今回は因縁のお二人
「マスター!ジントニックで!」
その武将は大声で注文した
頭にはこどもの日によく見る兜
豪華な赤を基調とした鎧
豪快でいい叔父さんという印象
彼は平 清盛
かつて平氏で一時代気づいた男
「しっかしマスターのはうまいな」
「ありがとうございます」
カランコロン
ドアが開く
頭には縦に長い黒の帽子
聖徳太子とかがかぶってそうなやつだ
鎧はこちらも赤を基調とした鎧
「こんにちは....」
気弱そうな声
顔が全体的に暗い
清盛さんはその顔を見た瞬間言った
「お前は頼朝!久しぶりだな!」
「あなたは、清盛さん」
低い声で返事を返す
頼朝さんはそのまま清盛さんの横に座る
そして沈黙
「まず鎌倉幕府おめでとう」
「ありがとう」
かつての仇敵の偉業を讃える清盛さん
ここだから聞ける会話だ
「三代で源は終了しましたが」
「どんまい」
そして沈黙
「お互い大変だったな」
「ええ、そうですね」
「しかし情けで島流しにした奴に滅ぼされるとはな」
「あ、あの時はありがとうございます」
「飼い犬にパイルドライバーされた」
「なんぞそれw」
「てかなんで挙兵したの?」
「ノリです」
「ノリ!?」
「周りが挙兵するのでじゃあ俺もって事です」
「その後はどーぞどーぞみたいな感じかw」
「何それw」
実際は天皇の勅使だったな
最初は様子見だったが平氏がガチで源氏滅ぼしに来て
それであわてて挙兵した、だったっけ
「その後なんやかんやで関東平定しました」
「関東か、駿河の水鳥事件は平氏の人間として恥ずかしい」
「あれはこっちが驚きましたよ」
「くそ維盛め」
駿河の水鳥事件
富士川の戦い
源氏討伐のため軍勢を率いる維盛軍
それを迎え撃つ絶好調の源氏
激戦になると予想されたがその時に事件が起こった
維盛軍の近くにある川 富士川
これにはよく水鳥が集まる
結構たくさん
ある日その水鳥が何を思ったか一斉に羽ばたいた
その羽音を聞いた維盛は
「源氏が攻めてきた」
と思い退却した
こうして源氏は一兵も失うことなく戦いに勝利した
「だって朝にはいないんですよ、敵が」
「それは驚くな」
「その後上洛だろ?」
「上洛か、ちょうどあいつが来たんだ」
「弟さんか」
源頼朝の弟
義経
彼はイケメン、戦上手、と人気者
源氏のヒーローである
「あいつの人気なんなの?おかしいよあれは」
「弟のせいで少し影薄くなったからなw」
「だから殺した」
「おい」
「まぁ上洛後もたいへんだったんだろ?」
「まぁそりゃ各地で打倒平氏の
挙兵フィーバーや義仲来るわで大変でしたよ」
「ここら辺で死んだわ俺」
「ご冥福をお祈りします」
「しんでるわ、俺もお前も」
「そうでしたね」
「で?実際はどうなん?義仲強かったやろ?」
「急に関西弁になりましたね」
源 義仲
頼朝さんとは従兄弟にあたる
木曽義仲といえばピンとくるひともいるはず
最初に上洛した頑張り屋さん
でも京都で自分ところの兵士が勝手やらかしたり
天皇の後継問題に口挟んだりと色々やらかして
天皇からキレられた人
「あいつは強かった」
「せやろな」
「でもあいつを倒したから朝廷から
お前やるじゃんみたいな事言われた」
「へーそう」
「でっその後に平氏滅ぼしたのか」
「壇ノ浦で沈めました」
「ひでぇw」
「ツイッターで呟いたら炎上した
壇ノ浦で平氏沈めたった、て」
「まさかのツイッターw」
「ツイッターって言っても鎌倉で紙に一言書いて
貼るだけなんだけどね、壇ノ浦行く前に
部下に貼ってもらったら 見事に炎上w
