ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP70 和解、そして現れるのは……

 ~ロキside~

 

 零の深紅の槍に貫かれたロキは、地に落ちた。槍によりロキの身体は地面に縫い付けられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 身体が動かない。私は地に落ち、指一本動かすことが出来ない。恐らく先程の槍…神殺しの力があるのだろう。

 

 二天龍を倒したと言う伝説があるにしても、所詮は東方の島国の神かと思っていたが……ウロボロスを手懐けただけはあるということか……凄まじい力であった………それに神で在りながら何処か人間の様な奴だ。

 

 私はこのまま死ぬのだろうか?死か……死は怖いな。フッ………邪神と畏れられ、世界を破滅に導く私が死を恐怖するとは可笑しなものだ。

 

 神々の黄昏(ラグナロク)を行う前戯に天使や悪魔共と遊ぶつもりであったが、まさかあの様な者と戦う事になるとは……神々の黄昏(ラグナロク)を行うに当たり、相応しい戦いであった。あの様に心躍る戦いをしたのは……神話の時代以来か。

 

 神話の時代より、世界を滅ぼそうとする魔や邪神は英雄に撃たれて滅ぶるのが運命か……。

 

 

 

 

 

 

 ロキの意識が段々と遠のき、襲い来る【死】を受け入れようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、起きろ。死なれては困る、オーディン()が五月蠅いからな」

 

 声と共にロキは顔面に冷たい何かが襲う。

 

 

「ぐほっ?!ゲホッゲホッ!」

 

 冷たい何かの性で、身体を起こしロキは咽る。

 

 

「なっなんだ!?何事だ!?……身体の痛みがない?傷も…」

 

 ロキは痛みがない事に疑問に思い、槍に貫かれた場所を自分の手で触れてみた。だがそこに槍で開けられたはずの穴が消えていた。ロキが顔を上げると、中身のない瓶を持った零が居た。

 

 

「ふぅ……死ぬ前でよかった。神を死んでから甦らせるのは面倒だからな」

 

 

「何をした?」

 

 

「死にかけてたのに何で生きてるかって?この【エリクサー】をぶっかけてやったんだ、泣いて感謝しろ」

 

 零がそう言って【エリクサー】の入っていた瓶を投げると、瓶は何処かに消えてしまった。エリクサーとは錬金術で不老不死を与えると言う伝説の霊薬だ。だが零の使った物は体力・魔力を完全に回復する希少アイテムである。

 

 

「何故助けた?あのまま放って置けば、私は確実に死んでいた!私が居なくなれば神々の黄昏(ラグナロク)は起きなくなる、なのに何故!?」

 

 

「封印するのと、消滅させるの全く違うからな。例え邪神とは言え、この世界の神……居なくなればそれだけで世界にどの様な影響が出るか分かったものではないからな」

 

 神とは言わば、世界そのものとも言える存在。故に信仰が失われ神が消えると言う事は、神秘が失われると言う事であり、星そのものが死すると言う事だ。零にとって現在の神話体系のバランスが崩れるのは困った事になる。とても重要な理由が……。

 

 

「これ以上、神話体系のバランスが崩れると地球の方にも影響でるし……人間にも影響が出るだろう。神話同士の戦争なんて起きてみろ、罪のない人々が巻き込まれる可能性もあるだろう」

 

 零は慈愛に満ちた表情でそう言った。流石は神という所だろう。

 

 

「まぁこれ以上問題増えたら、オーフィスや白音達を愛でる時間が削られるから勘弁してほしいものだぜ」

 

 先程とは一変し、溜息を吐きながら言い放った。どうやらこっちの方が本音の様だ。零の纏う無限龍神の鎧(ウロボロス・ドラグメイル)が光り出すと消えた。その代わりに零の背にオーフィスが引っ付いていた。

 

 

「さて……邪神ロキ、敗者は勝者に従うものだよな?」

 

 

「……フッ、そうだな。敗者は勝者に従うものだ」

 

 

「ならラグナロクは中止して貰う」

 

 

「……いいだろう。我が悲願ではあるが……神聖な決闘でついた結果だ、私は大人しく従おう」

 

 ロキはどうやら、これ以上戦いを続けるつもりはない様だ。

 

 

「それともう1つ……アレ、お前の仕業か?」

 

 零が指さした方向には、先程の戦いでロキが使用していたグングニルが地面に突き刺さっており途轍もなく異様な気配を放ち、矛先から泥の様な黒い液体が留めなく溢れていた。

 

 

「いっいや……こんな事、初めてだ。こんな事は今までなかったぞ、それになんだこの異様な力は……」

 

