ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

83 / 110
EP71 神々の戦い

 -我、無より出でし万物を創造せし者―

 

【我、無より出でし万物を破壊せし者】

 

 

 ―創造により、無より万物を産み、命をある者達に恵みを与えよう―

 

【破壊により、万物を壊し、命ある者総てを無へと帰そう】

 

 

 ―総ては無より出で―

 

【無に還る】

 

 

 ―2つに別れし、我等が心―

 

【たった1つの目的の為に】

 

 

 ―【我が友を殺した、愚神を滅ぼす為に……我等は今、1つに戻らん】―

 

 2人の零の神言が終わった後、自分達の身体を光と闇に変換し、それらが混ざってゆく。光と闇は人の形となり、元の零に戻り目を閉じたまま立っている。髪が伸びているがそれ以外何も変化していない様に思える…しかし身にから出る力の質が変化していた。

 

 女性はそれを見ると、全身を震わせている。それは恐怖からではない。

 

 

「フフフ……アハハハハハハハ!私の為にその御姿に戻られるなんて、嬉しいですわ!アハハハハ!良いでしょう、貴方様から毒を消し去る為に心苦しいですが少し痛い目をみて貰いましょう」

 

 女性から黒い泥が溢れると、身体を包み込み鎧と化した。その手にはロキのグングニルが握られている。

 

 

「さぁ、殺し合い(愛し合い)ましょう!愛しき、零様!」

 

 

「黙れ……戦と愛を司る女神【ルシュカス】」

 

 零がそう呟いた瞬間、ルシュカスは身体を硬直させた。そして零が瞳を開くと、右の白目が黒く染まっており、全身に紅と蒼の2色で紋様が浮かび上がる。

 

 

「貴様の甲高い笑い声は耳につく……貴様の声を聞く度に、姿を見る度に我は気が狂いそうになる。何時か消してやろうと思っていたが……今此処で消してやろう。安心しろ、【戦】と【愛】の権能は他の誰かに譲渡してやる。貴様以上に相応しい誰かにな」

 

 

「私以上に美しく、戦いと愛を知る女神がいるとお思いですか?」

 

 

「探せばいるだろうさ……まぁこれから滅ぶ貴様には関係ない話だが……貴様との話はこれまでだ。後は殺し合いだ……『大いなる母神よ、姉神よ、我が身を戒める鎖を解き放ち給え』」

 

 そう呟いた瞬間、空を覆う暗雲を裂き暖かな太陽の光と月の光が零を照らす。照らされた零の手足には、白い鎖と黒い鎖が巻かれている。その鎖は光に照らされた場所にだけ見える様だ、光が当たらない場所には見えてない。空から差す光が一層強くなると、鎖が音を立てて砕ける。

 

 

「【陽神の戒め】【月神の戒め】……原初世界の神の間でも禁忌とされる封印術。どちらかだけでも神を封じる事のできると言われる戒めを2つも受けるなんて正気とは思えませんわ」

 

 ルシュカスの言葉を無視しながら、零は自分の身体を確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~アーシア達side~

 

 

 謎の女性ルシュカスの出現で混乱しているアーシアやリアス達。その中で、オーフィス、黒歌、白音、サガ達黄金聖闘士(ゴールドセイント)、バハムート神式はルシュカスを警戒していた。

 

 

「「フッーーー!!!」」

 

 黒歌と白音に至っては全身の毛と尾を逆立たせて威嚇している。

 

 

「アレは異質な者………母に近い性質の力を持つ。でも異質過ぎる……それに零、何時もの零じゃない」

 

 

【グルルルルルルルル……アの女狐……法を破りコノ世界に来た華】

 

 オーフィスとバハムート神式がルシュカスを見ながらそう呟いた。

 

 

「あっあのドラゴンさん、あの人は一体……」

 

 アーシアがバハムート神式に尋ねる。

 

 

【アノ女狐……原初世界ノ戦と愛を司ル女神。主の友ヲ奪っタらしイ。詳シくは知らヌが……あの女ハ力を持つ……危険……あの女ハ幾つ物世界を滅ぼシた。原初世界でモ禁を破り投獄さレた筈……そレよりも……逃げルゾ】

 

 

「「「えっ?」」」

 

 バハムート神式の発言に驚いている全員。普通であれば助けにいこうと言う場面であるが、逃げようと言いだした。

 

 

【恐らク、これカら主は神殺シの力を使ウ。そうなれバ、我等は邪魔とナる】

 

 

「神殺し?それって神様を殺すってことか?」

 

 一誠がそう言うと、バハムート神式は頷く。

 

 

