念のためもう一度言っておくと、
これは「終わりのセラフ」メインのSSです。「地獄先生ぬ~べ~」の方に関しては、一部キャラと設定のみを使わせていただいています。
以上を踏まえて御一読お願いします。
「う…ぐあ……」
吸血鬼の攻撃により焼け野原と化した童守町。
そこに一人の少年がいた。
少年の右手は千切れており、未だ出血は止まらない。以て数分という命だろう。
幼いながらも死を実感していた少年は泣くでもなく、抗うでもなく、ただ、迫りくる死を待っていた。
だんだんと視界が霞んでいき、体が冷たくなっていくのがわかる。
(俺…死ぬんだな…)
瞼を閉じた瞬間、少女の声がした。
「覇鬼兄ちゃんの妖気が感じられなくなったから来てみたら…」
顔を上げるとそこにはピンク髪のツインテールの少女が。何より驚いたのが彼女の頭には三本の角が生えていたこと。
すると、少女はこちらに気づき、歩みよってくる。
「あんた、お兄ちゃんの…」
父のことだろう。何度かそう呼ばれていたのを思い出した。
「右手が…」
少女は少年の右手がないことに気づいた。
「お兄ちゃんにはいろいろお世話になったし……。うん。これも何かの縁ね」
少女はそう言うと少年に尋ねる。
「私はあんたを助けることができる。ただ、その代わりにあんたの右手は鬼の手になってしまう…。どう?それでも助かりたい?」
正直、何を言っているのかわからなかったが、助かるというのなら助かりたい。
少年は力を振り絞って首を縦にふった。
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pipipipipipipi
目覚まし時計の音が部屋に鳴り響く。
左手でそれを叩くようにして止め、起き上がる。
意識はハッキリしている。よく眠れたようだ。
今日から新しい任務に就くことになった。
柊シノアと第二渋谷高校での監視。対象は百夜優一郎という男子。
戦闘以外の任務は久しぶりだが、気をぬかずにいこう。
ベッドから降り、部屋の戸を開けてリビングへ向かう。
「おはよう姉さん」
キッチンで朝食の用意をしてくれていた女性に声をかける。
「おはよう氷くん。相変わらずキッチリ起きるね」
彼女は花依小百合。
童守町での一件から、俺の面倒を見てくれている。感謝してもしきれない恩人だ。
「できる限り生活のリズムは崩したくないし…。姉さんは?仕事?」
話をしながら椅子に座り、姉さんが用意してくれたスクランブルエッグの乗ったトーストをかじる。
「うん。月鬼ノ組研修教室の」
月鬼ノ組研修教室。
吸血鬼殲滅部隊月鬼ノ組に入るに相応しい者を厳選、あるいは養育する場所だ。
ただ、俺は戦闘の腕が認められ、結局そこに行くことはなく月鬼ノ組に入れた。
姉さんの講師姿も見てみたい、というのもあるが、やはり俺自身そういう学校のようなものは憧れてもある。
そしてその意図を汲んだかのようにこの任務を俺に発注してくれたグレンさんにも感謝だな。
多分違うだろうけど。
「講師…か。大変そうだね」
「そうでもないよ。みんな良い子たちだから」
そう言う姉さんの笑顔から、本当に楽しいというのが伝わってきた。
俺も、姉さんにはそういうのがよく似合うと思う。面倒見もいいし。
そんなことを考えてる間に、トーストを食べ終えてしまった。
「そっか。ごちそうさま」
「わ、もう食べちゃったんだ。お皿置いといて。まとめて持ってくから」
「ありがとう」
椅子から立ち上がり、着替えるためにもう一度自室へ戻る。
部屋に戻ると、不意に右手から声がした。
「今日から学校だって?」
失った右手の代わりに俺の右手になってくれた鬼、眠鬼。
過去に父さんと暮らしていたことがあるらしい。父さんが母さんと結婚してからは自重して離れていたとか。
俺がこうして月鬼ノ組の人間としていられるのも、彼女が俺に力を貸してくれているからだ。
「ああ。といっても監視が目的だから出番はないかもな」
「学校か…。懐かしい……」
「眠鬼は行ってたことあるんだっけ?」
前にそんな話を聞いたことがある。
父さんの教室にいたと。
「うん。あんたも多分気に入ると思うわよ」
「そっか。それは楽しみだ」
着替えを済ませ、姉さんに行ってきます、と伝えて家をでる。
任務だけど、楽しめればいいな。
そう期待して渋谷第二高校へと歩き出した。
読んでいただきありがとうございます。
初めてなのでまだまだ駄文ですが、お付き合いくださると嬉しいです。
とりあえず探り的な感じで一話を投稿しました。
更新はいつになるかはわかりませんが、今月中には。