真・女神異聞録 ペルソナ -Wild of Shadow-   作:日陰。

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プロローグ ~初めの始まり~
0-0 迷い蛾-マヨイガ-


画面や紙面の中で輝く、ヒーローと呼ばれる者たちに魅かれ始めたのはいつからだっただろう…

 

始まりはいつだったが思い出せないが、物心ついたときには既に、

一般的な子供と同じように、黒く縁どられた画面の中で。

 

颯爽と悪を蹴散らす彼らにアコガレを抱いていた。

そのアコガレは何時までも心に燻り、微量な熱を供給し続けていた。

 

何時しかアコガレは欲望に変わる 目の前に映るヒーロー達と共に戦いたい、同じ力が欲しいと。

 

真の戦いがどのような物か理解しようともせずに...

 

*  *  *

 

多分、俺は夢を見ているのだろう。

 

全身がぬるい液体に浸かっているような中、俺はある映像を見ていた。

そこに映っていたのは俺だ。それもかなり昔、まだ保育園に通っていたころの俺だ

 

辺り一面真っ黒な闇におおわれている中その映像だけが白く輝いていた。

まるで映画館にいるような感覚になっている中俺はその映像を淡々と見ていた。

 

まるで最新型の映像機器で撮られたように、鮮明に映っている〈それ〉は

俺が今まで経験してきた事柄を順に映していく。

 

保育園、小学校、中学、高校… そして数年前に入学した大学での風景をを最後に映像は途切れた。

 

眺めていると懐かしさと共にいろんな記憶がよみがえってくる。

昔はよくやんちゃして母さんに怒られていたし、2つ上の兄貴とのケンカは一度も勝てなかったな…

 

そんな思いを噛みしめていると、どこからか拍手の音が響き渡った。

 

 

*  *  *

 

 

周囲に響く音に振り返ると、そこに居たのは黒い人のような者であった。

周囲にある闇を、粘土のようにこねて纏めたような〈ソレ〉は、かろうじて人の形を保っており、

言うなれば〈ヒトガタ〉とでも呼ぶべき存在であった。

ひとしきり拍手をして満足したのか、恐らく顔があるであろう部分をこちらに向け話しかけてきた。

 

 

【素晴らしい、実に素晴らしいな。順風満帆、まるで見本のような人生だ。それでいてひどく…つまらない】

 

 

-つまらない…だと?

 

 

【そうだ、なんの刺激もなく。ただ流されるだけの人生など、どこが楽しいと言うのだ?】

 

 

-…確かに、傍から見ればつまらない人生かもしれない。だが俺は今の生活に満足している。

 

 

【ふっ… 満足、満足か。はたして本当にそう思っているのか?】

 

 

目の前の黒いナニカから問われた言葉に、俺は素直にうなずけなかった。

 

 

【真に満たされている者は言葉になど出さずとも、自然と周りに伝わるものだ。

それが無いおまえは、ただ単に「満足した」と口に出すことで己をだましているに過ぎない】

 

 

-……

 

 

【だんまりか。まあいい…そもそも貴様と問答をするために来たわけではないのだ】

 

 

どういうことだ?俺と話すことが目的でないと言うことは、こいつはここに何かをしに来たのか。

だが、俺にはその目的とやらを、察することが出来ないでいた。

 

 

【貴様らニンゲンは追い求める生き物だ。安定を得れば上を望み、他者との比較で自己を得る。

刺激が無ければ生き残れない。そんな生き物だろう?】

 

 

確かに、教科書にも載っている通り、人の歴史は戦争の歴史だ。こいつの言うことにも一理ある。

 

 

【故に、模範的で、典型的な、退屈で、〈ツマラナイ〉人生を送ってきた貴様に、

私が〈きっかけ〉を与えてやろうというのだ】

 

 

-きっかけ?いったい何を…

 

 

【ああ、別に対価など要求したりはしない。なにせ私が気まぐれに垂らした先に、

たまたま貴様がいただけだ。それに、貴様から得られるものなどたかが知れている。

そんな〈ツマラナイ〉物はいらん。偶然そこに居た〈幸運〉に感謝するのだな】

 

 

-さっきからあんたが言っていることが理解できない。

 

 

【別に理解などせずともいい。最初から貴様なんぞに期待などしていないのだからな。

ただ私が用意した〈きっかけ〉を乗り越えてくれるだけでいい。簡単だろう?】

 

 

そういうとその黒いナニカはゆっくりと俺に近づいてくる

 

 

【さて、今更ながら名前を聞いていなかったな。貴様の名はなんだ?】

 

 

-俺の名前?そんなの簡単… だ?

 

 

不本意ながら目の前の存在に俺の名前を告げようとしたが…言葉が出てこない。

まるでその部分だけ霧でもかかっているかのように。

 

 

【…よろしい。どうやら貴様には〈資格〉は無いようだ。もっとも、あえてそういったニンゲンを

選んだのだから当然だな】

 

 

-…さっきから人を小バカにしやがって。そういうお前は名前を言えるのかよ

 

 

【ふむ…自己の証明は出来ないが。言葉を発する力は保持している。なかなかに興味深いな、

ああ、私の名だったな…。いいだろう冥土の土産に教えてやる。これもまた戯れだ。

我が名はニ■■■ト■■プ。貴様らニンゲンからは這■よ■渾■と呼ばれている】

 

 

どうやら名前を言ったようだが俺には聞き取れなかった。今でも奴の口は動いているが

何の音も俺の耳に届いては来ない。そう、何も…ナニモ

 

 

【どうやら退屈しのぎもここまでのようだ。さあ逝け、平凡なニンゲンよ。

せいぜい足掻いてみせろ、それが貴様に与える唯一の〈シュクメイ〉だ】

 

 

その言葉と同時に、一瞬で距離を詰めた奴の腕が、頭に触れた瞬間俺の意識は沈んだ。

 

 

 

 





皆大好きニャル様降臨。

ほとんどのペルソナ二次がベルベットルームから始まるので偶には逆でもいいじゃない。
というわけで暗黒スタート

神様転生に保険を掛けたのはこれのため

でもいいよねっ。だってれっきとしたクトゥルフの神様だし
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