神々の戦争   作:tuki21

123 / 130
第123話:輝きの光来神

 夏の暑さが、和輝(かずき)とサラに降り注ぐ。それはバトルフィールドでも変わらない。

 だが、そんな暑さも二人は気にならない。そこに()く余分な思考はない。

 いかにして相手を倒すか、考えるのはそれだけでいい。

 

 

和輝LP3900手札1枚

ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし

モンスターゾーン マジシャンズ・ロッド(攻撃表示)、ブラック・マジシャン・ガール(攻撃表示、攻撃力2000→2600)、竜騎士ブラック・マジシャン(攻撃表示)

魔法・罠ゾーン 永遠の魂、黒の魔導陣、伏せ1枚

フィールドゾーン なし

 

サラLP5000手札3枚

ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし

モンスターゾーン 

魔法・罠ゾーン 

フィールドゾーン なし

 

 

「あたしのターン。テイアの効果は使わない。そのまま、デッキトップを手札に加える」

 

 サラの口調は冷静そのもの。そして、今ドローしたカードを見た時、彼女の目の色が変わったことを和輝は見て取っていた。

 

「あれは……強力なドローソースかな?」

 

 ロキの予測はおそらく当たっているだろう。

 

「カードを一枚セットして、彼岸の悪鬼 ハックスルパー、グラバースニッチを特殊召喚。そして希望の宝札発動。手札が六枚になるように、カードをドローする。あたしは六枚ドロー」

「俺は五枚だ」

 

 ロキの予測は大当たり。最強のドローブーストが発動され、それぞれの手札が大幅に増える。

 増えた手札を吟味し、サラが動く。その口元に浮かべられた微笑が彼女の自信を現していた。

 

「このターンで終わらせてやる。セットした儀式の下準備を発動! デッキから彼岸の鬼神 ヘルレイカーと善悪の彼岸を手札に加える」

 

 希望の宝札は発動ターン、発動プレイヤーはカードをドローできないが、サーチは別だ。二枚のカードがデッキから排出され、サラの手札に加わった。

 

「これで準備は整ったね。魔法カード、テイアの天墜発動。墓地の輝きの光来巨神テイアを手札に加える」

 

 テイア、ティターン神族の名前が入った、神専用のカード。効果としてはテイアを回収、或いはサーチもあるか? だがテイアは墓地にいることで効果を発揮するカード。だとすれば、手札から発動する効果がもう一つあるということか。

 

「予想よりもだいぶ強かったけど、これで終わりだよ、センパイ! 手札に加えた輝きの光来巨神テイアの効果発動! 手札のこのカードを墓地に送ることで、フィールドのカードを全て破壊し、破壊したカード一枚につき、1000ポイントのダメージを相手に与える!」

「なんだと!?」

 

 フィールド一掃に強力なバーン。しかも対象はフィールド全体なので、極端な話、自分のフィールドにカードを並べ、テイアの効果を使えばそれだけで引導火力になる。

 

「アハハハハ! ついに来たね、あたしの効果が!」

 

 さっきまでサラの近くにいたテイアの姿が、いつの間にか消えており、声が頭上から降ってきた。

 和輝が頭上を振り仰いでみれば、そこには巨大な影。

 巨大な八角形の台座。その上に膝立ち姿勢で座った女。銀色の肌、絹のような質感の帯状の物質が身体に巻き付き衣服の代わりを果たしており、緩やかな髪は金属質なストレートに変わり、ついに露わになった目の色は虹色。

 頭上から声。

 

「知ってるかなぁ! テイアって名前はさ、月の誕生にかかわった、いわゆるジャイアント・インパクト! そん時に、地球に衝突した隕石の名前なんだよ! 人間の観測、かつての信仰ゆえかな、私という神格は、その逸話さえ吸収した。天より降りかかる一撃、受けて散りなよ!」

 

 テイアの台座、その一辺一辺から材質不明の謎の金属の帯が飛び出し、天井に伸びて台座ごとテイアの身体を包み込む――――さながら巨大な卵。或いは隕石。

 直撃すればフィールドに全てを破壊せしめ、和輝のライフを根こそぎ奪い去っていく。その一撃が、天から落ちてくる。

 

「こんなところで、終われるか! リバースカードオープン! 非常食! 俺のフィールドの黒の魔導陣、永遠の魂を墓地に送って、ライフを2000回復する!

