真面目っぽく書いたデモンズソウルのユルトさんが主人公の短編です。
 ギャグっぽいタイトルですが、いつかデモンズソウルの二次小説を書くときの練習作品ですので気楽に読んでみてくださいw

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 初めての人ははじめまして。ヨイヤサと申します。
 タイトルはギャグっぽいですが他に思いつかなかったのでこうなりました。一応ユルトさんが主人公の短編です。


とあるウサギの吊籠生活(ダイスンスーン)

 ……私は暗殺集団『沈黙』の長、ユルトだ。

 

 今回かなり厄介な依頼が来たので私が直接出向くことになったのだが……やれやれ。

 

 どうにも役に立たない部下ばかりだ。私について来れる力量の者が一人もいないとは。

 

 

 あの女、確かメフィストフェレスと言ったか。

 

 どうせ私のところに依頼を持ってくる他の連中と同じく本名ではないだろうがあの女の依頼では北の大地ボーレタリアにいるソウルの秘密を知る者を皆殺しにするんだったな。

 

 全く骨の折れる仕事だ。

 

 

 そうして私はいつものように二本のねじれた角をあしらった兜とそれと同色の真っ黒な鎧を着込む。

 

 これまで多くの英雄を殺してきた私にとって色のない濃霧に覆われたボーレタリアの英雄を始末することなど容易い仕事だ。

 

 しかも今回は『ソウルの秘密について知るだけ』の者を殺しても報酬が出るのだから暗殺者としては最高の仕事だな。

 

 

 この時の私は自分がこの色のない濃霧から生きて出ることが出来ないなどとは露ほども思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

……まさか私がこのような吊籠に閉じ込められるとは屈辱だ。

 

 デーモン共も愛用の武器、ショーテルでいくら斬りつけても平然とするなんて。 

 

 どうやら私としたことがデーモンを侮っていたようだ。

 

 こうして殺さずに生かしているのは私に利用価値があるからだろう。

 

 こうなればこの吊り籠が開いた時に逃げる計画を考えねばな。

 

 む、人が来たようだ。

 

 どうせソウル目当てでこの国に来た馬鹿か、英雄願望のある馬鹿だろう。

 

 この吊り籠から脱出したあとは紳士的に振る舞い、あとで始末してしまえば問題ないだろう。

 

 

 

「貴公、デーモンに敵する者か」

 

 

 ここはあくまで紳士的な振る舞いだ。

 

 この色のない濃霧に覆われたボーレタリアで数少ない同じ人間を見捨てる者はおるまい。

 

 この男も英雄願望があるなら私を助けるはずだ。

 

 

「であれば私をここから解放してほしい。

 私の思いは貴公と同じだ。

 ……何よりもデーモンと闘うために」

 

 

 そう言うと男はすんなり鍵を開けてくれた。

 

 

「助かったよ貴公の顔、覚えておこう。

 いずれ見える時もあるだろう」

 

 

 漸く自由になった私はここからの脱出方法を考える。

 

 メフィストフェレスの依頼も早く済ませなくてはならないしな。

 

 

 ……この高さでは自殺行為だな。さてどうするか……

 

 しばらくウロウロしながら考えていると背後から私を助けた男に突然斬られた。

 

 

 

 ……なぜ?私の演技は完璧だったはず。

 

 

「あんた『沈黙』の長ユルトだろ。

 あんたの事は魔女のユーリアからよく聞いてるよ。

 ソウルについて知る者を殺してるんだろ?

 じゃあ殺される前に俺が殺しても文句はねえよな」

 

 

 ば、馬鹿な!

 

 私としたことがなんというミスをしてしまったんだ!

 

 この国に来て最初の獲物として闘い、あと少しまで追い詰めたユーリアが断罪者ミラルダと王の公吏に捕まったのを見て、どうせあいつらが始末するだろうと死体の確認を後回しにしたツケがここで来るとは……

 

 私は常の冷静さを失い思考の海に翻弄される。

 

 

「俺はユーリアと付き合っていてね。

 俺の彼女があんな異常者とブヨ虫に捕まるきっかけになったのがあんただと知り、さらにこのラトリアに幽閉されていることを知ったからあんたを殺すために来たんだよ」

 

 

 男は武器を大剣に変え、再び斬りつけてきた。

 

 ダメージ自体は大したことはなかったが男の剣が触れた瞬間、嵐のような突風を感じ、私の体はさっきまでいた塔からたたき落とされた。

 

 

 何てことだ。

 

 私は暗殺集団『沈黙』の長ユルトだ。

 

 それがこんなところで死ぬことになるとは……

 

 塔から落ちる最中私は走馬灯を見ることはなかった。

 

 それは人を殺しすぎたために死が身近すぎたからだろう。

 

 だが後悔はしていない。

 

 これが私の死に様というのも……悪くない。

 

「ダァーイスンスーン!」

 

 最後に叫んだこの言葉は何を意味するのか私にもわからない。

 

 そこで私は意識を手放した……。




 こうして見ると懐かしいですね。

 けっこう書いてきたフロム作品シリーズの一作目に当たる短編です。

 また後日、このあとに書かれたデモンズソウルの二次創作も投稿予定です。


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