ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~先の話し合いから数日~
零は何故か帰宅の途中で寄り道をしていた。寄り道と言ってもただ遠回りして帰っているだけなのだが。
「はぁ………疲れた。今日は何処に行こうかな?」
零は暇な時に、こうして散歩している。理由は特にないらしい。
「一誠の奴は悪魔として頑張っているみたいだけど………アイツが決めたならそれはそれでいいけど」
そんな事を考えていると
「きゃぁ!」
「ん?なんだ?」
悲鳴のした方向を見てみると、そこには少女が転んでいた。
「いたぃですぅ……どうしてこけるんでしょうか?」
涙目になりながら、身を起こす。
「大丈夫か?」
零は少女に声を掛ける。
「あっすいません……ありがとうございます、お蔭で助かりました」
少女は零の手を借り立ち上がると、笑顔で礼を言った。
何だろう、この穢れを知らない純粋な笑顔は。凄く眩しい、こんな娘がいるとは予想外だな。
「私はアーシア・アルジェントと申します。少し前にこの街の教会に赴任してきたシスターです」
「俺は天王理
「はい、こちらこそ。はぁ……この前もイッセーさんにぶつかってご迷惑おかけしたばかりなのに」
この少女の口から一誠の名前が出るとは驚いた。話を聞くとこの街に来た時に道に迷って偶々一誠とぶつかったらしい。それで教会の場所が分からなかったため、案内して貰ったそうだ。アイツが純粋に人を助けるとは……良い所あるな。
「でもイッセーさんは何であんなに顔を真っ赤にしていたんでしょうか?」
前言撤回。あの馬鹿、こんな純粋な子をそんな目を向けるとは少し話し合う必要がありそうだ。
「それよりも何でこんな所に1人でいるんだ?」
俺はそう聞いてみると、アーシアの表情が暗くなり泣き始めた。ちょwちょっと待って!俺が泣かしたのか?俺の性か?!
突然の事で驚いたが、アーシアが事情を話し始めた。そして彼女は自分の半生を語る。
生まれて直ぐに親に棄てられ、教会の孤児院で育った。幼い頃から信仰深かったために『奇跡』の力を授かったとかで、その力で『聖女』と崇められたそうだ。だがある時に倒れている悪魔を癒した事で『魔女』と呼ばれ教会から追い出された。その時には誰も助けてくれなかった。行き場をなくした彼女はある組織に拾われたそうだ。
よし、話しに出て来た奴等全員潰そう。久々に頭に来た、こんな純粋な子は滅多にいないんだぞ!なのにこんな優しい子がこんな目に合うなんて間違っている。魂ごと消し去ってやろうかな?
「きっと、主の試練なのでしょう。だから今、頑張ればいつか報われる時が来ると信じています」
アーシアは手を合わせ、祈りを捧げている。
本当に優しい子だね。辛い目にあったのに、原因の奴等を恨まずにそれを試練だと言って頑張ろうなんて。マジでいい子だよ。こんな子を見たのは彼のオルレアンの聖女以来だな。勿論、違う世界の聖女だけど。
「俺が思うに君は間違ってはいない、君は君自身の意志で傷付いた悪魔を助けた。ただそれが周りには悪い事だと思われた。だがその君の優しさは本当のもの、そして君は間違いなく『聖女』だ。誰が何と言おうな」
零は懐から金色の十字架を取り出した。そしてそれをアーシアに渡した。
「これは……なんて清らかな力」
アーシアはその十字架が放つ聖なる力を肌で感じる。
「それはある知り合いに貰った物でね。俺が持っていても仕方のない物だから君にあげるよ」
「でも……」
「力のある物は、本来持つべき持ち主の元に辿り着く。これは君にこそ相応しい物だ、あっ…しまった。時間が……悪いな、俺は此処で失礼する」
零は用事を思い出すと、直ぐにその場を離れる。
「あっ……行ってしまわれました……あの様な方が仰るなんて…主よ、あの方と出会えた事に感謝します」
アーシアは零に会えたことを神に感謝する。
~翌日 夜~
今日は特に何もない1日だったな。さて寝るとするか。俺は眠くなってきたので、ベッドに入ろうとするが違和感を覚える。何か膨らんでいるな、という事は……やっぱり。
布団を捲ってみると、黒歌・白音・オーフィスが眠っていた。毎度の事だから慣れたけど、横に5~6人が並んで寝ても少し余る位のデカいベッドだからいいんだけど………寝るか。
俺も寝ようとベッドに乗ろうとした時、脳裏にある金髪を三つ編みにした少女の姿が映る。
……なるほど、やはりあの娘……
「分かったよ……さて行くとするか」
零は黄色い光に包まれその場から消えた。
~街外れの教会~
教会の前に光が現れると、零が姿を現した。
「此処か……堕天使の気配がする。それに人間もいるな、始めようか【ソウルコード】」
右手に前にも使用していたライフルが現れる。
そして零は教会の扉を蹴り破り中へ飛び込んだ。