彼の原作知識はうろ覚えだが、勘違いしながらも冒険者として生きる。
追記
元が人気ある作品の二次創作なので、ある程度予想していましたが、本来書いている作品をあっという間にUAとお気に入り登録が抜いていてびっくりしています。
よほどの事が無ければ、続き書くつもりありませんので悪しからず。
不意に思い付いて書いてしまいました。
事故で死んだ記憶、いわゆる神様転生……では無いただの?転生から約15年、私は冒険者となった。
迷宮都市オラリオ、此処は私が前世で読んだ事のある『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』と言う小説の世界であった。
原作と呼ぶには馴染み過ぎたこの世界、まあ薄れた記憶から余り思い出せる事は少ないし、完結までは発売していなかったので不明な点が多いが。
確か主人公の名前がベーなんとかで、神様の名前がへぱいなんとかのロリ巨乳で、美の神様が悪役って事くらいだ。
まあ、見掛けていない以上無関係なんですが。
ちなみに、転生した私の名はベル・クラネル、白い髪に赤い目のウサギみたいな姿の少年である。
じい様は一生懸命に私に対してハーレムをアピールしてきていたが、あっさりとゴブリンに殺されてしまった。
努力した私は別個体だろうが、じい様の仇として村の近辺に居たゴブリンを狩り尽くしオラリオへ来た。
「流石に格上相手には辛い物があるのだが」
目の前にいるのは、ダンジョンの中層に出現するモンスターにミノタウロス。
現在地は上層に位置する5階層、何が起きているのやら。
相手が迷宮武器を持たないのはせめてもの救い。
身軽さを武器に走り回りは脚を切り付ける。
こちらはまだダンジョン初心者のレベル1冒険者である、レベル2に位置するミノタウロスの攻撃なんぞ食らえばまさに一撃だろう、だが相手がまだ生命体としての動きをする以上やりようはある。
まず狙うのは脚の腱。
倒れれば頭や心臓、首何かも狙える。
叩き付けられるミノタウロスの拳を避け、幾度も切り付けた位置を切れば先程とは違う確かな手応え。
痛みからかミノタウロスが吼え、轟音と共に倒れる。
「……ッ!」
突如感じた威圧感に飛び退けば、一閃。
ミノタウロスが真っ二つとなる。
「……大丈夫?」
真っ二つにしたのは【ロキ・ファミリア】所属、最強と名高い剣姫アイズ某だった。
「……えぇ、中層から追い立てられたミノタウロスと対峙して、倒せる目処が建った所で横取りされた事以外は」
少なくとも今のままならミノタウロスは問題無く倒せただろう。
それはレベルが2に上がるチャンスだったと言う事である、例え遠征中のロキファミリアメンバーが恐らくの原因だったとしても。
毒を吐いた私は、剣姫を追いかけて来たロキファミリアのメンバーを睨み付けその場を去る。
後日正式に告訴させていただこう。
地上にて眼鏡エルフさんにお小言を頂いたので、6階層はともかく、5階層までは一切問題が無い事、【ロキ・ファミリア】の遠征によるミノタウロスの出現、そして剣姫アイズ某の横取りに抗議する事を告げ、私が所属する【ヘスティア・ファミリア】の拠点である廃教会に戻る。
「やぁベル君おかえり!」
「ヘスティア様、ただいま戻りましたよ」
「何時もながらベル君はかたいなぁ、もっとフレンドリーに行こうぜ?」
「まあ、これは私の性分なので」
苦笑を浮かべ答える、見ての通り私とヘスティア様の仲は良好である。
ゴブリンの群れを虐殺出来ても、見た目は少年の弊害で、あちこちのファミリアで門前払いされていた私を拾ってくれた神様である、感謝こそすれど仲違いするなど考えられない。
「……ふぅん、やっぱりロキのとこの子って事なのかな、アイズ某は有名人みたいだけど」
本日の顛末を告げた神様の反応である。
「勝てる勝負だったんですけどね、まあ流石にアイズ某を相手にしてたら此処に居ないでしょうが」
そりゃそうだとヘスティア様が頷き、じゃが丸くんでパーティーをした。
就寝前に神様がステータスの更新をしてくれる。
「……凄いよベル君、レベルこそ上がって無いけどステータスが軒並み上がってる、それにスキルが発現してる」
「本当ですか?」
「うん、ベル君なら誰にも言わないだろうから言うけど……レアスキルだ、紙面には残さないよ」
「……色々狙われる可能性があるって事ですね」
「……スキル名【|強敵の天敵《ジャイアントキラー》】、効果は上位の相手と相対する時に全てのステータスが上昇する……多分発現したのはミノタウロスの脚を切り裂いた時だろうね」
「そうですね、多分」
「もう一つあるよ……」
「え、二つ発現してるんですか?」
「うん、【|孤軍奮闘《ラストサバイバー》】……一人で戦う時にステータスが上昇するって効果だ」
「……つまり私は危険を顧みなければソロで潜るべきなんですね」
「……うん、だけどベル君、ボクは君が生きて帰って来る事を望んでいるんだ、一人で無茶するなんて望んで無いんだよ」
「ヘスティア様、わかってますよ」
私は冒険者ベル・クラネル、転生し迷宮都市オラリオに生きる冒険者。
原作は忘れて、主人公にも出会って居ないが会えたならこう言ってやるのだ。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていない……但し、一番に考えるのは自分の命だ』と。
多分続かない。