 そしてこの瞬間、永遠の魂の効果で、俺のフィールドのモンスターを全て破壊する!」

「え!?」

 

 翻るリバースカード。一瞬後に和輝のフィールドの全てが砕け散った。

 ただしテイアの効果によるものではなく、和輝自身の選択によって、だ。

 

「うまい! 本来なら重い永遠の魂のデメリットを、うまく使ってテイアからのダメージを最小限にした!」

 

 ロキの喝采。直後に隕石と化したテイアが着弾。衝撃と轟音、閃光が両者のフィールドを吹き荒れ、あらゆるものを破壊しつくしていく。

 

「ぐぁ……ッ!」

 

 ライフを回復したとはいえ、ダメージは勿論和輝に行く。破壊されたのは結局サラが場に出した彼岸の悪鬼二体だけだったが、それでもダメージはダメージ。

 さらに、即死こそしていないが、和輝のフィールドががら空きになった事実は変わらない。

 

「まだあたしのターンは続いてるよ。破壊されたグラバースニッチの効果を発動して、デッキからスカラマリオンを特殊召喚する」

「だが俺も、手札のマジクリボーの効果を発動だ。墓地のブラック・マジシャンを守備表示で特殊召喚する」

 

 和輝は破壊対策ですでにマジクリボーを握っていたが、サラもまた、この後を考えていた。テイアの効果を何らかの手段で躱した時、そのまま止めを刺せるように。

 

「まだ行くよ。儀式魔法、善悪の彼岸発動! 場のスカラマリオンと、手札の彼岸の悪鬼 ファーファレルをリリースし、彼岸の鬼神 ヘルレイカーを儀式召喚!」

 

 サラのフィールドに魔法陣が展開し、その魔法陣が光を放つ。光に吸い込まれる二体の彼岸の悪鬼。そして、魔法陣の周りに設置されている燭台から青白い炎が燃え立ち、新たな影が現れる。

 大きく広がる悪魔の翼、黒い鎧、灼熱の炎のような肌の色、巨大な角。右手の赤い剣、左手の青い剣、竜の頭部の形をした下半身。凄まじい怒りを感じさせる悪魔だった。

 

「ヘルレイカーのリリースとなったファーファレルの効果発動! このターンのみ、フィールドのモンスター一体をゲームから除外する。あたしは勿論、ブラック・マジシャンを除外する!」

 

 壁を剥がされる。和輝を守る砦が脆くも崩れ去った。

 だがサラは手を抜かない。ここが()()()だと、彼女は確信していた。

 

「まだ終わらない、このターンで決着をつけてやる! 墓地のテイアの天墜の効果発動! このカードを除外し、墓地の輝きの光来巨神テイアを手札に加える!」

「もう一度隕石やる気か!?」

 

 和輝の叫びに、サラは首を横に振った。

 

「残念だけど、テイアのこの効果はデュエル中一度だけだ。だけどテイアの天墜の効果には続きがある。この二つ目の効果で、墓地のテイアを手札に回収した時、あたしのフィールドに三体の神の眷属トークンを特殊召喚する!」

 

 サラのフィールドに、三体の人型を形作った白い靄が現れる、靄は細部が定かでなく、正体も判然としない。

 

「さらに、この神の眷属トークン三体をリリースして、テイアをアドバンス召喚した場合、テイアの攻撃力は4000となる!」

「効果盛りすぎだろ……」呆れるやら慄くやらの和輝。

「だけどまずいよ。隕石のバーンダメージでライフを削って、場を更地にして、挙句に本体が出張ってきて殴る。これ大抵終わるよ」冷静な分析を下すロキ。

「だから、ここで終わらせるのさ! 神の眷属トークン三体をリリース! 今度は戦闘だぞ、輝きの光来巨神テイア!」

 

 靄の怪物が消える。新たに現れるは、先程隕石となって和輝とサラのフィールドをさんざんに荒らしてくれたティターン神族。

 

「アハハ! 悪いね先輩君。これで終わりだよ!」

 

 再び現れるテイアは相変わらずのハイテンションで笑い、サラも頷いて、指先で和輝を指し示した。

 