【神殺しハ凄まじイ。発動ノ余波だケで世界をコワスこともできる】

 

 

「何ですって?!」

 

 

「そっそんな!?ではこの冥界はどうなるのですか!?」

 

 バハムート神式の言葉にリアスやソーナは驚いている。バハムート神式の鋭い視線が2人を貫く。

 

 

【知らン。以前ハ主ガあノ女狐を殺そウとした時ハ宇宙ガ10程消えた】

 

 

「うっ宇宙が消えた?」

 

 

「カカカ!懐かしいのぅ……」

 

 バハムート神式の言葉に唖然としている皆は後ろから聞こえてきた笑い声で振り返る。

 

 

「おっオーディン様?!」

 

 やって来たのは北欧の最高神オーディンだった。肩には巨大なハンマーを担いでいた。

 

 

「ご苦労じゃったのぅ、ロスヴァイセ。それにバハムート神式も久しいのぅ」

 

 

【ド変態エロ爺】

 

 

「おい!いきなり何を言うんじゃ!」

 

 

【どウでもいイ。それよりも遅かっタな…主はもうアレを使うゾ】

 

 

「むぅ……確かに少し遅かった様じゃ」

 

 オーディンの言葉に皆が零の方を向いた。

 

 

 

 

 ~side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「問題ないか……さて、神殺しをするには相応しい武器を出すとしよう」

 

 零が右手を横に伸ばすと、空間が歪み白い大剣が姿を現した。零はそれを握ると、軽く振るう。

 

 

「さてと……」

 

 

「えっ?」

 

 ルシュカスの視界に映る零の姿にノイズが入る。それは一瞬で在ったが、先程までとは違っていた。零の手には白い腕が握られていたのだ。ルシュカスは自分の左腕を見ると、そこには在る筈の腕が肘より下がなかった。つまり零の握っている腕はルシュカスの物だ。

 

 

「ッッーーー!!!まさか私の腕を一瞬で!?」

 

 

「貴様の様に普段から怠けていないんでな。汚い」

 

 ルシュカスは痛みにより、右手で左腕を押さえ膝を着いた。零は持っていたルシュカスの腕を放り投げた。

 

 

「痛みなんて気にしている場合か?」

 

 

「どういう……!?」

 

 ルシュカスは零が放り投げた自分の腕が黒く変色している事に気付いた。そして自分の斬られた腕の方に目をやると、切り口から黒い何かが自分を浸食し始めていることに気付く。そして本能的にルシュカスは自分の残りの腕をグングニルの刃で斬り落とした。

 

 

「その武器……いや神器はまさか………まさか…ありえません!それは我等が最高神であるあの方々でさえ触れる事すらできなかった、神殺しの神器!」

 

 

「だろうな。母様や姉上、武神である叔父上でさえも此奴に触れる事さえできなかった。此奴自身が拒否していたからな。忌み嫌われた者同士、気が合ったんだろうさ」

 

 

「……忌み嫌われた?貴方様が?その様なことはありません、少なくとも私はそのようなことした事ありません」

 

 

「フン、自分の都合の良い様に記憶の改竄してやがる……貴様がどう改竄しようが、貴様が我が友を殺した事実は変わらん。」

 

 

「またあの様な汚らわしい獣ことを言われるなんて……私の愛で貴方を満たして、あの獣の事など忘れさせて差し上げますわ!」

 

 膝を着いた状態から、グングニルを掴み一気に零の元に駆け、槍を突きだした。だが零はそれを避け、大剣で振り払う。

 

 

「ちょこまかと!」

 

 

「アハハハハハハハ!楽しい!楽しいですわ!」

 

 零の大剣とルシュカスの持つグングニルが衝突し火花を散らせる。どちらも一歩も退かず、剣と槍を繰り出し続ける。常人の目でみれば、何が起きているのか分からないだろう。

 

 

「もっと!もっと!もっと!殺し合い(愛し合い)ましょう!零様!アハハハハハハハハハ」

 

 ルシュカスは狂気に満ちた笑みを浮かべながらグングニルを突きだし続ける。零は無言のまま大剣で槍を捌き続けるが、既に次にどう動くかは決めていた。ルシュカスは片手とは思えない槍捌きでグングニルを振るい、続けている。

 

 

「貰いましたわ!」

 

 凄まじい攻防の中でルシュカスは一瞬の隙を見出し、グングニルを突き出した。そしてグングニルの矛先は零の左肩を貫いた。

 

 

「フフフ……痛いですか?痛いですか?痛いですよねぇ?貴方様の苦痛の声、聞かせて下さいよぅ……貴方様の苦痛も、喜びも、怒りも、憎しみも、妬みも、愛も、ぜーんぶ私の物なんですから」