 ロキもグングニルに何が起きているのか分からなかった。

 

 

「………ぁ~……何か覚えのある様な気配。俺の予想が外れていれば嬉しんだけどなぁ~」

 

 零がグングニルの放つ気配に覚えが在ったのか露骨に嫌な顔をしている。

 

 

「ロキ……1つ聞きたいんだが、赤い髪、青と緑の瞳のクソあ……コホン、女に見覚えってないか?」

 

 

「赤髪、青と赤のオッドアイ?……そう言えばそんな女が数年前に現れたな。突然に……それで戦いを挑んできたが、グングニルの一刺しで滅ぼしたがな」

 

 どうやら零の言う女は、数年前にロキの前に現れていた様だ。

 

 

「あの女……勝手にこの世界に……チッ……オーフィス、アーシア達の元に行ってくれ」

 

 オーフィスは零が真剣な表情をしていたので、頷くとアーシア達の元に向かった。

 

 

「おい、伝説の『零だ、零』…零、アレはなんだ?」

 

 

「あぁ……心当たりが在り過ぎて困る……ふぅ」

 

 零は溜息を吐くと、怠そうに立ち上がり深呼吸するとグングニルを睨む。するとグングニルから溢れている泥が人の形に変わり、その色を段々と変えていき、赤髪、青・緑の瞳の女性へと姿を変えた。それは零が先程言っていた女性の風貌と同じであった。女性は虚ろな目であったが、零の姿を捉えるとニコリと笑みを浮かべた。

 

 

「フフフ……御久しぶりですわ。偉大なる御方」

 

 

「喋りかけるな、疾くとこの世界から去れ。母様には黙っておいてやる」

 

 

「嫌ですわ、私は貴方様に会う為に禁を破って来たのに」

 

 

「俺は貴様なんぞに会いたくないんだがな、このクソアマ」

 

 零は純粋な殺気を女性に向け放っている。その殺気を受けると、女性はその身を震わせる。

 

 

「ッ~~~~ぁ~偉大なる御身からの純粋な殺気……素晴らしいですわ、ァア殺気だけで下着が拙い事になってますわ」

 

 ゾクッゾクッと身を震わせながら恍惚のポーズをしている。零は一誠やヴァーリを見る様な変態を見る眼で女性を見ている。

 

 

「全くもって……不愉快だ。貴様の存在が、そこに在ると言うだけで腸が煮えくり返る。俺の前から消えろ……いや存在そのものをあらゆる世界から消すぞ、塵芥」

 

 零が今までにない程、怒りを顕にしている。それに加え、睨んでいる眼には女性に向けてのハッキリとした憎しみが宿っていた。女性はそれを受けて歓喜していた。どうやら零から自分に向けられる物は何であれ彼女にとって喜びの様だ。

 

 

「ぁあ貴方様から言葉……それがどの様な内容であれ、私に向けられた言葉。そんなにも私を愛して下さっているのですね」

 

 

「ふざけるな。俺は貴様の事なんぞ、唯の1度も思った事などない」

 

 

「………私を愛していないと仰ったのですか?私の聞き間違いでしょうか?」

 

 歓喜していた女性はピタリと動きを止め、無表情となり首を傾げた。

 

 

「何度でも言ってやる。過去・現在・未来、どの様な世界でもこの我が貴様を思う事など絶対にない。いいか、絶対にだ!」

 

 

「ふっ………フフフ、ありえません。ぁあそうですか……そうなんですね。あそこに居るゴミ共に毒されているのですね」

 

 女性はオーフィスやアーシア達の居る方を見てそう呟いた。

 

 

「アイツ等は関係ない……唯一貴様に向ける感情と言えば……『我が友を殺した貴様を【憎んでいる】』と言った所か」

 

 

「友?………ぁあ…貴方に纏わりつき、媚びる事しかしなかった人間にも劣る汚らわしい獣の事ですか?」

 

『ブチッ』と何かが切れる音と共に、辺りの総てが凍て付かせる様な恐怖……いや神の怒りが放たれた。過去にレイナーレやリアスに向けた殺気・怒りなどとは比べ物にならない物だ。そして零の身体から闇が放たれ、【半身】が出現した

 

 

「【殺す】」

 

 零と【半身】の声が重なり、神言を言い放つ。




・登場アイテム

:エリクサー

 
 様々な世界で伝説などに出現する希少アイテム。錬金術では不老不死を得られる霊薬と言われているが、零の所有する物は飲んだ者の【体力・魔力(神力)等を完全に回復させる】と言うもの。

 零が使用した物は、自分で作った物で神にも効果がある。
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