「予想よりもずっと強かったよ、岡崎先輩。これなら風間先輩や、黒神先輩も楽しめそうだ。だからこそ、これ以上時間をかけていられない。バトル! 輝きの光来巨神テイアでダイレクトアタック!」

 

 攻撃宣言が下り、テイアが動き出す。いかなる攻撃方法か分からないが、喰らえば和輝のライフは消し飛び、宝珠も砕け散るだろう。神の攻撃を身一つで躱しきることは不可能だ。

 

「和輝!」

「分かってる。手札から、速攻のかかしの効果発動! このカードを手札から捨て、テイアの攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する!」

「な―――――」

 

 手札誘発。和輝は首の皮一枚繋がった。

 同時に、この()()()()()()。和輝がデュエル序盤にサラに感じたことが、ここにきてサラ自身に返ってきている。

 

「勝った気になるのが、早かったな」不敵に笑う和輝。

「くそ……! カードを二枚セットして、ターンエンド。そして、エンドフェイズにスカラマリオンの効果を発動し、デッキから彼岸の悪鬼 アリキーノを手札に加える」年相応にふてくされるサラ。

 

 

希望の宝札:通常魔法

(1):互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにカードをドロー、または手札のカードを捨てる。このカードを発動するターン、自分は他のカード効果でデッキからカードをドローできない。

 

儀式の下準備:通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。(1):デッキから儀式魔法カード1枚を選び、さらにその儀式魔法カードにカード名が記された儀式モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選ぶ。そのカード2枚を手札に加える。

 

輝きの光来巨神テイア 神属性 ☆10 幻神獣族:効果

ATK0 DEF0

このカード名の(4)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):このカードが墓地に存在する時、自分または相手のドローフェイズのドロー前に発動する。ターンプレイヤーのデッキの一番上を確認して、デッキの一番上または一番下に戻す。(4):手札のこのカードを墓地に捨てて発動できる。フィールドのカードを全て破壊し、破壊したカード1枚につき1000ポイントのダメージを相手に与える。

 

テイアの天墜:通常魔法

(1):自分のデッキまたは墓地の「輝きの光来巨神テイア」1枚を手札に加える。(2):墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。墓地の「輝きの光来神ティア」1枚を手札に加える。その後、自分フィールドに神の眷属トークン(光属性 ☆1 ATK0 DEF0)3体を特殊召喚する。このトークンをリリースしてアドバンス召喚した「輝きの光来巨神テイア」の攻撃力は4000となる。

 

善悪の彼岸:儀式魔法

「彼岸の鬼神 ヘルレイカー」の降臨に必要。「善悪の彼岸」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):自分の手札・フィールドから、レベルの合計が6以上になるようにモンスターをリリースし、手札から「彼岸の鬼神 ヘルレイカー」を儀式召喚する。(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、手札から「彼岸」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキから「彼岸」カード1枚を手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

彼岸の鬼神 ヘルレイカー 闇属性 ☆6 悪魔族:儀式

ATK2700 DEF2200

「善悪の彼岸」により降臨。このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。(1):1ターンに1度、手札から「彼岸」モンスター1体を墓地へ送り、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったモンスターのそれぞれの数値分ダウンする。この効果は相手ターンでも発動できる。(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを墓地へ送る。

 

彼岸の悪鬼 ファーファレル 闇属性 ☆3 悪魔族:効果

ATK1000 DEF1900

このカード名の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。(1):自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。(2):自分フィールドに「彼岸」モンスター以外のモンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。(3):このカードが墓地へ送られた場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをエンドフェイズまで除外する。

 

速攻のかかし 地属性 ☆1 機械族:効果

ATK0 DEF0

(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。

 

 

和輝LP3900→5900→2900手札4枚

サラLP5000手札2枚

 

輝きの光来神テイア攻撃力4000

 

 

「ようやくこれが言えるぜ。俺のターンだ、ドロー!」

 

 テイアの攻撃をさばいて、和輝は俄然勢いづいた。逆にサラは今までの余裕が剥がれてきて、年相応の不機嫌さが顔をのぞかせていた。

 和輝はサラの顔をまっすぐ見据えて、言った。

 