 

 ルシュカスは零の肩を貫いたグングニルを捻じる。零は下を俯いている。

 

 

「フン、戦神が情により戦いを忘れたか」

 

 

「何を?……はっ!この状況は!?あの時の!」

 

 ルシュカスは笑みを浮かべている零を見て、直ぐにグングニルを抜こうとするが零は左手でそれを掴む。逃げるのであればグングニルを離せばいいのだが、ルシュカスはそれしなかった。

 

 

「ククク……どりゃぁぁぁぁぁ!」

 

 零は右手に持つ大剣でルシュカスの左脚を斬る。

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!(このままでは、神殺しの力が……しかし槍を……言ってる場合ではないか)」

 

 黒く染まり始めた自分の左脚を見ると、直ぐにグングニルを手離し零から離れた。そして左腕の時と同じ様に自ら切り落とそうとするが、既にグングニルはない為、無事である右手に力を込め左脚を手刀で斬り落とした。斬り落とした脚は黒く染まり塵へと変わった。

 

 

「一瞬で良くも判断したものだ。腐っても戦神か」

 

 零は掴んでいたグングニルを無理矢理引き抜くと、放り投げた。

 

 

「原初世界の神殺し……本当に厄介ですわね」

 

 左の手足を失い、立つ事がままならない為に宙に浮いているルシュカス。そして忌々しそうに零の持つ大剣を睨む。

 

 

「惨めな姿だな下郎。どうだ?悔しいか?痛いか?我が友の受けた屈辱は、苦しみ・痛みから比べれば塵の様なものだがな」

 

 

「フフフ……嬉しいですわ、貴方が本気で私を殺しに来てくれているのです。今、この瞬間貴方様は私の事だけを考えている。貴方様が私で満たされていると考えると……ぁぁぁぁぁああああ…濡れてしまいます。はぁぁぁ……でも今は戦いの最中ですし自粛しましょう」

 

 ルシュカスはそう言うと、斬った手足の断面から黒い泥が溢れ手足を再生した。そしてルシュカスは何処からともなく巨大な鎌を取り出し構えを取る。

 

 

「もっと!もっと!楽しみましょう!」

 

 

(やはりあの身体………だろうと思ったが、まぁいい。あっちの方は爺に任せるとしよう。我はその間、目の前の下郎を傷めつけるとしよう、生きている事が嫌になるくらいにな)

 

 零は純粋な怒りと殺意で、ルシュカスは歪んだ愛をもって再び殺し合いを開始する。

 

 




 ~人物紹介~

 名前:ルシュカス

 性別:女性

 年齢:???

 種族:原初世界の【戦】と【愛】を司る神

 出身地:???

 家族:母

 容姿:赤い髪、青と緑のオッドアイの美女

 好きな物:戦い、スイーツ、零

 嫌いな物:零に近付く存在

 神力:?

 攻撃力:?

 防御力:?

 突然、ロキのグングニルより溢れた泥から出現した女性。零の事を盲目的に愛しているので、零に近付く存在は一部を除いて気に喰わない。つまりヤンデレある。

 しかし過去に零の友の死の原因であるため、憎しみを向けられている。それすら彼女にとっては喜びに感じるらしい。零を溺愛する天照や月読達からも毛嫌いされており、力を使って存在ごと消そうとしていたが、立場上私情で神を消す訳にもいかなかった為に極力、零と接触させる機会を断たせていた(零自身に殺させない為でもある)。

 戦闘時には禍々しい鎧と巨大な鎌を使って敵の首を刈り取る。その姿は戦と愛を司る女神と言うより死神にしか見えない。

 戦闘力は零と同等と言っていいほどのもので、バハムート神式によれば零が以前彼女と戦った時には10の宇宙が消滅したらしい。





 ~武器紹介~

名称:???

種類:対神

ランク:計測不能


 原初世界の最高神である天照達でさえ触れる事さえ出来ず、禁忌として厳重に封印されていた【神殺し】。巨大な大剣の形状をしており、刃はチェーンソーになっている。

 零曰く「忌み嫌われた者同士、気が合ったんだろう」との事で現在は零が所有しており、主の意思で世界を越えて飛来する。主以外が触れると、剣に支配され眼に映る物を全て破壊する事になる。

 斬られた対象は生物であろうが、惑星であろうが、宇宙であろうが、世界であろうが黒く侵食され存在ごと消滅する。ルシュカスもそれを知っていたので、斬られた腕と足を切り落とした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。