主に平氏ファンから」
「なんぞそれw」
「でもあれだろ?壇ノ浦でのMVPて義経だろ?」
「うん、満場一致で」
「出来る弟を持って大変だったろ」
「そっちも後継者問題大変だったでしょう」
「まぁね」
「あいつが、重盛がまさかの急死って」
「ご冥福をお祈りします」
「だから死んどる」
平重盛
清盛の第一後継者として清盛を支えていた
しかし天皇と清盛の関係の事でいつも悩んでいた
かわいそうな人
それでかなり悩んでいたのかかなり
ネガティブな人だったらしい
そして急死
現代で言うヤサ男である
「あいつは良かったんや、有能な奴だったのに」
「どんまい」
「お互い様や」
「はぁ」
沈黙
この二人はあの激動の時代を生き抜いてきたのだ
其れこそ面白い話が欲しい
「何か面白い話ありませんか?」
「そーやな、俺のイメージってどんなん?」
ニコニコしながら聞く清盛さん
「そうですね、厳しくていかついイメージですね」
「結構言うやないか」
「俺もそのイメージですね」
「俺実際は結構ユーモアあったぞ
ギャグとかお笑いとか好きやぞ」
そういえば最近の評価は変わっているらしい
残虐非道、鬼の様な性格から一転
温厚で義理堅いとの事
確かに頼朝を斬首ではなく
温情で島流しにした事もそれかな
まぁあれは周りも色々言ってきましたが
「布団が吹っ飛んだーとかw」
「うわ、ひっくー」
「親父ギャグや」
「マスター、お湯ください」
「そんなに寒ないやろ!?」
「カイロあります?」
「こら」
そして沈黙
「そや、マスターにお土産あるんや」
「え?なんですか?」
たまにお客さんからのお土産などがある
これが結構楽しみ
「久しぶりに故郷帰ったんや」
「そいや故郷って何処なの?」
「生まれは三重県」
「育ちは?」
「神戸や、というわけで神戸名物豚まんや」
「うわ、すごい」
そこには箱にぎっしり詰められた豚まん達
美味しそうである
「神戸って豚まんなのか」
「そや、一ついるか?」
「貰おう」
そして頼朝さんのがっつく音しかし聞こえない
沈黙である
食べ終えたら一言
「肉まんの方がうまい」
「ひでぇw」
「でも上手い」
「どっちやねんw」
なんだかんだで息合ってる
コンビでも組めばいいのに
「息ピッタリですね、漫才でもしたらどうです?」
「ははは、それいいですね」
「漫才か、関西人の俺は厳しいで」
「やってみるか?」
「構わんぞ、俺は」
唐突に始まる漫才である
「どーも、清盛でーす」
「どーも、頼朝でーす」
「二人で源氏平氏と言います」
「いやー清盛君本当に暑いな」
「せやな、暑いと言えば俺ら良く戦ってましたな、熱く」
「昔日本巡ってどんぱちしてましてね、僕ら」
「まー、俺が負けてしまったんですがね」
「負けた言っても勝ったこっちも大変でしたよ」
「そうなんや、例えば?」
「弟関係で色々あったり敵討ちとかありました」
「そうなんや」
「出来た弟でして」
「どんなにすごかったん?」
「倶利伽羅峠の戦いで平氏を破ったり
最初に上洛したりとかなり出来る奴で」
「倶利伽羅峠の戦い?最初に上洛?」
「でも人付き合いが良くなくて
天皇と揉めたらしいんで....」
「てそれ従兄弟の義仲やないかーい!」
「でも従兄弟って弟入ってるじゃん、漢字」
「色々面倒臭い!もういい!」
「「ありがとうございましたー!」」
そしてやってやりましたみたいな顔
ドヤ顔
「どうでした?」
「頑張ってください」
努力あるのみ
漫才のくだりごめんなさい
豚まん大好きです