「君は、俺の次を考えて、これ以上時間をかけられないと言ったな。それは俺も同じだ。まだ、戦わなければならない相手がいる。だから――――()()()()()()()()()

 ハーピィの羽根帚発動。君の伏せカード二枚を破壊する」

 

 どこからともなく現れた羽箒が、サラが伏せた二枚のカードを掃き散らしていく。これで、少なくとも伏せカードの妨害を警戒する必要はなくなった。

 

「闇の量産工場を発動し、墓地のブラック・マジシャンとガード・オブ・フレムベルを手札に戻す。そして闇の誘惑発動。二枚ドローし、手札のブラックマジシャンを除外する。

 死者蘇生を発動し、墓地のブラック・マジシャン・ガールを特殊召喚し、ガード・オブ・フレムベルを召喚する。行くぞ――――」

 

 和輝の右腕が、力強く天に向かって掲げられた。

 

「レベル6のブラック・マジシャン・ガールに、レベル1のガード・オブ・フレムベルをチューニング!」

 

 和輝のフィールド、一つの緑色の光の輪となったガード・オブ・フレムベル。その輪を潜ったブラック・マジシャン・ガールの姿が、六つの光の玉となる。光星を、一筋の光の道が貫いた。

 

「集いし七星(しちせい)が、月華に花咲く十六夜薔薇を紡ぎだす! 光さす道となれ! シンクロ召喚、開花せよ、月華竜ブラック・ローズ!」

 

 光が辺りを満たし、その(とばり)の向こうから、大輪の薔薇を思わせるドラゴンが現れる。

 黒い体躯に赤い大きな薔薇が咲いたドラゴン。その姿はブラック・ローズ・ドラゴンに酷似している。違う点は、オリジナルにはないラインが走っていることか。

 

(シンクロ)召喚に成功したため、ブラック・ローズの効果発動! ヘルレイカーを手札に戻す!」

 

 ブラック・ローズが真紅の翼を羽ばたかせる。薔薇の花びら交じりの烈風がヘルレイカーを捉える。

 

「なら、ヘルレイカーの効果発動! 手札の彼岸モンスター一体を墓地に送り、相手モンスター一体の攻守を墓地に送った彼岸モンスターの攻守分ダウンさせる! あたしは彼岸の悪鬼 アリキーノを墓地に送り、ブラック・ローズの攻撃力を1200ダウンさせる!」

 

 アリキーノの守備力は0なので、ブラック・ローズの守備力は変動しない。だが、ここでブラック・ローズの攻撃力が下がるのは、和輝の戦術的に影響が出る。

 だから和輝は動いた。

 

「そうはさせない。墓地のスキル・プリズナーの効果発動! このカードを除外し、ブラック・ローズへのモンスター効果を無効にする!」

「スキル・プリズナー!? いつの間に墓地に……」

「さっきのターン、彼岸の巡礼者 ダンテの効果でハンデスされた一枚だ。運が悪かったな」

 

 にやりと笑う和輝。ぐっと息を飲むサラ。そんな彼女に見せつけるように、ブラック・ローズの烈風がヘルレイカーをサラの手札に戻した。

 

「これが、俺の勝利の鍵だ! ティマイオスの眼発動! 俺の場にいるブラック・マジシャンを素材に融合召喚を行う!

 黒の魔導師は伝説をその身に宿し、竜の力を手に入れる。 新たな進化よ、いまここに! 融合召喚、現れろ、呪符竜(アミュレット・ドラゴン)!」

 

 現れる巨大な影。それは金色の魔道文字が全身に浮かび上がる緑のドラゴンと、その背に佇むブラック・マジシャン。

 

「呪符竜の効果発動! 君の墓地から闇の誘惑、希望の宝札、善悪の彼岸、儀式の下準備を、俺の墓地からイリュージョン・マジック、黒魔術のヴェール、融合、ハーピィの羽箒、黒の魔導陣、死者蘇生、非常食を除外し、攻撃力を1100アップ!」

 

 これで呪符竜の攻撃力は4000、テイアと同等だ。

 そしてこの時点で、サラは和輝の考えを読み取った。それに抗う術が、自分にないことも。

 

「バトルだ! 呪符竜でテイアに攻撃!」

 

