうなあっちに着く訳だ。じゃあな、ア・ザ・ゼ・ル」

 

 ヴァーリはそう言うと、美猴と共に消えた。アザゼルはヴァーリの言葉で衝撃を受けており、その場に倒れ込んだ。

 

 

「きっきもい……きも……ぱっパパがきもい……がはっ!(ガクッ」

 

 アザゼルはそのまま吐血しその場に伏した。一同は過去のアザゼルの姿から全く予想できない現在の姿に唖然となりながらもそれぞれの居場所へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~天王理家宅~

 

 

「ふぅ……今日は少し力を使い過ぎたか……それに何だか、凄く面白い場面を見逃してしまってる様な気がするな」

 

 零は家に戻ってくると、疲れた様子でソファーに座り込んだ。

 

 

「あの零さん、眼の方は大丈夫なんですか?」

 

 

「ん?あぁ………俺は一定以上の力を使うと一時的に視力を失うんだ」

 

 一緒に戻ってきたアーシアが心配そうに零に尋ねると、本人はそう答えた。

 

 

「えぇ!?」

 

 

「明日の夜には治る。心配しなくていい……(あっ……ミカエルにアーシアの事で聞きたい事が山ほどあったのに……まぁいいや、今度でも呼び出してやる。来なかったら天界を滅ぼすぞと脅しをかけたら直ぐに来るだろう)」

 

 零がとんでもない事を考えていると、黒歌が話し掛けてきた。

 

 

「それにしてもご主人様、2人に分身するなんて聞いてないにゃ」

 

 

「えっ!?ご主人様、分身したんですか?!」

 

 

「子供になるし、分身する………零、本当に不思議」

 

 黒歌の言葉に留守番をしていた白音とオーフィスが驚いていた。

 

 

「アレは俺のもう1人の人格でな。まぁ性格に問題があるが、考えて居る事は俺と大差ない……今回は手が足りなかったから偶々手伝って貰ったんだ………今回は特にギャスパーの事でアイツも頭にきてたんでな。だが学園の半分を吹き飛ばすのはどうかと思うが……まっ直すのはアイツ等に押し付けてきたしいいか」

 

 どうやら零のもう1人の人格もギャスパーの件で敵に怒りを持っていた様だ。

 

 

「さてと……これから少し忙しくなる。皆にも付き合って貰わないとな」

 

 

「「「「えっ?」」」」

 

 零の言葉に皆は揃って首を傾げた。

 

 

「そう言えばご主人様、あの吸血鬼はどうしたのにゃ?」

 

 

「ギャスパーのことか、今は眠っている。此処に来る前に部屋に寝かせてきた………ふぅ、今日は少し疲れた。眠るとしよう」

 

 零は疲れた様子で立ち上がると、そのまま自分の部屋に向かった。当然の様に、アーシア、オーフィス、白音、黒歌もついていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~翌朝~

 

 

「いやいや………勢いで寝たけど何で皆と一緒に寝てるんだ…………」

 

 両脇にはアーシアと黒歌、身体の上には白音とオーフィスが眠っている。どうやら昨日は勢いで寝てしまった様で、4人が一緒に寝て居る事に気が付かなかった様だ。

 零は起きたものの、未だその右眼には光が戻っていない。零は右眼を閉じ、慣れた様子でオーフィスと白音を身体の上から降ろした。

 

 

「ふぅ………やっぱ力を失っている間は不便だな。ん?」

 

 零は何かに気が付き、顔を上げると窓の外に大きな鴉がいた。よく見れば足が3本ある。

 

 

「八咫烏か………母様の使いか?」

 

 窓を開けると、八咫烏が咥えている袋を差し出した。零がそれを受け取ると、八咫烏は身を翻し空へと飛んで行った。

 

 

「なんだ?」

 

 零は袋を開けると、中から手紙を取り出した。どうやら天照からの様だ。

 

 

『昨夜の事件は此方の方で三大勢力と話をつけることにしました。三大勢力との話し合いは此方に任せなさい。それと例の件なのですが、私と月読、素戔嗚の意見は一致しました。貴方達の都合のいい時に、高天原に来るといいでしょう。後、来る時は子供の姿でk(ボッ!』

 

 零は最後の方になると、嫌な予感がしたのか手紙を燃やしてしまった。

 

 

「あっ……手紙が燃えてしまった。最後まで読めなかったけど仕方ナイヨネ。ハハハ」

 

 零はそう言うと、他の袋の中身を取り出した。鏡・勾玉・金色の冠・鈴が入っていた。

 

 

「フム………これで招待状はいいとして何時行くかだな。皆が起きてから行ってもいいか。出来れば早い方がいいだろう「ぜろさぁ~ん?」アーシア、起きたか?」

 

 アーシアは眼を擦りながら起きた。

 

 

「はい、零さんはこんなに早く起きてどうしたんですか?」

 

 

「あぁ、ついさっき母様から届いた物があってな」

 

 アーシアは身体を起こすと、零の前にある天照からの贈り物を見た。

 

 

「なんですか、これ?」

 

 

「母様からの招待状だ。アーシア、今日は皆で出かけるぞ」

 

 この出掛けるという事が、アーシアや黒歌達にとっても、この世界にとっても大きな変化を迎えることをまだ誰も知らない。

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