 攻撃宣言が下り、ブラック・マジシャンの杖が振るわれる。その指揮に従って、ドラゴンが(アギト)を開き、金色の息吹(ブレス)を放つ。

 テイアもまた、対抗するように虹色の双眸からやはり虹色の煌めく光を放った。

 息吹とレーザーが激突、互いを飲み込み、貫き、突き進んでいく。

 最終的に虹色の光撃が呪符竜を貫き、黄金の息吹がテイアを飲み込んだ。

 壮絶な引き分け。だがこれこそが和輝の狙い。なにしろ、呪符竜はさらに攻撃力を上げられたのに、テイアの攻撃力と同等の数値で止めたのだ。

 

「呪符竜の効果発動! 墓地のブラック・マジシャンズを特殊召喚する!」

 

 後続として現れる魔術師の師弟。追撃の手が現れたことで、サラの対抗手段は消滅した、

 

「これで終わりだ。ブラック・ローズ、ブラック・マジシャンズでダイレクトアタック!」

 

 ブラック・ローズの羽ばたきが赤混じりの烈風と化し、サラに叩きつけられる。躱すことができず。小さな体が吹き飛ばされる。

 

「きゃあああああ!」

 

 風に煽られ、飛ばされ、何とか受け身を取ったものの、彼女の身体は仰向けで地面に倒れこんだ。

 その、無防備な宝珠に向けて、ブラック・マジシャンの二つの杖の先端が突き付けられた。

 

「あ……」

 

 終わりだ。躱す術も、防ぐ術もない。

 ゲームオーバー。その事実は、思ったよりもすんなりとサラの心に受け入れられた。

 

「……やっぱり強いね、センパイ」

「君も強かった。次やっても勝てるかは分からないな」

 

 称賛の言葉。嘘でも嬉しいなと、そう思った。

 

「……ねぇセンパイ。あたし来年には十二星高校に入学するから。その時はまたデュエルしてよ。次は、神々とか、なんも関係なしに」

「勿論だ。余計なしがらみ抜きで、楽しいデュエルをしよう」

 

 にこりと、サラが笑った。

 

「それは楽しみだね」

 

 そして最後に、魔術師の師弟による一撃が、サラのライフを奪い、彼女の宝珠を砕いた。

 

 

ハーピィの羽根帚:通常魔法

(1):相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

闇の量産工場:通常魔法

(1):自分の墓地の通常モンスター2体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

闇の誘惑:通常魔法

(1):自分はデッキから2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスター1体を除外する。手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地へ送る。

 

死者蘇生:通常魔法

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

ガード・オブ・フレムベル 炎属性 ☆1 ドラゴン族:チューナー

ATK100 DEF2000

 

月華竜 ブラック・ローズ 光属性 ☆7 ドラゴン族:シンクロ

ATK2400 DEF1800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが特殊召喚に成功した時、または相手フィールド上にレベル5以上のモンスターが特殊召喚された時に発動する。相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す。「月華竜 ブラック・ローズ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

スキル・プリズナー:通常罠

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。また、墓地のこのカードをゲームから除外し、自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

ティマイオスの眼:通常魔法

このカード名はルール上「伝説の竜 ティマイオス」としても扱う。このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。(1):自分フィールドの「ブラック・マジシャン」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを融合素材として墓地へ送り、そのカード名が融合素材として記されている融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

 

呪符竜 闇属性 ☆8 ドラゴン族:融合

ATK2900 DEF2500

「ブラック・マジシャン」+ドラゴン族モンスター

このカードは上記カードを融合素材にした融合召喚または「ティマイオスの眼」の効果でのみ特殊召喚できる。(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、自分・相手の墓地の魔法カードを任意の数だけ対象として発動する。そのカードを除外し、このカードの攻撃力はその除外したカードの数×100アップする。(2):このカードが破壊された場合、自分の墓地の魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。その魔法使い族モンスターを特殊召喚する。

 

 

サラLP5000→2600→0

 

 

 サラの姿が消えていく。契約した神を失い、この、神々の戦争のバトルフィールドから退場したのだ。

 和輝はさっきまでサラのいた場所を一瞬だけ見つめて、次の戦場を目指して駆けだした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。